アパート経営の入居率を上げる設備は?アフターコロナで投資効果の高い6つを紹介

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新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって生活は変化し、それに伴って住宅設備に対するニーズは変化しました。2023年3月13日以降、マスクの着用は原則自由となりましたが、テレワークをはじめとした一部の生活様式の変化は生活に根付いています。

そこで今回のコラムでは、アフターコロナにおいて入居率アップにつながる住宅設備を紹介していきます。行動制限が緩和されたことで、引っ越しが活発化する可能性もあります。アパートの入居率の改善や、これから投資を検討されている方はご参考ください。

目次

  1. アパート経営における住宅設備の重要性とは
  2. アフターコロナで導入したいアパートの住宅設備
    2-1.インターネット無料
    2-2.高機能エアコン
    2-3.宅配ボックス
    2-4.モニター付きインターホン
    2-5.遮音性の高い窓
    2-6.抗菌仕様水回り設備
  3. アパート経営における住宅設備の選び方
  4. 入居率アップの住宅設備を導入するアパート経営会社
    4-1.シノケンプロデュース
    4-2.アイケンジャパン
  5. まとめ

1 アパート経営における住宅設備の重要性とは

住宅設備とは、日常生活に必要なもの、あるいは役立つものとして住宅内に設置する設備や機器のことです。さまざまな種類の住宅設備がありますが、アパートに設置されるものは主に下記になります。

住宅設備の分類 代表的な住宅設備
厨房・調理機器 キッチン、ガスコンロ、IHクッキングヒーター、シンク、収納棚、レンジフードなど
浴室・給湯機器 ユニットバス、ガス給湯器、電気給湯器など
洗面機器 洗面化粧台など
トイレ機器 トイレ、シャワートイレ、手洗い台、収納棚など
空調・換気機器 エアコン、ストーブ、換気扇、ファンヒーターなど
そのほかの住宅設備機器 太陽光発電システム、床暖房、インターホン、警報器、収納、クローゼットなど

住まいにおける住宅設備は、暮らしの利便性や快適性を向上させる大切な要素の一つです。アパート経営においては、住宅設備を導入することによって空室対策ができたり、入居者確保につなげることもできます。

ただし、住宅設備に対するニーズは、時代とともに変化していくものです。特にここ数年は、新型コロナウイルス感染症の拡大によって大きく変化し、「人との接触を避ける」「家の中で長時間過ごす」という生活スタイルに慣れた方も多くいます。

一方で行動制限が解除され、今後は都心への引っ越しが活発化する可能性もあります。エリアによっては、アフターコロナで必要とされる住宅設備を導入することで、アパートの入居率アップにつながる可能性もあるでしょう。

2 アフターコロナで導入したいアパートの住宅設備

2-1 インターネット無料

インターネット無料やWi-Fi無料などインターネット関連の住宅設備はアパート経営においても人気の付帯サービスです。

これまでも入居者からの高い支持を得ていますが、公益社団法人日本生産性本部が2023年1月に行った「第12回働く人の意識調査」によると、今後も豊富なニーズが維持されることが想定できます。調査によると、テレワークを実施している企業は16.8%ですが、従業員が1,001名以上の企業に限って見ると34.0%となっています。コロナ禍が収束に向かい始めた中でも、大企業ではテレワークの実施率が上昇しているのも特徴です。

また、「コロナ禍収束後もテレワークを行いたいか」という質問に対する回答のうち、「そう思う」と「どちらかと言えばそう思う」を合わせると下記のように84.9%となっています。

回答 割合
そう思う 45.4%
どちらかと言えばそう思う 39.5%
どちらと言えばそう思わない 9.7%
そう思わない 5.4%

※引用:公益社団法人日本生産性本部「第12回働く人の意識調査」より抜粋

実際にリモートワークやテレワークが続くかどうは不透明ですが、労働者の意思としてはテレワークによる勤務はおおむね好評で、そのためインターネット無料あるいはWi-Fi無料などといったインターネット関連に関する住宅設備は、アフターコロナ時代でも住まいを選ぶ際の重要な要素になると考えられます。

2-2 高機能エアコン

住まいの快適性を向上するには、室温管理が欠かせません。特に家で過ごす時間が増えているため、高機能エアコンが導入されたアパートの場合、住まいの快適性をアピールすることができます。エアコンの本来の目的は夏の暑さ・冬の寒さを回避することですが、近年は下記のような性能が搭載されている機種も増えています。

  • Wi-Fi対応
  • AI搭載による自動運転
  • 暖房能力
  • エコ運転機能
  • 省エネ性能
  • 除湿機能
  • 遠隔操作機能
  • うるおい機能(乾燥防止機能)
  • 空気清浄・換気機能、など

