マンションの売却価格の相場は?相場の調べ方や高く売るコツも

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マンションを所有している方にとって、自分のマンションの売却価格相場がいくらぐらいなのか、気になる方も多いのではないでしょうか。

マンションを高く売るためには、相場に適した売出価格を決めることも大切になってきます。その他、居住用としてでなくマンション投資をおこなって運用している場合も、売却という出口まで考えてシミュレーションしておくことは重要です。

本記事では、最新のマンション売却価格の相場と、自分で相場を調べる際の方法、高く売るコツについて解説していきます。

目次

  1. マンション売却価格の相場
    1-1.主要地域のマンション売却相場
    1-2.築年数による相場価格への影響
    1-3.全国のマンション価格の推移
  2. マンションの売却価格の相場を調べる方法
    2-1.成約事例情報サイトから調べる
    2-2.売出事例情報サイトから調べる
    2-3.シミュレーションサイトから調べる
  3. マンションを高く売るコツ
    3-1.相場を知った上で売却戦略を立てる
    3-2.経済的・社会的動向を見極める
    3-3.販売力のある不動産会社に依頼する
  4. まとめ

1.マンション売却価格の相場

マンション売却価格の相場は、地域や築年数によっても価格相場は変わってきます。しかし、このようなマンションごとの個別理由だけでなく、全体的な相場変動の影響を受けて価格相場は日々変動していきます。

以下では、主要地域別のマンション売却価格の相場と、築年数の経過による相場価格への影響、マンション価格の近年の推移をみて、売却価格の相場を説明します。

1-1.主要地域のマンション売却相場

東日本不動産流通機構の「月例速報 Market Watch(2020年11月発表)」をもとに、主要地域ごとのマンション売却価格の相場をみてみましょう。

地域 平均成約価格 平均築年数 平米単価
北海道 1,714万円 26年 23万円
東京 4,587万円 21年 75万円
神奈川 3,003万円 23年 44.5万円
千葉 2,164万円 26年 29.4万円
埼玉 2,274万円 24年 32.8万円
愛知 2,098万円 24年 27.9万円
大阪 2,582万円 25年 37.1万円
兵庫 2,280万円 26年 31.2万円
福岡 1,935万円 24年 28.5万円

マンションの売却価格は、東京の相場が突出して高く、東京以外の首都圏地域や大阪、兵庫、愛知は、2,000万~3,000万が平均相場となっています。

1-2.築年数による相場価格への影響

マンションの売却価格相場には、地域と同程度あるいはそれ以上に築年数が影響を及ぼすといえます。REINS TOPIC「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2019年)」によれば、首都圏の中古マンションの築年帯別平均平米単価(単位:万円)は、次のようになっています。

首都圏マンションの築年数による平米単価の推移※REINS TOPIC「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2019年)」を参照し、筆者作成

築年数の経過につれて、マンションの平米単価は下落傾向にあります。築5年以内の築浅マンションと比較して、築30年のマンションの平米単価は半分以下まで下落していきます。また、築20年を超えると下落割合が大きくなる傾向があります。

1-3.全国のマンション価格の推移

国土交通省発表の「不動産価格指数(令和2年10月分)」によると、マンションの価格指数は、2013年頃から急上昇しており、2020年10月には約1.5倍になっています。

このようなマンション価格上昇の背景には、政策金利の大幅な引き下げによる大規模な金融緩和が一つの要因として考えられます。

2012年12月26日に始まった第2次安倍政権において実施されたアベノミクスでは、金融緩和(2%のインフレ目標が達成できるまで無期限の量的緩和)が行われ、これ以降、金融機関が積極的に融資を行うようになりました。

マンションの価格指数をみる限り、2020年に起きたコロナショックも、2021年2月時点では大きな影響を及ぼしてはいないことが分かります。マンションの売却価格相場は、このような相場の全体的な動向にも影響を受けて変動することになります。

2.マンションの売却価格の相場を調べる方法

マンションの売却価格相場は、立地する地域や専有面積、築年数によって大きく変わってきます。実際に売却しようとしているマンションの価格相場を知るには、前述した全体傾向に加えて、自身でも調査する必要があります。

マンションの売却価格の相場を調べる際は、過去の売買履歴から不動産価格を類推する「取引価格事例比較法」を参考にして調べてみましょう。

まず、成約事例情報サイトから、類似のマンション事例の価格を調べます。ただし、成約事例の情報は大まかな情報になるため、より、詳細な情報を得るために、売出事例情報サイトも参考にします。相場の調べ方について、それぞれ詳しく見て行きましょう。

2-1.成約事例情報サイトから調べる

成約事例情報サイトには、国土交通省運営の「土地総合情報システム」と、不動産流通機構運営の「レインズマーケットインフォメーション」があります。

「土地総合情報システム」は、取引時期、不動産の種類、地域の3ステップで、成約事例情報を検索できるようになっています。

町名や最寄り駅でも検索対象を絞ることができるようになっており、一覧情報としては専有面積や間取り、築年数なども掲載されているため、類似の成約取引事例を細かいところまで調べることが可能です。地図上でみることもできるので、取引事例の比較を直感的におこなうこともできます。

