不動産売却で便利な一括査定サービス、4つのメリットと3つの注意点

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家族構成の変化による賃貸住宅への住み替えや不動産の買い替え、相続によって取得した不動産の売却を検討している方も多いと思います。特に不動産の売却によって得られたお金を次の不動産の購入資金に充てることを予定している場合には、少しでも高く・少しでも早く売却できるのが一番です。そこで登場するのが「不動産一括査定」サービスです。

今回は、不動産売却時に一括査定サービスを使うメリットと注意点を解説します。

目次

  1. 不動産一括査定サービスとは
  2. 不動産一括査定サービスを使う4つのメリット
    2-1.無料でサービスを利用できる
    2-2.不動産会社探しの手間を省ける
    2-3.複数の査定を効率良く受けられる
    2-4.悪質な不動産会社を避けやすい
  3. 不動産一括査定サービスを使う3つの注意点
    3-1.不動産査定額は実際の売却価格ではない
    3-2.複数の不動産会社から営業の連絡がある
    3-3.悪徳な不動産会社を完全に排除できているわけではない
  4. まとめ

1 不動産一括査定サービスとは

不動産一括査定サービスとは、Webサイト上で売却予定の不動産情報を一度入力するだけで、複数の不動産会社の価格査定を一括で受けられるサービスのことです。一括査定サービスを利用する際には、難しい手続きが必要になるということはありません。

各一括査定サービスによって手順は多少異なりますが、基本的には売却予定の不動産情報と自身の連絡先を入力し、査定を依頼する不動産会社を選び、不動産会社からの連絡を待つ、というのが一括査定の一連の流れです。

代表的な不動産一括査定サービスとして、すまいValue、LIFULL HOME’Sの不動産売却査定サービス、HOME4Uなどが挙げられます。

すまいValueは、住友不動産販売、東急リバブル、野村不動産ソリューションズ、三菱地所の住まいリレー(三菱地所ハウスネット)、小田急不動産の大手6社が合同で立ち上げた、Web上で一括査定を行っているサービスです。6社合計の店舗数は841店舗ですが、地方には店舗がほとんどないため、地方には弱く首都圏に強いのが特徴です。

LIFULL HOME’Sの不動産売却査定サービスは不動産の賃貸、売却情報などを幅広く手掛ける不動産ポータルサイトです。登録している不動産会社の数は1,782社もあり、首都圏だけでなく地方にも強いのが特徴です。このLIFULL HOME’Sと提携している不動産会社に一括査定を依頼できるサービスが提供されています。

HOME4UはNTTデータグループ運営の一括査定サービスで、個人情報保護に特化しているので安心して利用できます。また、1,300社と提携しているため、LIFULL HOME’Sと同様、首都圏だけでなく地方にも強いのが特徴です。

このように、サービスごとに特徴が異なるため、自分に合った一括査定サービスをしっかり選ぶことが重要と言えるでしょう。

2 不動産一括査定サービスを使う4つのメリット

不動産を売却するにあたって一括査定サービスを使うことにはどんなメリットがあるのでしょうか?一括査定サービスを使うメリットは以下の4つです。

  • 無料でサービスを利用できる
  • 不動産会社探しの手間を省ける
  • 複数の査定を効率良く受けられる
  • 悪質な不動産会社を避けられる

それぞれのメリットについて見ていきましょう。

2-1 無料でサービスを利用できる

不動産一括サービスを利用する際に、利用料や登録料などの費用がかかるか気になっている方も多いと思いますが、基本的に売主は無料で利用することができます。なぜ無料で利用できるかというと、不動産一括査定サービスを提供している会社は、登録している不動産会社から紹介料や掲載料などをもらいながらサービスを運営しているためです。

複数の不動産会社に一度に査定依頼できるという便利なサービスを無料で利用できるのは、大きなメリットと言えるでしょう。

2-2 不動産会社探しの手間を省ける

所有している不動産を売却する際は、いくらで売れるか査定してもらう、または売却を仲介してもらうために不動産会社を探さなくてはならないので手間がかかります。しかし、一括査定サービスではこれらの手間を省くことが可能です。

一括査定サービスであれば、自分で不動産会社を探す必要はなく、複数の不動産会社に同じ説明をせずに済みます。時間と手間がかかりやすい不動産売却をスムーズに進められるでしょう。

2-3 複数の査定を効率良く受けられる

査定結果は査定を行う不動産会社ごとにそれぞれ異なるため、複数の不動産会社に査定を依頼するのがセオリーですが、1社ずつ査定を依頼していては時間と手間がかかります。しかし、一括査定サービスでは、一度物件情報を入力するだけで複数の不動産会社からの査定を受けることが可能です。

