不動産投資では売却して利益が確保できれば投資効率が上がりますので、売却の際はなるべく高い価格で早く売却できるようにすることが大切です。しかし、売りに出してもなかなか売れないということもありますので、そのような場合は原因を分析して対応する必要があります。
売りに出してもなかなか売却ができない場合は、どのように対処すれば良いのでしょうか?この記事ではマンションが売却できない場合に知っておくと便利な対処法について、複数の視点からご紹介します。
目次
- 相場に合った適正価格になっているか確認する
1-1.相場を詳しく調べる
1-2.築年数に見合った価格になっているか
1-3.立地や環境に見合った価格になっているか
1-4.査定依頼は複数の不動産会社に依頼しているか
1-5.家賃は適正か - 募集広告の見直しをする
2-1.明らかに魅力がない広告になっていないか
2-2.広告から必要な情報が抜けていないか
2-3.価格の根拠がわかると購入しやすい - 金融機関とローンの確認をする
3-1.価格に見合った額の融資が付くかを確認
3-2.条件の良い金融機関を探す - 移動手段が全て書いてあるか確認する
- 管理状態を見直す
5-1.設備や壁、床などは事前にチェックする
5-2.部屋だけでなく建物全体も見る
5-3.セキュリティ状態を見直す - 災害情報を確認して対策する
6-1.ハザードマップを確認する
6-2.災害エリアの場合は避難場所や避難ルートをチェックする - 不動産会社との契約内容の見直しをする
7-1.契約の仕方が売却の弊害になっていることもある
7-2.依頼している不動産会社が協力的かどうかを判断する - マンションが古すぎて売却が進まない場合の対策法
8-1.同じマンションの他の部屋の売却状況を確認する
8-2.インスペクションをして品質の保証をする
8-3.リノベーションが必要な場合 - まとめ
1.相場に合った適正価格になっているか確認する
売却の際に最も大切なことは、販売価格が適正かどうかということです。自分では適正だと思っていたとしても、細かく調べると違っていることもあります。売却がなかなかできない場合は、再度適正価格かどうかを調べてみましょう。
1-1.相場を詳しく調べる
売却価格の相場は大手の不動産情報サイトなどで調べることができます。すでに調べていたとしても、売却ができない場合はさらに踏み込んで確認するようにしましょう。
大手の不動産情報サイトでは類似物件の販売価格を見ることで簡単に相場を調べることができますので、相場を把握するには便利なツールです。しかしそういったサイトでは、「現在売りに出されている価格」が掲載されているため、実際に成約した価格とは異なる場合もあります。そのため、さらに細かく見るには成約事例も確認してみることが大切です。
例えば多くの類似した物件が2,000万円程度で募集が出ていたとしても、成約事例では1,500万円前後が多くなっていたとしたら、1,500万円程度に下げなければ成約できない可能性が高いということが考えられます。レインズなどで調べれば実際に成約した価格まで調べることができますので、募集価格と相違がないか確認してみましょう。
1-2.築年数に見合った価格になっているか
人気があるエリアで周りの物件が高く取引されていたとしても、築年数が古い場合は価格が低くないと売れないケースもあります。一般的に築年数が経過すると価格は低くなっていきますので、人気になっているエリアだからという理由だけで高く設定していると売却できない可能性もあります。
築年数に見合った価格設定になっているかどうか、見直してみることも大切です。
1-3.立地や環境に見合った価格になっているか
駅から徒歩10分以内で、利便性が悪くないエリアだとしても、周辺にスーパーやコンビニ、ATMなどが無い場合、マンションのニーズは低くなる傾向にあります。また、不動産会社が価格を査定する際も、そのような環境だと査定価格が下がる要因になります。
立地条件が悪い中で、そのマイナス分販売価格を割り引いていない場合は、割高と判断されている可能性もあります。そのため周辺環境に見合った価格設定になっているかどうかも確認しましょう。
1-4.査定依頼は複数の不動産会社に依頼しているか
価格を査定する際に、不動産会社1社だけに依頼しているということはないでしょうか。依頼するのが1社だけだと、例えばその会社が売却に積極的でない場合に価格を高く設定してそのまま放置していることにも気づきにくくなります。
そうすると売却が完了するまで無駄に時間がかかってしまうことにもなりかねませんので、そのようなことが無いように価格の査定は複数の不動産会社に依頼することが大切です。
複数の不動産会社に一度に査定を依頼するには、不動産一括査定サイトを使うと便利です。一括査定サイトでは一度物件情報などを入力するだけで、複数の不動産会社に依頼することが可能です。
複数の査定価格を提示してもらうことで、最高値や最安値の確認ができる上に、おおまかな相場も把握することができます。査定は複数の不動産会社に依頼するようにしましょう。
1-5.家賃は適正か
