実家が空き家になったら始めたい管理のポイントは?活用・売却の注意点も

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実家が空き家になった場合は、トラブル防止、資産価値維持などの観点から空き家の管理を相続人が行う必要があります。

しかし、空き家の管理と言っても、具体的にどのようなポイントに注意すれば良いのか分からないという人も多いのではないでしょうか?

この記事では、空き家を管理する際のポイント、空き家を活用・売却する際の注意点などを解説します。

目次

  1. 実家が空き家になったら始めたい管理のポイント4つ
    1-1.建物の損壊を防ぐための取り組み
    1-2.建物の機能を維持するための取り組み
    1-3.近隣住民に迷惑をかけないための取り組み
    1-4.近隣住民とのコミュニケーションを円滑にする
  2. 自主管理と委託管理のメリット・デメリット
    2-1.自主管理のメリット・デメリット
    2-2.委託管理のメリット・デメリット
  3. 空き家管理以外の選択肢
    3-1.空き家を活用する
    3-2.空き家を売却する
  4. まとめ

1.実家が空き家になったら始めたい管理のポイント4つ

昨今は特に少子化による人口減少で空き家問題が深刻化していることもあり、「空家等対策特別措置法」では、管理状態に問題がある空き家を特定空き家に指定し、行政から所有者に適切な管理や改善を要請できるようになりました。

特定空き家に指定された場合には、固定資産税の優遇措置が受けられなくなる、罰金や行政代執行で建物の解体が行われてしまいます。

特定空き家に指定されないためには、空き家への適切な管理が求められますが、どのように管理すればいいか分からない人も多いと思います。

空き家管理で押さえておくべきポイントは、以下の4つです。

  • 建物の損壊を防ぐための取り組み
  • 建物の機能を維持するための取り組み
  • 近隣住民に迷惑をかけないための取り組み
  • 近隣住民とのコミュニケーションを円滑にする

各ポイントについて詳しく見ていきましょう。

1-1.建物の損壊を防ぐための取り組み

空き家では、劣化の進行で外壁が落下した、塀が崩れたなどのトラブルが発生しやすくなります。空き家管理では、まず、空き家を訪れた際に建物の外部に亀裂や浮きといった何らかのダメージがないかを確認する必要があります。

また、地震が発生した、台風が通過した場合には、それらの影響を受けていないかなるべく早く現地確認をすることが大切です。

1-2.建物の機能を維持するための取り組み

経年劣化が進行するのは外部だけではありません。特に内部は人が住まなくなったことで劣化が進行しやすくなっているので注意が必要です。

適切な管理ができていなければ、空き家を使用したい、売却したいと思ってもリフォームが必要になることも考えられます。建物を訪れた際には月1回程度を目安に、以下のような作業によって建物の機能を維持できるように取り組んでみましょう。

  • 定期的に通水する
  • 定期的に換気する
  • 雨漏りの有無を確認する
  • シロアリの予防をする
  • 害虫の駆除をする
  • 掃除をして清潔な状態を保つ

1-3.近隣住民に迷惑をかけないための取り組み

適切な空き家管理をしていないと害虫や害獣の糞尿、死骸などによって悪臭が発生します。また、植物の成長によって草木が生い茂ると、近隣住民に迷惑がかかる、景観や環境悪化の原因となります。

近隣住民に迷惑をかけないようにするには、敷地を清潔な状態に維持することが大切です。例えば、敷地内のごみ、糞尿、死骸などを処理する、剪定や草刈りを行うなどです。自らが剪定できない場合は、専門業者に定期的に剪定を依頼しましょう。

1-4.近隣住民とのコミュニケーションを円滑にする

空き家の管理が行き届いていない場合、空き巣に入られるリスクが高まります。誰かが中に住み着いていて、訪れた際に遭遇して事件に巻き込まれる恐れもあるので注意が必要です。

近隣住民とのコミュニケーションが円滑であれば、何かしらの不自然な点があった場合に気づいてもらいやすく、トラブルを未然に防げる可能性が高まるでしょう。空き家の防犯対策については、下記の記事でも詳しく解説しています。

【関連記事】空き家の防犯対策、何が必要?5つの対策手順や費用を解説

2.自主管理と委託管理のメリット・デメリット

空き家を管理する方法は、所有者自らが管理する自主管理、管理会社に管理を委託する委託管理の2つがあります。

両者ともにメリットとデメリットがあるため、自分に合った管理方法を選択するためにも双方の特徴を把握しておくことが大切です。自主管理と委託管理のメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。

2-1.自主管理のメリット・デメリット

自主管理の場合、管理を委託しないため、業者に支払う委託費用が発生しません。そのため、費用負担を軽減できるというメリットがあります。

しかし、管理には手間と時間がかかります。実家が遠方にある場合は、現地に行くだけでも多くの時間と手間がかかる、交通費を踏まえると業者に委託した方がコストを抑えられる可能性もあるので総合的に判断することが大切です。

