海外不動産投資の始め方は?投資目的の設定から投資対象国の選び方まで解説

近年では日本人は様々な国で不動産投資を検討できます。海外不動産投資が浸透している一方で、海外不動産投資が自分に合った投資なのかわからない、どんな国に投資するのがいいのかわからないと感じる人も多いのではないでしょうか。

海外不動産投資を始めるにあたっては、狙いとする利益について優先順位をつけるとともに、最優先とする利益を狙える国がどこなのか見極めることが重要です。

本記事では海外不動産投資を始めるための手順や、投資目的の考え方などについて解説します。海外不動産投資を検討している方や興味のある方はご参考下さい。

目次

  1. 海外不動産投資を始める手順
    1-1.海外不動産投資をする目的の設定
    1-2.情報収集して投資先の国を決める
    1-3.不動産会社を決める
    1-4.投資物件を選ぶ
  2. 海外不動産投資で設定できる主な投資目的
    2-1.インカムゲイン
    2-2.キャピタルゲイン
    2-3.将来的な海外移住
  3. 日本人が不動産投資できる先進国の特徴
    3-1.アメリカ
  4. 海外不動産投資が可能な新興国の特徴
    4-1.フィリピン
    4-2.カンボジア
    4-3.マレーシア
  5. まとめ

1.海外不動産投資を始める手順

海外不動産投資では投資目的を明確にし、目的にあった国や物件に投資することが重要です。海外不動産投資を始める手順について解説します。

1-1.海外不動産投資をする目的の設定

海外不動産投資では複数の利益を狙えます。しかし、優先順位をつけずに様々な利益を狙いにいくと、投資先の国や物件を選ぶときに迷いやすいので要注意です。適切な判断を下すためには、どの利益を最優先とするのか、優先順位を明確にすることが重要になります。

また、海外不動産投資では国によって状況や規制などが異なるため、狙える利益や注意点も国によって異なります。海外不動産投資を始める手順としては、投資目的を決めてから国を選ぶことを検討してみると良いでしょう。

1-2.情報収集して投資先の国を決める

投資目的を明確にしたら、情報収集して国を比較します。国を比較する上で確認するポイントは以下の通りです。

  • GDP成長率
  • 人口と人口増加率
  • 外国人投資家に対する規制の内容
  • 不動産価格または不動産価格指数の動向

国ごとにGDP成長率や人口を比較するためには、IMFや国際連合などのwebサイトが役立ちます。そのほか、不動産価格や不動産価格指数は、各国政府または各国中央銀行などのウェブサイトで確認可能です。

海外のウェブサイトの多くは英語で構成されています。外国語が得意でない方は、ブラウザの翻訳機能などを利用しながら統計を分析してみましょう。

1-3.不動産会社を決める

情報収集の方法としては、海外不動産投資を扱う不動産会社のセミナーに参加するのも有効です。また、セミナーの内容やセミナー講師の雰囲気などは、不動産会社を見極める材料になります。

参加するセミナーに関しては、セミナーで取り上げる国に進出済みの不動産会社が開催するものを選ぶことが重要です。現地進出済みの不動産会社が開催するセミナーでは、投資家がインターネット上で収集できない情報を得られることもあります。

1-4.投資物件を選ぶ

不動産会社を絞り込んだら、物件情報をもらって物件を絞り込みます。物件を判断するにあたっては、物件価格は相場価格と乖離していないか、入居者としてどんな人を想定しているかなど確認することが重要です。

海外不動産投資では外国人駐在員を入居者として想定している物件もあります。この場合、物件の周辺エリアにはどの国の人が多いのか、外国人駐在員に好まれるのはどんな物件なのか、不動産会社に確認してみましょう。

入居者のターゲットが明確になっている物件は入居需要の調査を入念に行っていることも多く、空室率の低い投資を期待できます。

2.海外不動産投資で設定できる主な投資目的

インカムゲインやキャピタルゲインが投資目的となる点は、海外不動産投資も国内不動産投資も変わりありません。しかし、高い人口増加率や強い住宅需要を背景として、海外不動産投資には国内不動産投資とは違った魅力があります。

2-1.インカムゲイン

日本国内の不動産投資では、人口減少による住宅需要の縮小が予測されます。しかし、人口が増加している国で不動産投資をすれば、豊富な賃貸需要を期待できます。

ただし、人口増加によって賃貸需要が増えると住宅の供給数も増加する傾向にあります。想定よりも人口が伸びずに住宅の供給過多となり、物件価格が下落に向かう可能性もあるため、海外不動産投資においてもエリアごとに将来性を比較し、慎重な検討が重要となります。

2-2.キャピタルゲイン

日本の不動産市場では、築年数の経過とともに不動産の価格は下がっていきます。しかし、人口増加によって住宅需要が拡大していく海外では、年数の経過とともに経済が発展することによって、不動産の値上がりを期待できる可能性が比較的に高いと言えます。

人口の増加状況を正確に比較するためには、各国の統計を確認することが重要です。また不動産価格には各国の金利の推移や経済状況によっても変動するため、投資を検討する国の経済ニュースなどを確認してみましょう。

2-3.将来的な海外移住

海外不動産投資は将来的な海外移住を見据えた投資としても有効です。日本から海外不動産投資が可能な国の中には、外国人向けに長期滞在ビザを発行しているところもあります。例えばフィリピンなどは、海外移住先として注目する方も少なくありません。

税改正によって減価償却費の計上は不可能

税制改正によって、2021年の確定申告から海外不動産投資による減価償却費の計上はできなくなりました。

なお、通常の賃貸運用に関する経費計上は引き続き可能です。しかし、個人投資家の減価償却費の計上ができなくなることで、海外不動産投資による税対策の効果は縮小することに要注意です。

【関連記事】海外不動産投資の節税対策規制、今後はどの国でどう投資すべき?