アフターコロナ対策としてだけではなく、地球温暖化などで快適な住環境を求める傾向が強くなっていることからも、高機能エアコンの導入によって他物件との差別化になります。ただし6畳ワンルームなど部屋の大きさ、家賃設定、入居者の属性などを考慮して、費用対効果も計算しながら導入するようにしましょう。

2-3 宅配ボックス

宅配ボックスはコロナ以前からニーズの多い設備ですが、アフターコロナにおいてはいっそう注目される設備です。宅配ボックスは、宅配便などの荷物を留守中に預けることができ、単身者向けの賃貸物件などでは特にニーズ見込めます。主要な配達時間帯となる日中は、仕事で留守にしていることが多いからです。

コロナ禍では、配達員と接触しないように在宅中でも宅配ボックスに入れてもらい、その後、入居者が取り出すというような人との接触を避ける目的でも利用されました。これまで利用していなかった層にも宅配サービスが日常になじみ、アフターコロナにおいても重要な設備として注目されているのです。

今後は「宅配ボックス設置」ということに加えて、「住戸分以上の宅配ボックス設置」などでさらに差別化を図ることも検討できるでしょう。

2-4 モニター付きインターホン

モニター付きインターホンも人との接触を減らすことができるため、ニーズの多い住宅設備です。大規模な工事が不要で後付けができるため、入居率アップに向けて既存のアパートに設置することも可能です。すべての部屋に設置しなくても、空室の部屋から導入して空室対策を行うといった戦略も良いでしょう。

2-5 遮音性の高い窓

リモートワークの増加や人との接触を避けるために、家で過ごす時間が多くなったことにより、部屋の遮音性に関わる設備もニーズが増加しています。既存のアパートの場合、壁の防音性能を改善することは難しいと言えますが、窓の防犯性能を工夫することで入居者の快適性を確保することができます。

アパートのオーナーとして、既存の物件にできる窓の防音性能を高める工夫は主に下記の4つがあります。

防音シートを貼る

外からの騒音を軽減する防音シートを窓に貼る方法です。冬の結露やカビ対策にもなります。費用は3,000円くらいからとなっており、経費を抑えて導入できるのもメリットです。

遮音カーテンをつける

通常カーテンは入居者が用意しますが、窓に遮音カーテンを設置しておくのも良いでしょう。安いものでは5,000円くらいから購入でき、長期間にわたって使用できるのもメリットの一つです。

複層ガラスに変更する

窓ガラスを二重構造になっている複層ガラス(ペアガラス)に変えることで、室内の防音性は高まります。ガラスとガラスの間にある空間が音を吸収することに加えて、熱の吸収もできるため、夏の快適性向上、冬の寒さ対策としても有効です。

二重窓に変更する

窓の構造を二重サッシおよび二重窓に変更することで、防音性を高めることができます。サッシ自体を変更する方法のほか、既存の窓枠の外に出窓形式で窓枠を追加するという方法もあります。

入居者募集時に「複層ガラス採用」「遮音カーテン付き」といったアピールで、競合物件との差別化ができます。

2-6 抗菌仕様水回り設備

コロナ禍によって細菌や感染症などに対する知識が増え、対策方法などに対して敏感になっている方が多いことから、抗菌対策が施されている住宅設備を導入することでも入居率アップにつなげることができます。例えば、キッチン、トイレ、バスルーム、独立洗面台などの水回り関連の住宅設備では、抗菌対策が施された商品が数多く販売されるようになっています。

住宅設備ではありませんが、抗菌仕様の壁紙クロスやカーペット、フロアクッションに張り替えるといった方法もあります。またドアノブに抗菌対策を施すといったこともできます。このようにアパート全体で抗菌仕様にすることで、他物件との差別化にもなります。

3 アパート経営における住宅設備の選び方

これまでアフターコロナでニーズの高い住宅設備について紹介しましたが、投資効果を考えるとすべて導入すればいいというわけでもありません。入居者層や入居者のニーズなどによって、必要な住宅設備は異なるからです。

以下4つの観点から住宅設備を選ぶポイントを解説します。

入居者ターゲット

単身者向けアパートであればインターネット無料の優先順位は最上位と考えられますが、ファミリー向けのアパートであれば宅配ボックスの方が優先順位は上という判断になる可能性があります。

部屋の広さ

部屋がそれほど広くなければ高機能エアコンの優先順位は下がると考えられます。部屋の広さによっては、空気清浄機でも他物件との差別化はできる可能性があります。

予算

モニター付きインターホンなどを導入する場合、戸数が多いアパートでは経費がかさむ可能性があります。予算を考慮して、空室から導入していくといった考え方も必要になります。

入居者ニーズ

入居者にアンケートを取るなどして、必要としている住宅設備を探る方法もあります。自分達の意見が採用されたことで、入居期間が長くなる可能性もあります。

入居率を上げるためには、他物件と競合した場合にも選ばれるような強みを持たせることが大切です。しかし、アパートを長期的に経営していくには、投資効果とのバランスを取ることも重要となります。

