「業界の信頼性・透明性・認知度の向上へ」一般社団法人不動産クラウドファンディング協会が設立に際する説明会を開催

一般社団法人不動産クラウドファンディング協会が2023年9月28日、協会設立に際しての説明会を都内で開催し、代表理事であるクリアル株式会社横田大造氏がクラウドファンディングの概観、サービス増加の背景と今後の展望、将来的に懸念される事象、協会の役割と主な活動などを説明した。

同協会は不動産クラウドファンディング業界の信頼性、透明性の向上と投資家保護などの活動を行うことを目的として2023年8月30日に設立された業界団体で、2023年8月時点で業界を牽引する15社が会員として入会している。

クラウドファンディング業界では過去に、貸付型のクラウドファンディングであるソーシャルレンディングにおいて①虚偽の表示での資金募集、②分別管理の未徹底、③ずさんなプロジェクト管理などの不正事例が発生している。同協会はこれを教訓とし、協会の役割として、客観的・中立的な立場から業界全体を俯瞰し、不動産クラウドファンディング業界の信頼性、透明性、認知度の向上に寄与する活動を行うことで業界発展拡大に寄与することを掲げる。

具体的な事業内容として、①不動産クラウドファンディングデータベースの公開・更新、②不動産クラウドファンディング業界のマーケットレポート・ホワイトペーパー等の定期的な開示、③不動産クラウドファンディング業界ルール・ガイドラインの制定、④ブロックチェーン、STO(セキュリティ・トークン・オファリング)の活用可能性の研究などが行われる予定。

説明会に来賓として招かれた、国土交通省 不動産・建設経済局 不動産市場整備課 不動産投資市場整備室 室長の本田雄治氏は、「不動産クラウドファンディング市場は2022年度にとても伸びてきていて、不動産特定共同事業法に基づく不動産クラウドファンディングは419件、出資額は600億円を超える規模にまでなってきている(※1)」

「不動産クラウドファンディングは、地方創生につながるような事業や空き家活用事業といったところにも広く活用できる特徴があり、個人の投資家にとっても多様な投資や小口で投資ができる方法でもある。その一方で、投資家が商品内容やリスクを確実に把握できることが必要な分野で投資家保護が図られることが必要だと感じている」

「業界の信頼性、透明性、認知度の向上に寄与する活動を不動産クラウドファンディング協会が具体的に行っていただけるということを国土交通省としても大変心強く感じており、業界が健全に発展していくことを期待している。」と挨拶を述べた。

※1 国土交通省「不動産クラウドファンディングに係る実務手引書を公表します~適切な電子取引業務の管理体制を実現するための具体的な対応例等を整理~・(参考)不動産特定共同事業法に基づく不動産クラウドファンディングの件数・出資額の推移

【関連サイト】一般社団法人不動産クラウドファンディング協会

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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム

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