東京で不動産投資、高田馬場駅の特徴は?将来性を不動産投資家が分析

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皆さん、こんにちは。テレビや雑誌等で度々取り上げられる不動産投資。その中でも、ワンルームマンション投資は物件価格が比較的低めで取引件数が多く、初心者でも取り組みやすいの不動産投資方法の一つです。

ワンルームマンション投資を始めようと思っている方の中には、東京都内で投資を検討していても、具体的に都内のどのエリア・どの駅で物件を選べば良いのか、といったことに悩む方も多いでしょう。

不動産会社から提案される物件には、その物件の構造・築年数や階数・間取り・設備・家賃の妥当性等チェックするポイントが色々あります。

その中でも「不動産」というくらい、物件の立地は重要な指標の一つです。物件を購入する前にエリア・駅をよく見極めて納得して投資をすることは重要なポイントと言えます。

そこで今回は、10年以上に渡り主にワンルームマンションを中心に不動産投資をしてきた私が、「高田馬場駅」にスポットをあてて、不動産投資のエリアや駅の選び方について解説します。

目次

  1. 不動産投資の目線で見た「高田馬場駅」の特徴
  2. 高田馬場駅の交通利便性
  3. 新宿区の人口と高田馬場駅の乗車人員
    3-1.新宿区の世帯と人口の増減
    3-2.高田馬場駅の利用状況
  4. 高田馬場駅周辺の賃貸市場
  5. まとめ

1.不動産投資の目線で見た「高田馬場駅」の特徴

高田馬場駅は、新宿区にあるJR東日本の駅です。高田馬場駅は山手線の中でも有数の乗車人員を誇り、JR東日本エリアの中では川崎駅に次いで12位(2020年9月時点)です。

ただ、この利用者数に対してホーム幅が小さく、通勤時間帯は常に混雑している印象があります。

高田馬場駅のホーム

駅を降りてすぐ、高田馬場のランドマーク的存在で、幅広い世代に知られる複合施設BIG BOX(ビッグボックス)高田馬場が目の前に現れます。サイゼリヤやユニクロ、キャンドゥ(100円ショップ)等の店舗やフィットネスクラブが入っています。季節のイベントも多く、学校帰りや会社帰りの多くの人に利用されています。

高田馬場駅のBIG BOX

高田馬場駅から少し東に歩くと、どこか懐かしい雰囲気を残す「東京さくらトラム(都電荒川線)」があります。早稲田駅から三ノ輪駅までをつなぐレトロなチンチン電車は、東京に残る唯一の都電で鉄道ファンや観光客にも愛されています。

駅周辺は、早稲田大学や学習院大学等の名門大学を筆頭に多くの大学や専門学校があり、緑豊かな都立戸山公園もあります。大衆的で味も良い飲食店等も多く、このように学問・文化・話題の店まであらゆる分野から刺激を得られるのが特徴です。

高田馬場駅の南側では、住友不動産が2016年に開発した超高層ビルの新宿ガーデンタワー(37階)が竣工し、オフィスワーカーが増えています。

高田馬場駅は、上野駅や有楽町駅を凌ぐほど多くの乗車人員を誇っていますが、老朽化する駅舎や手狭な駅前広場、周辺の古い商業施設等の課題があり、今後街全体の更新が求められています。

現在、高田馬場駅では再開発が計画されていますが、駅舎とBIG BOXとの一体的な街づくりを目指すというものです。これにより駅の乗り換え時の混雑も解消し、ターミナル駅としての機能が強化される予定です。

私が思ったのは、高田馬場駅は、山手線の乗車人員が上位であるにもかかわらず、駅周辺の商業施設やオフィス機能が相対的に弱いということです。今後、駅や周辺地域の再開発が進めば、大きく変わる可能性を秘めていると考えています。

2016年に「高田馬場駅周辺地区まちづくり協議会」が設立され、まちづくりの方向性について検討され、2018年に「高田馬場駅周辺地区まちづくり構想案」がまとまりました。高田馬場駅周辺地区は、駅東側の主に高田馬場一丁目を中心とした約6haにも及ぶ広範囲となっています。

