不動産投資の不正融資、リスクと対策は?初心者が知っておきたいポイント

昨今、個人の不動産投資家に対しての金融機関などの不正融資が問題となっています。不正融資の話に乗ってしまうと、想定通りの収益が得られず返済ができなくなったり、最悪の場合には購入した物件を手放さなければいけない事態に陥る可能性があります。

そのような不正融資に巻き込まれないようにするためには、どういった点に気をつければ良いのでしょうか。

不動産投資で金融機関から融資を受けるときに知っておきたいポイントをお伝えします。

目次

  1. 不動産投資における不正融資問題の事例
    1-1.地銀による書類改ざん問題
    1-2.フラット35の不正利用問題
  2. 不正融資を受けてしまった場合に起こるリスク
    2-1.住宅ローンの不正利用は一括返済を求められる可能性も
    2-2.書類改ざんは返済不能を招く
  3. 不動産投資の不正融資を防ぐための対策
    3-1.書類改ざんの話には乗らない
    3-2.家賃保証などの話は契約をしっかりと確認する
    3-3.投資用不動産の収支予測は自分でも出してみる
    3-4.投資用の物件を住宅ローンで買えるのは賃貸併用住宅のみ
  4. まとめ

1.不動産投資における不正融資問題の事例

社会的問題となった個人投資家に対する不正融資問題とは、具体的にどういったものなのか、どのような行為が不正融資であると言われているのか、お伝えします。

1-1.地銀による書類改ざん問題

不正融資問題の中でも最も大きく取り上げられたのは、大手地方銀行であるスルガ銀行による融資です。スルガ銀行は個人の不動産投資家に対して年間4%以上など、相場よりも高い金利で融資を行っていました。

スルガ銀行は一時期、地方銀行の雄とも呼ばれ、大きく売上を伸ばしていましたが、その背景には個人投資家への強引な融資がありました。

しかし、収入が少なかったり、借金が多かったりなど、審査が通りにくい個人投資家に対し、現場の営業マンが審査を通過させるために書類の改ざんを行っていたのです。つまり、本来ならば返済能力がなく、融資審査に通らない方へも多額の融資を行っていました。

融資の審査で確認される源泉徴収票などの書類をしっかりと確認せず、「預金が多い」「収入が多い」などの虚偽を記入して融資を通過していた事実が発覚しました。

また、現場の判断だけではなく、会社全体の方針としてこのような不正融資を行っていたことも判明し、責任を追求された創業者一族が退陣する結果となりました。

1-2.フラット35の不正利用問題

フラット35は、住宅金融支援機構が提供する低金利かつ固定金利の住宅ローンです。1%台前半という低金利のローンを35年間借り、住宅を購入できるメリットがあります。

フラット35は住宅ローンのため購入対象は住宅に限り、投資用物件の購入に利用することは出来ません。しかし、2019年にこのフラット35を不正に利用して投資用物件を販売していたことが、問題になりました。

フラット35を提供する住宅金融支援機構は、個人に安価なローンを提供することで国民の住宅購入を促進しています。フラット35の不正利用は、本来の目的とはかけ離れた用途のために資金が使われてしまうことになるため、問題となりました。

また上記以外にも、融資額が物件の購入必要額に達しなかった場合に5%を超えるほどの高い金利クレジットローンを利用していたことも判明しました。ダブルローンを利用することで属性が優れない投資家にも不動産物件を購入させていたのです。

2.不正融資を受けてしまった場合に起こるリスク

不正融資に関わってしまった場合、投資家側はどういったリスクを背負ってしまうのでしょうか。

不正融資に関わってしまった場合、財産のほとんどを失う、自己破産に追い込まれる、大きなリスクに巻き込まれるなどの可能性があります。

それぞれどのような状況になってしまうのか、詳しく見て行きましょう。

2-1.住宅ローンの不正利用は一括返済を求められる可能性も

住宅ローンの不正利用が発覚した時点で、金融機関から一括返済を求められる可能性があります。

住宅ローンの一括返済を求められると、残債分を手元の現金資産で返済しなければなりません。現金が足りない場合、担保に設定していた物件を売却して返済することになります。

