不動産ファンドでは東京都の不動産が対象になっているケースが多く、エリア分散による分散投資先や、より高利回りの案件を探されている方も多いのではないでしょうか。
東海地方に投資できる不動産ファンドは少額資金から地方の不動産へ間接的に投資することが可能で、遠隔地での不動産投資でネックになりやすい管理や物件調査について運営会社に任せられるメリットがあります。一方、地方物件の不動産投資には人口減少などのデメリットやリスクもあるため、注意が必要です。
そこで今回は東海地方に投資できる不動産ファンドやメリット・デメリットについて紹介します。東海地方の不動産投資を検討している方はご参考ください。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
目次
- 東海地方に投資できる不動産ファンド
1-1.信長ファンディング - 東海地方に投資できる不動産ファンドのメリット
2-1.地方の不動産に少額投資ができる
2-2.短期から長期の運用期間を選択できる
2-3.優先劣後出資のファンドが提供されている
2-4.想定利回りが都心部と比較して高い
2-5.運用・管理の手間が掛からない - 東海地方に投資できる不動産ファンドのデメリット
3-1.元本は保証されない
3-2.投資リスクが伴う
3-3.投資案件数は都心部と比較して少なめ
3-4.一つのサービス内で他の地域の不動産には投資しにくい - まとめ
1-2.TSON FUNDING(ティーソンファンディング)
1.東海地方に投資できる不動産ファンド
東海地方に投資できる主な不動産ファンドは次のとおりです。
- 信長ファンディング
- TSON FUNDING
1-1.信長ファンディング
信長ファンディングは株式会社ウッドフレンズが運営する不動産投資型クラウドファンディングです。
尾張発の不動産投資クラウドファンディングとして2020年11月よりサービス提供を開始。これまでに愛知県や岐阜県の不動産を対象にした不動産ファンドを提供しており、東海地方で不動産投資がしたい方に向いているサービスといえます。
また、信長ファンディングは国産木材を積極的に活用した賃貸アパートや中古不動産再生物件を商品化することで、株式会社ウッドフレンズがこれまで培ってきた不動産事業や建設事業、建材事業などのノウハウを活かした不動産型クラウドファンディングサービスとなっています。
1-2.TSON FUNDING(ティーソンファンディング)
TSON FUNDING(ティーソンファンディング)は株式会社TSONが運営する不動産投資型クラウドファンディングです。
愛知県・岐阜県・三重県をメインに戸建住宅や集合住宅へ5万円から投資ができます。投資家の出資金で不動産を取得した後、TSON FUNDINGが不動産を運用・売却して発生した利益が配当として還元されます。
運営会社が独自開発した不動産AIを活用して導き出された物件運用すること、高利回りのファンドを途切れなく提供できること、定期借地権を活用した住宅で投資効率が高いこと、物件の入居開始時から全期間家賃保証が付いていることなどが同サービスの特徴です。
TSON FUNDINGではキャピタルゲイン型とインカムゲイン重視型の2種類のファンドがあり、投資家のポートフォリオに合わせて選択できるのも魅力です。
2.東海地方に投資できる不動産ファンドのメリット
東海地方に投資できる不動産ファンドのメリットは次のとおりです。
2-1.地方の不動産に少額投資ができる
東海地方に投資できる不動産ファンドのメリットの1つが、地方の不動産に少額投資ができることです。TSON FUNDINGでは5万円~10万円(5口~10口)、信長ファンディングでは1万円~10万円で東海地方の不動産ファンドに投資可能です。
地方の不動産投資を始める場合、そのエリアの人口推移から不動産需要を調査したり、どのようなリスクがあるのか検証したりなど、遠隔で投資判断を行うには非常に手間がかかるうえ、ハイリスクな投資となってしまうデメリットがあります。
不動産ファンド活用することで、これらの物件調査を運営会社に任せることが可能です。最低投資額も少額であるため、興味のある東海エリアの不動産に投資検討しやすいという点は東海不動産ファンドの大きなメリットと言えるでしょう。
2-2.短期から長期の運用期間を選択できる
短期運用や長期運用を選択できるのも、東海地方に投資できる不動産ファンドのメリットです。
TSON FUNDINGで提供されるファンドの運用期間は6ヶ月~1年6ヶ月、信長ファンディングでは3ヶ月~12ヶ月となっています。
不動産ファンドの運用期間の長さは投資リスクや投資家のポートフォリオ、投資効率に影響します。東海地方に投資できる不動産ファンドは、数こそ少ないものの複数のサービスが運営されているため、運用期間を投資家が選択しやすくなっています。
2-3.優先劣後出資のファンドが提供されている
優先劣後出資のファンドが提供されているのも、東海地方に投資できる不動産ファンドを利用するメリットです。
優先劣後出資とは不動産ファンドに対して投資家だけではなく運営会社も投資を行い、投資家の出資分を優先出資、運営側の出資分を劣後出資として扱う仕組みのことで、投資家の出資金を保護するためのものです。
