COZUCHI(コヅチ)の源泉所得税が還付される条件は?確定申告の手順も

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COZUCHI(コヅチ)で分配金を受け取った場合、その源泉所得税を還付してもらうにはどのようにすればよいのでしょうか。還付申告は、通常の確定申告と受付期間が異なるため、確定申告の期限を過ぎてしまった場合でも申告手続きをして納め過ぎた所得税の還付を受けることを検討しましょう。

この記事では、COZUCHI(コヅチ)で源泉所得税を還付してもらう方法と、確定申告の手順について解説していきます。

※記事内の税制内容は2023年2月時点の情報となります。最新の情報については、国税庁などのサイトをご確認のうえ、税理士などの専門家へのご相談もご検討ください。

目次

  1. COZUCHI(コヅチ)の源泉所得税を還付してもらう方法
    1-1.COZUCHI(コヅチ)の分配金は雑所得として源泉徴収されている
    1-2.源泉徴収税率よりも総合課税の税率が低い場合、確定申告をすることで税金が還付される
    1-3.還付申告は確定申告の期限に関わらず5年間できる
  2. COZUCHI(コヅチ)の分配金の確定申告手順
    2-1.必要書類・環境を整える
    2-2.雑所得などの所得計算をおこなう
    2-3.所得税の確定申告書を作成・提出する
  3. まとめ

1.COZUCHI(コヅチ)で確定申告が必要になるケース

不動産投資型クラウドファンディング「COZUCHI(コヅチ)」COZUCHI(コヅチ)はLAETOLI株式会社が運営する不動産投資型クラウドファンディングサービスです。LAETOLI株式会社は、リノベーション事業や不動産買取事業を展開する不動産会社で、投資用不動産のノウハウを生かしてCOZUCHIを運営しています。

あらためて、COZUCHIがどのような商品なのかをみていきましょう。COZUCHIは、不動産小口化商品のうち、匿名組合型の不動産投資型クラウドファンディングの商品となります。

匿名組合型の不動産投資型クラウドファンディングの分配金は、所得税法上、雑所得として課税されます。分配金の支払い時に、源泉所得税が徴収されています。

既に所得税が源泉徴収されているため、確定申告が不要であるケースもあります。しかし、税率段階が20.42%よりも低い税率が適用される所得区分の納税者については、確定申告をすることで税金が還付されることがあります。

1-1.COZUCHI(コヅチ)の分配金は雑所得として源泉徴収されている

COZUCHIは、不動産投資の規模を小口化して出資者を募り、その資金を基に投資した不動産の賃料収入や売却益を投資額に応じて出資者に分配する不動産投資型クラウドファンディング商品です。

その中でも、匿名組合型といって、不動産特定共同事業者が、各投資家と匿名組合契約を締結して出資を受け、不動産特定共同事業者が取得した不動産を運用し、得られた収益を各投資家に配分する方式になります。

匿名組合型では、不動産特定共同事業者が出資された資金や不動産を所有し、運用主体となります。運用によって生じた利益は不動産特定共同事業者に帰属し、各投資家における所得税の取扱いは、分配された利益のみ雑所得として課税対象となります。(※参照:国税庁「任意組合等の組合員の組合事業に係る利益等の帰属」)

COZUCHIの分配金も、雑所得として所得税の課税対象となっており、支払い時に、20.42%の所得税(復興特別所得税を含む)を源泉徴収して投資家に支払われています。

1-2.源泉徴収税率よりも総合課税の税率が低い場合、確定申告をすることで税金が還付される

所得税の総合課税の税率は、累進課税といって、所得区分が高くなるにつれて税率も高くなる仕組みになっています。所得区分と税率の段階は、5.105%から45.945%まで(復興特別所得税を含む)の7段階に分かれています。(※参照:国税庁「所得税の税率」)

これに対して、雑所得の源泉所得税率は原則として20.42%の一律課税です。つまり、税率段階が20.42%よりも低い税率が適用される所得区分の納税者については、確定申告をすることで、本来、課税されるべき税率によって計算された所得税額と、源泉徴収された所得税額との差額が還付されることになります。

1-3.還付申告は確定申告の期限に関わらず5年間できる

源泉所得税の還付をしてもらうために確定申告をする場合など、年の途中に予め納めた所得税額が年間の所得金額について計算した所得税額よりも多いときに、納め過ぎた所得税の還付を受けることができます。

このような確定申告は、還付申告と呼ばれ通常の確定申告書の提出と手続きは何ら変わりませんが、受付期間が異なります。還付申告は、確定申告の期限に関わらず、還付を受けようとする所得税にかかる年の翌年1月1日から5年間おこなうことができます。(※参照:国税庁「還付申告」)

