人口減少や物価上昇が続く日本において、長期的な視点では「どこに資産を持つか」がこれまで以上に重要になります。とりわけ不動産投資では、エリアの選定が収益性と資産価値を大きく左右します。
本コラムでは、人口・経済・賃貸需要が集まり続ける主要5大都市に着目し、一棟アパート投資が長期的な資産防衛に適しているとされる理由を整理します。
目次
- 2050年を見据えた資産防衛のポイント
- リスクを抑えた投資に重要なのは「エリアの選定」
2-1.都市部への人口集中が進む
2-2.主要5大都市がより有利になる - 都市圏で一棟アパート投資を選ぶ理由
3-1.土地を所有できる
3-2.空室リスクを分散できる
3-3.インフレ対策になる - 主要5大都市におけるアパート経営
4-1.東京都でのアパート経営
4-2.大阪府でのアパート経営
4-3.名古屋市でのアパート経営
4-4.福岡市でのアパート経営
4-5.仙台市でのアパート経営 - エリア選定に強いアパート経営会社
5-1.シノケンプロデュース - まとめ
1 2050年を見据えた資産防衛のポイント
日本では少子高齢化の進行により、今後も総人口の減少が続くと予測されています。国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口 令和5年推計」によると、2050年の日本の総人口は約1億468万人と推計され、2020年の1億2,615万人と比べて約2,100万人(約17%)減少する見通しです。
| 年 | 人口 |
|---|---|
| 2020年 | 1億2,615万人 |
| 2030年 | 1億2,012万人 |
| 2040年 | 1億1,284万人 |
| 2050年 | 1億468万人 |
※参照:国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口 令和5年推計」より抜粋(年齢構造係数:出生中位(死亡中位)推計)
こうした環境では、現金で保有する資産は物価上昇局面で実質的な価値が目減りしやすく、安定した収益を生む実物資産の役割が相対的に高まります。なかでも不動産投資は、資産価値と家賃収入の両面に特徴があると考えられます。
また、長期の運用では、高い利益を追求すること以上に、損失を抑えることが重要になります。そのため、空室の増加や家賃の下落が生じても影響を抑えやすい立地を選び、安定した入居需要を確保することが、資産を守るうえでの基本となります。2050年を見据えた場合、堅実に収益を積み重ねる「損失を抑えやすい投資」が一つの考え方といえます。
2 リスクを抑えた投資に重要なのは「エリアの選定」
人口が減少すれば住宅需要も縮小し、不動産市場全体の成長は期待しにくくなります。そのため、すべてのエリアで同じように賃貸需要が見込めるわけではありません。人口や雇用、商業機能が集まる都市への集中が進み、地域間の差はさらに広がる可能性があります。
不動産投資では、物件そのものの条件だけでなく、「どこに所有するか」がこれまで以上に重要になります。以下、2つの観点から整理します。
2-1 都市部への人口集中が進む
日本全体では人口減少が続く一方、人の流れは全国で一律ではありません。今後は人口や雇用、商業機能が一部の大都市圏へ集中し、地域間の差がさらに拡大すると考えられています。実際に、若年層や子育て世帯は仕事や教育、利便性を背景に都市部へ移動する傾向があり、地方では人口流出と高齢化が同時に進んでいます。
不動産投資においては、こうした人口動態の変化を踏まえる必要があります。人口が減少するエリアでは、以下のようなリスクが高まると考えられるためです。
- 空室になるリスク
- 家賃が下落するリスク
- 資産価値が下落するリスク
- 新規融資が受けられないリスク
- 出口戦略が難しくなるリスク、など
一方、人口流入が続く都市では、安定した入居需要が期待できます。2050年を見据えた長期投資では、物件の仕様に加えて「人が集まり続ける場所かどうか」を見極めることが重要です。エリア選定は、リスクを抑えるうえで重要な要素といえます。
2-2 主要5大都市がより有利になる
エリア選定を重視する場合、検討の対象となる都市は限られます。人口規模が大きいだけでなく、雇用や交通、商業、教育などの都市機能が高度に集積し、周辺地域から継続的に人を集める基盤を備えていることが条件となるためです。
こうした条件を満たすのが、東京・大阪・名古屋・福岡・仙台の主要5大都市です。大学数や企業数の多さなど人口の集積を支える基盤があり、企業の進出や再開発も進んでいることから、将来的な住宅需要の下支えが期待できます。
実際に、国立社会保障・人口問題研究所「都道府県・市区町村別の男女・年齢(5歳)階級別将来推計人口」によると、東京都と福岡市は2020年と比べて2050年の人口が増加すると推計されています。
| 都市 | 2020年 | 2030年 | 2040年 | 2050年 |
|---|---|---|---|---|
| 仙台市 | 100.0 | 99.4 | 96.3 | 91.1 |
| 東京都 | 100.0 | 102.1 | 103.3 | 102.5 |
| 大阪市 | 100.0 | 98.3 | 93.9 | 88.3 |
| 名古屋市 | 100.0 | 98.3 | 95.3 | 91.0 |
