世田谷区のマンション売却・査定はいくらになる？間取り、築年数から売却相場を検証

東京都世田谷区は、私鉄の数が多いなど交通アクセスが良く、人気の住宅街が数多くある特別区です。「東京都の人口（推計）」によると2022年10月1日時点の人口は938,288人となっており、東京23区では最も多くなっています。

公園や文化施設、史跡なども多く、落ち着いた印象のある世田谷区ではどのような中古マンションの傾向があるのか、今回のコラムでは「三井のリハウス」が公開している間取りや築年数、価格の傾向、購入検討者の数などデータをもとに検証していきます。

三井のリハウス

三井のリハウスは、三井グループの不動産会社「三井不動産リアルティ」が行っている不動産コンサルティング事業の名称です。全国に店舗を展開しており、大手不動産会社ならではのネットワークを強みに不動産仲介事業に特化したサービスを提供しています。豊富な取引実績は数字にも表れており、全国仲介取扱件数は累積で100万件を突破しています。

主な事業は、個人向けの不動産における、売却、購入、賃貸に関するさまざまなサービスの提供です。不動産売却に関しては、不動産売買のプロによる査定を依頼することができます。売却するかどうかの判断は査定後に決められるため、「まずは価格を知りたい」「売却するか活用するか悩んでいる」という方でも利用しやすい不動産査定サービスとなっています。

目次

1. 世田谷区で販売されている中古マンションの平均価格
2. 世田谷区で販売されている中古マンションの間取りにおける特徴
3. 世田谷区で販売されている中古マンションの築年数における特徴
4. 世田谷区のマンションの購入を検討している人数
5. まとめ

1　世田谷区で販売されている中古マンションの平均価格

三井のリハウスでは、自社で取り扱っている物件の売出情報について、東京23区別に売り出し中物件数と平均価格などのデータを提供しています。そのデータをもとに、東京23区における中古マンションについて、平均価格（2022年11月15日時点）の上位5位までと世田谷区をランキングにしたのが下記の表です。

東京23区における中古マンションの平均価格

世田谷区で販売されている中古マンションの平均価格は、2022年10月17日の時点から59万円上昇の6,103万円です。東京23区内では11番目に位置しています

次は、価格の変動についての検証です。下記の表は、2022年10月17日からの価格の変動について、東京23区内で大きい順から5番目までと世田谷区を表したものです。

2022年10月17日～11月15日の間でマンション価格の変動が大きいエリア

世田谷区で販売されている中古マンションの平均価格は、6,044万円だった2022年10月17日時点から59万円の上昇となっています。上昇額は東京23区内で12番目の大きさになっています。

また下記の表は、東京23区で販売されているマンションの数を区別にランキングにしたものです。上位5番目までの区で、どれくらいの数の物件が販売されているのか、確認してみましょう。

東京23区で販売されているマンションの数

世田谷区で販売されている中古マンションの数は東京23区内で2番目に多い338件です。339件だった2022年10月17日時点に比べて、1件の減少となっています。

物件数が減って、平均価格が上昇していることから、平均価格よりも低い価格の物件が減っていると推測できます。

2　世田谷区で販売されている中古マンションの間取りにおける特徴

この項目では、販売されている中古マンションの間取りに関して見ていきましょう。下記の表は、世田谷区で販売されている338件について、間取り別に物件数をカウントしたものです。

間取り別の売出物件数

世田谷区で販売されている中古マンションのうち、最も多い間取りは117件の2LDKと3LDKです。どちらも全体の34.6％を占めており、合わせると約7割となります。3番目に多い1LDKの90件を合わせると327件となり、全体の95.9％を占めています。一方、単身者向けとなるワンルームマンションが9件と少ないのも世田谷区の特徴です。

さらに細かく分析していきましょう。下記の表では、価格帯と間取りの組み合わせについて上位の5番目までをまとめています。

マンションの価格帯と間取りの組み合わせ

世田谷区で販売されているマンションの平均価格は6,103万円ですが、最も多い間取りと価格帯の組み合わせは、平均価格よりも高い「3LDK×7,000万円超〜1億円」の46件となっています。また、2番目に多い「2LDK×4,000万円超〜5,000万円」と3番目に多い「1LDK×3,000万円超〜4,000万円」はともに平均価格よりも低い価格帯です。平均価格を挟んで、さまざまな価格帯の中古マンションが販売されていることがわかります。

なお、価格帯の低いマンションについては、2,000万円以下の価格帯ではワンルームマンションが4件、1LDKが11件、2LDKが2件、「2,000万円超〜3,000万円」の価格帯ではワンルームマンションが2件、1LDKが10件、2LDKが8件、3LDKが4件となっています。4,000万円以下の物件は合計で97件あり、全体の28.7％を占めています。

