豊島区のマンション売却・査定はいくらになる？間取り、築年数から売却相場を検証

東京都豊島区は、東京23区の西北部に位置する特別区です。面積は13.01㎢で、23区中18番目の広さとなっています。高いビルや繁華街、住宅街など多彩な表情を持っているのが特徴で、「東京都の人口（推計）」によると2022年11月1日時点の人口は303,272人、人口密度は23,311人で、日本で一番密度が高いエリアです。

このような特徴を持つ豊島区では、どのような中古マンションに関する売却・査定の傾向があるのか、今回のコラムでは「三井のリハウス」が公開している間取りや築年数、価格の傾向、購入検討者の数などデータをもとに検証していきます。

三井のリハウス

三井のリハウスは、三井グループの不動産会社「三井不動産リアルティ」が行っている不動産コンサルティング事業の名称です。全国に店舗を展開しており、大手不動産会社ならではのネットワークを強みに不動産仲介事業に特化したサービスを提供しています。豊富な取引実績は数字にも表れており、全国仲介取扱件数は累積で100万件を突破しています。

主な事業は、個人向けの不動産における、売却、購入、賃貸に関するさまざまなサービスの提供です。不動産売却に関しては、不動産売買のプロによる査定を依頼することができます。売却するかどうかの判断は査定後に決められるため、「まずは価格を知りたい」「売却するか活用するか悩んでいる」という方でも利用しやすい不動産査定サービスとなっています。

目次

1. 豊島区で販売されている中古マンションの平均価格
2. 豊島区で販売されている中古マンションの間取りにおける特徴
3. 豊島区で販売されている中古マンションの築年数における特徴
4. 豊島区のマンションの購入を検討している人数
5. まとめ

1　豊島区で販売されている中古マンションの平均価格

三井のリハウスでは、自社で取り扱っている物件の売出情報について、東京23区別に売り出し中物件数と平均価格などのデータを提供しています。そのデータをもとに、東京23区における中古マンションについて、平均価格（2022年12月15日時点）の上位5番目までと豊島区をランキングにしたのが下記の表です。

東京23区における中古マンションの平均価格

豊島区で販売されている中古マンションの平均価格は6,325万円で、東京23区内では10番目に位置しています。

また、平均価格の変動についても検証してみましょう。2022年11月15日時点からの価格変動についてまとめたのが下記の表です。東京23区内で大きい順から5番目までと、豊島区を表記しています。

2022年11月15日～12月15日の間でマンション価格の変動が大きいエリア

豊島区で販売されている中古マンションの平均価格は、2022年11月15日時点から129万円上昇していることがわかります。この上昇額は、東京23区のうち6番目となっています。

また下記の表は、東京23区で販売されているマンションの数を区ごとにまとめたものです。上位5番目までの区と豊島区をランキング形式で紹介していますので、確認しましょう。

東京23区で販売されているマンションの数

豊島区で販売されている中古マンションの数は、2022年11月15日時点では93件でしたが、2022年12月15日時点では96件となっています。1カ月間で3件増えています。

物件数が増えて、平均価格が上昇していることから、平均価格よりも高い価格の物件が増えていることも推測できます。

2　豊島区で販売されている中古マンションの間取りにおける特徴

この項目では、物件の間取りについて傾向を分析していきます。豊島区で販売されている中古マンション96件を、間取り別に物件数をまとめたのが下記の表です。

間取り別の売出物件数

豊島区で販売されている中古マンションのうち、最も多い間取りは1LDKの39件（40.6％）となっています。一方、ファミリー世帯向けが主要ターゲットとなる2LDKと3LDK、4LDKを合わせると55件となり、半数よりやや多い57.3％を占めていることがわかります。

さらに細かく分析するために、価格帯と間取りの組み合わせも見ていきましょう。下記の表は、価格と間取りの組み合わせについて、販売数の多い5番目までをまとめたものです。

マンションの価格帯と間取りの組み合わせ

豊島区で販売されているマンションで最も多い間取りと価格帯の組み合わせは、「1LDK×3,000万円超〜4,000万円」の15件となっています。平均価格は6,325万円なので、半分程度の価格帯が最も多く販売されていることがわかります。また、上位7番目までを間取り別に見てみると、1LDKが2、2LDKが3、3LDKが2の価格帯が入っており、偏りがないのも豊島区の特徴です。

なお、価格帯の低いマンションについては、2,000万円以下の価格帯ではワンルームマンションが2件、1LDKが3件、「2,000万円超〜3,000万円」の価格帯では1LDKが5件、2LDKが2件となっています。3,000万円以下の物件は合計で12件あり、全体の12.5％を占めています。

一方、1億円以上の物件は、1LDKが3件、2LDKが5件、3LDKが6件、5LDKが1件で、合計で15件となっています。これは全体の15.6％を占めていることになります。

