不動産投資の火災保険はどう選ぶ?火災保険加入時に知っておきたい11のこと

※ このページには広告・PRが含まれています

不動産投資をする際は、災害などで建物が損壊した場合に備えて火災保険に加入することが一般的です。しかし、実際に災害に遭った時に、出ると思っていた保険金が補償対象になっていなかったり、逆に補償対象になっていることを知らないために請求しなかったり、といったケースも見られます。

火災保険に加入する際はどのような点に注意すれば良いのでしょうか。この記事では、不動産投資で火災保険に加入する際に、知っておきたい11のことをご紹介します。

目次

  1. 火災保険は自然災害と日常災害の2つが補償される
    1-1.火災・自然災害の補償
    1-2.日常災害の補償
  2. 浸水は状況によって補償されないことがあるので注意が必要
  3. 地震が原因の火災や水害は火災保険では補償されない
  4. 火災が発生して隣の家屋に燃え移った場合の補償
  5. 入居者に損害を与えた場合の補償
  6. 残存物を片付ける費用も支払われる
  7. 偶発的に物を損壊した場合に出る保険
  8. 免責事項には注意が必要
  9. 入居者にも火災保険に加入してもらう
  10. 知っておくと役に立つ付帯サービス
  11. 保険を請求するときに必要なもの
  12. まとめ

1.火災保険は自然災害と日常災害の2つが補償される

火災保険では火災や水害以外にも、日常の災害も補償されますので、日常生活で発生した偶発的な事故のリスクもカバーできます。自然災害と日常災害の補償について確認しておきましょう。

1-1.火災・自然災害の補償

火災・自然災害で補償対象になるのは火災、落雷、風災、雹災(ひょうさい)、雪災などです。火災保険では災害の大きさの度合いによって補償される範囲が決められていたり、一部自己資金が必要だったりしますので、加入する際は補償範囲を確認することが大切です。

1-2.日常災害の補償

日常災害とは自然災害とは関係なく発生する災害のことを言います。例えば自動車が物件に衝突して壁が損壊したり、上階から水漏れが発生して損害を受けたり、盗難の被害に遭って、その際に窓ガラスを割られたりした場合などに補償されます。

相手に賠償金を請求することもできますが、保険でも支払いを受けることが可能ですので、状況に応じて検討すると良いでしょう。

2.浸水は状況によって補償されないことがあるので注意が必要

土砂災害に巻き込まれたり、所有している不動産が1階にあり大雨で浸水したりした場合などに請求できるのが水災に対する補償です。しかし、浸水していても保険金が支払われない場合がありますので注意が必要です。

一般的に浸水に対する補償の場合は、床上や地盤面から45cm以上浸水していなければ補償されません。また補償される場合でも再調達価額の30%といったように、保険会社によって支払われる割合が決められています。全額支払われると思って請求したところが全く対象にならない、ということもあり得ますので、必ず条件を確認するようにしましょう。

3.地震が原因の火災や水害は火災保険では補償されない

火災や水害で損害を受けたとしても、原因が地震の場合は地震保険に加入していなければ補償されません。また、地震保険は単独では加入することができませんので、火災保険に加入する際に地震保険にも加入するようにしましょう。

4.火災が発生して隣の家屋に燃え移った場合の補償

自分の不動産が火災に遭い、隣の家屋に燃え移ることを類焼と言います。日本には失火法という法律があり、類焼の場合は、故意や重過失でない限り賠償責任を問われることがありません。そのため、以前は火災保険では類焼に対する補償はしていませんでした。

しかし、近年は保険会社によっては、類焼を補償する特約が付けられる保険も出ています。保険会社によって保険金の上限が決められていたり、類焼特約が付けられなかったりする会社もありますので、加入の際は確認するようにしましょう。

