荒川区のマンション売却・査定はいくらになる?間取り、築年数から売却相場を検証

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東京都荒川区は、東京23区の北東部に位置する特別区です。総面積は東京23区で2番目に狭い10.16㎡ですが、隅田川周辺に建てられた工場群により、1930年代には東京都内で最も人口が多い町として栄えています。その工業跡地を活用したことで南千住地区などでは再開発が進み、現在では大規模マンションなども数多く建てられています。「東京都の人口(推計)」によると2022年11月1日時点の人口は217,934人で東京23区では3番目に少ないですが、人口密度は21,450人と4番目の高さになっています。

下町の風情を残しつつ、都市機能を備えている荒川区では、どのような中古マンションの傾向があるのでしょうか。今回のコラムでは「三井のリハウス」が公開している間取りや築年数、価格の傾向、購入検討者の数などデータをもとに検証していきます。

三井のリハウス

三井のリハウスの不動産査定・売却三井のリハウスは、三井グループの不動産会社「三井不動産リアルティ」が行っている不動産コンサルティング事業の名称です。全国に店舗を展開しており、大手不動産会社ならではのネットワークを強みに不動産仲介事業に特化したサービスを提供しています。豊富な取引実績は数字にも表れており、全国仲介取扱件数は累積で100万件を突破しています。

主な事業は、個人向けの不動産における、売却、購入、賃貸に関するさまざまなサービスの提供です。不動産売却に関しては、不動産売買のプロによる査定を依頼することができます。売却するかどうかの判断は査定後に決められるため、「まずは価格を知りたい」「売却するか活用するか悩んでいる」という方でも利用しやすい不動産査定サービスとなっています。

目次

  1. 荒川区で販売されている中古マンションの平均価格
  2. 荒川区で販売されている中古マンションの間取りにおける特徴
  3. 荒川区で販売されている中古マンションの築年数における特徴
  4. 荒川区のマンションの購入を検討している人数
  5. まとめ

1 荒川区で販売されている中古マンションの平均価格

三井のリハウスでは、自社で取り扱っている物件の売出情報について、東京23区別に売り出し中物件数と平均価格などのデータを提供しています。そのデータをもとに、東京23区における中古マンションについて、平均価格(2022年12月15日時点)の上位5番目までと荒川区をランキングにしたのが下記の表です。

東京23区における中古マンションの平均価格

順位 平均価格
1位 港区 1億5,157万円
2位 千代田区 1億3,300万円
3位 渋谷区 1億1,007万円
4位 中央区 9,621万円
5位 品川区 8,915万円
17位 荒川区 4,866万円

荒川区で販売されている中古マンションの平均価格は、東京23区内では17番目となる4,866万円となっています。

一方、価格の変動について確認しましょう。下記の表は、2022年11月15日からの価格の変動について、東京23区内で大きい順から5番目までと荒川区をまとめたものです。

2022年11月15日~12月15日の間でマンション価格の変動が大きいエリア

順位 価格変動幅
1位 新宿区 901万円
2位 千代田区 208万円
3位 中央区 188万円
4位 渋谷区 162万円
5位 墨田区 157万円
15位 荒川区 ▲25万円

荒川区で販売されている中古マンションの平均価格は、2022年11月15日時点から25万円の下落となっています。東京23区のうち平均価格が下落したのは12区あり、下落額では9番目の大きさです。

また、荒川区で販売されている中古マンションの数についても確認しましょう。東京23区で販売されているマンションの数について、上位5番目までの区と荒川区をランキングにしたのが下記の表です。

東京23区で販売されているマンションの数

順位 物件数
1位 港区 449件
2位 世田谷区 336件
3位 新宿区 333件
4位 渋谷区 318件
5位 江東区 264件
17位 荒川区 111件

荒川区で販売されている中古マンションの数は東京23区では17番目に当たる111件で、112件だった2022年11月15日時点に比べて1件減っています。

物件数が減って、平均価格が下落していることから、平均価格よりも高い価格の物件が減っていることも推測できます。

2 荒川区で販売されている中古マンションの間取りにおける特徴

下記の表は、荒川区で販売されている111件を、間取り別に物件数をカウントしたものです。間取りの傾向について分析していきましょう。

間取り別の売出物件数

間取り 物件数 割合
ワンルーム 3件 2.7%
1LDK 19件 17.1%
2LDK 44件 39.6%
3LDK 42件 37.8%
4LDK 3件 2.7%

