空き地の有効活用、おすすめは?初心者も始めやすい活用方法を厳選して紹介

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相続したまま放置している空き地があるけれども、固定資産税の支払いが負担で何とか活用できないだろうか、と考えている方は多いのではないでしょうか。

しかし、多額の借り入れをして初期投資を行うのは、初心者にはハードルが高いといえます。

そこで本記事では、初期投資費用が少ないか、あるいはリスクが低く初心者でも始めやすい空き地の有効活用方法を紹介していきます。

目次

  1. 空き地を放置した場合のリスクやデメリット
  2. 空き地活用に適した立地条件とは?
  3. 都市部の空き地活用
    3-1.駐車場経営
    3-2.自動販売機設置
    3-3.住宅用底地
  4. 田舎(郊外)の空き地活用
    4-1.太陽光発電
    4-2.資材置き場
    4-3.事業用底地
  5. 高収益な反面、やや難易度の高い土地活用
  6. 将来空き地を自身で利用する予定がない場合
  7. まとめ

1.空き地を放置した場合のリスクやデメリット

空き地はそのままにしておくと、様々なリスクやデメリットがあります。

空き地を放置することで害虫が発生したり、荒れ地と思われてゴミなどを不法投棄されたりする可能性があります。近隣地域の環境にも悪影響を与えることになり、ご近所からクレームが入ったり、犯罪現場となってしまう可能性があります。

また、空き地には、固定資産税、都市計画税などの税金がかかります。これらは、住宅を建てた場合の最大6倍もの金額が徴収されており、空き地のまま放置しておくデメリットは大きいと言えるでしょう。

その他、土地の維持費用がかかるのもデメリットです。除草や清掃などの維持費用は、一回の費用は少額であっても積み重なると大きな負担となります。

2.空き地活用に適した立地条件とは?

不動産の活用方法は立地に大きく左右されます。たとえば、周辺に観光地などがない田舎の地域では、都市部の地域と比べると駐車スペースが足りていることが多いといえます。

このような供給過多の地域に新しく駐車場を作ってしまうと、競合が多いために集客が難しく、収益を上げるのに苦戦してしまうことが予想されます。

また、人口減少が続き住宅ニーズが少ない田舎であれば、アパート・マンションや戸建て賃貸などの賃貸住宅用の土地利用ではなく、太陽光発電などが適しているでしょう。

逆に、住宅ニーズが多い比較的都市部の地域では、太陽光発電より賃貸住宅用の土地として利用することで投資額に対して得られる収益の割合が高く、有効な土地活用といえます。

このように空き地活用は、まずは空き地の立地がどのような地域にあるかで選択肢が絞られるので、その範囲で検討するのがよいといえます。

以下では、都市部の地域と田舎の地域に分けて、それぞれの立地に適した有効な土地活用のうち、初心者にもおすすめの活用法を考えていきます。

3.都市部の空き地活用

都市部の地域では、空き地活用の選択肢は多いと言えます。有効に活用するには、下記の2つのポイントが重要です。

  • 土地の形状や建蔽率・容積率を生かす
  • 人口が密集していることのニーズをうまく利用する

建蔽率・容積率とは、建築基準法上の土地の上に建てられる建物の広さの規制です。建蔽率は敷地面積に対する建築面積割合のことで、容積率は敷地面積に対する延床面積を表します。

建蔽率・容積率は管轄の市区の都市計画によって定められています。土地の上に建てることが出来る建物の種類に影響を与えるため事前に確認しておきましょう。

また、都市部では人口が多く様々な需要が見込めますが、立地によって年齢層や男女比、期待されるニーズが異なります。どのような需要が見込まれるのか想定し、調査しておくことが大切です。

これらを踏まえ、初期投資費用が少ないなどリスクが低く初心者向けの空き地活用法として、次の3つが挙げられます。

  • 駐車場経営
  • 自動販売機設置
  • 住宅用底地

それぞれの活用方法について詳しく説明していきます。

3-1.駐車場経営

駐車場経営は、形状が多少悪くて狭小の、建物を建てられないような土地であっても可能です。少額の初期投資から始めることができ、初心者向けの土地活用法といえます。人口密集地域であれば、駐車ニーズが多い可能性が高くなります。

