不動産情報サービスのアットホーム株式会社は6月5日、「省エネ意識に関する調査」の結果を発表した。同社が定期的に行っている。賃貸物件に住む人や一戸建て・マンションを購入した人などに住まいに関する調査の一環で、対象は過去2年以内(2021年4月以降)に住宅を購入、または現在住宅購入を検討している20~59歳の男女400名。それによると、「省エネ」を意識して住まいを探した(または探している)住宅購入経験者は49.5%、住宅購入検討者は70%に上り、さらに「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の認知度は約6割、「理解していて、人に説明ができる」人は15.5%と、関心の高まりをうかがわせた。
最初に、普段の生活で「省エネ」を意識したことがあるかを聞いたところ、20~30代では88.0%、40~50代では92.0%が「はい」と回答した。省エネを意識するきっかけは「月々の光熱費が高かった時」が、40~50代で7割に上った。また、省エネ対策など何か行動に移しているか聞いたところ、20~30代は77%だったが、40~50代は88.5%とさらに10ポイント以上の差がついた。
ZEHは年間のエネルギー消費量を収支ゼロまたは概ねゼロにする住宅。国が重点施策に組み込んでおり、2021年度から、30年目標の達成に向け、20年度のZEHの供給実績に応じてZEH化率が50%を超えている場合は75%以上を、50%未満の場合は50%以上を2025年度の目標として宣言・公表した新たな「ZEHビルダー」制度の運用を開始。22年3月現在、全国のハウスメーカー、工務店を中心に4722社がZEHビルダー登録を行っている(経済産業省ホームページより)。
同社が今年5月に発表した、全国の不動産会社向け調査「環境に配慮した住まいに関して注目しているトピックス」ランキングで、ZEHは2位となった。不動産会社の関係者からは「光熱費が高騰しているので消費量がゼロになるのは魅力的」「今後のスタンダードとなる」など、期待する声が寄せられた。
今回の調査で、ZEHについて「理解していて、人に説明ができる」人は15.5%「「聞いたことがあるが、理解はできていない」という人まで含めると、認知度は約6割に上った。一方、「知らない・聞いたことがない」割合が多かった用語は「BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)」で63.8%だった。BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)とは、建築物のエネルギー消費の状態を第三者が一定の方法で評価し、当該建築物の省エネルギー性能を表示する制度のこと。ZEHは住宅の種類を指す用語なのに対し、BELSは「性能」を示す制度なためか、認知度に差が出ている
住まいを探している際の環境に配慮した住宅に関する考えを4段階で聞いたところ、「省エネ住宅など環境に配慮した住宅に興味がある」は「そう思う」「ややそう思う」を合わせると住宅購入経験者で75%、住宅購入検討者で85.5%だった。
また、「多少価格が高くても、カーボンニュートラルに貢献できるのであれば省エネ住宅など環境に配慮した住宅に住みたい」は「そう思う」「ややそう思う」を合わせると、住宅購入経験者で55%、住宅購入検討者で65.5%と半数以上が前向きだった。電気代は6月以降も値上がりを続く見込みで、同社では、省エネを意識した住まい探しも増えていくと予想している。
HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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