マンションの住み替えをスムーズに行う手順は?住宅ローンのポイントも

住み替えは売却と購入を同時に行うため不動産会社への査定依頼や新居探しなどやるべき事が多く、どのように進めて行けばよいか混乱してしまう方も少なくありません。

旧居の売却と新居の購入の手順を把握し、売却スケジュールや準備しておきたい資金などのポイントをおさえておくことでスムーズに住み替えにつながります。

そこで本記事では、住み替えの前に確認しておきたいポイント、売却・購入の手順、スムーズな住み替えを行うためのポイント、住宅ローンについて解説していきます。

目次

  1. 住み替えの前に確認しておきたいポイント
    1-1.売り先行・買い先行を決める
    1-2.住宅ローンがある時は残債と売却予想価格を比較する
  2. マンション住み替えの売却の手順
    2-1.不動産会社に査定を依頼する
    2-2.媒介契約を締結する
    2-3.売り出し価格を決定・売却活動開始
    2-4.買主と売買契約を締結
    2-5.マンションの引き渡し・清算
  3. マンション住み替えの新居購入の手順
    3-1.資金計画を立てる
    3-2.売主と売買契約を締結
    3-3.住宅ローンの申し込み・審査
    3-4.新居の引き渡し・清算
  4. スムーズな住み替えを行うためのポイント
  5. 住宅ローン控除改正とマイホームを売ったときの特例
    5-1.住宅ローン控除が改正・2022年から控除率が0.7%に
    5-2.マイホームを売ったときの特例
  6. まとめ

1.住み替えの前に確認しておきたいポイント

  • 売り先行・買い先行を決める
  • 住宅ローンがある時は残債と売却予想価格を比較する

1-1.売り先行・買い先行を決める

住み替えには旧居の売却を先に行う「売り先行」と、新居の購入を先に行う「買い先行」があります。

売り先行は売却後に新居を探すため資金計画が立てやすい、売り急ぐ必要が無いため売却価格を下げずに済む事があるというメリットがあります。一方で、引き渡しまでに新居が決まらない時は仮住まいが必要となり引っ越しの費用や手間がかかる、新居探しを急ぐ事例が多いという点がデメリットです。

買い先行はマンションの売却価格が確定していないため資金計画が立てにくくタイミングがずれると二重ローンになってしまうこと等がデメリットですが、新居をじっくり探すことができる、仮住まいの必要が無く引っ越しが1度で済む点がメリットです。

これらのメリット・デメリットを比較すると、売り先行は資金計画が立てやすく余裕をもって売却できるため売主にとって金銭的なメリットが大きいと言えますが、「資金に余裕があり納得のいく新居を探したい」と言う方は買い先行が適していると考えられます。

それぞれのメリット・デメリットを把握し、金銭面や環境面などを考慮しどちらを選ぶか判断されてみると良いでしょう。

1-2.住宅ローンがある時は残債と売却予想価格を比較する

マンションに住宅ローンが残っている時は、売却予想価格と比較してみましょう。

ローン残債は金融機関の窓口で尋ねる又はローン残高証明書をチェックすることで把握が可能です。

売却価格は不動産会社に査定を依頼することで相場が分かります。不動産会社によって価格にばらつきが生じてしまうため、まずは複数の不動産会社に査定を依頼し、それぞれの査定価格を比較してみましょう。不動産一括査定サイトを利用すると1社ずつ問い合わせをする手間を省けるため便利です。

主な不動産一括査定サイト

サイト名 運営会社 特徴
すまいValue 不動産仲介大手6社による共同運営 査定は業界をリードする6社のみ。全国900店舗。利用者の96.3%が「安心感がある」と回答
SUUMO(スーモ)不動産売却 株式会社リクルート 大手から中小企業まで約2,000の店舗と提携。独自の審査基準で悪質な不動産会社を排除。60秒で入力が終了し、無料査定がスタートできる。
リガイド(RE-Guide) 株式会社ウェイブダッシュ 16年目の老舗サイト。登録会社数800社、最大10社から査定を受け取れる。収益物件情報を掲載する姉妹サイトも運営、他サイトと比べて投資用マンションや投資用アパートの売却に強みあり
LIFULL HOME’Sの不動産売却査定サービス 株式会社LIFULL 全国3694社以上の不動産会社に依頼できる。匿名での依頼も可能
HOME4U 株式会社NTTデータ スマートソーシング 全国1800社から6社まで依頼可能。独自審査で悪徳会社を排除