査定価格の見直しと同時に、設定している家賃の見直しをすることも大切です。家賃収入は収支に影響しますので、何かの事情で家賃が相場とかけ離れている場合、収支が他の投資マンションとかけ離れている可能性も考えられます。
家賃が高すぎても買主の不信感を抱く可能性がありますし、低すぎると収支が悪く、投資としての魅力が半減します。そういったことが理由で買主が興味を示さないということも考えられます。
また、家賃は物件の査定価格を算出する計算法にも影響します。投資用不動産の価格を試算する際に使う収益還元法という計算式は、年間の家賃収入が高ければ物件価格も高くなる傾向があります。家賃の額が査定価格に影響してきますので、家賃が適正かどうかも見直し、適正でない場合は改善する必要があります。
2.募集広告の見直しをする
募集広告の内容やデザイン、コピーも買主がすぐに購入を決めるかどうかの判断に影響を与えます。そのため、募集広告の内容も時間の経過とともに見直すことが大切です。どのような点を見直せば良いのか見てみましょう。
2-1.明らかに魅力がない広告になっていないか
広告は最初に買主が目にする物件情報になりますので、興味を持ってもらえるような内容や色遣いである必要があります。白黒だったり、印刷がぼやけていたり、物件の写真があまり見えなかったりすると、買主が興味を持つ可能性も低くなります。広告は興味を持ってもらえる内容になっているかどうか、細かく確認するようにしましょう。
2-2.広告から必要な情報が抜けていないか
広告から必要な情報が一点でも抜けていないかを確認しましょう。購入を決定する理由は人によって違います。価格であったり、場所であったり、間取りであったりと、何が買主の条件を満たすのかはわかりません。
自分にはあまり重要ではないことでも、買主にとっては大切な条件かもしれません。何かが抜けているために買主があきらめてしまわないように、必要な情報は省かずに全て書いておくことが大切です。
2-3.価格の根拠がわかると購入しやすい
価格の根拠はわかりやすく書いておきましょう。買主が物件概要と価格を見た時に高すぎたり低すぎたりすると、不審に思い興味を示さない可能性があります。特に、何かの事情で相場より高かったり低かったりする価格をあえて付けなければならない場合は、価格の根拠をわかりやすく書いておくことが大切です。
高くても低くても価格の根拠がわかることで、買主が購入しやすくなる心理も利用しましょう。
3.金融機関とローンの確認をする
売却するマンションの評価額や金融機関で組める条件を知らない場合、そのことが原因で売却までの時間が無駄にかかる可能性もあります。金融機関とローンはどのような点を確認すれば良いのかを見てみましょう。
3-1.価格に見合った額の融資が付くかを確認
売り出し価格に対して融資額が低ければ低いほど、買主が頭金を負担する額が大きくなり、購入する層が絞られてくるため、売却までに時間がかかる可能性が高くなります。売却価格と融資額の差が大きい場合、価格を見直すことが必要になることもあります。
価格の見直しが遅くなるとそれだけ売却できるタイミングも遅くなりますので、金融機関がいくら融資してくれるかは早めに確認するようにしましょう。
3-2.条件のよい金融機関を探す
買主はより良い条件で購入したいと思っていますので、複数の金融機関に相談をしてより良い条件でローンが組めるようにすることも大切です。買主によっては金利が低かったり、優遇措置があったりするなど、金融機関の条件が気に入って契約することもあります。できるだけ多くの金融機関に相談をし、より良い条件で融資してもらえるようにしましょう。
4.移動手段が全て書いてあるか確認する
物件までの移動方法は全て表示してあるでしょうか。駅からの距離が遠い場合はバスでの移動時間も表示することで、買主の層を広げる効果があります。通勤にバスを使っている人もいますので、物件の近くにバス停がある場合は必ず表示するようにしましょう。特に電車の駅から距離が徒歩で10分以上かかる場合は、他の交通機関の表示を忘れないことが大切です。
5.管理状態を見直す
管理状態は物件の価格を左右する大きな要因の一つです。管理状態はどのような点を確認すれば良いのかを見てみましょう。
5-1.設備や壁、床などは事前にチェックする
部屋の壁が汚いままだったり、設備が壊れていたりしないでしょうか。もし汚れや損傷がある場合は、事前に清掃や修理をしておくようにしましょう。内覧まで来て、部屋の汚れや損傷が原因で契約まで至らなければ、売却チャンスを逃していることになります。汚れなどは事前に確認して売却活動をすることが大切です。
5-2.部屋だけでなく建物全体も見る
エントランスやポスト周辺は共用部分ですので、区分マンションの場合は管理の範囲ではありません。しかし、エントランスやポストはマンションの顔のようなものです。
エントランスやポスト周辺が汚れていたり壊れていたりすると、印象が良くありません。部屋がきれいでも入り口が汚いばかりに契約まで至らない可能性もありますので、共用部分も確認して必要があれば建物の管理会社に清掃などを依頼することも大切です。
5-3.セキュリティ状態を見直す
