不動産投資は大きな金額で長期の投資になるため、パートナーには頼れる会社を選ぶことが大切です。現在、不動産投資会社を検討している方のなかには、大手企業に頼むか中小企業に頼むかというポイントで悩まれている方も少なくないでしょう。
そこで、この記事では大手の不動産投資会社を使うメリットや始める前に知っておきたいポイントを整理してご紹介したいと思います。
- コンプライアンス
- 資金力・交渉力
- 信用力・実績
- グループ企業との連携
- 事業の継続性
コンプライアンス
まず、大手企業を利用するメリットの一つ目は、中小の会社に比べてコンプライアンス(法令遵守)がしっかりしているという点です。
コンプライアンスが整備されていないと、断ってもしつこい電話営業を受ける可能性が高くなるケースや、投資リスクなどの重要事項説明をきちんとしてもらえずに、あとでトラブルになるといったケースがあるため、注意が必要なポイントとなります。
資金力・交渉力
不動産投資で一番重要なポイントは、入居需要や資産価値が高い土地に投資ができるかという点です。良い土地ほど価格が高くなり、その土地を狙う競合会社も多くなるため、資金力や交渉力が必要となります。
大手であれば、土地に関する情報収集のネットワークや優先的な仕入れ先を抱えているため、土地が売りに出されてから仕入れるまでの一連のやり取りを迅速に行うことが可能です。
信用力・実績
不動産の購入にあたり、その後の成否を大きく左右するのが融資の金額や金利条件です。不動産投資の融資においては、借り手の信用力(返済能力や資産・借入の状況など)はもちろん、物件の入居実績や収益力なども重要な審査ポイントとなります。
大手企業の場合は、融資の紹介実績件数が多いため、金融機関としても過去の紹介事例などから物件の入居率や収益力を予測することが可能となります。貸し手としては、借り手の返済リスクが想定できない場合は、返済されないケースを念頭に置いて融資を検討しなければならなくなります。その結果、頭金の金額や利回りなども高くなってしまうため、物件の入居率実績や収支実績があるかないかで融資条件も大きく変わってくるのです。
物件の企画・開発・販売をワンストップで手がけている大手企業であれば、過去に販売した物件の入居率実績や開始後の収益状況が分かっているので、その実績が良ければ返済の可能性が高い融資案件として扱うことができ、金利や融資額についても良い条件で提示を受けることが可能となります。
グループ企業
大手に依頼するメリットの4点目は、グループ企業のネットワークが活用できるという点です。不動産を購入してから運用するまでには、土地仕入れ・建築・販売・賃貸管理・建物管理と多くのプロセスがあります。それぞれの会社を探して依頼し、コミュニケーションを取っていくと多くの手間が発生してしまうため、本業に集中したいという方には不向きといえるでしょう。
- 土地選定・地盤調査
- 土地仕入れ
- 物件の建築
- 物件の販売
- 賃貸管理(入居募集、入居審査、クレーム対応など)
- 建物管理(清掃、設備点検、修繕など)
- 物件売却
大手であれば、上記のプロセスを対応できる部門や会社をグループ企業として抱えているため、営業窓口を増やさずにワンストップで集約できるというメリットがあります。不動産投資を始める手間や運用する手間をできるだけ少なく済ませたいという方は、グループ企業をチェックしてから依頼することをおすすめします。
事業の継続性
大手を利用するメリットの5点目は、企業としての継続性です。不動産投資は数十年にわたる長期投資となりますので、パートナー会社にも事業の継続性を求めたいところです。
中小企業や業歴の浅い中堅会社は、リーマンショックなどの大きな環境変化に耐えきれず、資金繰りや業績が悪化して倒産してしまうリスクが想定されます。相場が大きく動いた時にこそ、「このまま不動産を持っていて大丈夫だろうか」といった不安や疑問に適切なアドバイスをしてくれるパートナー会社が重要となりますので、数十年にわたって長く付き合うことができる大手の会社を選ぶことが大切です。
事業の継続性が高い会社を選ぶ基準としては、下記の項目をチェックすると良いでしょう。
- 会社の設立年(リーマンショック前後の2008年以前、バブル期の1990年代)
- 上場している会社かどうか(上場企業は信用力が高く、資金繰りに強いため)
- 売上規模(年間数百億円以上、安定的に成長しているか)
- 安定的に黒字を出せているか
大手を利用する際の注意点
大手を利用することには上記のように多くのメリットがありますが、一方で注意点もあります。以下では、大手を利用する際の注意点を詳しく見ていきたいと思います。
不動産投資以外の事業比率が高い大手
一口に大手企業と言っても、売上や組織の規模が大きければ良いということではありません。たとえば、総合ハウスメーカーで企業全体の売上は数千億円あるものの、不動産投資事業の売上は100億円しかないというようなケースは、不動産投資を主要事業としている会社と比べると実績や経験値が数分の一ということもありえます。
不動産投資の事業比率が高い会社や不動産投資の事業売上が大きい会社を選ぶようにしましょう。
売ることばかりに力を入れている会社に注意
不動産投資に力を入れている会社の中から選ぶ際にも、注意をしなければいけないポイントがあります。それは、物件の販売にばかり力を入れている会社ではないか、というポイントです。
土地の選定や調査、物件の品質向上、適切な価格設定などをきちんとしている会社なのかどうかによって、購入後の収益性で大きな差が生まれます。そのためには、営業マンが信頼できるというだけではなく、実際に物件やモデルルームを内見して「自分でも住みたい」と思える物件なのかどうかというポイントをチェックすると良いでしょう。
入居率の実績をチェックする
土地や物件の品質の判断は、入居率の実績によっても判断することが可能です。入居率が100%に近い水準を長期間維持できている企業であれば、入居者から選ばれ続けている物件を開発・販売している、あるいは入居者の満足度が高いということになります。
たとえば、シノケングループという上場企業は、販売実績7,000棟以上、築30年以上の物件も含めて98.56%(2023年年間平均入居率)という入居率を実現しています。首都圏のターミナル駅から電車で30分圏内・駅徒歩10分圏内という好立地に、入居者から人気の高いデザイナーズアパートを建て、設備も充実させることで、100%に近い入居率を維持し続けています。
入居率の実績に自信がある企業は、ウェブサイトなどでも数値を公開していますので、気になる企業があれば、入居率実績とその理由をしっかりチェックすると良いでしょう。
まとめ
大手の不動産投資会社を使うことで、コンプライアンスを重視した営業、資金力・交渉力を活かした好立地の土地仕入れ、信用力・実績の評価による好条件の融資契約、グループ企業との連携によるワンストップ対応、パートナー会社として長期で付き合うことができるといった恩恵を受けることができます。大手を選ぶ際の注意点なども頭に入れた上で、資料請求やセミナー参加をされてみると良いでしょう。
HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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