3　豊島区で販売されている中古マンションの築年数における特徴

次は、豊島区で販売されている中古マンションについて、築年数の特徴を確認していきましょう。下記の表は、販売中の中古マンション96件を築年数別に分けて、物件数とその割合を表したものです。

築年数別の中古マンション販売物件数

築15年以上の物件が96件中72件となっており、75％を占めています。一方、築3年未満の物件は7件（7.3％）で、そのすべてが「新築または築1年未満」の物件です。築後まもない築浅物件が一定数あることがわかります。

また下記の表は、販売されている物件の築年数と価格帯の組み合わせについて上位5番目までをまとめたものです。築年数と価格帯の組み合わせには、どのような特徴があるのか見てみましょう。

中古マンションの築年数と販売価格

豊島区で販売されている中古マンションにおける築年数と価格帯の組み合わせのうち、最も多いのは「築15年〜×3,000万円超〜4,000万円」の20件（20.8％）です。2番目は「築15年〜×4,000万円超〜5,000万円」となっており、平均価格帯よりも低い「築15年〜×3,000万円超〜5,000万円」の物件が約4割を占めていることがわかります。

4　豊島区のマンションの購入を検討している人数

マンションの売却を検討する際、価格設定に悩む方も多いでしょう。購入を検討されている方の人数が分かると、価格設定の際に参考にすることができます。

三井のリハウスでは、マンションの購入を検討されている方の人数をそれぞれの区ごとに希望価格別で表示しています。その数字をもとに、東京23区の購入検討者数の上位5番目までと豊島区を表したのが下記の表です。

エリア別のマンション購入検討者数

豊島区のマンション購入を検討されている方の数は1,008人で、東京23区内で17番目の多さになっています。1,007人だった2022年11月15日時点より、1人増えています。販売中の中古マンションの数は東京23区で18番目の多さですが、購入検討者は17番目の人数になっています。

より詳しく分析するために、購入検討者の数を希望価格帯別に確認しましょう。

価格帯別のマンション購入検討者数

購入希望者が最も多い価格帯は「4,000万円超〜5,000万円」の200人で、全体の19.8％を占めています。また2番目に多いのが「5,000万円超〜6,000万円」の150人（14.9％）、3番目に多いのが「3,000万円超〜4,000万円」の137人（13.6％）となっています。販売されている物件の平均価格は6,325万円ですが、その価格よりも低い価格帯のマンションを希望されている方が上位の1〜3番目を占めている状況です。

また、3,000万円以下の中古マンションの購入を検討されている方が181人（18.0％）おり、反対に1億円超以上の物件を検討されている方は82人（8.1％）となっています。

まとめ

三井のリハウスの2022年12月15日時点のデータから、東京都豊島区で販売されている中古マンションに関する傾向を解説しました。まとめると下記のようになります。

• 販売されている中古マンションの平均価格は東京23区内で10番目に高い
• 平均価格は2022年11月15日の時点から129万円の上昇
• 販売されている中古マンションの件数は東京23区内で18番目に多い
• 販売されているマンションのうち最も多い間取りは1LDK（40.6％）
• 最も多く販売されている間取りと価格帯の組み合わせは1LDKの「3,000万円超〜4,000万円」
• 最も多く販売されている築年数の区分は「築15年〜」（75％）
• 新築または築1年未満の物件が7件（7.3％）となっており、築浅物件は比較的多い
• 最も多く販売されている築年数と価格帯の組み合わせは築15年以上の「3,000万円超〜4,000万円」
• 豊島区内のマンション購入を検討している人は東京23区内で17番目に多い1,008人
• 購入検討者のうち、1億円以上の物件を求めているのは81人（8.1％）

東京都豊島区の中古マンション市場は、2022年11月15日時点に比べて平均価格が129万円上昇しています。上昇額は東京23区内でも上位ですが、販売されている物件のうち平均価格よりも低い価格帯の物件が多く、また平均価格以下の物件を求めている方が多い状況になっています。今後も価格変動は注意すべきポイントで、マンションの売却は実績が豊富な不動産会社への依頼が望ましいと思われます。

なお、三井のリハウスにおける東京都豊島区の取引実績（2012年12月〜2022年11月）は、マンションが1,496件、一戸建て・土地が766件で合計が2,262件となっています。より詳細な情報や売却戦略については、三井のリハウスの無料査定を受けることで、査定価格や査定の根拠を知ることができます。売却に迷っている方でも利用することができるため、「まずは価格を知りたい」という方でも、実際に査定を受けることも検討されてみると良いでしょう。

※東京の不動産市場は流動性が高く、売出情報のデータも日々変動があります。本記事でご紹介した内容については、三井のリハウスが提供している、2022年12月15日時点のデータであることをご理解の上、参考にしてください。

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倉岡 明広

経済学部経済学科卒業後、出版社や編集プロダクション勤務などを経てフリーライターとして独立。雑誌や新聞、インターネットを中心に記事を執筆しています。初心者が抱く不動産投資の疑問や質問を解決できるよう丁寧な記事を執筆していきます。

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