再開発検討区域のイメージ

2.高田馬場駅の交通利便性

高田馬場駅は山手線がとおっており、池袋駅まで4分、新宿駅まで5分、渋谷駅まで11分でアクセスできます。これら山手線の主要駅に、乗り換えなしで15分以内に到着することができる利便性は、入居者、特に単身者にとって高い機動性になり得ます。

私は高田馬場駅徒歩7分にある物件を所有しています。私が学生時代に、駅周辺に資格専門学校が複数あったこともあり、毎週土曜日に通学していたことで「学生が多い街」というイメージが強く、現在も街を歩くと若い人が多い印象です。最近では外国人も増えてきているように感じています。

学生が多いので、手ごろな価格の飲み屋や食堂が多く、また、ブックオフをはじめとしたリサイクルショップや、おしゃれなヴィンテージものを取り揃えた古着店等もあり利便性の高いエリアとなっています。

昔から高田馬場駅周辺に住んでいる30代の知人は、「最近はおしゃれなレストランもでき、外食の選択肢が多く住みやすい」と言っていました。主要駅へのアクセスの良さに加えて、この住みやすさが私の物件購入の決め手となりました。

山手線の路線図

高田馬場駅は、山手線のほか、東京メトロ東西線と西武新宿線が使える複数路線のある駅です。飯田橋駅まで7分、大手町駅まで13分、日本橋駅まで15分でアクセスできます。これらのビジネス街まで15分以内に到着するのも魅力の一つです。

東西線の路線図

西武新宿線の乗り場

ワンルームマンション投資は主に単身者の需要を狙った物件であるため、このように主要駅まで短時間でアクセスでき、複数路線が使える駅のあるエリアの賃貸ニーズは底堅いと考えられます。

3.新宿区の人口と高田馬場駅の乗車人員

マンション投資の家賃収入(インカムゲイン)に大きな影響を与えるのが、エリア内の賃貸需要です。

次に、新宿区の人口と高田馬場駅の乗車人員について詳しく見て行きましょう。

3-1 新宿区の世帯と人口の増減

新宿区のホームページで、新宿区全体の世帯数や人口(外国人を含む)を調べてみました。10年前から世帯数、人口ともに増えています。

世帯数 人口 人口
うち外国人
2020年6月1日 220,318 347,014 38,848
2019年6月1日 222,057 348,608 43,230
2018年6月1日 219,428 345,423 43,240
2017年6月1日 216,487 341,502 42,232
2016年6月1日 212,937 337,474 39,972
2015年6月1日 207,622 330,692 37,345
2014年6月1日 203,577 326,479 35,109
2013年6月1日 200,288 323,133 33,572
2012年6月1日 200,969 320,302 33,897
2011年6月1日 199,315 318,637 33,952
2010年6月1日 199,492 318,580 35,358
2009年6月1日 197,573 317,075 34,722

(※新宿区「新宿区の統計」を参照)

また、外国人居住者も増えています。外国人比率は都内で最も高く、国際色豊かな区であることが分かります(2020年6月1日時点の前年比の減少はコロナショックの影響があると考えられます)。

3-2 高田馬場駅の利用状況

JR東日本の「各駅の乗車人員」によれば、高田馬場駅の2018年の利用状況は、定期外が81,732人、定期が129,954人の合計211,687人です。

年度別1日平均乗車人員データとして2001年からその推移を見てみると、2001年から2018年まで大きな増加こそないものの、平均して20万人を超える安定した駅力が高田馬場駅に住みたい入居者を惹きつけています。

4.高田馬場駅周辺環境と賃貸市場

高田馬場駅の周辺は、コンビニやスーパー、ドラッグストアがたくさんあり、買い物しやすい環境です。特に、ピーコックストア高田馬場店は、高田馬場駅早稲田口徒歩2分のところにあり、23時まで営業しています。

また、早稲田通り沿いには、駅徒歩3分のところに西友高田馬場店、駅徒歩4分のところにオオゼキ高田馬場店もあります。私の所有するマンションは、神田川を越えた新目白通り近くにあり、駅からは少し離れたところ(徒歩7分)にあります。

当時から新目白通りには、生鮮食品等を取り扱うワイズマート高田馬場店(駅徒歩5分)がありましたが、2016年にオーケー高田馬場店(駅徒歩6分)が開業し、この付近も更に便利になった印象です。