荒川区で販売されている中古マンションのうち、最も多い間取りは46件の2LDKです。全体の39.6%を占めています。2番目に多い3LDKが42件となっており、その差は拮抗していると言っていいでしょう。両方合わせると86件で全体の77.5%となっており、ワンルームが3件と少ないことから、荒川区ではファミリー向け物件が多いと推測できます。

また間取りと価格帯の組み合わせについて、その傾向を探るために販売数の多い上位5番目までをまとめたのが下記の表です。さらに細かく分析していきます。

マンションの価格帯と間取りの組み合わせ

順位 間取り×価格帯 物件数
1位 2LDK×3,000万円超〜4,000万円 15件
2位 3LDK×5,000万円超〜6,000万円 14件
3位 2LDK×4,000万円超〜5,000万円 11件
4位 3LDK×4,000万円超〜5,000万円 10件
5位 1LDK×2,000万円超〜3,000万円 7件
5位 2LDK×5,000万円超〜6,000万円 7件
5位 3LDK×6,000万円超〜7,000万円 7件
5位 3LDK×7,000万円超〜1億円 7件

荒川区で販売されているマンションの平均価格は4,866万円ですが、最も多い間取りと価格帯の組み合わせは、平均価格の価格帯よりも低い「2LDK×3,000万円超〜4,000万円」の15件となっています。ただし2番目の「3LDK×5,000万円超〜6,000万円」が14件、3番目の「2LDK×4,000万円超〜5,000万円」、4番目に多い「3LDK×4,000万円超〜5,000万円」が11件と上位に大きな差はありません。

また5番目に「1LDK×2,000万円超〜3,000万円」、「2LDK×5,000万円超〜6,000万円」、「3LDK×6,000万円超〜7,000万円」、「7,000万円超〜1億円」が7件で並んでおり、販売されている中古マンションの価格帯と間取りの組み合わせは幅広いことが窺い知れます。

なお、価格帯の低いマンションについては、2,000万円以下の価格帯ではワンルームマンションが2件、1LDKが3件、2LDKが2件、3LDKが1件となっており、さまざまなタイプが販売されていることがわかります。また3,000万円以下の物件は17.2%(19件)で、反対に1億円以上の物件は1件のみ販売されている状況になっています。

3 荒川区で販売されている中古マンションの築年数における特徴

次の表は、築年数の特徴について確認できるように、荒川区で販売されている中古マンション111件を築年別に分けて、件数とその割合を表したものです。

築年数別の中古マンション販売物件数

築年数 物件数 割合
築15年〜 78件 70.3%
築10年〜築14年 16件 14.4%
築8年〜築9年 6件 5.4%
築6年〜築7年 3件 2.7%
築4年〜築5年 4件 3.6%
築2年〜築3年 4件 3.6%
築1年〜築2年未満 0件 0%
新築または築1年未満 0件 0%

荒川区で販売されている中古マンション111件のうち、築15年以上の物件が占める割合は70.3%です。一方、築3年未満の物件が4件(3.6%)で、築10年未満に範囲を広げると17件あり、全体の15.3%を占めています。築10年〜築14年の物件も16件(14.4%)販売されており、築15年未満の比較的新しい物件が多いのも荒川区の特徴と言えます。

この築年数と価格帯の組み合わせについて、より詳しく検証しましょう。下記の表は、販売されている物件の上位5番目までの築年数と価格帯の組み合わせをまとめたものです。

中古マンションの築年数と販売価格

順位 築年数×価格帯 物件数
1位 築15年〜×3,000万円超〜4,000万円 20件
2位 築15年〜×4,000万円超〜5,000万円 18件
3位 築15年〜×5,000万円超〜6,000万円 12件
4位 築15年〜×2,000万円超〜3,000万円 9件
5位 築15年〜×〜2,000万円 8件

荒川区で販売されている中古マンションにおける築年数と価格帯の組み合わせで最も多いのは、平均価格よりも低い価格帯となる「築15年〜×3,000万円超〜4,000万円」の20件です。占める割合は18.0%となっています。

一方、5番目に位置しているのが最も低い価格帯となる「築15年〜×〜2,000万円」の8件です。割合は全体の7.2%と数字的には多くありませんが、価格帯の低い物件が上位に入っていることは、1カ月間で平均価格が25万円下落した荒川区における傾向として注目したいポイントです。

4 荒川区のマンションの購入を検討している人数

マンションを売却する際は、相場に合わせて適正な価格を設定できるかどうかがポイントになります。マンションの需要を推し量るには、購入を検討されている方の数が参考になります。

