中古住宅を「買取」で売るメリット・デメリットは?注意点も

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中古住宅の売却では、不動産会社に仲介を依頼し買い手を見つけて売却する「仲介」と、不動産会社に物件を買い取って貰う「買取」という2つの方法があります。

買取は仲介よりも早く売却できるため、転勤や急な引っ越しなど時間がないケースに適しています。一方、売却価格が相場の約7割程度になってしまうことから、売却価格を高くしたい方には慎重に検討する必要があります。

本記事では中古住宅を買取で売却するメリットとデメリット、注意点を解説していきます。買取を検討している方、売却方法で悩んでいる方はぜひご参考ください。

目次

  1. 中古住宅の買取と仲介との違い
  2. 中古住宅を買取で売却するメリット・デメリット
    2-1.中古住宅を買取で売却するメリット
    2-2.中古住宅を買取で売却するデメリット
  3. 中古住宅を買取で売却する注意点
    3-1.再建築不可などの問題を解決できないか検討する
    3-2.仲介で値下げを行った場合と買取の売却価格を比較する
    3-3.買取保証という方法も検討してみる
    3-4.複数の不動産会社で買取価格を査定してもらう
  4. まとめ

1.中古住宅の買取と仲介との違い

中古住宅を売却する方法として、不動産会社に間に入ってもらい買い手を見つける「仲介」と不動産会社に直接物件を買い取って貰う「買取」の2つがあります。

不動産会社を通じて売却する「仲介」は、買取での売却より売却価格が高くなりますが、買い手が見つかるまで一定の時間を要します。また、仲介手数料が発生する点もデメリットと言えるでしょう。

一方、買取は買取価格を不動産会社と交渉し、決まり次第すぐ売買契約を交わすことが可能で、仲介手数料は不要となります。加えて仲介では物件の広告を出すことにより、周囲に家を売却する事を知られてしまう可能性がありますが、買取では周りに知られる可能性が低いという違いもあります。

2.中古住宅を買取で売却するメリット・デメリット

買取には早く売却できる、仲介では売却しにくい物件を売却する事が出来るなどのメリットがある一方で、売却価格が相場の約7割程度になる、物件によっては買取できないケースがあるというデメリットがあります。

2-1.中古住宅を買取で売却するメリット

買取の主なメリットは以下の3点となります。

  • 仲介より早く売却可能で、時間や手間がかからない
  • 買い手が見つかりにくい物件を売却できる事がある
  • 多くの場合「契約不適合責任」が免責になる

買取の第一のメリットは、中古住宅を早く売却でき仲介より時間や労力がかからない点です。

仲介はエリアや物件にもよりますが、買取よりも多くのステップが必要となり、多くの場合、売却までに約3~5ヶ月の期間を要します。

買取では不動産会社に査定を依頼し、そのまま依頼先の不動産会社へ売却することになります。仲介より時間や手間が少なく済むため、業者の選定が早ければ1~2ヶ月で取引が終わります。売却スケジュールが迫っている方にとって、大きなメリットと言えるでしょう。

また、買取では不動産会社が住宅を買い取った後、リフォーム・リノベーションを行うケースもある事から、仲介では買い手が見つかりにくい物件を売却できる可能性がある点もメリットとなります。

なお、売主は、売却後に不動産が契約と異なる箇所があった場合「契約不適合責任」により修理や代金の減額を請求されることがありますが、個人から不動産業者へ売却する買取では「契約不適合責任」が免責となります。

2-2.中古住宅を買取で売却するデメリット

次にデメリットについても見て行きましょう。買取の主なデメリットは以下の3点となります。

  • 売却価格が仲介時の約7割程度となる
  • 買取拒否されるケースもある
  • 人気物件だと売却スピードに差がない可能性がある

買取のデメリットは売却価格が低くなってしまうことです。仲介売却時の約7割程度となることもあるため、価格を優先したい場合には不向きな売却方法と言えます。

また、空き家で長くメンテナンスされていない物件であったり、築年数が経過して解体費用が多くかかってしまう物件だと不動産会社から買取を拒否されるケースもあります。

その他、買取を検討してもらえる不動産は需要が多く見込めるケースが多く、仲介で売り出したとしても早く買主が見つかる可能性があります。この場合、早く売却ができるという買取のメリットがあまり見込めないため、慎重に検討することが重要となります。