投資効果を的確に判断しつつ入居者の立場に立って、必要とされている住宅設備を選ぶようにしましょう。

4.入居率アップの住宅設備を導入するアパート経営会社

4-1 シノケンプロデュース

シノケンの不動産投資セミナーシノケンプロデュースは、アパート供給棟数が自社施工で7,000棟以上を数える不動産投資会社です。一般投資家向け賃貸住宅経営のパイオニアとして土地の選定から企画、設計、施工、引き渡し後の賃貸管理まで一貫したサービスを提供しています。全国賃貸住宅新聞「賃貸住宅に強い建築会社ランキング」の「年間アパート開発棟数部門」では、9年連続No.1の実績があります。

入居者アンケートで人気の高い設備を導入・最寄り駅から徒歩10分以内の立地

シノケンプロデュースでは、アンケートによって人気の高い独立洗面化粧台、サーモスタット付水栓、システムキッチン、カラーモニター付きインターフォンといった設備を標準装備しています。またオートロックや防犯カメラ、人感センサー付きライトなど、セキュリティ面にも優れています。

アパートブランドは「ハーモニーテラス(Harmony Terrace)」などがあり、取得した土地の形状や特性に合わせて1棟ずつオリジナルの設計を施すのが特徴です。デザイン性に優れており、2016年には2つのアパートシリーズでグッドデザイン賞をダブル受賞しています。

通勤や通学がしやすいように大都市圏のターミナル駅から電車で30分圏内、賃貸需要の高い最寄り駅から徒歩10分以内の立地にこだわって土地の取得を行っています。

既存物件の入居率は98.39%(2022年平均)

シノケンプロデュースが供給したアパートのうち、グループ会社のシノケンファシリティーズの管理戸数は47,000戸以上(2023年12月末時点)、入居率98.56% (2023年年間平均入居率)となっています。

なおシノケンファシリティーズでは、アパート経営に欠かせない入居者募集、入居者対応、建物メンテナンス・改修工事などの賃貸管理業務をオーナーに代わって担当しています。5,000店舗以上(2024年5月時点)の仲介業者と提携しており、仲介店と良好な関係を築いていることも入居率の高さにつながっています。

4-2 アイケンジャパン

株式会社アイケンジャパンアイケンジャパンは、累計1,000棟以上のアパートを全国で供給している不動産投資会社です。「堅実なアパート経営」をコンセプトとして掲げており、「グランティック」「レガリスト」などのアパートブランドを展開しています。

ハイクオリティの室内設備を導入

アイケンジャパンでは「老朽化しても入居者から選ばれるかどうか」を基準に土地を選定しており、最寄り駅から徒歩15分以内の土地を取得しています。

アパートシリーズは「グランティック」「レガリスト」などを用意しており、ビルトインキッチンや温水洗浄便座、浴室テレビといったアパートとは思えないような設備を標準にしています。最新型設備の導入にも積極的で、スマートフォンが部屋の鍵となる「スマートロック」、家電の遠隔操作なども行える「ホームIoT」を導入している物件も用意しています。

既存物件の入居率は99.7%(2021年平均)

入居者募集から家賃集金、退去時精算、クレーム対応、清掃などのメンテナンスといった管理業務全般を代行しており、充実したアパート管理を提供しています。専用のホームページを提供しているのも特徴で、収支明細や清掃状況がすぐにわかるようになっています。入居者からの問い合わせには、24時間体制で対応できる体制を構築しています。

仲介店と情報交換をし、お互いに協力し合える関係を構築していることが高い入居率につながっています。2021年12月末時点で7,232戸の賃貸管理を行っており、2021年1月から12月までの平均入居率は99.7%となっています。また、高い入居率を保つ方法として効果が一時的なフリーレントや家賃の値下げを行っておらず、オーナーの負担が大きくないという点も特徴です。

まとめ

新型コロナウイルス感染症は、2023年5月8日に感染法上の位置付けが第2類相当から第5類に変更されています。これによってコロナ前の日常を取り戻し始めていますが、大きく変化した生活様式はアフターコロナにおいても影響を及ぼしています。

今回はアパート経営の入居率を上げる設備について、アフターコロナで投資効果の高い6つの対策を解説しました。ただし、アパートのターゲット層やエリアによって、導入していきたい設備は異なってきます。

入居者から人気の高い住宅設備を導入しているアパート経営会社やエリアの住宅事情に詳しい管理会社などのアドバイスを受けながら、優先順位をつけて投資検討されていくと良いでしょう。

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倉岡 明広

経済学部経済学科卒業後、出版社や編集プロダクション勤務などを経てフリーライターとして独立。雑誌や新聞、インターネットを中心に記事を執筆しています。初心者が抱く不動産投資の疑問や質問を解決できるよう丁寧な記事を執筆していきます。