【関連記事】不動産査定会社・不動産売却サービスのまとめ・一覧

ただし、不動産会社の中にはあえて相場よりも高い価格を提示して契約に持ち込み、査定州的に価格を下げて売却を促す企業も存在します。査定価格を単純に比較するだけでなく、査定の根拠を確認したり、おおよその周辺相場を自身で調査しておくことも大切です。

先に取り挙げた不動産一括査定サイトでは悪質な業者を排除する仕組みとなっていますが、自身でも注意しておくとなお良いでしょう。

下記のサイトで周辺エリアにある条件が似たマンションを探し、おおよその取引価格を調べることが出来ます。築年数や床面積、駅からの距離などの要件が類似した物件を探すことがポイントです。

2.マンション住み替えの売却の手順

マンションの売却の手順は以下の通りです。

  • 不動産会社に査定を依頼する
  • 媒介契約を締結する
  • 売り出し価格を決定・売却活動開始
  • 買主と売買契約を締結
  • マンションの引き渡し・清算

2-1.不動産会社に査定を依頼する

不動産会社にマンションの査定を依頼します。前述したように会社によって査定額に差が生じるため、複数の会社に一度で査定を依頼できる不動産一括査定を利用した後、数社に絞り訪問査定を申し込んでみると良いでしょう。

不動産会社は担当者のレスポンスの早さや受け答え、不動産の知識などを基準に選ぶとより良い会社選びに繋がります。査定額に疑問がある時には査定の根拠・理由を尋ねてみましょう。

2-2.媒介契約を締結する

媒介契約には一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約があり以下のような違いがあります。

項目 一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
複数の不動産会社への依頼 × ×
自分で見つけた買主との単独契約 ×
指定流通機構への登録義務
販売活動の報告義務
契約期間 規制は無し 3ヵ月以内 3ヵ月以内

一般媒介契約は1社に絞らず売却活動ができますが、複数の会社と取引できるため不動産会社が宣伝に力を入れない傾向があります。

専任媒介契約と専属専任媒介契約は1社のみと契約を結び約3ヶ月間売却活動を行います。指定流通機構(レインズ)に登録義務があるため、情報が拡散されるというメリットがある一方で、専属専任媒介契約では売主自身が見つけた買主との取引は不動産会社を通さなくてはいけません。

【関連記事】不動産売却の途中で媒介契約を解約する方法は?手順や注意点を解説

2-3.売り出し価格を決定・売却活動開始

マンションの売り出し価格を決定し、売却活動を開始します。購入希望者が現れた時には不動産会社を通じて「買付証明書」が送付されてきますので、書類を基に契約条件の交渉や内覧対応を行います。

2-4.買主と売買契約を締結

買主と売買契約を結び、手付金を受け取ります。一度契約を結ぶと解除ができなくなるため、しっかりと検討した上で契約を結びましょう。

2-5.マンションの引き渡し・清算

物件を引き渡し、同日に残代金の清算や名義変更(所有権移転登記)を行います。マンションの引き渡しの前に引っ越しが出来るよう計画を立てておきましょう。

3.マンション住み替えの新居購入の手順

  • 資金計画を立てる
  • 売主と売買契約を締結
  • 住宅ローンの申し込み・審査
  • 新居の引き渡し・清算

3-1.資金計画を立てる

希望する物件のエリア・間取り・築年数など条件を決め、不動産会社やポータルサイトで物件を探し予算を把握、資金の計画を立てます。ローンを組む時には、金融機関と返済シミュレーションを行います。

