海外不動産投資、タイ・カンボジア・ベトナムのメリット・デメリットを比較

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海外不動産投資が可能な国は複数ありますが、欧米の先進国と比較して、東南アジアの新興国には新築物件の価格が安く利回りも高いなどのメリットがあります。

しかし、東南アジアには複数の新興国があるため、自分にあった投資ができるのはどこの国なのかわからないという人もいるのではないでしょうか。

この記事ではタイ・カンボジア・ベトナムについて各国のメリット・デメリットを比較します。

目次

  1. タイ不動産投資のメリット・デメリット
    1-1.タイ不動産投資のメリット
    1-2.タイ不動産投資のデメリット
  2. カンボジア不動産投資のメリット・デメリット
    2-1.カンボジア不動産投資のメリット
    2-2.カンボジア不動産投資のデメリット
  3. ベトナム不動産投資のメリット・デメリット
    3-1.ベトナム不動産投資のメリット
    3-2.ベトナム不動産投資のデメリット
  4. まとめ

1.タイ不動産投資のメリット・デメリット

カンボジアやベトナムと比較すると、タイ不動産投資では不動産会社を選びやすく、空室リスクを抑制しやすい点にメリットがあります。一方で、統計情報を見るとキャピタルゲインの期待が小さい点には要注意です。

1-1.タイ不動産投資のメリット

不動産会社を比較的容易に選べる

タイ不動産投資では、他の国と比較して不動産会社選びが容易な点がメリットです。

海外不動産投資では、海外の不動産エージェントとのコミュニケーションが課題になることも多いものです。例えば、言語の違いや日本人との商習慣の違い、時差によるコミュニケーションにかかる時間など、簡単には解決できない原因が複数あります。

物件購入後の空室リスクを考慮すると、海外不動産投資で不動産エージェントとのコミュニケーションは重要なポイントです。日本在住の投資家の場合は特に、不動産エージェントと直にコミュニケーションを取る機会も少ないため、対応を後回しにされてしまうこともあります。

その点、タイと日本との時差は2時間と短く、コミュニケーションに時間がかかることはありません。

また、外務省の「海外在留邦人数調査統計」によると2020年10月1日時点でタイは世界で4番目に日本人が多い国です。タイ現地で不動産エージェント業を営む日本人も多いため、日本人の不動産エージェントを選べば、商習慣や言語の違いといったコミュニケーションの課題を解決できます。

不動産市場の整備が進んでいる

東南アジアの新興国では特に、不動産取引や不動産市場の整備が道半ばとなっている国も多いものです。法整備などが進んでいない国では、物件所有権の登記済証発行までに数ヶ月以上の時間がかかることも少なくありません。

また、中古住宅市場が整備されていない国では新築物件しか選べないことも多いほか、出口戦略の実現性に要注意です。

しかし、タイは周辺諸国と比較すると比較的市場整備が進んでおり、登記済証の発行までに時間がかかる心配は比較的に小さいと言えます。

1-2.タイ不動産投資のデメリット

東南アジアの中では人口増加率に懸念がある

タイは物件の購入・売却に関してメリットがあるものの、データを見ると周辺諸国に劣っている側面もあります。

国際連合の「World Population Dashboard」によると、マレーシアやカンボジアのほかフィリピンなど周辺諸国では、2015年から2020年の平均人口増加率が1%を超えている一方、タイの平均人口増加率は0.3%にとどまっています。

また、CIAの「The World Factbook 2021. Washington, DC: Central Intelligence Agency, 2021.」によると、年齢の中央値に関してもタイは周辺諸国よりも高めです。2020年時点でフィリピンやマレーシアなどでは年齢中央値が20代で推移している一方、タイでは39歳まで上がっています。

人口増加率と年齢中央値とを鑑みると、東南アジアの周辺諸国と比較すると、タイは将来的な物件価格の値上がりや空室率などの面で不安がある点に要注意です。

【関連記事】タイ不動産投資、物件を購入する手順や流れは?リスクや注意点も

2.カンボジア不動産投資のメリット・デメリット

カンボジア不動産投資の特に大きなメリットは、米ドルの資産運用をできる点です。その一方で、投資物件の建設が途中でとまってしまうプレビルドの竣工リスクの高さには要注意です。

2-1.カンボジア不動産投資のメリット

キャピタルゲインの期待が大きい

カンボジアは東南アジアの中でも特に経済成長率や人口増加率が高い国です。IMFの「Real GDP growth」によると、カンボジアにおける2025年の予測GDP成長率は6.8%となっています。なお、日本の2025年予測GDP成長率は0.5%です。

