海外コンドミニアム投資のメリット・デメリットは?おすすめの投資対象国も

※ このページには広告・PRが含まれています

日本の人口減少や経済の低迷が続く現在、日本国内の不動産市場に変わる投資先として海外のコンドミニアム投資が注目されています。

その一方で、海外コンドミニアム投資は言語の壁があることなどから、物件や不動産市場に関する情報収集の難易度が高く、そのメリットやデメリットがよくわからないという方も多いのではないでしょうか。

海外コンドミニアム投資におけるメリットの1つは、新興国の価格が安い物件を購入することで、投資効率を上げられることです。一方、デメリットは、物件の購入にあたって、資金調達の難易度が高いことなどが挙げられます。

この記事では、海外コンドミニアム投資のメリット・デメリットや、おすすめの投資対象国について解説します。

目次

  1. 海外コンドミニアム投資の特徴
    1-1.アメリカは中古物件が多く、リフォームして長く利用される
    1-2.新興国の不動産投資は「プレビルド物件」が多い
    1-3.人口が増加している地域に投資できる
  2. 海外コンドミニアム投資のメリット
    2-1.都心部でも価格の安い物件が購入できる
    2-2.経済発展に伴う物件価格の値上がりを期待できる
  3. 海外コンドミニアム投資のデメリット
    3-1.不動産業者の見極めが難しい
    3-2.海外不動産投資に利用できる投資ローンが限られている
  4. コンドミニアム投資を検討しやすい4つの国とエリア
    4-1.アメリカ本土
    4-2.ハワイ
    4-3.フィリピン
    4-4.カンボジア
  5. まとめ

1.海外コンドミニアム投資の特徴

海外コンドミニアム投資は、国によって不動産市場の特徴が異なります。どの国も日本とは違った特徴があるためそれぞれの違いを確認し、どの国の不動産へ投資を進めるのか慎重に見極めることが重要になります。

1-1.アメリカは中古物件が多く、リフォームして長く利用される

新築物件は日本において人気の物件タイプの一つですが、アメリカでは不動産市場の大半を中古物件が占めています。アメリカ不動産のポータルサイトを見ていると、築年数が100年を超えている物件も見られます。

アメリカでは、不動産を何度もリフォーム・リノベーションして長く利用するため、立地がよければ、数十年経過しているような物件でも賃貸需要を見込めます。

また、アメリカでは新築物件の建築確認を取得するのに長い期間を必要とします。日本では、数週間〜1ヶ月程度で建築確認を取得できますが、アメリカでは1年以上かかることも少なくありません。

1年もの期間が経過すると、不動産のマーケットが変化する可能性もあります。制度的な背景から、新築物件を販売するアメリカの業者は少ないことも、アメリカの不動産市場に中古物件が多い理由の一つと言えるでしょう。

1-2.新興国の不動産投資は「プレビルド物件」が多い

東南アジアを中心とした新興国で、日本人の不動産投資の対象となるのは、新築物件が大半を占めています。また投資対象となる新築物件の中には、建設途中のいわゆる「プレビルド」と呼ばれる物件も含まれています。

新興国では人口増加に伴う住宅需要の増加と、経済発展に伴う所得の増加が顕著に見られます。住宅需要と平均所得の増加に伴い、新興国の都市は今後大きく発展していく可能性を持っています。

その一方で、物件価格が上がりきっていない都市も多く、日本と比較すると安い価格で投資できる点も新興国における不動産投資の特徴と言えるでしょう。

1-3.人口が増加している地域に投資できる

不動産投資のエリア選定において、人口増加率を確認することは重要なポイントです。人口が増加していれば、不動産の賃貸需要も高まるためです。不動産需要が多いエリアでは入居者が入りやすいので空室リスクが低く、物件を売却するときにも有利になります。

日本では東京以外の多くのエリアにおいて人口が減少傾向にあり、人口増加による投資エリアの見極めが難しくなっています。

しかし海外に目を向けると、新興国を中心として人口が増加している国も少なくありません。人口増加中で将来性あるエリアに投資できるのは、海外コンドミニアム投資の特徴の1つと言えるでしょう。

2.海外コンドミニアム投資のメリット

海外コンドミニアム投資のメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?

ここでは主に下記の2つを取り上げて解説します。

  • 価格が安い物件も購入できる
  • 経済発展に伴う物件価格の値上がりを期待できる

それぞれ詳しく見て行きましょう。

2-1.都心部でも価格の安い物件が購入できる

投資用のコンドミニアムは新興国でも多く建設されており、日本の不動産と比較して物件価格も安く購入することができます。国によっては首都の物件価格が日本の地方都市と同水準というところもあります。

首都はその国の中で最も人口が集まりやすく、多くの国で賃貸需要の多いエリアとなります。比較的低価格で首都の物件に投資できるのは、海外コンドミニアム投資独自のメリットと言えるでしょう。

2-2.経済発展に伴う物件価格の値上がりを期待できる

発展途上国の中には目まぐるしいスピードで経済発展をしている国があります。経済が発展すると、国民の平均所得が増加します。また、平均所得が増加するとそのエリアの不動産価格も上昇する傾向にあります。

将来的な物件価格の値上がりを期待できるエリアが多いのは、海外コンドミニアム投資の大きなメリットとなります。

3.海外コンドミニアム投資のデメリット

海外コンドミニアム投資のデメリットは、業者見極めの難易度が高いこととローン利用が難しいことです。

海外不動産は国内不動産と比較して金融機関の融資利用が難しいため、現金購入で投資する場合が大半となります。融資によるレバレッジが使えず資金効率を上げていくのが難しい点がデメリットとなります。

