複利運用のメリット・デメリットは?初心者向けの複利運用サービスも紹介

子供の教育資金や住宅購入資金などの大きな資金を作るには、複利運用による長期的な資産形成が有効です。複利運用とは、収益が発生するごとにそれらを元本に組み込み、運用に回す資金を増やしていく方法で、資産形成が早くなるなどのメリットはありますが、デメリット・注意点もあります。

そこでこの記事では、複利運用のメリットや注意点、おすすめの運用方法について詳しく解説します。複利・単利の違いを知りたい方、リスク抑えてまとまったお金を作りたい方は、参考にしてみてください。

目次

  1. 複利運用と単利運用の違い
  2. 複利運用のメリット
    2-1.資産形成のスピードが速い
    2-2.資金が効率的に活用される
    2-3.株式投資や投資信託との相性が良い
  3. 複利運用の注意点
    3-1.元本保証のない運用は成果次第
    3-2.資金が拘束される
  4. 複利運用のメリットを活かせる投資方法とは
    4-1.長期投資で複利効果を最大限生かせる
    4-2.積立投資との相性が良い
  5. まとめ

1 複利運用と単利運用の違い

資産運用の方法には、複利運用と単利運用があります。複利運用は、利益や利息が生じるごとにそれらを元本に組み込み、運用に回す資金を増やしていく方法です。例えば、銀行預金で当初の預金額が100万円として、1万円の利息が生じた場合、利息を元本に組み入れ、101万円にして預金を続けるのが複利運用です。この場合、次回の利息は預金額101万円に対して発生することになります。

一方、単利運用は、利益や利息が発生するごとに引き出して別に保管または消費する方法で、運用に回す資金は常に同じ金額です。先ほどの例で言えば、利息の1万円を預金元本に組み入れずに出金し、元本は当初の100万円のまま預金を続けるのが単利運用です。この場合、次回の利息は預金額100万円に対して発生するため、複利運用に比べて利息額が小さくなります。

2 複利運用のメリット

それでは単利と比較した複利運用の詳しいメリットを見ていきましょう。

2-1 資産形成のスピードが速い

長期的に大きな資産を形成するには、複利運用が有利です。単利で運用した場合、運用期間が長くなるにつれてその差は大きく開いていきます。

例えば、元本100万円を年間利回り2%で20年間運用した際の複利と単利の違いは以下のようになります。

複利と単利での運用結果(利回り2%の場合)

(単位:万円)

年数 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
複利 102 104 106 108 110 113 115 117 120 122
単利 102 104 106 108 110 112 114 116 118 120
年数 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
複利 124 127 129 132 135 137 140 143 146 149
単利 122 124 126 128 130 132 134 136 138 140

(注)各年の金額は元本と収益の合計額で、万円未満を四捨五入。複利周期(収益を元本に組み込むタイミング)は1年。損失は考慮していません

複利運用では、毎年の収益を運用元本に組み込むことで運用元本が次第に大きくなり、運用年数が経過するごとに収益金額が増えていきます。その結果、20年目には約6.4%の差が付くことになります。

それに対し単利運用では、毎年の収益部分を出金するため、運用元本は常に100万円、毎年の収益も20万円と固定されています。その結果、20年目の元本と収益の累積合計額は140万円と複利運用より少なくなっています。

なお複利・単位運用による資産形成のスピードをグラフ化すると、複利運用の元本・収益の累積合計額は曲線状に伸びていくのに対し、単利運用では直線になります。運用期間の初期には差があまり開いていませんが、10年目を超えてからは年数が経過していくごとに両者の差は大きく開いていきます。

このように複利運用の最大のメリットは資産形成のスピードが速いことです。資産を長期にわたって運用して大きく増やしていくには、複利運用が有利といえます。ただし、これはあくまでも損失を考慮せず、毎年常に一定の利回りを確保できた場合を仮定したものに過ぎないため、実際には必ずしも上記の通りには行かないことは留意する必要があります。

2-2 資金が効率的に活用される

運用益を再投資に回す複利運用は、資金効率も優れているのが特徴です。上述の通り再投資で元本を増やすことで雪だるま式に資産が増えるスピードを上げることができるため、長期的に大きな資産を形成したい場合には複利運用が向いています。

2-3 株式投資や投資信託などで幅広く実践できる

株式投資やFX、投資信託などの一般的な資産運用においては、生じた利益を消費せずに再投資に回していくことは決して難しいことではありません。投資元本が増えるにつれてそれに応じた複利効果が見込めるので、順調に進めば資産形成のスピード効率も良くなります。

複利運用は多くの資産運用手段において活用できるほか、中には自動で再投資を行ってくれるサービスもあるため、実践しやすいのもメリットです。

3 複利運用の注意点

次に、複利運用でどのような点に注意すべきかについてみていきましょう。

3-1 元本保証のない運用は成果次第

銀行預金などの運用では、利息がつき元本も保証されます(ペイオフによる限度あり)。

一方、元本保証のない株式投資やFXなどの運用では、場合によっては損失が発生し元本割れ等を起こす可能性もあります。仮に毎年収益を上げ、その収益を投資元本に組み込み元本自体を膨らませていけば、複利効果による資産形成が期待できるものの、実際には同様に損失可能性も大きくなるため初心者の方にはリスクの高い方法とも言えます。

