海外不動産投資、コロナ禍での注意点やリスクは?初心者向けに解説

2021年5月現在、コロナウイルス感染症の拡大が長期化しており、2021年も先行き不透明な状況が続いています。ワクチン接種の進捗や感染者数の推移には、国によって大きな違いも見られています。

また、コロナウイルスは海外不動産投資にも影響を与えていますが、影響の現れ方も国によって異なります。国ごとのコロナの影響や、コロナ禍での海外不動産投資で要注意のポイントなどについて解説します。

※本記事は2021年5月時点の情報をもとに執筆されています。最新情報はご自身にてご確認頂きますようお願い致します。

目次

  1. コロナ禍における海外不動産価格の推移と変動要因
    1-1.先進国では金利が住宅価格に大きく影響している
    1-2.新興国では投機的な値動きも
  2. コロナ禍での海外不動産選びにおける注意点
    2-1.アメリカでは入札競争になることも
    2-2.プレビルドの物件では竣工リスクに要注意
    2-3.信頼できる不動産エージェントを選ぶことがより重要に
  3. コロナ禍における海外不動産投資で物件管理・運営の注意点
  4. まとめ

1.コロナ禍における海外不動産価格の推移と変動要因

コロナは世界経済に影響を与えていますが、不動産市場の状況については国によって大きな違いがあります。先進国と新興国とでは値動きのリスクが異なる点に要注意です。

1-1.先進国では金利が住宅価格に大きく影響している

先進国と新興国とで分けてコロナの影響を確認すると、例えば日本では2020年は住宅価格にほとんど値動きがありませんでした。また、経済の状況は悪化しているにも関わらず、アメリカでは住宅価格の上昇率が過去最高レベルに達しています。(※参照:アメリカの不動産ポータルサイトRedfin

コロナは世界経済に悪影響をもたらしているにも関わらず、日本やアメリカで住宅価格にマイナスの影響が出ていないのは低金利が主な原因です。日本ではコロナ以前から低金利の状況が続いており、日銀はコロナ禍でも低金利政策を継続すると表明しています。

景気が悪化する中では金融機関がリスクヘッジのために金利を引き上げることもありますが、コロナ禍では経済が停滞する懸念から、金融緩和の措置が取られている傾向がありました。

また、アメリカでは政策金利が過去最低水準まで引き下げられた結果、住宅ローン金利も下がりました。低下した住宅ローン金利が住宅需要を喚起している一方で、外出自粛の影響によって新築住宅の供給数は低下しています。

結果的にアメリカの住宅市場では需給バランスが崩れて、住宅が値上がりした、ということが背景として考えられます。このように、不動産市場が成熟している先進国では特に、コロナ禍の経済動向に起因する低いローン金利が住宅価格に影響している状況です。

1-2.新興国では投機的な値動きも

新興国の住宅市場では、投機的な値動きも見受けられるに要注意です。例えばフィリピンでは、2020年はロックダウンなどがあった一方で、上半期には大幅に住宅価格が上昇しました。その一方で、第3四半期には住宅価格が急落しています。(※参照:Colliers International「Colliers Quarterly | Property Market Report | Q1 2021 | Philippines」)

フィリピンでこれらの投機的な値動きが起きたのは、外資向けの規制緩和が背景にあったとも考えられます。フィリピンでは2020年にREIT市場が外国人向けに開放されており、外資向けの規制緩和とコロナには主だった関連がないためです。

新興国では特に、物件価格の値下がりリスクを見極めるためには、国ごとの状況に関する情報収集が重要です。

2.コロナ禍での海外不動産選びにおける注意点

コロナ禍における海外不動産投資の物件選びでは、通常時と異なるポイントが複数あります。それぞれ詳しく解説していきます。

2-1.アメリカでは入札競争になることも

中古住宅の取引が入札制となっているアメリカでは特に、住宅の需給バランスが崩れていることから、物件情報が市場に出てからオファーが入るまでの期間が短くなっています。

また、2021年初頭の時点では1件の住宅に複数のオファーが入ることも常態化している状況です。アメリカ不動産を購入しようとすると、入札競争になる可能性も高くなっています。