下記、それぞれ詳しく解説していきます。

3-1.不動産業者の見極めが難しい

海外不動産投資は国内不動産投資と比較して不動産業者を見極める難易度が高いと言えます。また、日本における海外不動産投資の業界はまだ新しく海外不動産投資を扱う日本人業者の中でも、豊富な実績を持っている業者は多くありません。

海外現地の不動産業者についても、言語が違ったり時差があったりするため、コミュニケーションを取る難易度が高くなります。重ねて、新興国の場合は、現地の不動産業者も新しい業者が多く、実績に乏しいこともあります。

3-2.海外不動産投資に利用できる投資ローンが限られている

不動産投資はローンを活用して少ない元手で利益を最大化する(レバレッジをかける)ことは大きなメリットの一つです。しかし、海外コンドミニアム投資の場合は利用できるローンが限定されています。

特に、海外の金融機関から融資を受けるのは更に難易度が高くなります。投資対象国で継続的な収入を得た実績がないと融資を受けるのは難しいでしょう。

また、仮に融資を受けられたとしても、金利がとても高いこともあります。日本は世界的に見ても金利が低いので、日本の金利と比較すると、海外の金利は高くなりやすい点に注意が必要です。

一方、日本国内で海外不動産投資への融資が受けられる金融機関も少数ながら存在します。しかし、投資物件そのものを担保にできる融資商品はとても少なく、エリアがハワイの一部に限定されるなど条件は厳しくなります。

【関連記事】海外不動産投資の融資を受けやすい金融機関はどこ?主な3行を紹介

4.コンドミニアム投資を検討しやすい4つの国とエリア

コンドミニアム投資ができる海外の国として、アメリカ本土・ハワイ・フィリピン・カンボジアについて、その特徴を紹介します。

4-1.アメリカ本土

日本も含め、すでに人口減少の局面に入っている先進国が多いなか、アメリカは先進国の中で唯一人口が増加しています。

例えば、カリフォルニア州の東に位置するアリゾナ州にはバックアイという都市があります。バックアイは、アリゾナの州都フェニックスの隣に位置しており、2017年〜2018年の間にアメリカで最も人口増加率が高い都市でした。(US. Census bureau「The 15 Fastest-Growing Cities」を参照)

また、現在バックアイは全米で2番目に不動産価格が上がっている都市となっています。(2020年7月現在Redfin「United States Housing Market」を参照)

バックアイのように、アメリカ本土の中には新興国に負けないくらい高い水準で不動産価格が上がっているエリアもあることが分かります。

4-2.ハワイ

ハワイの特徴は、過去の不動産価格の変動幅が少ない点が上げられます。

2008年に発生したリーマンショックの際には、ハワイの不動産も値下がりしています。しかし、ハワイのコンドミニアムの値下がり幅は9.7%で10%に届かず、2013年にはリーマンショック前を上回る水準まで価格が回復しています。(Hi Central.com「Annual Residential Resales Data for Oahu」を参照)

アメリカ本土の中にはリーマンショックによって半額前後まで値下がりしたエリアもあります。比較してハワイの値下がり幅は結果的に少なく、不動産価格の下落リスクを低減したい方は検討しやすいエリアと言えるでしょう。

【関連記事】オープンハウス(アメリカ不動産投資)の評判・概要

4-3.フィリピン

フィリピンの特徴として東南アジア諸国の中でも特に人口が多いことが挙げられます。近隣諸国と比較すると、カンボジアに次いで人口増加率が高いことが分かります。

東南アジア各国の2019年人口推計および人口増加率は下記の通りです。

人口 人口増加率
フィリピン 108117 0.0135
タイ 69626 0.0025
マレーシア 31950 0.013
ベトナム 97339 0.0091
カンボジア 16719 0.0141

※人口は1,000人単位
(国際連合「Population data」を参照)

フィリピンの人口はすでに推計値で1億人を超えています。しかし、不動産については、まだ1,000万円前後で購入できる物件も多く、将来性豊かなマーケットで安価な物件を購入できる点はフィリピン不動産投資のメリットと言えるでしょう。

【関連記事】GSR(フィリピン不動産・投資)の評判・概要

4-4.カンボジア

カンボジアの特徴は高い人口増加率と経済成長率です。2018年のGDP成長率は約7.5%で、周辺各国と比較すると非常に高いことが分かります。

2018年GDP成長率は下記の通りです。

  • フィリピン:6.24%
  • タイ:4.13%
  • マレーシア:4.74%
  • ベトナム:7.08%
  • カンボジア:7.50%

(世界銀行「GDP growth」を参照)

なお、人口増加率は高い一方で人口そのものは周辺他国より少ないのがカンボジアのもう1つの特徴です。カンボジアは人口増加による不動産の需要増加が期待できるエリアと言えるでしょう。

まとめ

海外コンドミニアム投資のメリットとしては、将来性豊かな不動産市場で安く物件を買える点などが挙げられます。

また、デメリットは業者の見極め難易度が高いことと、ローン利用が限られるため、投資資金の効率を上げにくい点です。

国内不動産投資と比較して難易度の高い海外不動産投資ですが、事前の情報収集を入念に行い、情報収集を進め、信頼できるエージェントを見つけることが重要です。

The following two tabs change content below.

HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム

HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チームは、不動産投資や金融知識が豊富なメンバーが不動産投資の基礎知識からローン融資のポイント、他の投資手法との客観的な比較などを初心者向けにわかりやすく解説しています。/未来がもっと楽しみになる金融メディア「HEDGE GUIDE」