品川区のマンション売却相場は?間取りや築年数、購入検討者数のデータから検証

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東京都品川区は、区内を発祥とする企業も多くビジネスの拠点として栄えた印象がありますが、「東京都の人口(推計)」によると2022年9月1日時点の人口は東京23区内で10番目に多い419,290人となっており、世帯数は9番目に多い237,284世帯を抱えています。

このような特徴のある品川区の中古マンション事情について、「三井のリハウス」が提供しているデータをもとに、間取りや築年数、価格の傾向、購入検討者の数などを検証して紹介していきます。

三井のリハウス

三井のリハウスの不動産査定・売却三井のリハウスは、三井グループの不動産会社「三井不動産リアルティ」が行っている不動産コンサルティング事業の名称です。全国に店舗を展開しており、大手不動産会社ならではのネットワークを強みに不動産仲介事業に特化したサービスを提供しています。豊富な取引実績は数字にも表れており、全国仲介取扱件数は累積で100万件を突破しています。

主な事業は、個人向けの不動産における、売却、購入、賃貸に関するさまざまなサービスの提供です。不動産売却に関しては、不動産売買のプロによる査定を依頼することができます。売却するかどうかの判断は査定後に決められるため、「まずは価格を知りたい」「売却するか活用するか悩んでいる」という方でも利用しやすい不動産査定サービスとなっています。

目次

  1. 品川区で販売されている中古マンションの平均価格
  2. 品川区で販売されている中古マンションの間取りにおける特徴
  3. 品川区で販売されている中古マンションの築年数における特徴
  4. 品川区のマンションの購入を検討している人数
  5. まとめ

1 品川区で販売されている中古マンションの平均価格

三井のリハウスでは、自社で取り扱っている物件の売出情報について、東京23区別に売り出し中物件数と平均価格などのデータを提供しています。下記の表は、そのデータをもとに、東京23区で販売されている中古マンションについて、2022年10月17日時点の平均価格上位5位までをランキングにしたものです。

東京23区における中古マンションの平均価格

順位 平均価格
1位 港区 1億5,101万円
2位 千代田区 1億4,342万円
3位 渋谷区 1億666万円
4位 中央区 9,332万円
5位 品川区 8,578万円

品川区で販売されている中古マンションの平均価格は8,578万円で、東京23区内では5番目に位置しています。2022年9月15日の時点では7,988万円となっており、590万円の上昇となっています。平均価格のランキングは2022年9月15日時点の6位から5位に上がっています。

また、各区で中古マンションがどれくらい販売されているか確認しましょう。下記の表は、東京23区で販売されている中古マンションの数について、区別の上位5位までと品川区を表したものです。

東京23区で販売されているマンションの数

順位 物件数
1位 港区 447件
2位 世田谷区 339件
3位 新宿区 321件
4位 渋谷区 300件
5位 江東区 198件
8位 品川区 180件

品川区で販売されている中古マンションの数は180件となっています。197件だった2022年9月15日時点に比べて17件減っていますが、東京23区では8番目の多さになっています。

また、2022年9月15日からの価格の変動についてまとめたのが下記の表です。東京23区内で大きい順から5番目までをまとめたものです。

2022年9月15日~10月17日の間でマンション価格の変動が大きいエリア

順位 価格変動幅
1位 品川区 590万円
2位 目黒区 482万円
3位 荒川区 386万円
4位 豊島区 303万円
5位 文京区 182万円

品川区で販売されている中古マンションの平均価格は、2022年9月15日時点から590万円の上昇となっています。東京23区のうち14区が上昇しましたが、最も上昇幅が大きかったのが品川区です。

物件数が減って、平均価格が上昇していることから、平均価格よりも低い価格の物件が減少したと推測できます。

2 品川区で販売されている中古マンションの間取りにおける特徴

次に品川区で販売されている中古マンション180件について、間取り別の傾向を見ていきましょう。間取り別に物件数をカウントすると下記のようになります。

間取り別の売出物件数

間取り 物件数 割合
ワンルーム 6件 3.3%
1LDK 56件 31.1%
2LDK 77件 42.8%
3LDK 38件 21.1%
4LDK 3件 1.7%

