ワンルームマンション投資は新築・中古どちらを選ぶべき?比較して解説

ワンルームマンション投資を始める際、新築物件がいいのか、中古物件がいいのか、に迷う方も多いのではないでしょうか。

どちらにもメリットとデメリットがあるため、不動産投資の目的として何を重視するのかがポイントになります。

そこで今回のコラムでは、自身の投資目的には新築と中古のどちらを選んだらいいのか分かりやすいように、メリットとデメリットを比較して解説していきます。

目次

  1. 新築・中古ワンルームマンションを4つの項目で比較
    1-1.ワンルームマンションを「物件価格」で比較
    1-2.ワンルームマンションを「自己資金」で比較
    1-3.ワンルームマンションを「利回り」で比較
    1-4.ワンルームマンションを「リスク」で比較
  2. 新築ワンルームマンションのメリット・デメリット
    2-1.新築物件のメリット
    2-2.新築物件のデメリット
  3. 中古ワンルームマンションのメリット・デメリット
    3-1.中古物件のメリット
    3-2.中古物件のデメリット
  4. まとめ

1 新築・中古ワンルームマンションを4つの項目で比較

まずは、価格、自己資金、利回り、リスクの4つの項目に分けて、新築物件と中古物件を比較していきます。

地域によっても違いがありますが、ここでは分かりやすいように同一エリアの比較となるよう東京23区内を基準にしています。また中古物件といっても築5年以内のもの築20年以上のものでは大きな差が出てしまうため、築10年の物件を想定しています。

1-1 ワンルームマンションを「物件価格」で比較

最初に比較するのが物件の価格です。新築物件と中古物件で、どのくらい違うのか、確認してください。

物件の種類 物件価格の目安
新築物件 2,000万円〜4,000万円
中古物件 500万円〜4,000万円

物件によって立地や部屋の広さなどが違いますが、市場に出ている投資用として活用できるワンルームマンションの販売価格は概ねこの範囲におさまります。

1-2 ワンルームマンションを「自己資金」で比較

金融機関から融資を受ける場合は頭金が必要で、その基準は物件価格の2~3割程度が目安となります。ただし、新築物件では自己資金もすべて融資でまかなうフルローンを利用できる可能性があります。

物件の種類 頭金の目安
新築物件 0円~800万円
中古物件 200万円~800万円

自己資金は、新築か中古か悩んでいる際に判断するポイントの一つにもなります。例えば、新築物件でも中古物件でも物件価格が2,000万円だった場合、中古物件では400万円の頭金が必要ですが、新築物件であれば自身の属性次第で自己資金0円でも物件を購入できる可能性があるということです。

1-3 ワンルームマンション「利回り」で比較

物件選びの際に重要な要素の一つが利回りです。この利回りには、表面利回りと実質利回りの2つの種類があります。

表面利回りは、物件価格と家賃収入のみで計算したもので、実質利回りはかかる経費や空室を想定して算出したものです。

実質利回りは物件の収益性をより正確に表すことが出来ますが、経費をあらかじめ算出する方法や項目によって幅ができてしまうため、投資の検討段階では簡易的に表面利回りを利用することが多く、この項目でも表面利回りについて紹介します。

物件の種類 表面利回りの目安
新築物件 2〜5%
中古物件 3〜10%

利回りは都心か地方かなどによっても大きく変わってくるため、あくまでも目安ではありますが、物件価格が高い分、新築物件は利回りが低くなりがちです。ただし、中古物件の方が修繕積立金が増額していたり、空室率が高まっていたりなどして、実質利回りは表面利回りと乖離しているケースもあるため注意しましょう。

1-4 ワンルームマンションを「リスク」で比較

ワンルームマンション投資にはいくつかのリスクがあります。今回は新築物件と中古物件の「空室」「家賃下落」「資産価値下落」「災害」のリスクについて、それぞれ見ていきましょう。

空室リスク

新築物件であれば、部屋の中は新しく、設備や仕様も新しいものが揃っています。空室になったとしても、次の入居者もすぐに決まる可能性が高く、中古物件よりも入居率を保ちやすい特徴があります。

一方、中古物件は経年劣化がより進んでいるため、空室リスクが高いケースもあります。物件の状態にもよりますが、入居者が退居したあとに新しい入居者が決まらないこともあるため、注意が必要です。

家賃下落リスク

前述したように、経年劣化が進むと空室率が高まるため、中古物件で空室になった場合、立地などの好条件がなければ入居者がなかなか決まらないこともあります。このような時、周辺の相場に合わせて家賃を下げて入居者を募集することになります。

中古物件は入居率の下落を抑えるため、家賃下落リスクが高いという注意点があるのです。家賃を下げてしまうと購入時の利回りよりも低くなってしまい、収益性を圧迫するため、慎重に判断する必要があります。

一方で、新築物件の方が中古物件よりも家賃下落リスクが低く、想定した収益を得やすいという特徴があります。ただし、新築物件であってもいずれ築年数を経て同じような状況になっていきます。築年数10~20年の周辺の家賃相場を調べておくなどして、家賃下落リスクに備えましょう。

資産価値下落リスク

建築物は建てたときから劣化が始まりますので、新築物件でも中古物件でも資産価値はいずれ下落していきます。下記の表は、市場での価格変動について調査したものです。

首都圏 〜築5年 〜築10年 〜築15年 〜築20年 〜築25年 〜築30年 築30年〜
㎡単価(万円) 117.5 102.4 85.7 80.1 74.3 54.5 52.8

