23区で高所得層がマンションを購入したい区は――不動産調査の有限会社エム・アール・シーは9日、年収600万円以上で首都圏に住む35〜64歳の既婚男女600人を対象にした「資産活用と不動産購入に関する調査」を発表した。年収1000万以上で都内のマンション購入意向がある人のうち、検討しているエリアの第1位は「港区」で2位の千代田区に差をつけた。
調査は2018年10月2日〜3日、個人年収600万円以上で首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)在住の35〜64歳の既婚男女600人を対象にインターネットで実施。内訳は600〜800万円未満、800〜1000万円未満、1000〜2000万円未満で各150人、2000万〜3000万円未満が100人、3000万円以上が50人。
このうち年収1000万以上で都内のマンション購入意向がある人に購入を検討しているエリアを聞いたところ、21・1%が「港区」と回答、2 位の千代田区(14・5%)と約7%の差がついた。港区の平均所得水準は23区内でトップ。3位以降は中央区(13・2%)で、いわゆる「都心3区」の根強い人気が伺える。
港区を検討している理由は「将来的に地価が下がらなそうだから」という回答が最多(50・0%)。以降は「電車やバスのアクセスがいいから」(45・5%)や「駅周辺が栄えているから」(40・9%)という回答が続き、周辺施設の充実やアクセスの良さも将来的な資産価値とほぼ同程度に注目されていた。
物件選びで重視する項目では「最寄り駅からの近さ」という回答が59・3%でトップ、次いで「静かさ・治安の良さ」(56・3%)、「周辺施設の充実」(52・6%)が続く。
一方、資産活用(投資、資産保持・資産防衛、税金対策)の目的でマンション購入を検討している人に物件選びで最も重視する項目を聞いたところ、1位は「最寄り駅からの近さ」(25・6%)、「将来的に地価が下がらないかどうか」(15・4%)の順となった。これに対し、住居用(自分・子供の住居用、別荘・セカンドハウス用)にマンションを購入しようとしている人は「将来的に地価が下がらないかどうか」は7位にとどまった。
調査結果をもとに、ファイナンシャル・プランナーの北野琴奈氏が物件購入時のエリア選定や資産活用のコツに関してコメントしている。港区の人気については「話題性のあるエリアは一方で、供給が増えることも予測されるので、需給バランスにも注意をしておく必要がある」と指摘。
資産活用の場合は「駅からの距離といった立地や利便性、希少性など、市場における資産価値の高さが売却価格や賃料に影響するので、中長期的に人気が継続するかどうかという観点で物件選びを心掛けて」とアドバイスしている。
HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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