新型コロナウイルスの影響により来場型セミナーを休止していたアパート経営会社の「シノケンプロデュース」が、2023年4月より3年ぶりにリアルの来場型セミナーを開催しています。積極的にアパート経営の情報収集を行っていきたい方の中には、参加を検討している方も多いのではないでしょうか。
しかし、来場型のリアルセミナーはオンラインセミナー(ウェビナー)とは異なり、会場までの移動に時間と手間がかかります。効率的に情報収集を進めるためにも、自身のレベル感に適したセミナー内容であるか、また知りたい情報が含まれているかなど、確認しておくことも大切なポイントと言えるでしょう。
そこで今回は、シノケンの来場型アパートセミナーの内容を詳しくご紹介します。実際の会場の様子についても写真を交えながら解説するので、ぜひご参考ください。
目次
- アパート経営会社「シノケンプロデュース」とは
- シノケンの来場型アパートセミナーの内容・流れ
- シノケン来場型セミナー1部:現役オーナー体験談のポイント
3-1.実際に購入した物件をもとに投資判断のポイントが聞ける
3-2.立地条件や確定申告後の還付金についても
3-3.アパートローン審査の体験談 - シノケン来場型セミナー2部:シノケンのアパート経営のポイント
4-1.アパート経営のファイナンスの基礎から解説してくれる
4-2.アパート経営のリスクやデメリットについても
4-3.アパートローンの融資審査・融資環境について - シノケンの来場型セミナー終了後:希望者は個別相談が可能
- まとめ
1.アパート経営会社「シノケンプロデュース」とは
シノケンプロデュースは、大手不動産投資会社「シノケングループ」の100%子会社です。東京都港区の本社ほか、福岡市、名古屋市、大阪市、仙台市にオフィスを展開しており、7,000名を超える全国のオーナーと契約しています。
アパート供給棟数は自社施工で7,000棟以上を数え、全国賃貸住宅新聞の「賃貸住宅に強い建築会社ランキング」によると年間での自社開発棟数では9年連続No.1の実績があります。デザイン性の高い物件を供給しており、主力商品「New Standard」などは2016年度のグッドデザイン賞をダブル受賞しています。
また、日本で初めて新築アパート経営において独占提携ローンを利用した有利な条件での不動産購入を可能にしたローン融資に強い会社です。グループ会社のシノケンファシリティーズでは管理戸数47,000戸以上(2023年12月末時点)の実績と入居率98.56% (2023年年間平均入居率)の実績があり、初回の入居が成約になるまで家賃を100%保証する「100%初回満室保証」や、入居者からの家賃の支払いが遅れた場合の家賃滞納保証などオーナーが安定した収益を生むための保証制度も充実しています。
2.シノケンの来場型アパートセミナーの内容・流れ
今回ご紹介するシノケンの来場型アパートセミナーは、2023年4月23日に株式会社シノケンプロデュースのセミナールーム(東京都港区浜松町2-3-1 日本生命浜松町クレアタワー 20階)で開催された、「私が自社アパートを選んだ理由」というテーマのセミナーです。以下が当日のセミナーの流れです。
- 1部:現役オーナー体験談
- 2部:シノケンのアパート経営(アパート経営の仕組み、メリット、リスク、融資環境)
- セミナー後:希望者は個別相談
シノケンの来場型アパートセミナーは2部構成になっており、実際にアパート経営を行う現役オーナー体験談と、シノケンのアパートのメリットやリスク、融資環境について解説される内容に分かれています。また、セミナー後に希望者は個別相談をすることも可能です。以下では、それぞれの内容について詳しく紹介していきます。
3.シノケン来場型セミナー1部:現役オーナー体験談のポイント
4月23日開催のセミナー第1部の「現役オーナー体験談」には、シノケンのアパート事業本部で就業されている「中島 龍太(なかじま りゅうた)氏」が登壇し、実際に購入されたアパートの概要や収支状況、投資判断のポイントなどが詳しく解説されました。
第1部講師:中島 龍太(なかじま りゅうた)氏
- 年齢:30代
- 資格:宅地建物取引士、FP2級技能士、公認不動産コンサルティングマスター
