不動産投資で独立洗面台の物件を選ぶメリット・デメリットは?チェックしたい項目も

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不動産投資で賃貸用物件を選ぶ際にいくつか確認するポイントがありますが、独立洗面台の有無が入居者のターゲティングに大きな影響を与えることがあります。独立洗面台のある物件は暮らしの快適性を向上させ入居率に好影響をもたらす可能性がある反面、物件価格が高くなってしまう点に注意が必要です。

そこで今回のコラムでは、独立洗面台のある賃貸用物件を選ぶメリットとデメリットを解説していきます。

目次

  1. 不動産投資における独立洗面台の特徴とは
  2. 不動産投資で独立洗面台のある物件を選ぶメリット
    2-1.家賃が高くても入居してくれる
    2-2.快適に生活できるため入居期間が長期になる
    2-3.きれいに使ってもらえるため修繕の頻度が少なくなる
  3. 不動産投資で独立洗面台のある物件を選ぶデメリット
    3-1.居住スペースが限られる
    3-2.物件の購入費用が高くなる
    3-3.独立洗面台の優先順位が高くない人もいる
  4. 不動産投資における独立洗面台のチェックの仕方
    4-1.豊富な収納
    4-2.洗面ボウルの大きさ
    4-3.掃除のしやすさ
    4-4.多彩な機能
  5. まとめ

1 不動産投資における独立洗面台の特徴とは

独立洗面台とは、浴室やトイレ以外に独立して設置された洗面台のことです。浴室と洗面台が一体化されている「2点ユニットバス」や「3点ユニットバス」と対比して、独立洗面台と言われます。

ワンルームや1Kなどの単身者向けの賃貸住宅では、水回りをコンパクトにできるため「2点ユニットバス」や「3点ユニットバス」が多く採用されてきました。しかし近年、単身者向けのマンションでも独立洗面台を採用している物件が増えてきています。

入居者のニーズも高く、不動産総合ポータルサイトのsuumoが発表した「賃貸住宅設備ランキング2021」でも、「付いていて当たり前」「付いていないと部屋を借りない」と思う設備として6位にランキングされています。

このように入居者からも、物件オーナーからも選ばれる独立洗面台ですが、その理由は下記のような特徴があるからです。

収納スペースがある

浴室内に洗面台がある場合、十分な収納スペースが確保されていないケースがあります。その点、独立洗面台であれば、洗顔用品や化粧用品、歯磨きセット、清掃道具、タオルなどのリネン類、ドライヤーなどを置くスペースが確保されています。

専用の大きな鏡がある

「2点ユニットバス」や「3点ユニットバス」の場合、たとえばシャワー後は鏡が曇っているなどで、洗面台が使いにくいことがあります。それに対して独立洗面台があると、女性の場合は化粧、男性の場合は髭剃りといった身支度する際に不便なく使用することができます。

清潔感が維持できる

「2点ユニットバス」や「3点ユニットバス」の場合、入浴によって浴室内は湿気が多くなります。そのためカビや悪臭などが発生しやすいのに加え、浴室内は構造が複雑になるため、清掃するには時間がかかることもあります。

これに対して独立洗面所であれば、湿気は最小限に抑えられ、清掃も手軽にすることができます。そのため清潔感を維持しやすいのです。

来訪者に不便を感じさせない

浴室内に洗面台がある場合、入浴と洗顔を一度に済ませられるなどのメリットもありますが、一人が使っている場合はどちらも使えなくなります。そのため、来客があった場合は不便を感じさせてしまうこともあります。

独立洗面台にはこのような特徴があるため、入居者により快適な生活を送ってもらうことができます。そのため「2点ユニットバス」や「3点ユニットバス」よりも、独立洗面台が設置されている物件の方が好まれるようになっているのです。

【関連記事】不動産投資でユニットバスの物件を選ぶメリット・デメリットは?

