不動産ビッグデータを活用しコンサルティングを行うスタイルアクト株式会社は7月20日、2017年の夏に開催が予定されている神宮外苑、隅田川などの花火大会が見える首都圏のマンションと資産性の関係について調査し、その結果を公表した。
首都圏で主に18か所で開催される花火大会の打ち上げ場所を中心にした2km圏内の2000棟のマンションの平均年間騰落率(新築時と比較した中古価格の騰落率を分譲されてからの年数で割った数値)と、その中でも最も階数が高いマンションの騰落率を比較した。
階数が高い物件というだけで、各マンションで必ず花火が見られるとは限らないが、比較差がもっとも大きかった「神宮外苑花火大会」が見られる高層マンションで騰落率15.7%、同エリアの該当外物件の平均年間騰落率は1.5%であった。全体では2km圏内で最も高い物件における騰落率が-0.9%であったのに対し、該当外物件の平均年間騰落率は2.5%と3.4%もの差が付いた。2km圏内でもっとも階数が高い物件は、他のマンションと比較して年間3.4%と価格が落ちにくく、5年間保有すると17%の差がつくということになる。
この他にも、花火が見えるエリアで最も階数が高い物件は、ランドマーク性や大規模物件といった地域で人気の物件である場合も多く、加えて花火が一望できる物件においては、花火大会当日は屋上が開放されるケースや共有部に展望室があるなど、設備が充実しているケースもある。人気物件である上に、花火が見える希少性と設備の充実が加わり、高層マンションは資産価値が安定傾向にあると推測される。
花火大会は1年のうち、ほんの1、2時間しかないイベントだ。一見、資産性に大した影響を及ぼさないポイントのようにも思えるが、家族や仲間が集まる貴重な時間を体験できるなど、人生を豊かにする家としての役割を感じる人が多くいることからも人気が高く、資産価値が下がりにくいのかもしれない。
(Hedgeニュース編集部 平井 真理)
平井真理
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