- 2015年入社、オーナー様の担当実績200名以上
3-1.実際に購入した物件をもとに投資判断のポイントが聞ける
アパート経営は、立地や物件のスペックなど、投資後に修正が難しいポイントがいくつかあります。失敗のリスクを避けるためにも、後から変更が出来ないポイントについては慎重に投資判断を行うことが重要です。
投資規模の大きいアパート経営では、どのようなポイントに注目して投資判断を行えば良いのか、また本当に決断して良いか不安に感じる方も多いでしょう。実際にアパート経営を始めた投資家の生の声を聞けるという点は、来場型のリアルセミナーならではのメリットと言えます。
3-2.立地条件や確定申告後の還付金についても
中島氏が実際に購入された物件の立地条件や投資を決断された際のポイントとなった地価推移、シノケンの賃料推移の実績なども紹介されていました。
立地条件や実際の賃料推移は、アパート経営の投資判断を行ううえで非常に重要なポイントです。どのような視点から投資を決断したのか、具体例を参考にしながら学べる貴重な機会となっていました。
また、木造アパートは法定耐用年数が22年と短いため、確定申告で計上できる1年分の減価償却費が大きく、会計上の赤字を作りやすい投資対象です。不動産所得を超えた経費は給与所得と損益通算ができるという点もメリットとなります。(※国税庁「損益通算」)
損益通算によって圧縮された給与所得の課税差分については、還付申告をすることで還付されます。しかし、実際にいくら還付されるのか、という点については専門的な税計算が必要になるため、実感として分かりづらい方も多いでしょう。
今回、中島氏は自身の年収帯についても公表されており、実際に受けた還付金額についても具体的に解説されていました。あまり他の投資家の税務申告の事例について見れる機会は多くなく、税制について体感的に学べる点についても特徴的です。
3-3.アパートローン審査の体験談
アパート経営の参入障壁となりやすいのがアパートローンの融資審査です。例えば、中島氏のような不動産営業の方は給与所得のうちインセンティブの割合が大きく、他の職種と比較して収入に幅が生まれることから、金融機関の属性審査におけるハードルが高くなりやすくなります。
中島氏もアパートローンの融資審査で上記の悩みがあり始めはやや小さめの規模の物件を検討されていたとのことです。しかし、将来的な収支や立地条件からより投資規模の大きい物件を選び、結果、融資審査を通過された経緯についてもお話されていました。
自身の資金状況と投資物件の諸条件のバランスをどのように取れば良いか悩む方にとって、参考となる部分も多いでしょう。
4.シノケン来場型セミナー2部:シノケンのアパート経営のポイント
第2部では、アパート経営の仕組みやメリット、リスク、2023年時点の融資環境について詳しく解説されています。アパート経営の基本から学べるため、アパート経営・不動産投資の初心者の方でも参加しやすい受講内容であるのが特徴的です。
- シノケングループの概要
- アパート経営の仕組みとメリット
- アパート経営が必要とされる背景
- アパート経営のリスクとマネジメント
- シノケンのアパート経営
- 融資環境
以下ではシノケンのアパートセミナーの2部のポイントをご紹介します。
4-1.アパート経営のファイナンスの基礎から解説してくれる
投資規模の大きいアパート経営で注意しておきたいポイントは、月々のキャッシュフロー(資金の流れ)です。アパートの空室が増えると毎月のキャッシュフローを圧迫し、赤字の状態が続いてしまうと、経営を継続させることが難しくなってしまうためです。
アパート経営では、家賃収入とローン返済のバランスを取り、健全なキャッシュフローを形成したうえで経営を行う必要があります。
一方、ローン返済した部分についてはそれだけ自身の純資産が増えることになるため、仮にキャッシュフローがマイナスであっても投資効果としてはプラスに推移していることがあります。このような純資産増加のことを「モーゲージリダクション」と言い、目先のキャッシュフローだけでなく純資産の増減についてもしっかり検証することが重要なのです。