2 不動産投資で独立洗面台のある物件を選ぶメリット

独立洗面台の特徴を把握したところで、不動産投資を始める際に独立洗面台のある物件を選ぶメリットについて解説していきます。

2-1 家賃が高くても入居してくれる

独立洗面台が設置されている物件は希望する人が増えているため、家賃が高くても入居してくれる可能性があります。毎月の家賃収入が増え、さらに入居者の属性が上がることもメリットになります。

2-2 快適に生活できるため入居期間が長期になる

独立洗面台があると、化粧や身支度などで不便がなく快適な暮らしができます。そのため不満を感じにくく、入居期間が長くなる可能性があります。

また単身者向けの賃貸住宅に限定すると、独立洗面台のある物件はそれほど多くはありません。エリアによっては独立洗面台付きの競合物件が少なく、入居者は他の物件に引っ越しする際に、独立洗面台のある物件を選びたくても選べないこともあります。このような状況になると引っ越しを諦めて、居住する期間が長くなる可能性もあるのです。

2-3 きれいに使ってもらえるため修繕の頻度が少なくなる

独立洗面台は、洗顔や手洗いなどが清潔にできるため、清掃も丁寧に行ってもらえる可能性があります。つまり、劣化が進みにくくなると考えられるのです。

また入居者の属性が上がると、よりきれいに使ってもらえる可能性が高まります。そのため退去時に修繕が必要になったり、汚れがひどいために取り替えが必要といったことにはなりにくいと推測できます。つまり、メンテナンスや修繕、取り替え工事などの頻度が少なくなる可能性があるのです。

3 不動産投資で独立洗面台のある物件を選ぶデメリット

反対に、独立洗面台のある賃貸用物件を所有する場合に考えられるデメリットについて紹介しましょう。

3-1 居住スペースが限られる

「2点ユニットバス」や「3点ユニットバス」に比べて、独立洗面台を設置する場合は居住スペースが狭くなることが考えられます。「2点ユニットバス」や「3点ユニットバス」では浴室内に洗面台があるため、専用スペースは必要ありません。

それに対して独立洗面台が設置されている物件の場合は、専用のスペースが必要になります。独立洗面台のサイズは、幅が60センチ〜180センチ前後、奥行きが50センチ前後、高さが1メートル80センチ前後が通常です。独立洗面台は通常、脱衣所やサニタリースペース内に設置しますが、そのスペースも必要になります。

専有面積の狭い物件であれば、独立洗面台の設置が困難であったり、設置したことで居住スペースの快適性が低下してしまうことも考えられます。

3-2 物件の購入費用が高くなる

賃貸用物件には、設備や仕様などの費用が含まれます。そのため、「2点ユニットバス」や「3点ユニットバス」ではなく、独立洗面台が設置されている物件であれば、その分物件価格が高くなります。

例えば「TOTO 3点ユニットバス EH-Aタイプ」の1216サイズであれば、定価は¥699,600(税込)です。これに対して独立洗面台を設置する場合の費用の一例を挙げると、「1点ユニットバス」の「TOTO シンラ Cタイプ」の1216Jサイズの定価が1,219,900円(税込)で、独立洗面台の「ノーリツ シャンピーヌ セット 間口が600mmで両開き扉タイプ」の定価が137,280円(税込)となります。

つまり、独立洗面所とユニットバスを導入する場合、「3点ユニット」の倍以上の費用が必要になるということなのです。

このほか、水道工事費用や脱衣所を設けることによる費用なども必要になるため、独立洗面台を設置した物件の方が販売価格は高くなる傾向にあります。

3-3 独立洗面台の優先順位が高くない人もいる

独立洗面台は人気の高い付帯設備ですが、優先度が高くない人もいます。特に一人暮らしで、家賃の安さを優先させたいケースでは、独立洗面台の優先順位は下位になることが予想されます。