2.COZUCHI(コヅチ)の分配金の確定申告手順

COZUCHIの分配金のような不動産投資型クラウドファンディングの所得は、所得税法上、雑所得として扱われますが、雑所得の確定申告手順は次のようになります。

  • 必要書類・環境を整える
  • 雑所得などの所得計算をおこなう
  • 所得税の確定申告書を作成・提出する

以下で詳しくみていきましょう。

2-1.必要書類・環境を整える

まず、確定申告に必要な書類を整えます。給与所得以外の所得が、COZUCHIの分配金で得た利益のみである場合、基本的には確定申告書(A様式)を提出することになります。

給与所得以外に事業所得や不動産所得などの所得がある場合、確定申告書(B様式)を提出することになります。自分で申告をおこなう場合は、税務署でこれら所定の様式を揃えておくとよいでしょう。

環境については、確定申告の手続きの一部を自分でおこなう場合に準備が必要になります。パソコン、ネット環境が必須となるでしょう。

COZUCHI(コヅチ)の分配金にかかる収入や必要経費に関する書類の収集

COZUCHIの分配金で得た収益については、一年間の分配金をまとめた、支払調書(年間取引報告書)が発行されるので、その支払調書を利用します。年間取引報告書は、翌年1月中旬頃、COZUCHIのマイページで確認することができます。

COZUCHIの分配金を得るために支出した必要経費がある場合、その領収書なども準備しておきましょう。

他の所得や所得税の控除に関する書類の収集

所得税の確定申告書を作成するために、給与所得の源泉徴収票などのCOZUCHI(の分配金以外の収入明細が必要です。また、所得控除に関する書類として、医療費の領収書や寄附金の領収書などが必要になります。

なお、社会保険料や生命保険料、地震保険料も控除対象になりますが、サラリーマンであれば年末調整で調整済なので、源泉徴収票を用意すれば充分です。

2-2.雑所得などの所得計算をおこなう

COZUCHIの分配金がある場合、資料を下に雑所得の計算をおこないましょう。雑所得の金額は、次の算式によって算出できます。

雑所得=総収入金額-必要経費

必要経費として控除できるのは、COZUCHIの分配金を得るために直接要した費用になります。COZUCHIの運営事業者の手数料などが挙げられます。

令和4年分以降の所得税確定申告では、不動産投資型クラウドファンディングに係る収益が、営利を目的とした継続的なものである場合、前前年分の収入金額が300万円を超えるときは、帳簿を保存する必要があります。

また、事業所得や不動産所得など、決算をおこなう必要がある場合、雑所得の計算とともに、事前に決算を済ませておきましょう。

2-3.所得税の確定申告書を作成・提出する

雑所得や、その他の所得がある場合、それらの計算が終了したら、所得税の確定申告書を作成します。確定申告書は、雑所得の金額や給与所得の金額を集計し、社会保険料控除、医療費控除などの各種控除の金額を控除して、所得税のかかる所得を算定し、実際の所得税額の計算をおこなう書類です。

一般株式等に係る譲渡所得がある場合の申告では、株式等に係る譲渡所得の金額の計算明細書の作成も必要になります。

これらの申告書類は、通常は、国税庁の確定申告書等作成コーナーや、「freee」などの市販の税務ソフトに情報を入力して作成することがほとんどです。作成の際には所得税の知識が必要になります。

すべての書類を作成したら、管轄の税務署に提出します。提出方法は、直接持参するか、郵送、あるいは電子申告であればインターネットで送信することによって提出します。

所得税の確定申告書等の提出期限は、通常、翌年の2月16日から3月15日となります。還付申告の場合には、翌年1月1日から5年間です。還付金は、税務署の手続きが完了次第、受け取ることができます。

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まとめ

COZUCHI(コヅチ)は、匿名組合型の不動産投資型クラウドファンディングであり、分配金は、所得税法上、雑所得として課税されます。分配金の支払い時に、源泉所得税が徴収されているため、総合課税の税率段階が20.42%よりも低い税率が適用される所得区分の納税者については、確定申告・還付申告をすることで税金が還付されるケースもあります。

分配金の確定申告をする際には、支払調書が必要になります。支払調書が発行されない場合には、年間取引報告書など、支払総額と支払日、支払内容の他、源泉徴収税額が分かる資料を用意しましょう。還付申告は、還付にかかる年の翌年1月1日から5年間おこなうことができます。

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佐藤 永一郎

筑波大学大学院修了。会計事務所、法律事務所に勤務しながら築古戸建ての不動産投資を行う。現在は、不動産投資の傍ら、不動産投資や税・法律系のライターとして活動しています。経験をベースに、分かりやすくて役に立つ記事の執筆を心がけています。