販売されている中古マンションのうち最も多い間取りは2LDKで、全体の42.8%を占めています。次に多いのが56件の1LDKで、31.1%と約3分の1となっています。

一方、価格帯と間取りの組み合わせについてまとめたのが下記の表です。

マンションの価格帯と間取りの組み合わせ

順位 間取り×価格帯 物件数
1位 2LDK×6,000万円超〜8,000万円 19件
2位 2LDK×4,000万円超〜6,000万円 17件
3位 1LDK×4,000万円超〜6,000万円 16件
3位 2LDK×8,000万円超〜1億円 16件
3位 2LDK×1億円超〜1.5億円 16件

品川区で販売されているマンションの平均価格は8,578万円ですが、最も多い間取りと価格帯の組み合わせは「2LDK×6,000万円超〜8,000万円」の19件となっています。ただし上位5番目まで大差がないことが分かります。

また、表では上位5番目までしかありませんが、10件以上販売されている組み合わせが上位8番目まであり、幅広い間取りと価格帯の組み合わせの物件が数多く販売されているのが品川区の特徴です。

価格帯の低いマンションについては、2,000万円以下の価格帯ではワンルームマンションが3件、1LDKが5件販売されています。また「2,000万円超〜3,000万円」の価格帯では1LDKが12件、「3,000万円超〜4,000万円」の価格帯では1LDKが8件、2LDKが7件販売されています。販売されている中古マンションのうち4,000万円以下の物件は合計35件となっており、全体の19.4%を占めています。

一方、1億円超の物件が占める割合も多くなっています。1LDKが7件、2LDKが17件、3LDKが25件、4LDKが3件となっており、幅広いタイプが販売されています。合計52件が販売中で、割合で見ると28.9%となっています。

3 品川区で販売されている中古マンションの築年数における特徴

次に検証するのは、販売されている中古マンションの築年数における傾向です。下記の表は品川区で販売されている180件の中古マンションを築年別に分けて、件数とその割合を表したものです。

築年数別の中古マンション販売物件数

築年数 物件数 割合
築15年〜 115件 63.9%
築10年〜築14年 22件 12.2%
築8年〜築9年 5件 2.8%
築6年〜築7年 12件 6.7%
築4年〜築5年 8件 4.4%
築2年〜築3年 18件 10%
築1年〜築2年未満 0件 0%
新築または築1年未満 1件 0.6%

品川区で販売されている中古マンションのうち、築15年以上の物件は全体の6割以上となる、63.9%を占めています。築9年以内の物件も多いのも特徴で、44件が販売されています。これは全体の4分の1に当たる24.4%を占めています。ただし築2年以内の物件は1件のみで、全体の0.6%となっています。

次に、築年別と価格帯の組み合わせについて見てみましょう。下記の表は、販売されている物件数の上位5番目までをまとめたものです。

中古マンションの築年数と販売価格

順位 築年数×価格帯 物件数
1位 築15年〜×4,000万円超〜6,000万円 34件
2位 築15年〜×6,000万円超〜8,000万円 16件
3位 築15年〜×3,000万円超〜4,000万円 15件
3位 築15年〜×8,000万円超〜1億円 15件
5位 築15年〜×1億円超〜1.5億円 13件

品川区で販売されている中古マンションのうち、築年数と価格帯の組み合わせの上位はすべて築15年以上になっているのが特徴です。中でも最も多い築年数と価格帯の組み合わせは、平均価格の半分以下の価格帯も含まれる「築15年〜×4,000万円超〜6,000万円」で、34件(18.9%)が販売されています。