5.入居者に損害を与えた場合の補償

賃貸経営をする際には、入居者に対する補償も検討しておかなければいけません。例えば、賃貸している部屋の損壊などが原因で、入居者がケガをしたり、入居者の所有物が壊れたりした場合などの補償です。自宅の場合はこのような心配はいりませんが、賃貸物件の場合は考慮が必要です。

このような場合、施設賠償責任保険という補償で保険金の支払いを受けることができます。こちらは特約になりますが、この特約が付けられない火災保険もありますので、加入の際に確認するようにしましょう。

6.残存物を片付ける費用も支払われる

火災保険は損害そのものに対しての補償以外に、諸費用も支払われる場合があります。屋外設備を設置する際の費用や、残存物を片付けるのにかかった費用が支払われます。ただし金額の上限が決められていますので、こちらも確認するようにしましょう。

7.偶発的に物を損壊した場合に出る保険

例えば、入居者が退去した後に部屋の掃除などをしていて、器具をぶつけて壁を損壊したり、窓ガラスを割ったりした場合は、突発的な事故として保険金が支払われる場合があります。こちらも保険会社によって支払われる範囲や上限が決められていますので、必ず確認するようにしましょう。

8.免責事項には注意が必要

保険には免責事項というものがあり、一部自己資金が必要だったり、状況によっては保険金が支払われなかったりするケースがあります。補償されると思っていたのに補償されないということがないように、きちんと契約内容を確認をして加入するようにしましょう。

9.入居者にも火災保険に加入してもらう

災害で入居者の家財が損害を受けた場合、オーナーの火災保険では補償できませんので、火災保険はオーナーだけでなく、入居者にも加入してもらうことが大切です。

入居者の加入する火災保険では家財を補償するだけではなく、入居者の過失で火災などが発生した場合にオーナーに対して支払う賠償金が出る借家人賠償責任特約というものがあります。通常、賃貸仲介を依頼した場合は、賃貸借契約時にこの特約付きの火災保険加入が入居者には義務付けられます。

また、火災保険では、火災だけでなく水漏れなども補償を受けることができます。そのようなことも想定して入居の際に加入してもらうようにしましょう。

10.知っておくと役に付帯サービス

火災保険に加入すると、実際の損害金が支払われるもの以外に付帯サービスが付いている場合もあります。例えばカギをなくしてドアが開かなくなった場合や、エアコンの水漏れなどが発生した場合に業者を手配してくれたり、病院や介護施設の案内をしてくれたり、電話で医療相談ができたりするサービスなどです。

このようなサービスもいざという時にとても役に立つことが考えられますので、付帯サービスの充実度を考慮して保険を選ぶのも良いでしょう。

11.保険を請求するときに必要なもの

保険金を請求する際は保険会社指定の請求書以外に、現場の写真と、損壊したものを修復する見積もりや請求書が必要になります。

保険には免責事項があったり、災害の大きさの度合いによって補償できる範囲が異なったりするものもあります。そのような点を踏まえ、被害状況を確認するのに現場の写真が保険会社の判断の手掛かりになったりします。各書類の提出後、保険会社の審査員が現地確認に訪れる場合もありますので、被害状況や被害箇所はなるべく正確に報告するようにしましょう。

まとめ

不動産投資の火災保険を選ぶ際に、知っておくと役に立つことをご紹介しました。

保険には各社商品によって免責事項や、災害の度合いによって補償される割合が異なることがあります。また、新しい保険や特約ができて、以前は補償できなかった災害も補償できるようになっていることがあります。

個人で保険の補償内容をすべて理解するのはやや難しいことが考えられますので、加入の際や損害が発生した際は、必ず専門家にも相談して取り組むようにしましょう。

The following two tabs change content below.

西宮光夏

不動産会社での勤務や、所有している不動産運用の経験をもとにHEDGE GUIDEでは不動産関連記事を執筆しています。現在は主にふるさと納税の記事を担当しています。ふるさと納税記事では、地域の人たちが心を込めて提供する返礼品の素晴らしさを、少しでも多くの人にお伝えできればと思っています。