年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF) は3月27日、不動産・インフラストラクチャー投資分野における ESG(環境・社会・ガバナンス)評価基準を提供するイニシアティブGlobal Real Estate Sustainability Benchmark(GRESB)に不動産投資家メンバーとして加盟したと公表した。
GRESB は 2009 年に欧州の年金基金を中心に設立され、不動産およびインフラストラクチャー投資における ESG 評価基準を提供している。毎年一度、不動産会社や不動産ファンドにおける ESG 投資の取り組みや達成度を評価。19 年の年次評価では 1000 を超える不動産会社やファンドが参加し、インフラストラクチャーを含めるとその対象となる実物資産は約 4.5 兆ドルに達する。100 以上の機関投資家(合計運用資産 22 兆ドル超)が投資家メンバーとして、評価結果を投資先の選定、モニタリングやエンゲージメントに活用している。
GPIF は環境、社会問題などが資本市場に与える負の影響を減らし、運用資産全体の長期的なリターンを向上するため、ESG を考慮した投資を推進している。不動産投資分野でも市場全体の ESG 情報の開示促進と運用受託機関等との建設的な対話促進のため、GRESB に加盟した。「自らのスチュワードシップ責任を果たすため、不動産の投資・運用プロセスにおいて、GRESB 評価制度を積極的に活用することを運用受託機関に求めていく」方針。
【参考記事】GRESBへ 「不動産投資家メンバー」として加盟しました
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HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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