田舎の実家はすぐ売れる?遺産相続した不動産の売却手順を解説

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相続によって不動産を取得したものの、どのように売却を進めていけばいいのか分からずに困っている方も多いのではないでしょうか。
相続人が複数いる場合には、不動産を単独で売却することはできず、遺産分割協議書の作成や、相続登記をする必要があります。

今回は、遺産相続によって不動産を取得された方向けに、不動産の売却手順について解説します。

目次

  1. 相続した不動産の売却手順
    1-1.相続した不動産の遺産分割協議を行う
    1-2.不動産の相続登記を行う
    1-3.不動産一括査定サイトを利用する
    1-4.不動産会社に訪問査定を依頼する
    1-5.売買契約を締結する
    1-6.売却代金を分配する
  2. まとめ

1.相続した不動産の売却手順

相続した不動産が遠方にあり管理が出来ない、相続人のうち誰も住む予定がないなどの理由から、相続した不動産の売却を検討する方も多いでしょう。不動産を売却して現金に換える場合、自分の所有する不動産を売却する際と同様の手順で売却を進めれば良いのでしょうか。

自分の所有している不動産を売却する場合の手順と相続した不動産を売却する際の手順は一部異なります。そのため、相続した不動産の売却をスムーズに行うためには、どのような手順で売却を進めるのかを理解しておくことが重要です。

相続した不動産を売却する際は、以下のような手順で売却を進めます。

  1. 遺産分割協議を行う
  2. 相続登記を行う
  3. 不動産会社に売却を依頼する
  4. 売買契約を締結する
  5. 売却代金を分配する

それぞれの手順について詳しく見ていきましょう。

1-1.相続した不動産の遺産分割協議を行う

被相続人が亡くなった場合、死後7日以内に死亡診断書と死亡届を役所に提出しなければなりません。その後、被相続人が遺言を残していなかったかどうかを確認します。遺言書を被相続人が残していた場合には、その内容に従って相続を行いますが、遺言書がない場合は法定相続分に応じて相続財産を取得します。

相続した遺産をどうやって分割するのかを相続人同士で話し合う必要があります。それが遺産分割協議です。

不動産を遺産分割する際は、共有持分の不動産として残す、売却して現金に換えてから法定相続分に応じて分割するなどがあります。

1-2.不動産の相続登記を行う

遺産分割協議によって遺産の分割が決まった後は、その内容を明記した遺産分割協議書を作成します。遺産分割協議書とは、トラブルが生じることを未然に防ぐために、遺産分割協議で話し合った内容をまとめた書類です。

不動産の名義を共有名義にすると、不動産に関する各種決定を行う際に共有名義人全員の承諾が必要になるので手間と時間がかかります。そのため、スムーズに売却を進めるために相続人の中から代表者を決めて単独名義にする方法があります。

単独名義にする際は、まずは相続する不動産の登記事項証明書を取得する必要があります。その後、相続登記申請書を作成して、遺産分割協議書と作成した相続登記申請書を法務局に提出して相続登記申請を行います。

相続登記申請が完了した後は、単独で相続した不動産の売却を進めることが可能です。

1-3.不動産一括査定サイトを利用する

不動産一括査定サイトとは、売却したい相続不動産の情報をサイトに入力するだけで、登録している不動産会社から査定を受けられるサイトのことです。入力した不動産情報をもとに複数社の査定を受けられるため、1社ずつ査定を依頼する手間と時間を省くことができます。

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1-4.不動産会社に訪問査定を依頼する

一括査定後に良さそうな不動産会社に訪問査定を依頼します。こちらも複数社へ依頼するのが良いでしょう。査定を1社だけに依頼すると、その査定結果が他社と比べて信頼のおける価格なのか判断が難しいためです。

売却を依頼する不動産会社を選ぶ際は、査定の金額だけでなく、売却までにかかる期間や、査定金額の根拠を具体的に説明できる不動産会社に依頼すると良いでしょう。売却に時間がかかると、固定資産税や管理費、修繕費といったランニングコストが無駄にかかるため、営業力の高い不動産会社を選ぶことも重要です。

1-5.相続した不動産の売却方法を検討する

不動産会社に相続不動産の売却を依頼した後は、募集活動、内覧を経て売買契約に移ります。

不動産を仲介で売却する場合、買主が現れない限り不動産が売却できないデメリットがあります。相続不動産をすぐに売却して現金化したいという場合は、不動産会社に売却を依頼するのではなく買取を依頼するという方法もあります。

買取とは、不動産会社に仲介を依頼して買い手を探してもらう仲介とは違い、不動産会社に直接不動産を買い取ってもらう方法です。仲介より早く不動産を売却できる、仲介手数料が発生しないというメリットがあります。

しかし、買取では、不動産会社は買い取った不動産を転売して利益を得るため、仲介で売却するよりも2~3割ほど価格が低くなるデメリットがあります。

不動産を少しでも高く売却することを優先するのか、早く売却することを優先するのかを事前によく話し合った上で、売却方法を決定しましょう。

1-6.売却代金を分配する

不動産の売却が完了した後は、売却代金を遺産分割協議に合わせて代金を分配します。法定相続分で分割する場合、夫が亡くなって、妻と子供2人が相続するケースだと、妻が2分の1、子供が4分の1ずつの代金を受け取ります。これで相続不動産の売却は完了です。

このように、相続した不動産の売却には、通常の不動産の売却とは異なる部分があります。売却の途中でトラブルが生じないようにするためにも、事前に手順を理解した上で売却を進めましょう。

まとめ

遺産相続した不動産の売却手順について解説しました。相続した不動産を売却する際は、通常の不動産の売却とは異なり、遺産分割協議書の作成や、相続登記をする必要があります。相続した不動産によるトラブルを未然に防ぐためにも、手順をしっかりと理解した上で売却に取り掛かりましょう。

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矢野翔一

関西学院大学法学部法律学科卒。宅地建物取引士、管理業務主任者、2級FP技能士(AFP)などの保有資格を活かしながら、有限会社アローフィールド代表取締役社長として学習塾、不動産投資を行う。HEDGE GUIDEでは不動産投資記事を主に担当しています。専門用語や法律が多く難しいジャンルですが分かりやすくお伝えしていきます。