入札競争になると、売主は金額や買主の状況によってオファーを選べるため、例えば日本人のローン利用者などは敬遠されることも考えられます。コロナ禍で希望のアメリカ不動産を購入するためには、粘り強くオファーを出すケースも考えられます。

2-2.プレビルドの物件では竣工リスクに要注意

その一方で新興国では、プレビルドの物件を購入する場合の竣工リスクに要注意です。ロックダウンの影響によって工事の遅れが発生する可能性や、建材の供給量低下によって建材価格の高騰が起こる可能性が懸念されます。

デベロッパーが工事費用を払えなくなった結果、工事が完全に中断されてしまう可能性も否定できません。プレビルドの物件で1度工事が中断されてしまうと、再開される可能性は極めて低くなります。

工事が再開しないと、物件の引き渡しを受けられず支払済の資金が返金されない可能性もあるので要注意です。新興国でプレビルドの物件を選ぶ場合は、不動産会社と物件について、これまで以上に慎重な見極めが必要になります。

2-3.信頼できる不動産エージェントを選ぶことがより重要に

海外不動産投資で物件を選ぶ上では、不動産エージェントや物件周辺の環境を見極められることから、現地視察はとても有効です。しかし、コロナ禍で海外渡航が規制されている中では、物件の現地視察ができないことも考えられます。

現地視察が制限される中で物件を選ぶためには、信頼できる不動産エージェントを選ぶことが従来以上に重要になります。例えば、交通利便性や生活利便性など物件周辺エリアの環境について、現地視察なしに事細かに情報収集するためには、不動産エージェントの協力が必要です。

周辺エリアの写真を撮影してもらう、地図には表出しない物件周辺の雰囲気を教えてもらうなどすることが、物件選びに関するリスクヘッジにつながります。

また、細かいフォローを依頼した時に、どこまで対応してもらえるかによって不動産エージェントを見極めることも検討してみると良いでしょう。

【関連記事】アメリカ不動産投資で大切なエージェント選びのポイントは?注意点も解説

3.コロナ禍における海外不動産投資で物件管理・運営の注意点

国民生活にコロナの影響が出ているのは日本だけではありません。投資対象国における生活様式の変化や経済状況についても詳しく確認しておく事が大切です。コロナ禍の海外不動産投資の管理・運営面において懸念される、主な注意点について考えてみましょう。

コロナ禍の海外不動産投資では、従来以上に空室リスクや家賃の滞納トラブルに注意を要します。2021年は各国で経済の回復が予測されていますが、観光業やサービス業など特定業種では、未だ再開の目途が立っていないことも少なくありません。

また、海外で収入の低下や失業に直面している人も少なくないと考えられます。経済状況の悪化は、不動産投資における入居者の募集や家賃の回収リスクに影響するため要注意です。

なお、賃料保証つきの物件を運用している場合でも、空室や家賃の滞納が発生する可能性はあります。不動産会社がオーナーに送金する保証賃料は、不動産会社が入居者から受け取る家賃を原資としているため、海外現地の不動産会社の運用状況によっては想定した収益が減少するおそれがあります。

空室や家賃回収のリスクに対応するためには、投資対象国の経済状況にも目を配り、現地の情報を詳しく教えてくれる管理会社とのコミュニケーションが重要です。また、資産を1点に集中させず、分散投資によるリスクヘッジも有効な対処法となります。

まとめ

コロナ禍における海外不動産投資では、ローン金利が大きく住宅価格に影響している国や、投機的な値動きをしている国など、国ごとに状況は大きく異なっています。

投資先のリスクを見極めるためには、国ごとの状況把握が通常時よりも重要です。また、物件やエリアの選定にあたっては、不動産エージェントの協力が不可欠になります。

海外不動産投資を検討する際はこのようなコロナ禍のリスクに注意し、通常よりも慎重な投資判断を検討することが大切になります。

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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム

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