2部ではこのようなキャッシュフローのポイントやモーゲージリダクションに焦点をあて、アパート経営におけるファイナンスの基礎や仕組みから詳しく解説されています。初心者の方でも参加しやすい内容なので、まずは情報収集をしていきたい方にも適したセミナー内容となっています。
4-2.アパート経営のリスクやデメリットについても
シノケンのセミナーでは、アパート経営の最大のリスクとして「空室リスク」を挙げています。空室が埋まらないと収益が生まれないため、アパート経営を行ううえで必ず考慮したいリスクヘッジとして、空室リスク対策についても紹介されていました。
人口減少が続く日本において空室リスク対策を行うには、立地条件が重要になります。築年数が経過したアパートでも賃貸需要を獲得していくためには、転入者が多く、アパート経営に適した立地選びを行うことが必要です。
その他、空室リスクと連動した家賃下落リスク、突発的な修繕リスク、埋没物などの土地のリスク、災害リスクなど、様々な観点からアパート経営におけるリスクの解説もありました。
アパート経営は将来の収益が保証されていないため、メリットだけでなくこのようなリスク・デメリットについて把握したうえで投資判断を行う必要があります。アパート経営のメリット・デメリットの両面からアパート経営の判断を行っていきたい方にも参考となるセミナー内容と言えるでしょう。
4-3.アパートローンの融資審査・融資環境について
第1部でもポイントとなったアパートローンの融資審査ですが、2023年時点、アパートローンの融資姿勢は過去の不正融資問題によって厳格化され、以前よりも消極的になっています。アパートローンの融資審査に向けた対策の重要性は、従来よりも高まってきていると言えるでしょう。
なお、シノケンは過去の豊富な実績を活かし、複数の金融機関との独占提携ローンを提供しています。フルローンや優遇金利など、シノケンならではのファイナンス事例についても解説があり、アパートローンの融資審査に不安がある方や、自身の属性でどのような規模の物件が視野に入るのか知っておきたい方は参考とすることができます。
5.シノケンの来場型セミナー終了後:希望者は個別相談が可能
セミナー受講後の個別相談については、配布されている申し込みシートへ記入する方式になっており、セミナー途中から相談するかどうかを判断することが出来ます。自己申告のためセミナー終了後に無理に物件を勧められるということも無く、気軽に参加することが可能です。
個別相談のメリットとしては、自身の属性や資金状況、投資目的に合わせて投資のプランニングをしてもらえるという点が挙げられます。年収や年齢、自身が期待しているキャッシュフローによって選べる物件が異なってくるため、相談を検討されてみると良いでしょう。
一方、個別相談の注意点としては年収や年齢、貯蓄状況など自身のプライベートな情報について開示する必要があるという点です。ただし、これらは適切な物件紹介を受けるために必要な情報となるため、抵抗感がある場合には後日あらためてアポイントを取り、年収や貯蓄状況などの情報が揃ったタイミングで相談してみましょう。
まとめ
2023年時点、アパート経営は建築技術の進歩により30~50年などの長期的な視点で投資を行う投資対象となってきています。アパートそれぞれの立地条件や投資家の属性などのミクロの視点に加えて、全体的な不動産市況の傾向や、投資エリア・融資環境などの長期的な見通しについても検証していくことが重要になります。
シノケンの来場型アパートセミナーでは、実際にアパート経営を行う投資家の実体験からアパート経営を行った投資判断のポイント、メリットやリスクについて学ぶことができます。セミナー受講後の個別相談は希望者のみ参加できるため、気軽により具体的な投資のプランについて提案してもらうことも可能です。
アパート経営を検討している方、まずは情報収集を行っていきたい方は参加を検討されてみると良いでしょう。
HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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