複数の不動産会社からの査定を効率良く受けられることによって、正確かつ高い査定を出す不動産会社に出会いやすくなるため、自分の理想に近い価格で不動産を売却しやすくなるでしょう。

2-4 悪質な不動産会社を避けやすい

不動産一括査定サービスを提供している会社は、サービスに登録する不動産会社を厳選しているため、不動産一括査定サービスを利用すれば、ある程度悪質な不動産会社を避けることが可能です。例えば不動産会社の中には、自分に有利になるように、自社で抱えている顧客のみから購入希望者を探す「囲い込み」を行うところもあります。

囲い込みをすることで不動産会社は仲介手数料を増やせる一方、売主は売買に時間がかかる、買い手が見つかるチャンスを失うというデメリットを被ります。また、仲介の依頼を受けるために、無理矢理高い査定を提示しておきながら、買い手が現れないことを理由に後で売却価格を引き下げる悪質な不動産会社の例もあります。

不動産一括査定サービスに登録している不動産会社は、違反行為をすればサービスから外されることを理解しているため、そのようなリスクを負ってまでは違反行為をしないと考えられます。そのため、利用者は悪質な不動産会社を恐れることなく、安心してサービスを利用できるでしょう。

3 不動産一括査定サービスを使う3つの注意点

不動産売却に一括査定サービスを使うことにはいくつかメリットがありましたが、反対に一括査定サービスを使うデメリットは以下の3つです。

  • 査定額は売却価格ではない
  • 複数の不動産会社から営業の連絡がある
  • 悪質な不動産会社を完全に排除できているわけではない

それぞれのデメリットについて見ていきましょう。

3-1 不動産査定額は実際の売却価格ではない

一括査定サービスでは、複数の不動産会社から売却予定の不動産がいくらで売却できるかという査定結果を得ることができます。しかし、この査定結果は、これまでの不動産会社の売却実績や実際に売却予定の不動産を見て付けた、「このくらいの価格であれば買い手がつくだろう」という参考価格です。売却価格とイコールになるわけではありません。

他の不動産会社よりも高い査定額を提示している不動産会社を選んだとしても、必ずしもその査定額通りに売却できるとは限らないので注意が必要です。査定額を鵜呑みにせず、自分でも相場価格を調べるなどして納得のいく査定価格を提示した不動産会社を選ぶことが大切です。

3-2 複数の不動産会社から営業の連絡がある

一括査定サービスを利用すれば、複数の不動産会社からの査定を受けられますが、これにはメリットとデメリットの両方があります。複数の査定結果を効率良く集められる一方、それだけ多くの電話やメールなど営業の連絡を受けなくてはなりません。営業トークが苦手な人にとっては、その連絡が負担になることも考えられるでしょう。

3-3 悪質な不動産会社を完全に排除できているわけではない

一括査定サービスを提供している会社は、不動産会社を登録する際に事前審査を行うのが一般的です。そのため、悪質な不動産会社をある程度は排除できているはずですが、必ずしも全てを排除できているわけではありません。

一括査定サービスの提携業者の中には、囲い込みを実施したり、無理矢理査定額を相場より引き上げて契約を取ろうとしたりする悪質な不動産会社が稀に潜んでいる可能性があります。

もちろん、そのような不動産会社は口コミや通報などで排除されることになりますが、自分が1人目に当たってしまう可能性もあるので、しっかり比較検討しながら不動産会社を見極めることが重要です。

4 まとめ

不動産を少しでも高く・早く売却するには、査定結果が正確で納得でき、かつ営業力の高い不動産会社に売却を依頼することが重要です。しかし、世間には多くの不動産会社があるため、どの不動産会社に依頼すればいいか分からないとか、複数の不動産会社に依頼するには時間と手間がかかるので困っているという方も多いと思います。そこで登場するのが一括査定サービスです。

一括査定サービスは無料で利用できるほか、不動産会社探しの手間を省ける・複数の査定を効率良く受けられるなどのメリットがあります。一方、複数の不動産会社から営業の連絡があるなどのデメリットもあります。

一括査定サービスは、不動産売却時には利用することをおすすめできるサービスと言えますが、メリットやデメリット、また一括査定サービスを提供している会社の特徴もよく理解してから、自分に合う一括査定サービスを選びましょう。

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矢野翔一

関西学院大学法学部法律学科卒。宅地建物取引士、管理業務主任者、2級FP技能士(AFP)などの保有資格を活かしながら、有限会社アローフィールド代表取締役社長として学習塾、不動産投資を行う。HEDGE GUIDEでは不動産投資記事を主に担当しています。専門用語や法律が多く難しいジャンルですが分かりやすくお伝えしていきます。