投資用マンションを複数所有するときの物件の選び方は?リスクを分散する方法も

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複数のマンションを所有して不動産投資を行うと、「毎月の家賃収入が増える」「空室リスクが分散される」などのメリットがあります。

しかし、投資額が増えることで全体的なリスクが増してしまうなどのデメリットや、マンションの選び方によっては分散効果が得られていないケースもあります。これらのデメリットや注意点を確認しておくことが大切です。

そこで今回のコラムでは、複数のマンションによる不動産投資のメリットとデメリットを紹介し、さらに物件の選び方についても解説します。

目次

  1. 投資用マンションを複数所有するメリット
    1-1.収益面のメリット
    1-2.リスク分散のメリット
  2. 投資用マンションを複数所有するデメリット
    2-1.投資総額が増えると、不動産投資における全体的なリスクは増加する
    2-2.マンションの取得や運営にコストがかかる
    2-3.プライベートローンに影響が出る
  3. 2戸目の投資用マンションを選ぶ際のポイント
    3-1.物件のエリアを分散させる
    3-2.所有する物件と違うタイプを選ぶ
  4. まとめ

1 投資用マンションを複数所有するメリット

投資用マンションを1件ではなく複数所有すると、大きく分けて「収益面のメリット」と「リスク分散のメリット」という2つのメリットが得られます。

次の項目から詳しく見ていきましょう。

1-1 収益面のメリット

複数のマンションを所有することで得られる代表的な収益面のメリットを3つ紹介します。

家賃収入が増える

所有する投資用マンションが増えれば、不動産投資で得られる家賃収入が増えます。家賃収入が増えることによって得られる利益も増えるため、所有する投資用マンションが1戸だけのときよりも、2戸以上を所有する方が全体的な売上が増えることになります。

ただし、融資を受ける場合は融資残高が増え、さらに毎月のローン返済額も増えます。月々の手残り金(利益)が増えるか、純資産の増加が見込めるのか、キャッシュフローにも注意しましょう。

投資の効率が上がる

不動産投資では得た収益を元本に組み込むことはできませんが、1戸目の賃貸用マンションで得た利益をもとに2戸目、3戸目へと再投資をしていくことも検討できます。

運用物件を増やすごとに利益の幅が大きくなり、効率よく資産を増やしていくことに繋がります。

経営上の選択肢が広がる

物件を複数持っているということは経営上の選択肢が広がる効果もあります。

例えば、3戸の投資用マンションを所有しているのであれば、1戸を売却して残りの2戸のローン残高を減らすという方法や、よりリスクの高い新しい物件に挑戦することも検討しやすくなります。

複数の投資用マンションを所有することで選択肢が増え、その中から投資方法を選ぶことができるのです。こうした経営の選択は、所有する投資用マンションが1戸だけの場合だとリスクコントロールが難しい傾向にあります。

1-2 リスク分散のメリット

複数の投資用マンションを所有することでそのリスクを分散させることができます。次の2つの事例を見て行きましょう。

空室リスクの分散

不動産投資には空室期間があります。1戸しか物件を所有していないと、空室期間は家賃収入が得られない状態になります。

空室になってもローンを借りている場合は返済する必要があり、管理費や修繕積立金も収めなければなりません。これによってキャッシュフローがマイナスの状態が続き、経営が行き詰まるケースもあります。

一方、複数の物件を持っていれば、1戸が空室状態でも、その他のマンションで入居者がいれば家賃収入が途絶えるリスクを分散させることができます。このように、複数戸所有することで1戸あたりの空室によるリスクを低減することになります。

災害リスクの分散

不動産投資はマンションなどの不動産を所有して行うため、台風などによる水害や地震などによる災害リスクがあります。物件が損壊するなどの被害のほか、入居者が退去するなどで家賃収入がゼロになることも考えられます。

しかし、エリアの異なる複数の投資用マンションを所有していた場合、1戸が被害に遭っても、もう1戸が被害に遭わなければ収入を得ることはできます。そのため地域の違う場所に複数のマンションを所有することで、災害リスクを低減することができるのです。