「レインズマーケットインフォメーション」は、都道府県、地域の2ステップで検索できるようになっており、それ以上の細かい情報を絞ることもできるため、より条件が類似した成約物件の情報を調べるのに利用できます。

ただし、一覧表で示される情報は、価格は㎡単価の記載しかなく、専有面積も「20~40㎡」のように登録されており、正確な情報がわからないので、参考程度に利用するとよいでしょう。

2-2.売出事例情報サイトから調べる

スーモ、アットホーム、ホームズなどの実際に売り出されている不動産情報のポータルサイトから、売出事例情報を収集して相場を調べる方法もあります。

地域(市区町村)や最寄り駅、最寄り駅からの距離、専有面積、間取り、築年数などの基本的な情報で検索できるほか、性能や設備について細かい条件で設定して検索ができます。長期優良住宅、リノベーションの有無、床暖房や食洗器、浴室乾燥機の有無などの条件も指定することができます。

売出事例情報を調べることで、売却しようとしているマンションにより近い条件の事例情報を調べることができるほか、成約価格は、相場よりも低い価格で成約した可能性もあることから、売出価格も併せて参考にすることで、より相場に近い価格を知ることができるようになるといえます。

ただし、ポータルサイトに掲載されている物件は現在売出中の物件であるため、実際に売買が成立した価格ではなく、売主の希望価格となり、相場より高めに設定されている可能性もあります。成約価格と売出価格のどちらかではなく、両方の価格を参考に相場感を掴むことが重要です。

2-3.シミュレーションサイトから調べる

Howmaは周辺地域の類似取引データを自動で収集して、相場価格を算出してくれるシミュレーションサイトです。売却したいマンションの住所や専有面積、築年数などの基本的な情報を登録すると、AIが最寄り駅や最寄り駅からの距離を割り出してくれます。

自動で数分のうちに相場価格を割り出してくれるため、大まかな価格をすぐに知りたいという場合には役立てることができます。

3.マンションを高く売るコツ

マンションの売却価格相場を知ることで、売却戦略を立てることができ、相場以下で売却してしまう失敗を避けることに繋がります。マンションを高く売るコツには、経済的・社会的動向を見極めること、販売力のある不動産会社に依頼すること、なども重要なポイントです。

それぞれ詳しく見て行きましょう。

3-1.相場を知った上で売却戦略を立てる

マンションを高く売るには、売出価格をいくらで設定し、価格交渉が入ったときはいくらまで妥協するのか、あるいは、売出価格をいつどのくらい下げるのか、などの売却戦略を立てることが重要です。

しかし、相場から大きく外れた価格でこのような売却戦略を立てても、成約に至るのは難しくなります。まずは相場価格を知り、その後マンションに適した売却戦略を立てるとよいでしょう。

3-2.経済的・社会的動向を見極める

マンションを高く売るには、経済的・社会的動向を見計らって売り出すことも重要です。不動産市場の需要と供給の関係、金融機関の貸出態度の動向を見極めて、価格の上昇につながっているタイミングで売却したいといえます。

また、周辺地域の人口増加や、再開発なども価格上昇をもたらします。経済的・社会的動向を見極めて売却時期を判断することも高く売るコツといえるでしょう。

3-3.販売力のある不動産会社に依頼する

不動産の売却は、不動産会社によって得意不得意があります。マンションの売却を専門としていて、できれば、売却しようとしているマンションと似たような物件の売却実績がある不動産会社に売却を依頼することが大切です。

売却依頼する不動産会社を探すのであれば、複数の不動産会社へ査定依頼ができる「不動産一括査定サイト」を利用することで効率的に進めることができます。

下記、主な不動産一括査定サイトの一覧です。下記のサイトは悪徳な不動産会社の排除を積極的に行い、全国エリアに対応している特徴があります。

主な不動産一括査定サイト

サイト名 運営会社 特徴
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不動産一括査定サイトでは、査定結果や査定の根拠、担当者の対応力を比較し、より良い条件を提示できる不動産会社を探すことができます。

また、不動産一括査定サイトによる査定では、売却するかどうかは査定後に決定することができるため、定期的に査定を受けることでマンションの売却相場がどのように変動しているのかの調査にも利用可能です。

マンションを実際に売却するかどうか迷っている場合や、マンションの売却タイミングに悩む場合も、利用検討してみましょう。

まとめ

マンションの売却価格相場は、立地する地域、築年数、全体的な相場動向に影響を受けます。
成約事例情報サイトや売出事例情報サイトを利用して、地域、最寄り駅、最寄り駅からの距離、専有面積、築年数、の項目が類似する物件の価格と比較して相場を調べていくことになります。

相場を知ることで、マンションの売却戦略に生かすことができます。マンションを高く売るには、経済的・社会的動向を見極め、販売力のある不動産会社に依頼することも意識してみましょう。

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佐藤 永一郎

筑波大学大学院修了。会計事務所、法律事務所に勤務しながら築古戸建ての不動産投資を行う。現在は、不動産投資の傍ら、不動産投資や税・法律系のライターとして活動しています。経験をベースに、分かりやすくて役に立つ記事の執筆を心がけています。