4 品川区のマンションの購入を検討している人数

三井のリハウスでは、各区においてマンションの購入を検討されている方の人数を希望価格別に表示しています。

マンションを売却する際に、購入を検討されている方がどれくらいいるのか分かると、価格設定などに役立てることができます。そのためこの項目では、東京23区の購入検討者数上位5番目までと品川区を表にまとめています。

エリア別のマンション購入検討者数

順位 購入検討者数
1位 世田谷区 3,878人
2位 港区 3,299人
3位 渋谷区 2,965人
4位 江東区 2,717人
5位 杉並区 2,650人
6位 品川区 2,636人

品川区のマンション購入を検討されている方の数は2,636人で、東京23区内で6番目に多いことが分かります。2022年9月15日時点では2,708人となっており、減少幅は72人となっています。

この2,636人の購入検討者を価格帯別に分けると、下記のようになります。

価格帯別のマンション購入検討者数

順位 価格帯 購入検討者数
1位 1.5億円超〜 419人(15.9%)
2位 7,000万円超〜8,000万円 373人(14.2%)
3位 8,000万円超〜9,000万円 365人(13.8%)
4位 6,000万円超〜7,000万円 343人(13.0%)
5位 1億円超〜1.5億円超 314人(11.9%)

最も多い価格帯は「1.5億円〜」の419人で、全体の15.9%を占めています。「1億円超〜1.5億円」も314人と5番目に位置しており。2つ合わせると733人となり、27.8%を占めています。

また、3,000万円以下の物件の購入を検討されている方が71人、4,000万円以下が107人、5,000万円以下が183人おり、合計すると5,000万円以下の物件を求めている方は361人と全体の13.6%となっています。

まとめ

三井のリハウスの2022年10月17日時点のデータから、東京都品川区で販売されている中古マンションに関する傾向を解説しました。まとめると下記のようになります。

  • 販売されている中古マンションの平均価格は東京23区内で5番目に高い
  • 販売されている中古マンションの件数は東京23区内で8番目に多い
  • 平均価格は2022年9月15日の時点から23区内で最も高い590万円上昇
  • 販売されているマンションのうち最も多い間取りは2LDKの42.8%
  • 最も多く販売されている間取りと価格帯の組み合わせは2LDKの「6,000万円超〜8,000万円」
  • 最も多く販売されている築年数の区分は「築15年〜」(63.9%)
  • 最も多く販売されている築年数と価格帯の組み合わせは築15年以上の「4,000万円超〜6,000万円」
  • 品川区内のマンション購入を検討している人は2,636人で、2022年9月15日時点よりも72人減少
  • 購入検討者のうち、1億円以上の物件を求めているのは全体の27.8%の733人

2022年9月15日の時点から、東京23区内で平均価格が最も上昇したのが東京都品川区です。1億円以上の高額物件の割合が増えていることが推測できます。一方、1億円以上の中古マンションの購入を検討されている方が全体の27.8%に当たる733人におよんでいることも品川区の特徴です。

ただし、東京の不動産市場は流動性が高く、売出情報のデータも日々変動があります。本記事でご紹介した内容については、三井のリハウスが提供している、2022年10月17日時点のデータであることをご理解の上、参考にしてください。

また、三井のリハウスにおける東京都品川区の取引実績(2012年10月〜2022年9月)は、マンションが2,400件、一戸建て・土地が694件で合計が3,094件となっています。より詳細な情報や売却戦略については、三井のリハウスの無料査定を受けることで、査定価格や査定の根拠を知ることができます。売却に迷っている方でも利用することができるため、「まずは価格を知りたい」という方でも、実際に査定を受けることも検討されてみると良いでしょう。

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倉岡 明広

経済学部経済学科卒業後、出版社や編集プロダクション勤務などを経てフリーライターとして独立。雑誌や新聞、インターネットを中心に記事を執筆しています。初心者が抱く不動産投資の疑問や質問を解決できるよう丁寧な記事を執筆していきます。