江戸川区のマンション売却・査定はいくらになる？間取り、築年数から売却相場を検証

東京都江戸川区は、東京23区の東端に位置する特別区です。「東京都の人口（推計）」によると、2022年12月1日時点の人口は東京23区では5番目に多い689,718人となっています。

総面積は東京23区で4番目に広い49.09㎢で、葛西臨海公園や古川親水公園などがあり、公園総面積が東京23区内で最も広いこともでも知られています。

このような特徴から子育て世代にも人気がある江戸川区では、どのような中古マンションの傾向があるのでしょうか。今回のコラムでは「三井のリハウス」が公開している間取りや築年数、価格の傾向、購入検討者の数などデータをもとに検証していきます。

三井のリハウス

三井のリハウスは、三井グループの不動産会社「三井不動産リアルティ」が行っている不動産コンサルティング事業の名称です。全国に店舗を展開しており、大手不動産会社ならではのネットワークを強みに不動産仲介事業に特化したサービスを提供しています。豊富な取引実績は数字にも表れており、全国仲介取扱件数は累積で100万件を突破しています。

主な事業は、個人向けの不動産における、売却、購入、賃貸に関するさまざまなサービスの提供です。不動産売却に関しては、不動産売買のプロによる査定を依頼することができます。売却するかどうかの判断は査定後に決められるため、「まずは価格を知りたい」「売却するか活用するか悩んでいる」という方でも利用しやすい不動産査定サービスとなっています。

目次

1. 江戸川区で販売されている中古マンションの平均価格
2. 江戸川区で販売されている中古マンションの間取りにおける特徴
3. 江戸川区で販売されている中古マンションの築年数における特徴
4. 江戸川区のマンションの購入を検討している人数
5. まとめ

1　江戸川区で販売されている中古マンションの平均価格

三井のリハウスでは、自社で取り扱っている物件の売出情報について、東京23区別に売り出し中物件数と平均価格などのデータを提供しています。下記の表は、そのデータをもとに、東京23区における中古マンションについて、平均価格（2023年1月16日時点）の上位5番目までと江戸川区をランキングにしたものです。

東京23区における中古マンションの平均価格

江戸川区で販売されている中古マンションの平均価格は、東京23区内では20番目となる4,507万円となっています。

また、平均価格の変動についても検証しましょう。2022年12月15日からの1カ月間で、東京23区内で価格変動が最も大きい区から5番目までの区と江戸川区をまとめたのが下記の表です。

2022年12月15日～2023年1月16日の間でマンション価格の変動が大きいエリア

江戸川区で販売されている中古マンションの平均価格は、2022年12月15日時点から115万円の下落となっています。東京23区のうち平均価格が下落したのは12区あり、下落額では4番目の大きさです。

一方、江戸川区で販売されている中古マンションの数についても確認していきます。下記の表は、東京23区で販売されているマンションの数について、上位5番目までの区と江戸川区をランキングにしたものです。

東京23区で販売されているマンションの数

江戸川区で販売されている中古マンションの数は東京23区では21番目となる73件で、78件だった2022年12月15日時点に比べて5件減っています。東京23区の中では20番目の物件増加数となっています。

販売されている物件数が減って、平均価格が下落していることから、平均価格よりも高い価格のマンションが成約となったことも推測できます。

2　江戸川区で販売されている中古マンションの間取りにおける特徴

次に分析するのは、間取りにおける特徴です。下記の表は、江戸川区で販売されている73件を、間取り別に物件数をカウントしたものです。

間取り別の売出物件数

江戸川区で販売されている中古マンションのうち、最も多い間取りは47件の3LDKです。割合は64.4％となっており、販売されている中古マンションの多くを3LDKの物件が占めていることがわかります。また、2番目に多い2LDKと合わせると62件で全体の84.9％を占めています。一方、1LDKよりも4LDKが多く、江戸川区ではファミリー向けの物件が多いと推測できます。

また間取りと価格帯の組み合わせについて、その傾向を検証していきましょう。下記の表は、販売数の多い上位5番目までをまとめたものです。

マンションの価格帯と間取りの組み合わせ

江戸川区で販売されているマンションの平均価格は4,507万円ですが、最も多い間取りと価格帯の組み合わせは、平均価格の価格帯よりも低い「3LDK×4,000万円超〜4,500万円」の12件となっています。

江戸川区では3LDKが約65％を占めているのが特徴で、「〜2,000万円」から「6,000万円〜」までのすべての価格帯で物件が販売されているのも特徴です。

なお、価格帯の低いマンションについては、2,000万円以下の価格帯では2LDKが1件、3LDKが1件となっています。ワンルームや1LDKの物件が販売されていないのは、ファミリー物件が多い江戸川区の特徴です。一方、6,000万円以上の物件は7件販売されており、占める割合は9.6％となっています。

3　江戸川区で販売されている中古マンションの築年数における特徴

この項目では、築年数の特徴について分析していきます。次の表は、江戸川区で販売されている中古マンション73件を築年別に分けて、件数とその割合を表したものです。

築年数別の中古マンション販売物件数

江戸川区で販売されている中古マンション73件のうち、築15年以上の物件が占める割合は82.2％となっており、8割を超えています。一方、築10年未満の物件は9件で、全体の12.3％を占めています。