3.日本人が不動産投資できる先進国の特徴

日本人が海外不動産投資をできる国について、先進国と新興国とに分けて特徴を解説します。

3-1.アメリカ

アメリカ不動産投資のメリットは、新興国の不動産投資と比較すると、複数のリスクを排除できることです。

例えば、政情不安定な国では、政権交代によって外国人投資家に対する規制が突然変更されることもあります。アメリカでは4年ごとに大統領選挙が行われますが、政情不安による急な政権交代などはあまり起こりません。

そのほか、経済規模が大きいことから、アメリカでは不動産価格の急落なども起こりにくいと言えます。経済規模が大きくない新興国では、先進国の経済動向の影響を受け、急激に景気が悪化するケースも少なくありません。

アメリカ不動産投資では、エリアによってインカムゲインとキャピタルゲインの両方を狙えます。しかし、投資するエリアを絞り込むのに手間がかかる点はアメリカ不動産投資のデメリットです。

アメリカでは州によって経済や不動産市場の状況が異なります。アメリカ国内でも複数の州を比較する必要があるため、情報収集に手間がかかる点には要注意です。

【関連記事】【7分で分かる】アメリカで不動産投資を始めるための10のステップ

4.海外不動産投資が可能な新興国の特徴

新興国の不動産投資では、先進国よりも高い経済成長率などを背景として、効率よく利益を狙えます。その一方で、不動産会社の見極めや外的要因の影響を受けやすい点などに要注意です。

4-1.フィリピン

フィリピン不動産投資のメリットは、インカムゲインとキャピタルゲインとをバランスよく狙えることです。フィリピンでは、2018年時点で人口が1億人を超えており、人口密度も日本より高くなっています。

フィリピン不動産投資では、コンドミニアムが主な投資対象です。コンドミニアム投資で入居率を上げるためには、人口密度が高いエリアの物件を選ぶことがポイントになります。人口密度が高いフィリピンでは、高い入居率を背景にしたインカムゲインを狙えます。

また、人口が増加中のフィリピンではキャピタルゲインを狙った投資も可能です。人口増加は住宅需要の向上につながります。

その一方で、不動産会社を見極める難易度が高い点は、フィリピン不動産投資のデメリットです。フィリピンには大手のデベロッパーが複数ありますが、客層によって会社が別れていることも少なくありません。

大手のグループ会社だからという理由で不動産会社を選ぶと、低所得者向けのクオリティが低い物件を勧められることもあります。複数の不動産会社へ問い合わせ、過去の実績や物件の特徴を比較してみましょう。

【関連記事】フィリピン不動産投資、日本人が所有できる物件の種類や特徴は?

4-2.カンボジア

カンボジア不動産投資のメリットは、経済発展によるキャピタルゲインを狙えることです。IMFの統計によると、カンボジアの2025年予測GDP成長率は6.9%になっています。(※IMF「CAMBODIA」を参照)

2021年の予測GDP成長率も6.8%なので、カンボジアは高い水準で経済成長の傾向にあると言えます。なお、比較対象として先進国の2025年予測GDP成長率を見ると、日本は0.6%でアメリカは1.8%です。

その一方で、入居者付けが外的な要因に影響される点は、カンボジア不動産投資のデメリットと言えます。カンボジアの投資用不動産は、現地人による実需の不動産よりも高額であるためです。

日本人がカンボジア不動産投資を行うコンドミニアムは、外国人か現地の富裕層が入居者ターゲットになります。今後、外国人は海外経済の動向やコロナの感染拡大状況などによって帰国してしまう懸念もあるため、賃貸需要の動向や入居率の推移なども確認してみましょう。

【関連記事】カンボジア不動産投資のリスクは?法整備の状況や不動産会社の選び方も

4-3.マレーシア

マレーシア不動産投資のメリットは、新興国の中でも経済発展が進んでおり、比較的リスクを抑えて投資できることです。

経済発展によってマレーシア国内のデベロッパーも増えているため、他の新興国と比較すると、不動産会社を見極めやすい環境が整っています。ただし、マレーシアには中国系など海外のデベロッパーも多いため、物件選びにあたってデベロッパーの背景を確認することは重要です。

その一方で、外国人投資家に対して物件の最低購入価格に関する規制がある点が、マレーシア不動産投資のデメリットです。外国人投資家は、価格RM1,000,000(=2,700万円:RM1=27円換算)以上の物件しか購入できません。(※国土交通省「海外建設・不動産市場データベース>マレーシア」を参照)

家賃収入に対し物件価格が高いと利回りは下がり、キャッシュフローが悪化します。マレーシアの不動産に投資する場合は、収支シミュレーションを入念にしておくことが重要です。

【関連記事】マレーシア不動産投資を徹底解説!利回りやリスク、おすすめ投資法は?

まとめ

海外不動産投資を成功させるためのポイントは、正確な情報収集と投資目的の明確化です。情報を収集するためには、不動産会社が開催するセミナーに参加するほか、対象国の公的機関のウェブサイトで情報検索することも有効です。

また、先進国には規制の変更などのリスクが低い一方で、エリアによっては物件価格が高騰し、利回りも低いケースがあります。一方、新興国は投資効率が高い一方で、不動産会社や規制に関するリスクが高い特徴があります。

このように、海外不動産投資は投資対象の国によって状況や規制内容などが異なります。まずは自身の投資目的を設定し、リスクとリターンのバランスを比較しながら対象国を選ぶことが必要です。

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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム

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