リスクを抑えながら長期的に運用する方法としては、投資のプロであるファンドマネージャーが運用してくれる投資信託や、インターネット上で投資診断や投資アドバイス・運用などを代行してくれるロボアドバイザー、現金を使わずに始められるポイント投資などがあり、初心者の方にも取り組みやすくなっています。

リスクを抑えながら複利運用ができる代表的なサービス

運用方法 サービス名 特徴
投資信託/ポイント投資 SBI証券 100円から投資信託購入可能。投資信託の購入手数料はほぼ無料。Tポイントで投資信託が買える。投資信託の種類や保有額に応じてTポイントがもらえる。
ロボアドバイザー ウェルスナビ 最低投資額は10万円から。6つの質問に答えるだけで運用プランを提案してもらえる。国際分散投資や積立投資ができる
ポイント投資 ネオモバ Tポイントで1株数百円から株が買える。配当を受け取ることができる。定期買い付けも可能なので、株での複利運用が可能。
ポイント投資 日興フロッギー+ docomo dポイント100ptから株が買える。配当を受け取ることができる。NISAにも対応。SMBC日興証券とドコモの協業サービス

※2020年6月時点の情報です。

例えば、投資信託には分配金をその都度分配する「分配型」と分配金を再投資に回す「再投資型」とがありますが、複利効果による資産形成を目的とする場合、再投資型の投資信託が候補になるでしょう。

さらに、後述のように定期的に低額を積立購入する方法を併用すれば価格変動リスクも抑えられます。リスクを抑えて複利投資を行いたい場合は、こうしたポイントを意識すると良いでしょう。

3-2 資金が拘束される

複利運用は、運用期間が経過するにつれて大きな効果が期待できる方法ですが、長期間資金が拘束されることを認識しておく必要があります。

運用途中で得られる利益や利息は、消費せずに再投資に回すことになるので、資産を複利で運用しようとする場合、生活資金に影響のない範囲で行うことが大切です。

4 複利運用のメリットを活かせる投資方法とは

複利運用と単利運用の違いや複利運用のメリット・注意点などをみてきましたが、ここでは、複利運用で行うと有利な投資方法について確認しましょう。

4-1 長期投資で複利効果を最大限に生かせる

投資は、その投資期間の長短により短期投資と長期投資とに大きく分けることができます。短期投資は、投資期間が比較的短く、すぐに結果が求められる投資です。

一方、長期投資は、投資期間が数年~数十年間にわたる長く継続する投資をいいます。投資や資産運用で大きな資産を形成するには、すでに見てきたように複利運用が有利です。

複利と単利での運用結果(概算)のグラフをみると、複利運用が最も効果を発揮するのは、資産の運用期間が長い場合です。運用期間が0~10年の前半部分は、複利運用であっても資産がそれ程顕著に増加しているわけではありません。しかし、運用期間が11~20年の後半部分では、複利運用の資産形成曲線はカーブを描くように大きく上昇しています。

運用期間の後半では、運用元本自体が大きく膨らんでいることから、年ごとの収益も大きく増加していきます。この例では、最終的に形成した資産総額3,834万円のうち、全体の約84%に及ぶ3,215万円は、運用期間が11~20年の後半部分に作ったものです。

このように、運用期間が数十年にわたるような長期投資では、複利運用のメリットを最大限生かすことができます。ただし、複利効果は損失にも同様に作用してしまうため、リスク低減のためには後述の積立投資などと組み合わせると効果的です。

4-2 積立投資との相性が良い

積立投資は、あらかじめ設定したタイミングで一定額の金融商品を購入し積み立てていく投資法です。毎週・毎月・毎年など定期的に株式や投資信託などの金融商品を購入していきます。

積立投資では、商品価格の高いときには少なく、安いときには多く購入することになるので、結果的に1株あたりの購入価格が平均化されます。これはドル・コスト平均法(=定額購入法)と呼ばれており、価格変動リスクを抑える効果があります。

積立投資は、積み立てる対象がどのような金融商品かによって様々な種類がありますが、運用積立期間が10~30年間と長いタイプもあるので、複利運用でその効果を発揮することができます。

各金融機関や証券会社が提供している積立投資サービスでは、指定した金融商品を定期的に買い付けたり、口座への入金を自動的に行ってくれたりするタイプもあるので、運用の手間もかかりません。そのため、積立投資が初めての方や、普段仕事で忙しい方でも手軽に長期継続することが可能です。

子供の教育資金や住宅資金、また老後の生活資金などのまとまった資産は、一朝一夕で貯まるものではなく、また、各家庭の経済事情や目標金額によっても、積み立てを行うタイミングや積立金額などは異なってきます。

しかし、いずれの場合もリスクをできる限り抑えた運用が大切になることは同じなので、長期投資をする場合、積立投資と複利運用の併用がおすすめです。

5 まとめ

運用中に生じた利益を元本に回す複利運用は、長期的に資産を増やしていくのに向いた運用方法ですが、元本保証はなく、運用期間中の資金は拘束されるなどの注意点もあります。

また、複利運用は、リスクを抑えながら長期的に資産形成を目指す積立投資との相性が良いのも特徴です。

住宅購入資金や老後の生活資金などのまとまったお金が必要な方は、ご自身の投資スタイルに応じて、長期投資に向いた金融商品や複利運用を検討してみてください。

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HEDGE GUIDE 編集部 投資信託チーム

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