不動産の取得・運営によって損失が発生した場合、劣後出資分から損失の補填が行われます。そのため劣後出資分までの損失なら投資家に影響しません。
運営会社も損失リスクを負っていることから、投資対象の物件の審査についても厳格に行われていることが伺えます。優先劣後出資のファンドを選ぶことは、ハイリスクな投資となりやすい地方物件の投資方法として有効な手段と言えるでしょう。
TSON FUNDINGと信長ファンディングでは優先劣後出資方式を採用しているため、不動産投資に係るリスクを軽減できます。
ただし、優先劣後方式でも劣後出資分を超えた分については、投資家に損失が発生することになります。投資家を完全に保護できる仕組みではないことを理解し、出資割合に注目してファンドを検証してみましょう。
2-4.想定利回りが都心部と比較して高い
東海地方に投資できる不動産ファンドのメリットが、想定利回りが高いことです。
信長ファンディングのファンドの想定利回りは年利5%~10%、TSON FUNDINGで提供されるファンドの想定利回りは年利5%~6.7%で、他の不動産クラウドファンディングと比較して高い水準になっています。
利回りが高い分、投資リスクも高くなりますが、投資に対して高いリターンを期待したい方や効率よく資産運用がしたい方にとって、利用しやすいサービスといえるでしょう。
2-5.運用・管理の手間が掛からない
投資対象の不動産物件の運用や管理の手間が掛からないのもメリットです。不動産クラウドファンディングでは運営会社が不動産の取得・管理・運用を行います。
そのため投資家が出資した後は、運用状況をチェックする以外に利益が分配されるまで何もする必要がありません。運用期間中の運用・管理が必要ないため、遠隔地域の不動産投資を検討している方にも投資しやすいメリットがあります。
3.東海地方に投資できる不動産ファンドのデメリット
一方、東海地方に投資できる不動産ファンドのデメリットは次のとおりです。
- 元本は保証されない
- 投資リスクが伴う
- 投資案件数は都心部と比較して少なめ
- 一つのサービス内で他の地域の不動産には投資しにくい
3-1.元本は保証されない
東海地方に投資できる不動産ファンドのデメリットの1つが、元本が保証されないことです。
信長ファンディングやTSON FUNDINGに限らず、すべての不動産クラウドファンディングで投資元本は保証されません。優先劣後出資のような投資家を保護する仕組みも、投資元本を完全に保護できるものではありません。
ファンドの運用状況によっては元本割れを起こすケースもありますので、投資判断については十分な検討が必要です。
3-2.投資リスクが伴う
投資リスクが伴うのも東海地方に投資できる不動産ファンドのデメリットです。
不動産クラウドファンディングでは投資物件の空室リスクや売却時に不動産価格の変動リスク、運営会社の倒産リスクなどが伴います。各サービスではリスクを軽減するためのさまざまな対策を講じていますが、状況によっては損失の発生につながることがあります。
また、人口増加傾向にある東京都心部などと比較して、地方物件のファンドはハイリスク・ハイリターンな投資対象となります。比較的に高い利回りが見込みやすい分、ややリスクも高い傾向にあるため、より詳細なエリアの見極めも重要となってきます。
3-3.投資案件数は都心部と比較して少なめ
人気の高い不動産ファンドや不動産投資型クラウドファンディングサービスは、投資家の人気を集めやすくなります。そのため、新しいファンドの募集が始まっても、すぐに募集金額に達して募集が締め切られるケースもあります。
特に地方物件のファンドは募集金額や案件数が少ないため、高い利回りのファンドが募集された際は早期に締め切られてしまうケースがあります。投資家登録にはある程度の時間がかかってしまうため、事前に登録を済ませておくなど、事前準備をしておきましょう。
3-4.一つのサービス内で他の地域の不動産には投資しにくい
一つのサービス内で他の地域の不動産には投資しにくいというのも、東海地方に投資できる不動産ファンドのデメリットです。
本記事で紹介した信長ファンディングやTSON FUNDINGでは、東海地方の不動産を投資対象にした不動産ファンドをメインに取り扱っており、他の地域に不動産に投資できるファンドの数はほとんどありません。
東海地方を含めてさまざまな地域の不動産ファンドに投資したい場合は、複数の不動産投資型クラウドファンディングに登録して使いわけることを検討してみましょう。
4.まとめ
今回は東海地方に投資できる不動産ファンドを紹介しました。信長ファンディングやTSON FUNDINGでは東海地方の不動産に投資できるファンドをメインに取り扱っており、優先劣後出資の仕組みや少額投資により、リスクヘッジした地方の不動産投資が可能となっています。
ただし、東海地方のようなエリアでは東京都心部と比較して賃貸需要の減少がみられ、高い利回りを見込みやすい分、ややハイリスクな投資エリアとなっています。案件ごとの見極めを行いつつ、複数の案件に資金を分散するなど、自身でもリスクヘッジを行っていきましょう。
山本 将弘
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