一方、1億円超の物件は、2LDKが6件、3LDKが24件、4LDKが1件となっており、合わせると31件（9.2％）となっています。

3　世田谷区で販売されている中古マンションの築年数における特徴

次は、築年数の特徴に関する分析です。世田谷区で販売されている中古マンション338件を築年別に分けて、件数とその割合を表したのが下記の表です。

築年数別の中古マンション販売物件数

世田谷区で販売されている中古マンションは築15年以上の物件が多く、8割以上の82.5％を占めています。一方、築浅物件に関しては3年満未満の物件が10件（3.0％）あり、そのうち「新築または築1年未満」の物件は1件（0.03％）となっています。

築年別と価格帯の組み合わせについても確認しましょう。下記の表では、販売されている物件数の上位5番目までをまとめています。

中古マンションの築年数と販売価格

世田谷区で販売されている中古マンションは、1位から5位まですべて築15年以上となっています。そのうち最も多い築年数と価格帯の組み合わせは、「築15年〜×4,000万円超〜5,000万円」です。59件が販売されており、全体の17.5％となっています。

「2,000万円超〜3,000万円」「3,000万円超〜4,000万円」「4,000万円超〜5,000万円」「5,000万円超〜6,000万円」「7,000万円超〜1億円」といったように、中央値に近い価格帯が上位5位までを占めているのも特徴です。

4　世田谷区のマンションの購入を検討している人数

三井のリハウスでは、各区においてマンションの購入を検討されている方の人数を希望価格別に表示しています。その数字をもとに、東京23区の購入検討者数の上位5番目までを表したのが下記の表です。

マンションを売却する際に、購入を検討されている方がどれくらいいるのか分かると、価格設定などに役立てることができますので、詳しく見ていきましょう

エリア別のマンション購入検討者数

世田谷区のマンション購入を検討されている方の数は3,836人で、東京23区内で1番目の多さです。2022年10月17日時点では3,878人で、この時点でも東京23区内で最も多くなっています。人気のエリアということがわかりますが、人数は42人の減少となっています。

また価格帯別に分けると、下記のようになります。

価格帯別のマンション購入検討者数

最も多い価格帯は「8,000万円超〜9,000万円」の578人で、全体の15.1％を占めています。ただし2番目に多い「7,000万円超〜8,000万円」の558人、3番目に多い「6,000万円超〜7,000万円」の525人とそれほど変わりません。

また、4,000万円以下の中古マンションの購入を検討されている方が366人おり、全体の9.5％を占めています。一方、1億円超〜の物件を検討されている方は699人おり、全体の18.2％となっています。

購入検討者を分析すると、販売されている中古マンションの平均価格よりも、高めの物件を希望されている方が多いという状況になっています。

まとめ

三井のリハウスの2022年11月15日時点のデータから、東京都世田谷区で販売されている中古マンションに関する傾向を解説しました。まとめると下記のようになります。

• 販売されている中古マンションの平均価格は東京23区内で11番目に高い
• 平均価格は2022年10月17日の時点から東京23区内で12番目に高い59万円上昇
• 販売されている中古マンションの件数は東京23区内で2番目に多い
• 販売されているマンションのうち最も多い間取りは2LDKと3LDKの117件
• 最も多く販売されている間取りと価格帯の組み合わせは3LDKの「7,000万円超〜1億円」
• 最も多く販売されている築年数の区分は「築15年〜」（82.5％）
• 最も多く販売されている築年数と価格帯の組み合わせは築15年以上の「4,000万円超〜5,000万円」
• 世田谷区内のマンション購入を検討している人は3,836人で、東京23区内で最も多い
• 購入検討者のうち、平均価格以上の物件を求めている方が多い

東京都世田谷区の中古マンション市場は、2022年10月17日時点に比べて平均価格が59万円上昇しています。購入を検討されている方は減少したものの、東京23区内で最も多い3,836人となっています。販売されている物件数（338件）の10倍以上となっており、今後も価格の動向に注視したいところです。

ただし東京の不動産市場は流動性が高く、売出情報のデータも日々変動があります。本記事でご紹介した内容については、三井のリハウスが提供している、2022年11月15日時点のデータであることをご理解の上、参考にしてください。

また、三井のリハウスにおける東京都世田谷区の取引実績（2012年11月〜2022年10月）は、マンションが4,788件、一戸建て・土地が3,706件で合計が8,494件となっています。より詳細な情報や売却戦略については、三井のリハウスの無料査定を受けることで、査定価格や査定の根拠を知ることができます。売却に迷っている方でも利用することができるため、「まずは価格を知りたい」という方でも、実際に査定を受けることも検討されてみると良いでしょう。

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倉岡 明広

経済学部経済学科卒業後、出版社や編集プロダクション勤務などを経てフリーライターとして独立。雑誌や新聞、インターネットを中心に記事を執筆しています。初心者が抱く不動産投資の疑問や質問を解決できるよう丁寧な記事を執筆していきます。

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