3.中古住宅を買取で売却する注意点

売却したい物件によっては仲介より買取が良い可能性がありますが、判断が難しいため不動産会社に相談してから検討することで少しでも売却価格を高くできる可能性があります。

仲介と買取を組み合わせた「買取保証」というサービスを行っている不動産会社もありますので、併せて把握しておきましょう。

3-1.再建築不可などの問題を解決できないか検討する

仲介売却のしづらい再建築不可の物件であっても、建築物を管轄する特定行政庁が許可した場合には、再建築が可能となります。また隣地の土地所有者に道路が接する長さが足りない分の土地を譲ってもらう、土地を購入してもらうなど接道義務を果たし、再建築を可能にする方法もあります。

買取と仲介のどちらで売却するか、判断が難しい場合には不動産会社に相談し、上記のような方法で問題を解決できないか相談してみましょう。

3-2.仲介で値下げを行った場合と買取価格を比較する

広すぎる土地や容積率がオーバーしている建築基準法・都市計画法などに違反した物件など、仲介で売却しにくい物件でも買取対応してもらえる可能性があります。ただし、上記の物件でも広く広告を出す、売却価格を下げる事で「仲介」により、買い手が見つかる可能性があります。

買取価格よりも値下げを行った仲介の売却価格の方が高くなるケースもあるため、売却スケジュールに余裕があるのであれば、比較しながら慎重に検討してみると良いでしょう。

例えば築古の建物と土地を売却する場合、買取の査定額より、建物の解体費用+更地を仲介で売却する価格が高い場合には解体した後に売却した方が良いと判断できます。

3-3.買取保証という方法も検討してみる

買取保証とは一定期間仲介による売却活動を行い、物件が売れなかった時には不動産会社に「買取」を行ってもらう方法です。仲介の売却活動期間と買取価格はあらかじめ売主と不動産会社で相談し設定することが可能です。

仲介により売却した場合には不動産会社に仲介手数料を支払いますが、買取になった際には仲介手数料は支払いません。「○ヶ月後に家を売却したい」「まずは仲介で高値での売却を目指す」という方に適した方法です。

ただし、不動産会社が買取保証となる物件の条件を定めているケースがあり、対象外の物件では買取保証を利用する事ができないこともあるため注意しましょう。

3-4.複数の不動産会社で買取価格を査定してもらう

複数の不動産会社で買取価格の査定をしてもらうことも重要なポイントです。買取査定は仲介査定と異なり、提示された査定価格がそのまま売却価格となるため、できるだけ複数社の査定を受け、高い金額を提示してもらえる不動産会社を探してみましょう。

なお、不動産会社へ買取価格の査定を依頼する際は、仲介査定も同時に依頼すると良いでしょう。この時、査定価格だけでなく想定される売却スケジュールについても合わせて確認しておくことで、買取を行うかどうかの判断材料となります。

下記、中古住宅の査定を取り扱っている不動産一括査定サイトの一覧です。下記のサイトは複数の不動産会社へ同時に査定依頼することができ、悪徳業者の排除を積極的に行っている特徴があります。提携している不動産会社に違いがあるため、複数のサイトへ登録しておくと、より多くの不動産会社へアプローチすることができます。

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まとめ

買取は仲介より時間や手間がかからず、早く売却したいケースに適していますが、売却価格が低いというデメリットがあります。まずは、仲介と買取の両方の査定価格や売却スケジュールを調べ、比較検討していくことが大切です。

買取のメリット・デメリットを把握し、仲介や買取保証と比較・検討しながら自身に合った売却方法を選択しましょう。

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田中 あさみ

経済学部在学中に2級FP技能士(AFP)の資格を取得。ライターとして不動産投資を含む投資や年金・保険・税金等の記事を執筆しています。医療系の勤務経験がありますので、医療×金融・投資も強みです。HEDGE GUIDEでは不動産投資を始め、投資分野等を分かりやすくお伝えできるよう日々努めてまいります。