三井のリハウスでは、マンションの購入を検討されている方の人数をそれぞれの区で希望価格別に表示しています。その数字をもとに、東京23区の購入検討者数の上位5番目までと荒川区を表したのが下記の表です。

エリア別のマンション購入検討者数

順位 購入検討者数
1位 世田谷区 3,836人
2位 港区 3,794人
3位 渋谷区 3,304人
4位 江東区 2,935人
5位 杉並区 2,701人
21位 荒川区 782人

荒川区のマンション購入を検討されている方の数は782人と東京23区内で21番目であり、東京23区内では多い方ではありません。しかし、2022年11月15日時点では766人で16人の増加となっています。これは港区、千代田区に続いて3番目に多い増加数で、荒川区のマンション購入検討者が増加傾向にあることがわかります。

また、購入検討者の数を希望価格帯ごとに分けたのが、下記の表です。

価格帯別のマンション購入検討者数

順位 価格帯 購入検討者数 割合
1位 5,000万円超〜6,000万円 187人 23.9%
2位 4,000万円超〜5,000万円 149人 19.1%
3位 3,000万円超〜4,000万円 111人 14.2%
4位 6,000万円超〜7,000万円 104人 13.3%
5位 2,000万円超〜3,000万円 82人 10.5%

最も多い価格帯は、「5,000万円超〜6,000万円」の187人で、全体の約4分の1にあたる23.9%を占めています。平均価格よりも高い価格帯を希望している購入検討者が多いため、今後は平均価格の上昇につながる可能性があります。

ただし、2番目に多いのは平均価格帯となる「4,000万円超〜5,000万円」、3番目に多いのは平均価格帯よりも低い「3,000万円超〜4,000万円」となっており、今後の平均価格の動きを注視する必要があります。

また、2,000万円以下の中古マンションの購入を検討されている方が67人おり、全体の8.6%を占めています。一方、1億円超〜の物件を検討されている方は12人(1.5%)となっています。

まとめ

三井のリハウスの2022年12月15日時点のデータから、東京都荒川区で販売されている中古マンションに関する傾向を解説しました。まとめると下記のようになります。

  • 販売されている中古マンションの平均価格は東京23区内で17位
  • 平均価格は2022年11月15日の時点から25万円の下落
  • 販売されている中古マンションの件数は東京23区内で17位
  • 販売されているマンションのうち最も多い間取りは2LDK(39.6%)
  • 最も多く販売されている間取りと価格帯の組み合わせは2LDKの「3,000万円超〜4,000万円」
  • 最も多く販売されている築年数の区分は「築15年〜」(70.3%)
  • 築10年未満の物件は17件(15.3%)が販売されている
  • 築10年〜築14年の物件は16件(14.4%)が販売されている
  • 最も多く販売されている築年数と価格帯の組み合わせは築15年以上の「3,000万円超〜4,000万円」
  • 荒川区内のマンション購入を検討している人は東京23区内で3番目に多い増加数
  • 購入検討者のうち、1億円以上の物件を求めているのは12人(1.5%)

東京都荒川区の中古マンション市場は、2022年11月15日時点に比べて平均価格が25万円の下落となっています。平均価格は下落しましたが、荒川区のマンション購入を検討されている方は東京23区で3番目に多い増加数となっています。また、平均価格よりも高い価格帯の中古マンションを希望する方が最も多く、今後の価格変動に影響が及ぶ可能性があります。マンションの売却は、地域の特性を把握し、実績のある不動産会社に依頼することが望ましいでしょう。

なお、三井のリハウスにおける東京都荒川区の取引実績(2012年12月〜2022年11月)は、マンションが1,200件、一戸建て・土地が439件で合計が1,639件となっています。より詳細な情報や売却戦略については、三井のリハウスの無料査定を受けることで、査定価格や査定の根拠を知ることができます。売却に迷っている方でも利用することができるため、「まずは価格を知りたい」という方でも、実際に査定を受けることも検討されてみると良いでしょう。

※東京の不動産市場は流動性が高く、売出情報のデータも日々変動があります。本記事でご紹介した内容については、三井のリハウスが提供している、2022年12月15日時点のデータであることをご理解の上、参考にしてください。

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倉岡 明広

経済学部経済学科卒業後、出版社や編集プロダクション勤務などを経てフリーライターとして独立。雑誌や新聞、インターネットを中心に記事を執筆しています。初心者が抱く不動産投資の疑問や質問を解決できるよう丁寧な記事を執筆していきます。