築年数について、さらに詳しく検証していきましょう。次の表は、築年数と価格帯の組み合わせについて、販売されている物件の上位5番目までをまとめたものです。

中古マンションの築年数と販売価格

江戸川区で販売されている中古マンションにおける築年数と価格帯の組み合わせで最も多いのは、平均価格よりも低い価格帯となる「築15年〜×4,000万円超〜4,500万円」の18件です。占める割合は全体の4分の1となる24.7％となっています。また、2番目に位置している「築15年〜×3,000万円超〜3,500万円」と3番目に位置している「築15年〜×3,500万円超〜4,000万円」も、ともに平均価格帯よりも低い価格帯となっているのが特徴です。

ただし、築10年未満の物件で「5,000万円超〜6,000万円」の価格帯が7件、「6,000万円〜」の価格帯が4件販売されており、平均価格を押し上げていると推測できます。

このように築年数が浅く、平均価格よりも高額の物件が販売されているのが、江戸川区のマンション市場の傾向の一つと言えます。

4　江戸川区のマンションの購入を検討している人数

三井のリハウスでは、マンションの購入を検討されている方の人数をそれぞれの区で希望価格別に表示しています。その数字をもとに、東京23区の購入検討者数の上位5番目までと江戸川区を表したのが下記の表です。

マンションを売却する際は、相場に合わせて適正な価格を設定できるかどうかがポイントになります。そこでマンションの購入を検討されている方の数を参考に、需要がどれくらいあるか推測していきましょう。

エリア別のマンション購入検討者数

江戸川区のマンション購入を検討されている方の数は699人となっており、東京23区内で22番目の多さです。2022年12月15日時点では712人となっており、13人の減少となっています。年末年始を挟むこの時期はマンション市場は活発になりにくく、東京23区すべての区で購入検討者が減少しています。その中で、江戸川区は9番目に少ない減少数となっています。

さらに詳しく分析できるように、下記の表では、購入検討者の数を希望価格帯ごとに分けて表示しています。

価格帯別のマンション購入検討者数

最も多い価格帯は、販売されている物件の平均価格と同じ価格帯となる「4,000万円超〜5,000万円」の189人で、全体の約4分の1以上となる27.0％を占めています。

また、特徴的なのが最低価格帯となる「〜2,000万円」の35人に比べて、「6,000万円超〜」が120人おり、17.2％を占めていることです。平均価格帯よりも高い物件を希望されている検討者が多く、今後の価格動向を注視したいところです。

まとめ

三井のリハウスの2023年1月16日時点のデータから、東京都江戸川区で販売されている中古マンションに関する傾向を解説しました。まとめると下記のようになります。

• 販売されている中古マンションの平均価格は東京23区内で20番目
• 平均価格は2022年12月15日時点から115万円の下落
• 販売されている中古マンションの件数は東京23区内で21番目
• 販売されているマンションのうち最も多い間取りは3LDK（64.4％）
• 最も多く販売されている間取りと価格帯の組み合わせは3LDKの「4,000万円超〜4,500万円」
• 最も多く販売されている築年数の区分は「築15年〜」（82.2％）
• 最も多く販売されている築年数と価格帯の組み合わせは築15年以上の「4,000万円超〜4,500万円」
• 築年数が浅く、平均価格よりも高額の物件が販売されている
• 江戸川区内のマンション購入を検討している人は東京23区内で22番目
• 購入検討者のうち「6,000万円超〜」の物件を求めているのは120人（17.2％）

東京都江戸川区の中古マンション市場は、2023年1月16日時点に比べて平均価格が176万円の下落となっています。物件数が減り、平均価格が下落したことで、平均価格よりも高い物件の売却が進んだとも推測できます。また、平均価格よりも高額な中古マンションを検討している方も多く、今後の価格変動にも注目していく必要があると言えるでしょう。

また、総面積の広い江戸川区でのマンションの売却は、細かな地域の特性によって売却事情も異なってくるため、各エリアで実績のある不動産会社に依頼することも大切なポイントです。

三井のリハウスにおける東京都江戸川区の取引実績（2013年1月〜2022年12月）は、マンションが1,391件、一戸建て・土地が1,170件で合計が2,561件となっています。より詳細な情報や売却戦略については、三井のリハウスの無料査定を受けることで、査定価格や査定の根拠を知ることができます。売却に迷っている方でも利用することができるため、「まずは価格を知りたい」という方でも、実際に査定を受けることも検討されてみると良いでしょう。

※東京の不動産市場は流動性が高く、売出情報のデータも日々変動があります。本記事でご紹介した内容については、三井のリハウスが提供している、2023年1月16日時点のデータであることをご理解の上、参考にしてください。

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倉岡 明広

経済学部経済学科卒業後、出版社や編集プロダクション勤務などを経てフリーライターとして独立。雑誌や新聞、インターネットを中心に記事を執筆しています。初心者が抱く不動産投資の疑問や質問を解決できるよう丁寧な記事を執筆していきます。

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