カギなどは最新のタイプになっているでしょうか。近隣の似たようなマンションが競合している場合、カギが古いタイプのものだったり、窓などのセキュリティ状態が良くなかったりするという理由で競合物件に負けることもあります。カギやセキュリティ関係のものはできるだけ最新のものに交換しておくようにしましょう。
6.災害情報を確認して対策する
近年、集中豪雨などの災害で物件が被害を受けることも多くなったため、できるだけ浸水などの可能性が低いところで物件を探す買主もいるでしょう。どのように災害情報を確認して対処すれば良いかを見てみましょう。
6-1.ハザードマップを確認する
まずはハザードマップを確認しましょう。ハザードマップを見て、どのような災害が起こる可能性があるのかを正しく把握することが大切です。内覧などで災害のリスクを聞かれた時に答えられないと、不信感を抱く原因にもなりかねません。事前に確認してきちんと把握しておくようにしましょう。
6-2.災害エリアの場合は避難場所や避難ルートをチェックする
災害には地震や浸水などいくつか考えられますが、もし災害が起きる可能性が高いエリアに物件があっても、あきらめないことが大切です。
ハザードマップで災害が起こる可能性が高いと記載されているとしても、避難場所や避難ルートなどを広告に記載したりすることで、買主は一定の安心感を得る可能性があります。ハザードマップは災害の可能性を知るためだけではなく、避難ルートなどを確認するためにも使いましょう。
7.不動産会社との契約内容の見直しをする
仲介を依頼する不動産会社との契約方法には3種類あります。それぞれに特徴がありますので、内容を把握して状況に合わせて見直すことも必要です。どのような点を見直せばよいのかを見てみましょう。
7-1.契約の仕方が売却の弊害になっていることもある
仲介をする不動産会社との契約方法には専属専任媒介契約、専任媒介契約、一般媒介契約の3種類があり、それぞれに特徴があります。契約の仕方が売却の弊害になっていないかを確認してみましょう。
例えば、専属専任媒介契約と専任媒介契約は不動産会社1社にしか仲介を依頼できません。一方の一般媒介契約では何社に依頼しても構いません。そのため、専属・専任契約で話が進まない場合は、一般媒介契約に変更して告知の範囲を広げると反響が変わる可能性があります。
このように契約方法によって売却できる可能性が変わることがありますので、売却活動に時間がかかっている場合は契約方法の変更も検討するようにしましょう。
7-2.依頼している不動産会社が協力的かどうかを判断する
依頼している不動産会社が協力的かどうかで、売却できる速さが違います。もし協力的ではない場合は不動産会社を変えた方が良いでしょう。不動産会社を探す際は、対応の仕方などを見て、信頼できるかどうかを判断して依頼するようにしましょう。信頼できる会社であれば、売却の際も協力的になってくれることを期待できます。
8.マンションが古すぎて売却が進まない場合の対策法
マンションが古すぎることが原因で売却の話が進まないこともあります。その場合の対処の仕方について見てみましょう。
8-1.同じマンションの他の部屋の売却状況を確認する
マンション自体が古く、売却が難しいと思われる場合は他の部屋も売却が難しい場合があります。その場合は他の部屋の売却状況を確認してみましょう。不動産サイトなどで見つけられない場合は、近隣の不動産会社に聞くのも良いでしょう。
また、不動産会社であれば不動産会社専用のネットワークでも調べることが可能です。同じマンションの売却状況を聞いて、どのようにしたら売却できるかを不動産会社と相談をして対策を練るようにしましょう。
8-2.インスペクションをして品質の保証をする
マンション自体が古くて売却が難しいと思われる場合は、インスペクションをして品質の保証をしてみましょう。リノベーションみたいに見かけが変わるわけではありませんが、インスペクションは数万円の費用でできますので、リノベーションの前にも試してみる価値はあります。
インスペクションをして物件の状態や品質を確認した上で、どうしても売却に時間がかかるようであればリノベーションも検討しましょう。
8-3.リノベーションが必要な場合
マンション自体が古く人気が落ちている場合、お金をかけてリノベーションをしなければ売却が難しい可能性もあります。その場合は費用対効果をきちんと試算し、またターゲットのニーズをよく考えて取り組むようにしましょう。
まとめ
マンションの売却ができそうにない時の対処法について、様々な視点からご紹介しました。区分マンションの場合、一棟マンションなどの他の不動産と比較すると、管理がしやすく価格帯が低いため、基本的には適正価格で売却すればあまり時間がかかることはありません。
しかし、どうしても時間がかかる場合は、オーナーが想像していないような問題が潜んでいることもあります。またその際の問題点は一つではないこともあります。様々な視点から問題を検証して解消していくようにしましょう。
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