2 投資用マンションを複数所有するデメリット

投資用マンションを複数所有する際のメリットを見てきましたが、反対にデメリットについても見ていきましょう。

2-1 投資総額が増えると、不動産投資における全体的なリスクは増加する

不動産投資には下記のようなリスクがあります。

  • 空室リスク:空室になると家賃収入が得られないというリスク
  • 修繕リスク:原状回復工事や設備機器の更新などが必要になるリスク
  • 災害リスク:災害により被害を受けるリスク
  • 資産価値下落リスク:不動産としての価値が下がるリスク
  • 家賃下落リスク:経年劣化や競合することによって家賃を下げなければならないリスク
  • 金利上昇リスク:融資を得て購入した場合、ローン返済に関わる金利が上昇するリスク

前項で解説したように、空室リスクや修繕リスクは所有する物件によって、そのリスクを分散することもできます。しかし、複数のマンションを所有すると投資総額が多額になり、全体的なリスクは増してしまうことがあります。

例えば、予算5,000万円で1戸を購入するのではなく、2,000万円と3,000万円の2戸を購入したパターンであれば、それは分散効果を得られる投資方法と言えます。一方で、単純に2,000万円の物件をはじめに持っていて、これから3,000万円の物件の購入を検討するのであれば、運用総額が増えることで、現段階よりも投資リスクが増大することになります。

2-2 マンションの取得や運営にコストがかかる

複数の投資用マンションを所有することでコストが増え、キャッシュフローが悪化するリスクがあります。例えば、物件を所有するごとにかかる初期費用の支払いです。

5,000万円の物件を1戸購入するのに比べて、3,000万円と2,000万円の物件を購入する方が、手数料や登記費用などの必要な初期費用が増えます。また費用だけでなく、物件探しや契約にかかる手間、時間もかかってしまいます。

さらに運用中に2戸とも同時に修繕工事が必要になったり、想定外の機器の故障がある場合にも、手持ちの資金が大きく減少することになります。こうした事態を防ぐには、適切なメンテナンスや、計画的な修繕を行うようにしましょう。

2-3 プライベートローンに影響が出る

融資は申込者の収入や借入金などの属性で審査されます。そのため投資用マンションを複数所有することで、融資額が増えていくとプライベートでの融資に影響が出る場合もあります。

例えば、住宅ローンや自動車のローンなどを組もうとしても、投資用マンションで受けた融資額が大きいことなどを理由に審査に通らない可能性もあるのです。

このようなデメリットを知らずに、投資用マンションを無理に増やしていくことのないようにしましょう。

3 2戸目の投資用マンションを選ぶ際のポイント

複数の投資用マンションを所有する際は、下記のポイントを考慮して選ぶようにしましょう。

  • 物件のエリアを分散させる
  • 所有している物件と違うタイプを選ぶ

では、次から詳しく見ていきましょう。

3-1 物件のエリアを分散させる

所有する複数のマンションが近い場所にある場合、災害リスクを分散しているとは言えません。台風が来て水害が発生したり、地震が起きた場合などに、どちらのマンションも同じような被害に遭ってしまうからです。

そのため、リスクを分散する目的で物件を選ぶ際は、それぞれマンションのエリアが被らないように注意しましょう。

災害リスクについては、ハザードマップで確認しながら、また地域の災害状況をある程度予測することが可能です。その他、所在階を上げることでも災害リスクの低減につながります。

3-2 所有する物件と違うタイプを選ぶ

例えば、単身者用のワンルームマンションを2つ所有している場合、2件とも学生が入居しているケースでは3月などの卒業シーズンに同時に空室になる可能性もあります。

そうしたリスクを回避するには、2戸目にはファミリータイプなどタイプの違うマンションを選ぶのもいいでしょう。

その他、駅からの距離や周辺環境などによってターゲット層は異なります。入居者の属性を変えることで、同時期に退去者が出てしまうリスクを低減することに繋がります。

まとめ

マンションの区分所有による不動産投資は、複数のマンションを所有することで分散効果などのメリットが得られることを紹介しました。

しかし、運用資金が多くなると全体的リスクが増すことや、物件選びを慎重に行わないと、分散効果が薄まってしまうことに注意が必要です。

複数マンションを購入していくことで不動産投資の事業が拡大していき、様々な選択肢をとれる可能性があります。デメリットや注意点もふまえて、慎重に検討していきましょう。

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倉岡 明広

経済学部経済学科卒業後、出版社や編集プロダクション勤務などを経てフリーライターとして独立。雑誌や新聞、インターネットを中心に記事を執筆しています。初心者が抱く不動産投資の疑問や質問を解決できるよう丁寧な記事を執筆していきます。