| 福岡市 | 100.0 | 102.9 | 103.2 | 100.6 |
※参照:国立社会保障・人口問題研究所「都道府県・市区町村別の男女・年齢(5歳)階級別将来推計人口」より抜粋(総人口指数(2020年=100))
表のとおり、東京都(102.5)と福岡市(100.6)は2050年も2020年を上回る水準が見込まれます。大阪市・名古屋市・仙台市は減少するものの、いずれも90前後と、全国平均(約83)を上回る水準を維持しています。全国的に人口減少が進むなかでも、主要5大都市は相対的に底堅く推移すると考えられます。
人口減少が進む局面では、全国一律に賃貸需要が続くとは限りません。人や仕事が集まり続ける主要都市に投資対象を絞ることが、長期にわたる資産形成と資産防衛につながると考えられます。
3 都市圏で一棟アパート投資を選ぶ理由
都市圏での不動産投資では区分マンション投資が想起されることも多いものの、一棟アパート投資には中長期的に見た優位性があります。代表的な3点を整理します。
3-1 土地を所有できる
一棟アパート投資の特徴の一つは、建物だけでなく土地を所有できる点です。建物と異なり土地は経年劣化しない資産であり、需要の高いエリアでは長期的な資産価値の維持が期待できます。とりわけ人口や雇用が集まる地域では、土地の取得競争が激しく、建築規制が比較的厳しいケースもあります。
その結果、新規供給が過剰になりにくく、土地の希少性が相対的に高まることで、保有資産の価値が長期的に保たれやすくなります。価格が高く取得しにくいという面はあるものの、建物の収益性に加えて土地を保有できる点は、長期的に資産を守る観点で重要な利点となります。
3-2 空室リスクを分散できる
区分マンション投資は1戸のみの所有となるため、退去が発生すると家賃収入が途絶えるリスクがあります。一方、一棟アパートは複数の住戸から収益を得られるため、一部が空室になっても収入がただちにゼロになることはありません。
管理や運営に手間がかかる一方で、長期保有を前提とする不動産投資では、このリスク分散の効果が収益の安定に寄与します。
3-3 インフレ対策になる
物価が上昇するインフレ局面では、現金の実質的な価値は相対的に目減りします。一方、不動産は実物資産であるため、資産価値や家賃収入が物価の上昇に連動して上昇する可能性があります。
とりわけ需要の高いエリアでは、賃料の改定を通じて収益力の維持・向上が期待できます。インフレへの備えという観点でも、一棟アパート投資は一定の役割を果たすと考えられます。
4 主要5大都市におけるアパート経営
2050年を見据えたアパート経営においては、東京・大阪・名古屋・福岡・仙台の主要5大都市が、相対的にリスクを抑えやすい選択肢と考えられます。それぞれの都市におけるアパート経営の特徴を整理します。
4-1 東京都でのアパート経営
東京都は日本最大の人口・経済の集積地であり、全国から人材や企業が集まることから、賃貸需要の安定性が高い点が特徴です。単身者や学生、転勤者など幅広い入居者層が見込め、空室リスクを抑えやすい環境にあります。
以下は、2025年の都道府県別転入超過数の上位5位を整理した表です。
| 順位 | 都道府県 | 転入超過数 |
|---|---|---|
| 1位 | 東京都 | 65,219人 |
| 2位 | 神奈川県 | 28,052人 |
| 3位 | 埼玉県 | 22,427人 |
| 4位 | 大阪府 | 15,667人 |
| 5位 | 千葉県 | 7,836人 |
※参照:e-Stat「住民基本台帳人口移動報告」より抜粋
東京都の転入超過数は、2位の神奈川県の2倍以上となっています。
一方で、土地価格や建築費が高く、投資額に対する利回りは低くなりやすい傾向があります。物件の取得競争も激しいと想定されます。検討にあたっては、高い収益性よりも、安定的かつ長期的な資産の保全を重視する視点が求められます。
4-2 大阪府でのアパート経営
大阪府は西日本最大の経済圏を形成しており、ビジネスや商業の中心地として安定した賃貸需要があります。一定の入居需要が期待できる一方、東京と比べて物件価格が抑えられているため、収益性とのバランスを取りやすい点が特徴です。ただし、エリアによって賃貸需要の差が大きく、立地の選定が重要になる点には留意が必要です。
また、今後も再開発や大型開発などを背景に、都市機能の強化が進むと見込まれています。安定性と収益性の両立を図りやすい市場と考えられます。
4-3 名古屋市でのアパート経営
名古屋市は三大都市圏の一つである中部圏の経済・産業の中心都市であり、製造業を中心とした産業基盤を有しています。東京や大阪と比べて土地価格が抑えられている一方、一定の賃貸需要が見込めるため、収益性を確保しやすい点が特徴です。
ただし、自動車関連産業への依存度が高く、景気動向の影響を受けやすい面もあります。今後は、時期は未定なもののリニア中央新幹線の開業も見込まれており、都市の利便性や競争力の向上につながると考えられます。地域の経済規模も大きく、長期的な成長が期待される市場と位置づけられます。
4-4 福岡市でのアパート経営
福岡市は、全国的に人口増加が続く数少ない大都市の一つであり、若年層の割合が高いことも特徴です。2012年には「スタートアップ都市宣言」を行い、スタートアップ支援や企業誘致を進めています。市の公表資料によると、2025年度まで13年連続で50社以上が立地しています。
