不動産投資ローンの提携金融機関が多い不動産会社は?7社を比較

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不動産投資会社を選ぶ際は、提携している金融機関や提携金融機関数について確認することについても重要なポイントになってきます。

提携金融機関によって融資条件が異なっていたり、融資審査の方法や設定される金利、返済期間などに違いが出てくるためです。

そこで今回のコラムでは、7社の不動産投資会社について、提携ローンを取り扱っている金融機関の数を比較しながら紹介していきます。

目次

  1. 不動産投資で融資を利用するメリット
    1-1.自己資金以上の物件を購入できる
    1-2.家賃収入でローンの返済ができる
    1-3.投資効率を上げることができる
  2. 不動産投資で融資を利用するデメリット
    2-1.支払い総額が増える
    2-2.物件に抵当権が設定される
  3. 不動産投資会社の提携金融機関数による比較
    3-1.インヴァランス
    3-2.FJネクスト
    3-3.プロパティエージェント
    3-4.グローバル・リンク・マネジメント
    3-5.湘建
    3-6.トーシンパートナーズ
    3-7.エイマックス(A-MAX)
  4. まとめ

1 不動産投資で融資を利用するメリット

不動産投資の大きな特徴の一つに、運用する不動産を担保として金融機関の融資を活用できるという点があります。不動産投資で融資利用するメリットについて、代表的な3つを紹介していきます。

1-1 自己資金以上の物件を購入できる

不動産投資に用いる賃貸用物件は、一部の築古物件を除いて数千万円から数億円規模の資金が必要になります。

不動産投資ローンを活用することで、手持ちの資金が少ない場合でも、金融機関からの融資を活用することで購入できる可能性があります。これが大きなメリットです。

なお、株式投資の信用取引や外国通貨のFXのように、レバレッジ効果を狙った自己資金以上の運用を行う方法は様々ありますが、株式や通貨は日々の値動きの激しいボラティリティの大きい投資対象です。値動きの大きさから運用途中でロスカットされてしまうリスクが高く、レバレッジをかけたまま長期的に保有することが難しいというデメリットがあります。

一方、不動産はこれらの金融商品とは異なり日々の値動きが比較的に緩やかであるため、レバレッジを活用しながら長期運用がしやすいというメリットがあります。

1-2 家賃収入でローンの返済ができる

例えば、自動車やマイホームなど高額な商品を購入する際に、ローンを活用することもあります。このようなローンの活用と不動産投資ローンが大きく違う点は、ローンは購入した不動産の賃料収入を主な原資として返済していくことです。

不動産投資ローンは、不動産を長期的に運用することで徐々に返済されていき、純資産を積み上げていくことができます。また、不動産収入を主な返済原資とできることから、返済比率(返済額と収入の割合)の悪化を防ぎつつ、長期的に資産形成ができる点もメリットと言えるでしょう。

1-3 投資効率を上げることができる

不動産投資ローンを活用することで、自己資金が貯まる前に物件を購入することができます。数千万円規模の資金を貯蓄する前に運用を開始できるため、投資効率を高め、資産形成のスピードを上げることが可能です。

また、物件の購入タイミングを任意に行いやすいこともメリットと言えるでしょう。自己資金が少ない状態でも、物件の担保性や収益性を加味しながら適切なタイミングで購入検討できるため、将来のニーズが見込める物件について幅広く選択肢に加えることができます。

2 不動産投資で融資を利用するデメリット

金融機関から融資を獲得するメリットを紹介しましたが、この項目では反対にデメリットについて紹介していきます。

2-1 支払い総額が増える

融資を借りた場合は、不動産投資ローンに限らず利息が発生します。そのため現金で一括購入する場合に比べて、金利負担分について支払い総額が大きくなってしまいます。

例えば、5,000万円の物件を、自己資金1,000万円と金融機関からの融資4,000万円で購入した場合について検証してみましょう。

このときの金利が2%、返済機関が20年だった場合の返済総額は48,564,800円となります。つまり現金で購入するケースよりも、850万円以上も多く支払うことになります。

設定される金利や融資年数は金融機関ごとに異なります。このような背景があることからも、不動産投資会社の提携金融機関が多いほど、融資条件の比較がしやすく、選択肢を増やすことに繋がってきます。