駐車場経営には、月極駐車場とコインパーキングがあります。初期投資額は、月極であれば舗装費用として100平米で約50万程度、コインパーキングであれば機材の設置費用等として10台設置で300万~400万程度が相場といえます。

運営の管理は不動産管理会社に委託したり、あるいはオーナー自身が自主管理することもあります。コインパーキングの場合、大手コインパーキング会社では、初期投資ゼロで一括借上げサービスを提供しているところも多く、このようなサービスを利用すればリスクはさらに低くなり、初心者でも始めやすい活用方法と言えます。

月極よりもコインパーキングの方が高収益となる傾向がありますが、売上が流動的になるため、立地によって想定した稼働率にならないリスクがあるため注意しましょう。

駐車場経営は、初期投資があまりかからないため、止めることも比較的簡単で、短期間だけ活用したい場合や、将来的に他の方法で活用をしたい場合にも向いています。

3-2.自動販売機設置

自動販売機の設置による空き地活用は、設置スペースがあれば駐車場よりもさらに狭小の土地でも始めることが可能です。商品の補充や空き缶の回収、機械のメンテナンスなどは設置会社が行い、空き地のオーナーは電気代のみを負担する方式となります。

1か月の電気代は2,000円~4,000円程度であるため、ランニングコストは低く、初心者向けの土地活用といえます。売上は販売額の一定割合となり、月に数千円~数万円の収入になります。

ただし、人通りの多い場所でないとなかなか売上は上がらず、他の土地活用と比較して収益性はやや低いといえます。

3-3.住宅用の借地

アパート・マンションを建築して不動産投資をしたい投資家に、借地として貸すという活用方法もあります。

土地の所有者は、借入などの初期投資を行う必要もないため、初心者向けの土地活用といえます。人口密集地域で集合住宅を建てられるほどの広さの土地であれば、アパート・マンションの建築会社などを通して活用プランを立ててもらうと良いでしょう。

建蔽率・容積率の高い地域であれば、建築できる物件の床面積が広がるので、特に利用価値は高くなります。30年以上の長期間に渡って、安定的に地代収入を得ることができます。

ただし、注意しなければならないのは、住宅を建てるために土地を貸して地代を受け取ると、借地借家法により借地権の設定がなされることです。

借地権の設定がされてしまうと、正当事由がない限り、30年間は土地を自由に利用することができません。(借地借家法「借地権の存続期間等」参照)

定期借地権の制度を利用して期間満了後に更地としたり、借地権を買い取ることで借地権設定を消滅させない限り、土地の利用が出来なくなってしまうことに予め注意しておきましょう。(建物譲渡特約付借地権)。

住宅用の借地として活用する場合は、これらの制限から長期間空き地を他の目的で利用することのないケースに限定されると言えるでしょう。

4.田舎(郊外)の空き地活用

田舎の地域の空き地活用としては、法令制限を受ける土地でないかどうかを確認したうえで、その地域のニーズに適した土地活用を考える必要があります。

まず、農地法の適用を受ける農地である場合、住宅地等の農地以外への転用には農業委員会の許可が必要になります。(農地法「権利移動及び転用の制限等」を参照)

また、都市計画法の市街化調整区域内の空き地である場合、建物を建築する場合、行政の許可を得る必要があります。また、このような地域では下水道などのインフラが整備されていないことも多く、土地の活用法は限定されてくるといえます。

法令制限の有無を確認し活用できるようであれば、初心者向けの活用方法として次のようなものが考えられます。

  • 太陽光発電
  • 資材置き場
  • 事業用底地

それぞれの活用方法について詳しく説明していきます。

4-1.太陽光発電

太陽光発電は、比較的田舎の地域でもリスクが少なく始めることのできる空き地活用です。事業用太陽光システムの導入費用は、2018年の1kwあたり29万程度で、投資商材の一般的な容量は50kw程度であり、1500万程度の初期投資費用が必要になります。

初期投資費用は高くなるものの、太陽光発電によって発電された電力は、経済産業省が定めるFIT制度によって一定期間固定価格で買い取ってもらうことができ、10年前後で投資費用を回収できる可能性が高いことからリスクは低く、初心者向けといえます。