3-2.売主と売買契約を締結

希望する物件が見つかった時は動産会社を通じて売主に買付証明書を提出し、契約条件を交渉、売買契約を締結します。契約の際は重要事項の説明を受け、手付金を支払います。

3-3.住宅ローンの申し込み・審査

金融機関に住宅ローンを申し込み、審査を受けます。住宅ローン控除が適用される場合は、取得した翌年に確定申告を行うことで控除が受けられます。

引き渡し日に向けて登記手続きを依頼する司法書士を探しておきましょう。特にこだわりがなければ、不動産会社から紹介してもらうことも可能です。

3-4.新居の引き渡し・清算

売主から鍵を受け取り物件が引き渡され、残代金を清算、司法書士が所有権移転登記や抵当権の設定などの手続きを行います。

4.スムーズな住み替えを行うためのポイント

売買が盛んになる時期に購入・売却を行うと、住み替えもスムーズに行える可能性があります。

例えば、不動産市場では3月と9月に物件の売買が盛んになる傾向があります。人事異動や進学で引っ越しをする人が増え、購入希望者も増加しますのでマンションを売却できる確率が上がると考えられます。また、住宅を手放す人も増え市場に出回る物件数が多い傾向があります。

ただし、売却には早くとも3ヵ月程度の期間を必要とします。売り先行で売却を検討するのであれば、事前に準備をしておき、早めに不動産市場へ売り情報を開示しておくことが大切です。また、繁忙期に不動産会社へ物件を持ち込んでも、なかなか売却活動に取り組んでもらえない可能性もあるため注意が必要です。

その他、旧居の売却と新居の購入(又は賃貸)を同じ不動産会社で行うこともポイントの1つです。

不動産会社が売却と購入(又は賃貸)の双方のスケジュールを把握することで、適切な住み替えのアドバイスを貰えることがあり、エリアに詳しい担当者であれば価格の相場についても相談できます。

ただし、不動産の販売と売却には異なるノウハウが必要であり、どちらにも適切な対応ができる不動産会社は多くありません。特に売却にはエリアの特性や物件タイプによって様々なアプローチを必要するケースもあるため、複数の不動産会社を比較した後に検討されてみると良いでしょう。

5.住宅ローン控除改正とマイホームを売ったときの特例

新居購入で住宅ローン控除を利用する方は、2022年から控除率・控除期間の改正があることをおさえておきましょう。マイホームを売ったときの特例と併せて解説していきます。

5-1.住宅ローン控除が改正・2022年から控除率が0.7%に

住宅ローン控除は住宅ローンを利用してマイホームの新築・取得・リフォームなどを行い、要件を満たした際に、居住した年以降の所得税から一定額を控除できる制度です。

所得税からは控除しきれない時は、住民税からも一部控除されます。税制改正により、2022年から住宅ローン控除の控除率・控除期間に変更があります。

住宅の新築又は新築住宅の取得をして2022年~2025までの間に居住した場合

既存住宅の取得又は住宅の増改築等

  • 控除の対象となる借入限度額:2000万円
  • 控除期間:10年

取得した住宅の床面積や申請者の所得、取得・入居時期など一定の要件を満たす必要があります。

※出典:財務省「令和4年度税制改正の大綱

5-2.マイホームを売ったときの特例

マイホーム売却した際に売却益(譲渡所得)が発生した時には譲渡所得税を納める義務がありますが、譲渡所得から最高3,000万円まで控除ができる特例があります。

売主と買主が、親子や夫婦など特別な関係でないといった要件を満たす必要があり、住宅ローン控除や他の特例とは併用できません。

※出典:国税庁「マイホームを売ったときの特例

まとめ

住み替えの前には売り先行・買い先行を決め、ローンが残っている時には残債と売却価格の相場を比較しマンションの資産価値を把握します。

それぞれの手順を参考に購入・売却を行い、可能な場合は売買を同じ不動産会社に依頼するといったポイントをおさえスムーズな住み替えを目指しましょう。

The following two tabs change content below.
田中 あさみ

田中 あさみ

経済学部在学中に2級FP技能士(AFP)の資格を取得。ライターとして不動産投資を含む投資や年金・保険・税金等の記事を執筆しています。医療系の勤務経験がありますので、医療×金融・投資も強みです。HEDGE GUIDEでは不動産投資を始め、投資分野等を分かりやすくお伝えできるよう日々努めてまいります。