無道路地を高く売る方法は?手順や注意点、不動産会社の選び方も

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建築基準法の接道義務を満たさない無道路地の不動産は、新築不可、再建築不可といった条件が付いています。そのため、売却したくても買い手が見つかりにくく、希望条件での売却が長期化してしまうケースも少なくありません。

無道路地の売却では、これらの条件を踏まえたうえで対策を練り、様々な角度からアプローチすることが重要になります。

この記事では、無道路地を高く売る方法、手順や注意点、不動産会社の選び方を解説します。無道路地の売却でお悩みの方はご参考ください。

目次

  1. 無道路地を高く売る3つの方法
    1-1.隣地の所有者に売却する
    1-2.接道義務を満たしてから売却する
    1-3.リフォームやリノベーションを行う
  2. 無道路地を売る際の注意点
  3. 無道路地の売却を相談する不動産会社の選び方
  4. まとめ

1.無道路地を高く売る3つの方法

無道路地とは、建築基準法上の「建築基準法に定められている道路に2m以上接している」という接道義務の条件を満たせていない土地のことを指しています。

接道義務を満たしていない無道路地は、建物を新たに立てることができません。また、既に建物が建っている場合には、リフォームやリノベーションを行うことは可能ですが、増築や建て替えができません。

このように、無道路地は土地の使用が制限される、建物の増築や建て替えができないなどの条件付きの不動産となるため、希望条件での売却は長期化してしまう可能性があります。

ここでは、無道路地を高く売る方法として以下の3つ対策を取り上げています。

  • 隣地の所有者に売却する
  • 接道義務を満たしてから売却する
  • リフォームやリノベーションを行う

それぞれの売却方法を詳しく見ていきましょう。

1-1.隣地の所有者に売却する

隣地の所有者に売却するという方法です。無道路地を取得しても建物を新築できない、増築や建て直しができないため、新築を予定している人や建て直しを視野に入れつつ長く住みたいと考えている人の需要は期待できない特徴があります。

しかし、隣地の所有者にとっては、隣接している所有地が接道義務を満たしていれば、無道路地の様々な用途への活用が検討できます。隣地の所有者の中には、将来的に敷地を広げたいと考えていたり、横並びの二世帯を検討しているケースもあります。

このような場合、一般の購入検討者よりも良い条件で売却できる可能性があります。隣地所有者で購入検討してもらえる可能性が無いか、確認してみましょう。

ただし、不動産売買は売主と買主の利益が相反する交渉内容が少なくありません。直接話をしてしまうとトラブルに発展する可能性もあるため、不動産仲介会社を介した隣地の所有者との交渉を行いましょう。

1-2.接道義務を満たしてから売却する

建築基準法に定められている道路に2m以上接すれば、接道義務を満たすことができます。例えば、隣地が接道義務を満たした土地の場合、隣地が空き家や空き地であれば、交渉して売ってもらうことによって接道義務を満たせるようになります。

袋地のように周囲を家に囲まれている場合、隣地に相談して土地の一部を売ってもらって接道義務を満たすことも可能です。接道義務を満たすことによって資産価値が向上し、無道路地として売却するよりも好条件での売却が期待できる可能性があります。

ただし、隣地所有者へ売却する場合と同様、こちらも直接の交渉は避け、不動産仲介会社を介した交渉を進めるようにしましょう。

1-3.リフォームやリノベーションを行う

無道路地に建っている建物の場合、増築や建て替えはできませんが、面積の変更を伴わないリフォームやリノベーションは可能です。リフォームやリノベーションを行ってきれいな物件という印象を強めれば、手を加えない場合よりも高く売却できる可能性が高まります。

ただし、リフォーム費用の上乗せが出来ず、新たな損失になる可能性もあるため注意が必要です。仲介を依頼している不動産会社に手を加えるべきか、事前に相談してから取り組みましょう。

2.無道路地を売る際の注意点

無道路地は、建物を一度解体すると接道義務を満たすまで再建築できなくなる可能性が高い不動産です。建物が古く解体を考えていても、売却前に解体をしてしまうと資産価値を大きく低下させてしまう恐れがあります。

隣地の購入を進める場合も、「相場に沿った価格であるか」「購入することで費用以上の付加価値を得られるか」という視点で慎重に検討することが大切です。

隣地購入には、仲介手数料や不動産登記の費用が掛かります。これらの諸費用や手間をかけて資産価値の向上が望めないのであれば、隣地を取得するメリットが少ないと言えるでしょう。

また、隣地との交渉により接道状況が解消されていたとしても、解体費用の分だけ売値に上乗せできる保証がないため、まずは不動産会社に建物を解体すべきかを相談してから取りかかることを検討してみましょう。

3.無道路地の売却を相談する不動産会社の選び方

不動産会社に仲介を依頼する場合も、買取を依頼する場合も、無道路地のような条件付きの物件を得意としているかどうかを確認することが重要です。

無道路地は様々な条件の付いた不動産であることから、不動産会社によっては取り扱いをしてくれなかったり、相場よりも安い価格で売出して決済を急いでしまう可能性があります。

このような状況を避けるため、複数の不動産会社に査定を依頼することが重要です。特に仲介の査定価格を提示してもらう場合は、価格だけでなく査定の根拠や、仲介担当者の対応力なども比較しておきましょう。

なお、複数の不動産会社へ無道路地の査定を依頼する際は、不動産一括査定サイトを活用すると効率的です。

不動産一括査定サイトでは物件情報の登録時に備考欄に詳細を書き込むことができます。この備考欄に、「無道路地に対応できる不動産会社へ依頼したい」「隣地と交渉できるか検討してほしい」などのような希望を書いておく事で、条件付き不動産売却が得意な不動産会社へアプローチできる可能性を高められます。

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まとめ

無道路地が更地だと新築できない、建物が建っている場合だと増築や建て直し不可という条件が付いています。条件の付いていない土地よりも需要が限られるため、買い手が容易に見つからない可能性があります。

無道路地の売却では、これらの条件を踏まえたうえで対策を練り、様々な角度からアプローチすることが重要になります。道路状況を確認し、場合によっては隣地との交渉を進めることも検討してみましょう。

また、仲介・買取を依頼する不動産会社によって売却結果が大きく異なることも少なくありません。複数の不動産会社へ効率的に依頼できる不動産一括査定サイトの利用も検討してみると良いでしょう。

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矢野翔一

関西学院大学法学部法律学科卒。宅地建物取引士、管理業務主任者、2級FP技能士(AFP)などの保有資格を活かしながら、有限会社アローフィールド代表取締役社長として学習塾、不動産投資を行う。HEDGE GUIDEでは不動産投資記事を主に担当しています。専門用語や法律が多く難しいジャンルですが分かりやすくお伝えしていきます。