水路に面している不動産を売却する手順は?注意点や不動産会社の探し方も

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水路に面している不動産の売却を検討している人の中には、その他の不動産と同じような手順で進めてもいいのか気になっている人も多いのではないでしょうか。

しかし、水路に面していることで接道義務を満たせずに再建築不可になってたり、橋の占用許可を取得できていなかったりなどの問題を抱えているケースもあります。水路に面しているのであれば、売却前にこれらの調査を行うことが必要となります。

そこでこの記事では、水路に面している不動産を売却する手順の解説に加え、売却時の注意点や不動産会社の探し方も解説します。

目次

  1. 水路に面している不動産を売却する手順
    1-1.条件付きの不動産かどうかを確認する
    1-2.水路の占用許可を取る
    1-3.不動産会社に仲介を依頼する
  2. 水路に面している不動産の注意点
    2-1.契約不適合責任を負う可能性がある
    2-2.橋をかける場合はコストがかかる
  3. まとめ

1.水路に面している不動産を売却する手順

水路に面している不動産は法律上異なる扱いを受けます。売却する手順は以下の通りです。

  1. 条件付きの不動産かどうかを確認する
  2. 水路の占用許可を取る
  3. 不動産会社に仲介を依頼する

それぞれの手順を詳しく見ていきましょう。

1-1.条件付きの不動産かどうかを確認する

水路に面した不動産は、接道義務を満たしていない可能性があります。接道義務を満たしていない不動産は再建築が出来なくなるなどの条件が付けられていることがあるため、これらの条件が付けられていないか確認をすることが大切です。

購入時の重要事項説明書や不動産が所在するエリアの役所で、接道義務を満たしているか、再建築ができるのか確認しておきましょう。

1-2.水路の占用許可を取る

水路の占用許可とは、水路を横断する橋をかける際に必要な許可です。不動産が水路に面しているのであれば、水路の占用許可を取得する必要があります。

また、既に橋がかかっている場合も注意が必要です。元の所有者が無許可で橋をかけている場合、未許可のまま占用していることとなり、自治体とトラブルに発展する可能性があるためです。

そのため、橋がすでにある場合でも水路の占用許可を取って建築されているか確認します。また、水路の占用許可が売却後の購入者にも引き継がれるか、引き継がれないのであればどのような手続きが必要なのかをヒアリングしておきましょう。

また、役所調査の段階で、容積率や建蔽率、道路からのセットバックといった制限を受けるのかを事前にヒアリングしておけば、売却時のトラブルを未然に防ぐことに繋がります。

1-3.不動産会社に仲介を依頼する

不動産の現況の調査後、不動産会社に仲介を依頼します。仲介の依頼を受けた不動産会社は買主を募集し、内覧、売買契約の締結を進めていきます。

スムーズに売買を完結させるのであれば、賃貸物件の管理を行う賃貸業が中心の不動産会社ではなく、売買の仲介を行う仲介業がメインの不動産会社を選んでみましょう。

なお、水路に面している不動産は様々な制限を受けていることが多い物件です。不動産にかかっている制限について詳しく調査してくれ、高値売却に向けた具体的な提案力のある不動産会社を探すことが重要になります。

より良い条件での売却を目指すのであれば、複数の不動産会社に査定を依頼し、査定結果や査定の根拠、担当者の対応力などを総合的に比較することがポイントです。

下記は複数の不動産会社へ一括査定が依頼できる不動産一括査定サイトの一覧です。これらの不動産一括査定サイトは全国エリアの様々な物件に対応しており、無料で利用することが可能で、効率的に複数の不動産会社へ査定依頼をすることができます。

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【関連記事】不動産査定会社・不動産売却サービスのまとめ・一覧

なお、サイトへの物件登録時には備考欄があり、不動産の細かな条件や売主の希望を記載することもできます。水路に面していることや、細かな役所調査が必要な旨を記載することで、経験豊富な不動産会社を探す際にも役立てることができるため、利用を検討してみましょう。

2.水路に面している不動産の注意点

水路に面している不動産を売却する際の注意点として、以下の2つが挙げられます。

  • 契約不適合責任を負う可能性がある
  • 橋をかける場合はコストがかかる

それぞれの注意点を詳しく見ていきましょう。

2-1.契約不適合責任を負う可能性がある

水路に面している不動産は、建築不可や再建築不可、容積率や建蔽率、道路からのセットバックなどの制限が設けられている可能性があります。

これらの制限をきちんと把握しておらず、売買契約の際の重要説明で購入希望者に対して書類を交付して説明しなかった場合、後で契約不適合責任を負う可能性があるので注意が必要です。

契約不適合責任とは、不動産の買主が不動産に潜んでいた問題が原因で、目的通りの契約を締結できない場合に売主が負う責任です。

修繕で対応できる場合は追完請求、対応できない場合は減額請求や損害賠償請求もしくは契約解除のいずれかを買主から請求された場合、それに応じなくてはなりません。

橋がかかっていて接道義務を満たしているからと言って、説明責任を果たさずに済むとは限らず、水路に面している土地は軟弱地盤の可能性もあります。

契約不適合責任のリスクを抑えるためにも、不動産会社と相談しながら買主にきちんと説明し、売買契約書において契約不適合責任の範囲や期間を設定することが重要です。

【関連記事】売主が不利に?不動産売却の契約不適合責任(瑕疵担保責任)を解説

2-2.橋をかける場合はコストがかかる

接道義務を満たしていなかった場合の対策として、橋をかけてから売却するという方法が挙げられますが、橋をかける場合はコストがかかることになります。

橋をかけて接道義務を満たすことによって、より好条件で売れる可能性が高まります。しかし、橋をかけた分の費用を全額回収できるとは限らず、費用倒れになる可能性もあります。

あらたに橋を架けた方が良いかどうかはケースバイケースと言えるでしょう。まずは仲介依頼をする不動産会社と相談をしながら慎重に検討し、手元の資金や必要に応じて対処していくことが大切です。

まとめ

水路に面している不動産売却で注意しなければならないのが、条件や制限が設けられているにもかかわらず、それらを買主にきちんと伝えなかった場合、契約不適合責任を負う可能性があるという点です。

契約不適合責任を負う場合には、買主から追完請求、減額請求、損害賠償請求、契約解除のいずれかを請求されるため、売主は応じなくてはなりません。

買主とのトラブルを未然に防ぐためにも、売却手順や注意点を事前に押さえてから売却に臨みましょう。

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矢野翔一

関西学院大学法学部法律学科卒。宅地建物取引士、管理業務主任者、2級FP技能士(AFP)などの保有資格を活かしながら、有限会社アローフィールド代表取締役社長として学習塾、不動産投資を行う。HEDGE GUIDEでは不動産投資記事を主に担当しています。専門用語や法律が多く難しいジャンルですが分かりやすくお伝えしていきます。