自宅を売却したら確定申告が必要?やり方と計算方法を解説

自宅の売却によって利益が生じる方もいれば、損失が生じる方もいます。利益が生じた場合、確定申告が必要です。一方で売却時に損失が生じた場合は確定申告をする必要はありません。
しかし、損失が生じた場合でも確定申告を行うと税制上のメリットがあります。

この記事では、自宅を売却した際の確定申告のやり方と計算方法について詳しく解説します。

  1. 自宅を売却したら確定申告が必要
  2. 確定申告のやり方と計算方法
    2-1.課税譲渡所得を計算する
    2-2.必要書類を準備する
    2-3.確定申告書を作成する
    2-4.税務署に提出する
  3. まとめ

1.自宅を売却したら確定申告が必要

会社から給料をもらった場合は給与所得、FXで利益が生じた場合は雑所得など、得られた収入によって全部で10種類に区分されます。

それぞれの所得区分に対して総合課税や分離課税などの課税方式が採用されています。源泉徴収がされていない所得を得た場合には、確定申告を行って税金を納めなければなりません。

自宅を売却した場合も同様です。自宅を売却して利益が生じた場合には、譲渡所得を得たと判断されるので必ず確定申告を行わなくてはなりません。
また、一方で利益が生じていない場合は確定申告を行わなくても問題ありません。しかし、譲渡所得には総合課税という課税方式が採用されており、他の所得と損益通算することで納める税金を減らせる効果が期待できます。

2.確定申告のやり方と計算方法

確定申告とは、所得税を確定させるために行う手続きです。給与所得しかない場合は、源泉徴収によって既に所得税が引かれており、会社が年末調整も行ってくれるので確定申告を行う必要はありません。

しかし、給与所得とは異なる別の所得が発生した場合は、まだ所得税が確定していないため、確定申告で所得税を確定させる必要があります。確定申告は2月中旬から3月中旬までに行い、管轄の税務署に提出する必要があります。確定申告のやり方と計算方法について見ていきましょう。

2-1.課税譲渡所得を計算する

自宅を売却した場合に確定申告が必要かどうかは、課税譲渡所得が生じているかどうかで異なります。課税譲渡所得の計算方法は以下の通りです。

課税譲渡所得=(譲渡価格+減価償却費)-取得費-譲渡費用(諸経費)

譲渡価格とは売却額のことです。また、取得費とは自宅を購入した時の価格のことですが、減価償却費を控除する必要があります。減価償却費とは経年劣化による資産価値の減少のことです。

土地は時間が経過しても劣化が生じないので減価償却費は関係ありません。しかし、建物は耐用年数が決まっているため、耐用年数に合わせて減価償却費が発生します。譲渡費用とは仲介した不動産会社に支払う手数料や登記費用などです。

例えば、譲渡価格4,000万円、減価償却費500万円、取得費3,000万円、譲渡費用が200万円だったとすると、課税譲渡所得は(4,000万円+500万円)―3,000万円-200万円=1200万円となります。課税譲渡所得がプラスなので確定申告が必要です。

しかし、自宅の売却では3,000万円の特別控除を適用することが可能です。課税譲渡所得から3,000万円の控除を受けられるので、上記のケースでも所得税は課されません。
自宅売却のケースで実際に所得税を課税されることは少ないと言えるでしょう。

2-2.必要書類を準備する

自宅の売却で確定申告を行う場合は、その事実を証明する書類を準備する必要があります。必要書類として以下のような書類が挙げられます。

  • 戸籍の附票
  • 売買契約書・建築請負契約書(取得時)
  • 仲介手数料の領収書(取得時・売却時)
  • その他諸費用の領収書(取得時・売却時)
  • 売買契約書・領収書(売却時)
  • 土地・建物の全部事項証明書
  • 源泉徴収票

また、3,000万円の特別控除を適用する場合は、住民票除票が必要になります。書類取得に時間がかかる可能性があるため、どのような書類が確定申告に必要なのか事前に確認しておきましょう。

2-3.確定申告書を作成する

確定申告書を作成する際には、税務署で確定申告書の用紙(申告書B・申告書第三表/分離課税用)、譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)をもらいます。確定申告書を作成する方法には以下の3つの方法が挙げられます。

  • 窓口で申請する
  • 郵送する
  • e-TAXを利用する

窓口で申請した場合には、分からなくても教えてもらいながら確定申告を進められるため、初めて確定申告書を作成する場合でも安心です。ただし、税務署は土日祝が休みで、平日の夕方までしか受け付けていないため、確定申告のために時間を確保する必要があります。

郵送するという方法であれば時間を気にせずに確定申告を行えますが、送料がかかる、確定申告書に漏れがあると再提出の手間がかかります。まだ、確定申告に慣れていない場合には窓口で申請した方が良いと言えるでしょう。

e-TAXは、オンラインで確定申告の手続きを行うことができる国税庁の運営するサービスです。しかし、e-TAXを利用する場合、マイナンバーカードとICカードリーダーがないと手続きできません。IDとパスワードを発行には税務署に行く必要があるという点に注意が必要です。

確定申告の作成時は電話で質問に答えてもらうことが可能です。分からない場合には税務署に相談しながら作成を進めましょう。

2-4.税務署に提出する

自宅を売却したその年だけ確定申告を行うのであれば、税務関係の専門家である税理士に確定申告を依頼することも1つの選択肢です。税理士に確定申告を依頼すれば、忙しくて確定申告の時間をなかなか確保できない方でも手間を省くことが可能です。

税理士報酬は税理士ごとに異なりますが、5~10万円が一般的です。売却を仲介した不動産会社が確定申告の相談に乗ってくれるケースもあります。
初めての確定申告ではわからないことが多く、想定外に事案がかかってしまうこともあるでしょう。効率的に確定申告を完了させるために、専門家に相談しながら進めることも大切です。

3.まとめ

自宅を売却して利益が生じた場合、確定申告を行わなくてはなりません。また、利益が生じていない場合には確定申告を行う必要はありませんが、損益通算によって他の所得の税金を抑えられるため、確定申告を行った方が良いと言えます。

確定申告をスムーズに行うには、確定申告の流れとどのような書類が必要なのかを理解しておく必要があります。この記事を参考にしながら、手際よく確定申告を行えるようにあらかじめ準備しておきましょう。

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矢野翔一

矢野翔一

関西学院大学法学部法律学科卒。宅地建物取引士、管理業務主任者、2級FP技能士(AFP)などの保有資格を活かしながら、有限会社アローフィールド代表取締役社長として学習塾、不動産投資を行う。HEDGE GUIDEでは不動産投資記事を主に担当しています。専門用語や法律が多く難しいジャンルですが分かりやすくお伝えしていきます。