また、カンボジアの2015年から2020年における平均人口増加率は1.5%です。日本の平均人口増加率は-0.2%となっています。経済成長によるインフレや人口増加による住宅需要の拡大から、キャピタルゲインの期待を持てるのがカンボジア不動産投資のメリットです。(※参照:国際連合「World Population Dashboard

米ドルの2次運用が可能

カンボジアでは通貨として米ドルが多く流通しており、現地の銀行でも米ドルの銀行口座を開設できます。賃貸運用による家賃に関しても、カンボジアリエルではなく米ドルで回収可能です。

また、カンボジアでは高い経済成長率を背景として定期預金の利率も高くなっているため、家賃収入を現地の定期預金口座に預け入れることで、米ドル資産を2次運用できます。

なお、カンボジアでは2021年時点で外国人でも現地銀行に口座開設可能です。2021年7月時点、通貨の海外送金に関しても規制がなく、2次運用で増やした収益を容易に日本へ送金できます。

2-2.カンボジア不動産投資のデメリット

不動産会社の見極めが難しい

カンボジア不動産投資で注意すべき点は不動産会社の選定です。例えばフィリピンやタイなど周辺諸国では、国内の大手デベロッパーで上場している不動産会社も少なくありません。

しかし、カンボジアでは2021年時点で上場している国内のデベロッパーがありません。カンボジアで不動産開発を進めているのは、中国や日本を中心とした外資企業が多くなっています。

外資企業が海外で不動産開発をする場合は、物件の売れ行きが悪かったりすると撤退してしまうこともあります。完成前のコンドミニアムなどプレビルドの物件へ投資する場合には、実績に乏しい不動産会社の物件を選ぶと、物件が完成せずに引き渡しを受けられない竣工リスクが上がるため要注意です。

このような背景から、カンボジアで投資物件を選ぶ場合は、売主の不動産会社について背景を確認することが大切です。日本の大手不動産会社が開発している物件などを選ぶなど、慎重にリスク対策を行いましょう。

【関連記事】カンボジア不動産投資のリスクは?法整備の状況や不動産会社の選び方も

3.ベトナム不動産投資のメリット・デメリット

ベトナム不動産投資の大きなメリットは経済成長の面でキャピタルゲインを狙える点がです。その一方で、ベトナムでは通貨の海外送金規制が敷かれているため、収益の2次運用などについて別途計画が必要になります。

3-1.ベトナム不動産投資のメリット

キャピタルゲインの期待が大きい

ベトナムもまた人口増加率や経済成長率が高い水準で推移しているため、不動産投資ではキャピタルゲインを期待できます。コロナウイルス感染症が拡大した2020年もGDP成長率をプラスに保つなど、ベトナムは特に経済成長の推進力が強い国です。

IMFの「Real GDP growth」によると、2020年のGDP成長率は日本で-4.8%となっている一方で、ベトナムでは2.9%となっています。

また、生産年齢の人口割合も多く、国民の年齢中央値はおおよそ30歳前後となっています。日本と比較すると、ベトナムでは経済や人口などの面で将来性は大きいと言えるでしょう。

3-2.ベトナム不動産投資のデメリット

収益を日本へ送金する難易度が高い

ベトナムでは2021年時点で通貨の海外送金が規制されており、周辺諸国と比較すると収益を日本へ送金する難易度が高くなっています。そのほか、ベトナムドンは他の国の通貨と比較するとあまり価値が高くない点にも要注意です。

ベトナム不動産投資で得た収益はベトナム国内での2次運用などが必要になります。または、将来的な移住を視野に入れている場合などに限定されてしまう点に注意しておきましょう。

【関連記事】ベトナムで不動産投資、メリット・デメリットは?投資を始める手順や注意点も

まとめ

タイは観光地としても諸外国からの人気が高く、投資マネーも集まってくる背景から、不動産市場の整備が進んでいます。ただし、日本との商習慣の違いや言語の壁もあるため、タイ不動産投資では法的なリスクや空室リスクを避けるためにも日本人の不動産エージェントを選ぶことを検討してみましょう。

カンボジア不動産投資には、米ドルでの資産運用が可能な点でメリットがあります。その一方で、外資企業が開発する物件も多いため不動産会社の見極めには注意が必要です。

ベトナム不動産投資では、高い人口増加率・経済成長を背景にしたキャピタルゲインを期待できる点がメリットです。その一方で、通貨の海外送金が規制されているため、収益の2次運用には注意を要します。

東南アジアの新興国とひとくくりにしても、投資対象国によって通貨の規制や人口推移の傾向には違いが見られます。これらの違いやメリット・デメリットを比較し、自身の投資目的に合った国での不動産投資を検討してみましょう。

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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム

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