空き家管理に時間を割けるかどうか、空き家までの距離が近いかどうかなどを考えながら総合的に判断しましょう。

2-2.委託管理のメリット・デメリット

管理会社に管理を委託すれば自身で空き家管理を行う必要がありません。そのため、時間と手間を大幅に軽減できるというメリットがあります。また、専門業者による定期的な巡回によって適切な管理が期待でき、犯罪被害のリスクも軽減できます。

一方、委託管理の場合は金銭的負担があります。物件の規模によって費用は様々ですが、1ヶ月当たり数千円~1万円程度の支出が発生します。年間数万円はかかってしまうことを理解しておきましょう。

3.空き家管理以外の選択肢

空き家管理には時間と手間、費用もかかるため、空き家のまま残しておくことにリスクが伴います。そのため、特に使用する予定がないのであれば、空き家管理以外の利用方法についても検討されてみると良いでしょう。

空き家管理以外の選択肢として、以下の2つが挙げられます。

  • 空き家を活用する
  • 空き家を売却する

それぞれの選択肢を詳しく説明していきます。

3-1.空き家を活用する

空き家の代表的な活用方法として、以下の2つが挙げられます。

  • 空き家を賃貸物件として貸し出す
  • 更地にして貸し出す

空き家をそのまま貸し出すという選択肢の場合は、劣化している部分の修繕は必要ですが、特に問題がなければスムーズに貸し出すことができ、また新規に物件を取得する費用も必要ないため収益化がしやすいというメリットがあります。

また、住宅が残るため、「実家に想い入れがあり手放したくない」「資産として残しておきたい」という方でも検討しやすいという点もメリットと言えるでしょう。

一方、賃貸需要の少ない立地条件だった場合は、入居者を募集しても集客が上手く行かず、収益が得られない可能性もあります。このような場合は太陽光発電や、更地にして駐車場として貸し出すなど、立地条件に合わせた活用方法を検討する必要が出てきます。

その他、建物を解体するのに費用がかかる、住宅がなくなることで固定資産税の優遇措置が受けられなくなる点に注意が必要です。

なお、どのような土地活用が適しているか悩む場合は「HOME4U(土地活用)」の利用を検討してみましょう。HOME4Uでは、土地情報を登録することで複数業者から土地活用のプラン提案を受けることができ、効率的に土地活用方法を比較することが可能です。

HOME4U(土地活用)

HOME4Uはマンション経営やアパート経営、駐車場経営、賃貸併用住宅、大規模施設など土地の活用方法を選択することで、最大7社からの収益最大化プランを比較することできるサービスです。

また、土地の利用規制についてもHOME4Uを通して無料で診断できるため、土地調査の手間を省くことが出来ます。「どのような活用手段があるのか知りたい」「複数の活用手段を比較したい」という場合には、利用を検討してみると良いでしょう。

3-2.空き家を売却する

空き家活用では想定していたような収益が得られるとは限らないリスクがあり、手間や設備資金を投入しても回収できないリスクがあります。一方、売却であれば売買契約が成立すれば不動産を現金化でき、所有者が変わることで管理にかかる手間を省けるといったメリットがあります。

空き家を売却する方法は以下の2つがあります。

  • 買取業者に買取を依頼する
  • 仲介業者に仲介を依頼する

買取業者に買取を依頼する場合、条件に合意すればすぐ契約が成立するため、現金化までの時間が短いというメリットがあります。しかし、買取価格は相場と比べて2~3割低い点に注意が必要です。

仲介業者に仲介を依頼する場合、買取よりも高く売れる可能性がある一方、なかなか買主が見つからない可能性があるというデメリットを伴います。早く売りたいのか、高く売りたいのかなど総合的に考えながら選択しましょう。

不動産売却を買取・仲介のどちらで依頼する場合でも、まずは複数の不動産会社に査定を依頼し、いくらで売却ができるか目安を確認しておくことが大切です。この時、1社だけでなく複数社に依頼し、査定価格や査定の根拠を比較しておきましょう。

下記は複数の不動産会社へ査定依頼ができる不動産一括査定サイトの一覧です。

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【関連記事】不動産査定会社・不動産売却サービスのまとめ・一覧

まとめ

実家が空き家になった場合は、適切な管理をしていないと資産価値が下落する、近隣住民とトラブルに発展する、特定空き家に指定される可能性があります。

上記のようなトラブルを回避するためには、適切な管理を行うことが不可欠です。しかし、自主管理は手間と時間がかかる、委託管理は費用がかかるといったデメリットを伴います。

特に実家を利用する予定がないのであれば、空き家を活用する、売却も視野に入れながら、空き家の今後について検討しましょう。

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矢野翔一

関西学院大学法学部法律学科卒。宅地建物取引士、管理業務主任者、2級FP技能士(AFP)などの保有資格を活かしながら、有限会社アローフィールド代表取締役社長として学習塾、不動産投資を行う。HEDGE GUIDEでは不動産投資記事を主に担当しています。専門用語や法律が多く難しいジャンルですが分かりやすくお伝えしていきます。