このような方には、家賃の高さや居住スペースの狭さなどがネックとなり、選ばれない可能性もあります。

4 不動産投資における独立洗面台のチェックの仕方

独立洗面台付きの不動産投資を検討する際は、入居者の立場に立ち、どのような独立洗面台が設置されているのかも確認することが重要です。そこで、独立洗面台をチェックする際の項目について解説していきます。

4-1 豊富な収納

独立洗面台の収納が足りないと、洗剤や掃除用具などがあふれてしまい、生活感が出やすくなってしまいます。入居者ターゲットにもよりますが、できるだけ収納スペースが大きめの独立洗面台を選ぶようにしましょう。

例えば、鏡のついたミラーキャビネットの独立洗面台であれば、歯ブラシや化粧品などをしまう場所にも困りません。棚の位置が変更できると、入居者の生活スタイルに合わせて収納力をアップさせることもできます。

4-2 洗面ボウルの大きさ

洗面ボウルが小さいと、洗顔や手洗いの際に水が外に飛び出したりすることで、小さな不便を感じさせてしまいます。また水が飛び散ってしまうと、掃除頻度が高まり、手間をかけさせてしまうことにもなります。物件を見学する際は、ご自分で顔を洗う仕草をしてみるなどで、使いやすさを確認しましょう。

また洗面ボウルの素材は、陶器製、ホーロー製、人工大理石製などがあり、それぞれ特徴が異なります。下記の表を参考にしてください。

洗面ボウルの素材 特徴
陶器製 ・価格が最も安い
・傷がつきやすい
・衝撃に弱い
ホーロー製 ・汚れや匂いがつきにくい
・陶器製よりも割高
人工大理石製 ・価格は高め
・バリエーション豊富
・耐久性は劣る

これらの特徴を把握することで、入居者の主要ターゲット層と独立洗面台が合っているかどうか確認することもできます。

4-3 掃除のしやすさ

独立洗面台は毎日の生活の中で必ず使う場所です。水を多く使うため、思っている以上に汚れが付着することがあります。そのため清潔感を保てるように、掃除のしやすい独立洗面台を選ぶようにしましょう。

素材で言えば、ホーロー製は汚れがつきにくく、掃除がしやすいと言えます。陶器製の場合は、強くこすると傷が残ってしまい、劣化を進めてしまいます。物件を見学する際は洗面ボウルの形状やつなぎ目などを見て、掃除がしやすいか確認しましょう。

4-4 多彩な機能

各メーカーでは独自に独立洗面台を開発しており、使いやすさを考えて様々な機能を搭載しています。

  • 汚れが溜まりにくい排水口
  • 泡や髪の毛が排水口に向かって流れる洗面ボウル
  • さっと拭くだけで綺麗になるカウンター
  • 肌の色を引き立てるLED照明
  • 汚れがつきにくく清潔なキャビネット
  • 歯ブラシも洗面ボウルも綺麗を保つ除菌水、など

このような機能がついた独立洗面台を導入することで、入居の決め手になることもあり、入居者確保につながる可能性もあります。

まとめ

賃貸用物件を運営する不動産投資では、入居者のニーズを的確に把握する必要があります。独立洗面台は主要な水回り設備ではないため見逃されることもありますが、毎日使う場所であることから、快適性を向上させることで空室対策の一つにもなります。

今回のコラムでは、独立洗面台のチェックの仕方についても紹介しました。多機能で使いやすい独立洗面台なら、入居期間の長期化などにつながることも考えられます。独立洗面台を確認する際は、さまざまな視点から行うようにしましょう。

特に中古物件の場合は、物件を購入した数年後には取り替えることになるため、劣化状態も確認しておくことが大切です。

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倉岡 明広

経済学部経済学科卒業後、出版社や編集プロダクション勤務などを経てフリーライターとして独立。雑誌や新聞、インターネットを中心に記事を執筆しています。初心者が抱く不動産投資の疑問や質問を解決できるよう丁寧な記事を執筆していきます。