太陽光発電パネルの設置にはある程度の広さの土地の確保が必要であり、地価が安く、住宅や駐車場の需要が見込めない田舎の空き地に向いた活用法です。また、取り外すことも比較的簡単にでき、他の活用法への転用性を確保したい場合にも向いています。

4-2.資材置き場

資材置き場も、比較的田舎の土地に向いている活用法です。広さや形状などにかかわらず、建設業者や工場、運送業者などニーズがあればリスクはほとんどなく始めることができるといえます。

住宅用の借地とする場合と異なり借地借家法の適用も受けないため、いつでも契約を終了できる点も初心者に向いていると言えるでしょう。

ただし、建設業者や工場、運送業者などのニーズがあることが前提になり、賃貸経営ほどの高収益は見込めず、固定資産税等の負担の軽減措置が無い点に注意しましょう。

4-3.事業用の借地

交通量のある幹線道路に面した広い土地など、事業用のニーズが見込めるということが前提になりますが、事業用定期借地権制度を利用して事業用の借地として貸す活用方法も初期投資が少なくリスクは低いと言えるでしょう。

10年以上50年未満で期間を設定でき、契約終了後は更地で返却してもらう契約となります。比較的短期間から契約でき、賃料も住宅用なので高めに設定できるため、高収益を安定して得られます。

ただし、契約期間の途中で貸主側からの解約は困難となり、借主が事業者であるため、事業破綻の場合は建物の取り壊しリスクが降りかかってくる可能性があります。

田舎の地域の空き地でも、商業施設以外にも医療機関、介護施設など事業用のニーズがあれば初心者でも検討しやすく、中長期的に高収益を得られる土地活用方法といえます。

5.高収益な反面、やや難易度の高い土地活用

ここまで、初心者向けの活用法ということでリスクの低い活用法を紹介しましたが、初心者であっても空き地活用によって高収益を得たい、という目的があるなら、他の活用法もあります。

アパート・マンション経営や戸建て賃貸経営、コインランドリー投資などは、初期投資にまとまった費用がかかり、かつ収益が安定するとは限らないものの、高収益を目指すことができる土地活用です。

これらの土地活用を始める場合はリスクの高い投資方法となるため、事前のニーズ調査や、専門性の高い業者との連携が重要になります。安易に投資を開始してしまうのではなく、様々な活用方法と比較しながら検討していきましょう。

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投資初心者でも検討しやすい太陽光発電や駐車場経営に加えて、アパート経営や大規模施設の建設など幅広い活用方法を比較することも可能です。また、興味のある活用方法に絞って提案を受けることもできるため、選択していない企業から連絡が来ることはありません。

「どのような活用方法が適しているかわからない」「土地活用をするとどれくらいの収益が得られるのか知りたい」という悩みのある方は利用を検討してみましょう。

6.将来空き地を自身で利用する予定がない場合

将来空き地を自身で利用する予定がないのであれば、持ったまま活用するのではなく、売却してしまうという方法もあります。土地の資産価値は、今後全国的に目減りする傾向にあるため、空き地を資産として考えるのであれば資産運用の視点から売却も並行して検討したい選択肢です。

また、土地活用を始める場合でも「売った場合はいくらになるのか?」ということを知ることで、投資先を比較するひとつの判断基準とすることが出来ます。土地活用を実施する前に不動産会社による査定を受けておくと良いでしょう。

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まとめ

今回は都市部と田舎の立地ごとに、リスクの低い初心者向けの空き地活用法を紹介しました。

空き地の活用では、目的面から検討することも重要です。特に、定期借地制度を利用した活用法は、長期間他の目的に利用することができなくなるデメリットがあり、実施前に慎重に検討することが大切です。

まずは土地を短期的に活用したいのか、長期間安定した収益を得たいのか、目的に応じた活用法を検討しましょう。

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佐藤 永一郎

筑波大学大学院修了。会計事務所、法律事務所に勤務しながら築古戸建ての不動産投資を行う。現在は、不動産投資の傍ら、不動産投資や税・法律系のライターとして活動しています。経験をベースに、分かりやすくて役に立つ記事の執筆を心がけています。