2-2 物件に抵当権が設定される

金融機関から融資を受ける際は、物件に抵当権が設定されます。抵当権とは、民法第369条で定められた不動産を担保にする権利、担保物権のことです。

抵当権が設定されることで、不動産投資ローンの返済が滞った場合は対象物件の差し押さえや売却により、強制的に返済に充当する権利を金融機関が持っていることになります。

ローンを返済すれば抵当権による強制執行が実行されることはありません。しかし、ローンを完済するまでの期間は、返済遅延などにより物件が差し押さえられるなどのリスクを背負うことになるのです。

また、賃貸用物件の所有権はオーナーにありますが、オーバーローン状態では売却が難しい、新たな融資を得にくい、といった制限もあります。物件の所有者でありながら、抵当権が設定されていることでこれらの制限を受けることになるのもデメリットと考えられます。

3 不動産投資会社の提携金融機関数による比較

不動産投資ローンを活用するであれば、不動産投資会社を選ぶ際に、提携金融機関を比較検討することも重要です。

個人で物件情報を持ち込み独自に融資審査を受けることも可能ですが、提携金融機関や取引実績が豊富な不動産投資会社からの紹介を受けることで、融資が通りやすくなったり、良い条件で融資を受けやすくなる可能性があるためです。

また金利や返済期間などの条件が良くなると、月々のローン返済額が低く抑えられるためキャッシュフローが良化します。キャッシュフローを改善することで、資金的に余裕を持った賃貸用物件の経営につながってきます。

この項目では、不動産投資会社7社について提携金融機関を比較して紹介していきます。なお、提携金融機関を公表していない不動産会社については、取引先金融機関数となっています。

不動産投資会社 提携および取引先金融機関数
インヴァランス 13社(A)
FJネクスト 12社(A)
プロパティエージェント 10社(A)
グローバル・リンク・マネジメント 20行(A)(B)
湘建 15社(B)
トーシンパートナーズ 10社(B)
エイマックス(A-MAX) 5社(B)

※(A)としているのが提携金融機関で、(B)となっているのが取引先金融機関

3-1 インヴァランス

インヴァランスのマンション投資セミナーインヴァランスは、「CREVISTA」「LUXUDEAR」という投資用マンションブランドを持つ不動産投資会社です。これまでに100棟以上の物件を東京23区内で開発・販売しています。2019年上半期の「首都圏投資用マンション市場動向」(株式会社不動産経済研究所)では、第2位の供給実績です。

取引先の金融機関は22社あり、そのうち13社と提携した投資用ローンを用意しています。そのためオーナー一人ひとりに合わせ、無理のない投資プランを提供することができます。また物件の信頼性も高く評価されており、オーナーが用意する頭金は10万円からとなっています。

設立 2004年
代表取締役 小暮 学
入居率 99.79%(2020年1月時点)

3-2 FJネクスト

FJネクストの不動産投資セミナーFJネクストは、高品質なマンションブランド「ガーラ」シリーズを展開している不動産投資会社です。東京都内を中心に供給しており、2022年3月末時点のマンション供給実績は業界トップクラスの327棟です。2020年の「首都圏投資用マンション市場動向」(株式会社不動産経済研究所)では、供給実績第1位を獲得しています。

主要な取引銀行は7行で、12社との間で提携ローンを用意しています。有利な条件での融資獲得も期待でき、投資家の属性によってはフルローンによる購入の実績もあります。

設立 1980年
代表取締役 肥田 幸春
入居率 98.8%(2022年3月末時点)

3-3 プロパティエージェント

プロパティエージェントの不動産投資セミナープロパティエージェントは、創業以来、20期連続で増収増益を達成している東証プライム上場グループの不動産投資会社です。東京23区と横浜市エリアでマンションの開発・販売を手掛けており、新築マンションと中古マンションの両方を取り扱っています。

取引のある銀行は26行で、提携している金融機関は10社となっています。物件の担保能力の高さから、フルローンでの融資実績も豊富です。

設立 2004年
代表取締役 中西 聖
入居率 99.59%(2024年1月時点)