| 項目 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | 2025年度 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 立地企業数 | 50社 | 64社 | 65社 | 62社 | 55社 | 59社 |
※参照:福岡市「企業立地実績」より抜粋
こうした背景から、今後も人口の流入や都市開発が継続すると見込まれています。加えて、物件価格が東京ほど高い水準にはなく、比較的高い利回りを確保しやすい点も特徴です。
ただし、需要の高いエリアでは価格の上昇が進み、取得コストも高まっています。検討にあたっては、この点に留意する必要があります。
4-5 仙台市でのアパート経営
仙台市は東北地方最大の都市であり、行政・経済・教育の中心地として周辺地域からの人口流入が続いています。市内には多くの大学が立地し、約5万人の学生が学ぶことから「学都仙台」とも称されます。そのため、学生や単身者向けの賃貸需要が安定している点が特徴です。
また、東京や主要都市と比べて物件価格が比較的抑えられており、収益性を確保しやすい傾向があります。一方で、人口規模や経済規模は三大都市圏ほど大きくはなく、エリアによって需要の差が生じやすい点には留意が必要です。
5 エリア選定に強いアパート経営会社
一棟アパート投資で長期的な資産形成・運用を目指す場合、入居需要が安定して見込める都市を選ぶことが重要です。その観点では、土地の仕入れ力とエリア選定に強みを持つアパート経営会社がパートナーの選択肢となります。
本項では、エリア選定に実績のあるアパート経営会社の取り組みを紹介します。
5-1 株式会社シノケンプロデュース
| 会社名 | 株式会社シノケンプロデュース |
| セミナーURL | https://www.shinoken.com/ |
| 本社所在地 | 東京都港区浜松町二丁目3番1号 日本生命浜松町クレアタワー |
| 売上高 | 1,309億75百万円 (2025年12月期) ※グループ全体 |
| 社員数 | 1,224名(2025年12月末現在)※グループ全体 |
株式会社シノケンプロデュースは、投資用アパートの企画・開発・販売を手がけるシノケングループの中核企業です。首都圏をはじめ、福岡・大阪・名古屋・仙台などの主要都市を中心に、これまで8,000棟以上のアパートを供給しています。
物件の管理はグループ会社のシノケンファシリティーズが担い、2025年12月末時点で53,000戸以上の管理実績があります。自社企画開発物件の入居率は99.0%(2025年年間平均)となっています。
こうした実績の背景には、土地の選定力やデザイン力といった同社の特徴があると考えられます。以下で具体的に見ていきます。
独自のネットワークを構築し資産価値の高い土地を提案
同社の特徴の一つは、資産価値の高い土地の提案です。長期的な賃貸需要を確保するため、路線価や道路付けなどを詳細に調査したうえで、これまでの経験に基づき土地を選定しています。
利便性と生活環境を重視し、以下のような基準を設けている点も特徴です。
- 駅徒歩10分圏内
- 大都市圏のターミナル駅から電車で30分圏内
デザイン性と機能性を両立した物件を提供
同社が開発する物件は、デザイン性と機能性を両立している点も特徴です。デザイン面ではグッドデザイン賞を複数回受賞しています。また、設備や仕様の面でも、快適性や利便性に配慮されています。
さらに、住宅性能表示制度の「劣化対策等級3」相当の基準を満たすなど、耐久性にも配慮されています。
シノケンプロデュース一棟アパート経営の特徴
| 主要エリア | 首都圏・福岡・名古屋・大阪・京都・神戸・仙台 |
| 投資対象 | 新築アパート |
| 販売実績 | 8,000棟以上 |
| 管理戸数 | 53,000戸以上(2025年12月末時点) |
| 入居率 | 99.0%(2025年年間平均/自社企画開発物件) |
なお、同社は「失敗しないための不動産投資セミナー」をテーマに、アパート経営に関する無料セミナーを定期的に開催しています。不動産投資のリスクとその対策、自己資金を抑えた投資手法、長期的な満室経営のポイントに加え、不動産市況や金融機関の融資動向などを体系的に学べる内容です。オンライン形式での受講にも対応しています。
まとめ
2050年に向けて、日本では人口減少が進む一方、人や企業、商業機能は主要都市へさらに集中すると考えられています。そのため、不動産投資では物件の性能以上に「どのエリアに投資するか」が重要になります。
とりわけ東京・大阪・名古屋・福岡・仙台の主要5大都市は、安定した賃貸需要が期待できる投資先と考えられます。また、一棟アパート投資は土地を保有できる点や空室リスクを分散できる点から、長期的な資産防衛に適しています。
本コラムでは、主要5大都市における一棟アパート投資の特徴を、長期的な視点も交えて整理しました。ご自身の投資戦略の検討にお役立ていただければ幸いです。
倉岡 明広
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