また、売却してもローンの残債を一括返済することが困難である場合、ローンを完済するために他の資産を手放さざるを得ない可能性があります。

2-2.書類改ざんは返済不能を招く

書類改ざんで投資物件を購入した場合、本来ならば不動産投資の融資を受けられなかった与信(金融機関によるローン返済能力の評価)で物件を購入することになります。

与信以上の高額な不動産を買ってしまうと、どのような状況になるのでしょうか。

不動産投資では、空室の発生や突発的な修繕によって費用が家賃収入を上回ってしまうことがあります。その場合、収入の不足分を自分の給与収入などで補うことになることもあるでしょう。

本来、金融機関の融資審査ではこのような状況を踏まえた審査を行います。しかし、書類改ざんにより審査を通過した与信が低い方では、突発的な費用の不足分を支払えなくなってしまうケースがあります。

毎月のローンの返済が不可能になれば、物件を手放すことにつながります。そして、売却金でローンを完済できない時は、他の資産で補うことになります。

3.不動産投資の不正融資を防ぐための対策

ここまでご紹介したような不正融資に巻き込まれずに不動産投資を始めるためには、投資家としてどのように心がければ良いのでしょうか。

3-1.書類改ざんの話には乗らない

不動産会社から提案された書類改ざんの話には絶対に乗らないようにすることが大切です。過去の書類改ざんの事例として、スルガ銀行はシェアハウス投資を行う不動産会社と提携し、サブリースをセットにして1億円以上の高い金利の融資を行っていました。

しかし、シェアハウス投資を行う不動産会社は倒産。その結果、毎月保証されていた家賃収入が入ってこなくなり、投資家は自分で物件を運営して返済せざるを得ない事態に追い込まれてしまったのです。

不動産会社から書類改ざんの提案を受けたとしても、自分の与信で購入できる投資用物件を購入するようにしましょう。

3-2.家賃保証などの話は契約をしっかりと確認する

不動産会社が販売する投資用不動産の中には、家賃保証付きのものがあります。これらの家賃保証はたとえ運営元の会社が倒産しなくても、家賃収入が減少することがあります。

最初は毎月20万円の家賃を保証されていたものの、2年後の家賃の見直しで15万円にまで落ち、そのさらに2年後には毎月の家賃収入が10万円にまで下がるといったケースもありえます。

家賃保証の契約がある場合は、どの程度の頻度で家賃の見直しが行われるのか、契約解除の際の違約金はどの程度の額なのか、しっかりと契約内容を確認する必要があります。

3-3.投資用不動産の収支予測は自分でも出してみる

不動産会社がシミュレーションで提示した家賃収入や入居率が、周辺の相場よりもかなり高めになっていることがあります。物件の購入前には自分でも収支予測を立て、慎重に検討することが大切です。

また、金融機関で投資用不動産の融資を利用する場合、変動金利型の融資を受けることになります。金利が高くなった場合でもしっかり収益が得られるのか、確認しておきましょう。

3-4.投資用の物件を住宅ローンで買えるのは賃貸併用住宅のみ

前提として投資用物件は、住宅ローンで購入することはできません。

住宅ローンで投資用物件を購入できるのは、賃貸併用住宅のみです。また、賃貸併用住宅でも自分たちが利用する部分の面積は総面積の50%以上でなくてなりません。

このような一般的な金融機関における取り決めを知っておき、その取り決めに反することを提案されたのであれば、断るようにしましょう。

まとめ

不動産投資は多額のお金が動くだけに、不正行為をもちかける悪徳な不動産会社が存在します。このような悪徳不動産会社の営業マンのセールストークに乗らないように、リスクを避けることを念頭におき、不動産に関する不正問題を学ぶことが大切です。

不正融資によって金融機関から一括返済を求められたり、担保設定した不動産を競売にかけられてしまうケースもあります。不動産投資を検討する際は、販売元の不動産会社について事前にしっかり調べ、不正融資の提案には乗らないように注意しましょう。

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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム

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