3-4 グローバル・リンク・マネジメント

グローバル・リンク・マネジメントの不動産投資セミナーグローバル・リンク・マネジメントは、デザイナーズマンションブランド「アルテシモ」を供給している不動産投資会社です。「都心からチカイ(近い)」 + 「駅からチカイ(近い)」 + 「高いチカ(地価)」という3つの〝チカ〟をコンセプトに、東京23区、川崎市などを中心に事業展開をしています。サステナブルな不動産開発にも注力し、新築物件については「ZEH-M Oriented」や「BELS」4つ星以上などの基準に則って供給していく予定です。

積み上げてきた信頼関係によって、取引および提携金融機関は業界トップクラスの20社(2020年実績)です。そのため、属性の状況に合わせて一番金利が低い最適な金融機関を提案することが可能です。融資手続きは専門部署である契約管理課が担当しているのも特徴で、手厚いサポートが期待できます。

設立 2005年
代表取締役 金 大仲
入居率 98.29%(2021年12月時点)

3-5 湘建

湘建湘建は、東京都と横浜市エリアで投資用マンションの販売を手掛けている不動産投資会社です。最寄り駅から徒歩8分以内のワンルームマンションにこだわっており、新築物件と中古物件のどちらも取り扱っています。

取引している金融機関は15社あり、提携金融機関も複数用意しています。優遇金利は1%台前半から利用できる可能性があります。金融機関からの評価の高さにより、オーナーの85%が頭金10万円以内でスタートしているのも特徴です。

設立 2009年
代表取締役 松尾 健太郎
入居率 99.7%(2020年11月末時点)

3-6 トーシンパートナーズ

トーシンパートナーズの不動産投資トーシンパートナーズは、「フェニックス」と「ZOOM」という2種類のブランドマンションを手掛けている不動産投資会社です。特に「ZOOM」シリーズは、8年連続11物件でグッドデザイン賞を受賞した実績があります。

事業エリアは東京都心部・横浜市・川崎市で、「SAFETY(安全で、安心する)」、「SENSE(センスが刺激される)」、「PRACTICAL(実用的で使いやすい)」の3つの価値を追求して開発しています。

取引先の金融機関は10社となっており、提携金融機関の場合、35年ローンで変動金利1.640%の実績があります。30年以上の実績とノウハウをもとに、年収や資産状況、年齢などによって適したローンの組み方や投資額のアドバイスも行っています。

設立 1989年2月18日
代表取締役社長 千代谷 直之
入居率 99.1%(2016年~2020年までの5年間の平均値)

3-7 エイマックス(A-MAX)

A-MAX(エイマックス)エイマックス(A-MAX)は、日本でトップの不動産販売実績(※)を有する天田浩平氏が代表を務める不動産投資会社です。東京23区で投資用マンションの仕入れ・販売を手掛けており、オーナーのリピート率は74%、紹介率が39%(いずれも2020年10月集計)と顧客満足度の高さも強みです。その秘密は、物件の選定方法にあります。毎月2,000件以上の表に出ない物件情報の中から立地条件や資産価値、建物管理の状況などで厳選し、数十件のみを顧客に紹介しています。(※投資用マンション部門 天田代表の個人取引実績 年間最高売上高83.9億円)

取引のある金融機関は5社で、提携金融機関であれば金利1.6%〜で融資を受けることができます。また繰り上げ返済手数料が無料なのも特徴で、優遇金利に加えて諸費用の減額によりコスト削減が可能です。

設立 2020年
代表取締役 天田 浩平
入居率 99.2%(2022年2月時点)

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まとめ

金融機関からの融資を活用して不動産投資を始めるのであれば、不動産投資会社の提携金融機関も確認することが大切です。不動産投資会社の提供物件や過去の取引実績について金融機関の評価が高いと、優遇金利や返済期間の優遇といった条件で融資を得られることがあります。

今回のコラムでは、7社の不動産投資会社について提携および取引金融機関の数を比較しました。不動産投資会社選びの際は、このようなポイントも確認しながら検討されてみるのも良いでしょう。

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倉岡 明広

経済学部経済学科卒業後、出版社や編集プロダクション勤務などを経てフリーライターとして独立。雑誌や新聞、インターネットを中心に記事を執筆しています。初心者が抱く不動産投資の疑問や質問を解決できるよう丁寧な記事を執筆していきます。