※参照:東日本不動産流通機構「首都圏中古マンション・中古戸建住宅地域別・築年帯別成約状況【2021年04~07月】

首都圏で売買が成立したマンションにおける㎡の単価は、築5年に比べて築10年では約87%、築20年では約73%、築30年では約47%に下落していきます。

2021年10月時点、中古マンションの供給量が減っているため、物件価格の下落傾向が落ち着いていますが、それでも年数を経るごとに下落率は高くなっていくのが見て取れます。

災害リスク

ワンルームマンション投資には、地震をはじめ、ゲリラ豪雨や大雨などによる水害、火事などの災害によって被害を受けるリスクがあります。

そのため災害リスクへの対策が不可欠と言えますは、新築物件では劣化が進んでいないことに加え、工法などで新しい技術を採用していることもあり、災害リスクが低い物件も多く見られます。

一方、中古のマンションでは建物の劣化が進んでおり、ひびやサビなどが広がっている懸念もあり、新築物件よりも災害リスクは高くなっています。

なお、火災保険は、新築物件でも中古物件でも保険料に大きな違いはありません。ただし地震保険は、耐震等級割引を採用している商品もあり、構造によって保険料が割り引かれるケースもあります。

2 新築ワンルームマンションのメリット・デメリット

ここまで比較してきた項目を踏まえ、新築ワンルームマンションのメリット・デメリットについて確認しておきましょう。

2-1 新築ワンルームマンションのメリット

  • 急な修繕が必要にならない
  • 契約不適合責任(瑕疵担保責任)の対象となりやすい

新築ワンルームマンションの場合、部屋ができたばかりであり、急な修繕が必要になることはほとんどありません。

また、契約不適合責任(2020年4月に瑕疵担保責任から変更)の対象となりやすいことも新築のメリットと言えるでしょう。契約不適合責任とは、物件に欠陥があった場合は、売主が補修したり損害を賠償する義務のことです。

売主が個人となることもある中古物件では、売主の希望によって契約不適合責任の範囲が限定されていたり、免責となる契約内容になっているケースがあります。

一方、新築ワンルームマンションの場合は売主が不動産会社であることがほとんどであるため、修繕が必要になっても購入時点での欠陥によるものであれば、オーナーが支出することはありません。

2-2 新築ワンルームマンションのデメリット

  • 運用益が小さい
  • 新築プレミアムがある

新築物件は販売価格が高額となり、そのため利回りが中古物件に比べると低くなるのが通常です。特にフルローンなどのように物件価格に対して借入金が大きい場合は金利負担も大きく、手元に残る運用益が少なくなります。

新築の物件価格が高くなる要因として、「新築プレミアム」というものがあります。これは、新築であるということに価値を感じる方が多いために、誰かが入居した物件と比較して相対的に価値があると見なされることを指しています。

新築ワンルームマンションで投資を始めると、新築プレミアムがある状態での購入となり、売却するときには新築プレミアムを失っている状態となります。新築プレミアムの価格が大きいと、想定以上に価格が下がっていることも多く、売却時に苦労するケースも見られます。

3.中古ワンルームマンションのメリット・デメリット

次に中古ワンルームマンションのメリット・デメリットについても確認しておきましょう。

3-1 中古ワンルームマンションのメリット

  • 過去の入居状況が判断材料になる
  • 新築よりも短期間で運用益を上げられる

中古物件のメリットと言えるのが、それまでに運用してきた実績があることです。これによって入居者の傾向が把握できるため、空室になった際などに対策が打ちやすくなります。

例えば、単身の女性の入居者が多い物件では、セキュリテイ対策を厚くするなどで、入居希望者に訴求することもできます。

また、利回りが高いことから短期間で運用益を上げるやすいのも中古物件のメリットです。毎月手元に残る資金も多いので、キャッシュフローが黒字化しやすいというメリットがあります。

3-2 中古ワンルームマンションのデメリット

  • 管理費や修繕積立金が高い
  • 急な修繕が必要になることもある

新築物件の場合、すぐに大規模な修繕が必要になることはありませんが、中古物件であれば、購入後すぐに修繕が必要なケースがあります。

マンションの管理組合に支払う管理費や修繕積立金が高くなっていたりなどして、表面利回りは高いケースでも、実質利回りが低くなる可能性があります。

また室内も経年劣化が進んでおり、給湯器やエアコンが故障するなど、設備や仕様に不具合が出てくることもあります。クロスやフローリング、カーペットの張り替えの他に、設備を買い替える必要があることもあり、その場合は想定外の出費がかさむことになります。

まとめ

新築・中古ワンルームマンションには、それぞれメリットとデメリットがあります。投資の目的や運用資金、マンション投資に避ける時間など、それぞれの状況によって、メリットとデメリットを比較しながら検討することが重要となります。

また、地域によってマンションの供給数が異なり、都心部においては中古と新築の価格差が小さいケースもあります。地域によって違う状況について適切に情報を得ながら、物件選びを行うことも大切です。

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倉岡 明広

倉岡 明広

経済学部経済学科卒業後、出版社や編集プロダクション勤務などを経てフリーライターとして独立。雑誌や新聞、インターネットを中心に記事を執筆しています。初心者が抱く不動産投資の疑問や質問を解決できるよう丁寧な記事を執筆していきます。