また、高田馬場駅は、東京23区平均と比較して世帯構成に占める単身者の割合が15ポイント近く多いエリアになっています。

世帯構成 Gate. MARKET SURVEYレポート

出典:リーウェイズ株式会社「Gate. MARKET SURVEY

所有・賃貸構成 Gate. MARKET SURVEYレポート

出典:リーウェイズ株式会社「Gate. MARKET SURVEY

単身者割合の多いこのエリアに、高価格帯の商品を取り揃える成城石井が出店していることを勘案すると、高田馬場駅は単身者にもファミリー世帯にも住みやすい街であることが伺えます。

賃料の分布 Gate. MARKET SURVEYレポート

出典:リーウェイズ株式会社「Gate. MARKET SURVEY

また、賃料の分布としては、東京23区の平均が10万円であるのに対して、高田馬場駅の平均は9.9万円です。

不動産情報サイト「SUUMO」で検索してみると、高田馬場駅徒歩5分以内、築5年以内で、専有面積26㎡くらいのワンルームマンションの家賃で、125,000円を超える物件も複数見られます。

少し強気な値付けではないかとも思いますが、募集情報を見る限りこのような賃料設定でも満額で成約する可能性があるということが分かります。

まとめ

ワンルームマンション投資は、不動産投資のカテゴリーの中では投資金額が比較的低いため、初心者の方でも検討しやすいと言えます。

不動産投資を検討する際は、必ずしも六本木や表参道、広尾、赤坂エリアなどの高級住宅街である必要はありません。

エリア選びで大事なことは、入居者の視点に立った交通利便性の高さ、商業施設や商店街があって住みやすいかどうか、また家賃がお手頃かどうかです。それらを満たしていれば、必ずしも都心3区や高級住宅街でなくとも、賃貸ニーズを満たせる可能性が高まります。

資産性の高い物件を保有することは大事ですが、投資家の予算には限りもあります。多くの入居者に選ばれやすい駅はどこか、という視点で物件を探すとさらに不動産投資が面白くなるでしょう。

また、物件に足を運び、自分の目できちんと確認することも重要です。Googleのストリートビューだけではなく、実際に見学をしてみると良いでしょう。

実際に訪れると、駅周辺に新しい商業施設が出来ていたり、近くに競合物件が出来ていたりするのを見ると、不動産投資(賃貸不動産経営)の感覚が磨かれます。

不動産投資は、金融商品と違い、自分が投資したものが目に見えるところも面白さの一つであると思います。知らない駅で降りて、街を歩くのはとてもワクワクするでしょう。是非、楽しみながら投資をしてみてください。

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依田泰典

不動産投資家。公認不動産コンサルティングマスター。情報経営イノベーション専門職大学客員教授。
・ソニーにて、ITソリューション関連の法人営業や企画・マーケティング業務に従事(MVP受賞)。ソニー在籍中、株式投資(信用取引)等幅広く金融商品を運用するほか、東京23区の分譲マンションをメインに不動産投資を実践。
・ソニー退職後、不動産会社(ベンチャー企業・東証上場企業)にて、収益用不動産(1棟物件)の仕入・販売、事業開発(不動産ファンド)、経営企画・広報業務に従事。
・独立後は、東証プライム市場上場グループ企業等の社外取締役、顧問、アドバイザーとして活動(営業・資金調達支援)。その後、仲間とIT関連のスタートアップを創業。
・米系PEファンドのKohlberg Kravis Roberts(KKR)への出資をはじめ、国内では不動産テック等IPOを目論む複数のスタートアップ(ミドル・レイターを含む)への出資のほか、複数のVCファンド(シード・アーリーメイン)にLP出資。
・宅地建物取引士(宅建マイスター)、貸金業務取扱主任者、賃貸不動産経営管理士、ビル経営管理士、競売不動産取扱主任者、社会保険労務士、行政書士、情報処理技術者等の資格を保有。
・趣味は街の散策と食べ歩き。YouTube鑑賞(BreakingDown、YOASOBI)。漫画(島耕作、キングダム、ザ・ファブル)。格闘技(合気道有段者)。坂道ファン(推しは櫻坂46山崎天)。
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