海外不動産投資ができる人口増加率の高い国は?5ヵ国紹介

不動産投資で空室率を下げるためには、人口が増えているエリアで投資するのが有効な手段です。人口が増えているエリアで投資すれば、住宅需要も高まっていくことが予測されるためです。

日本国内であれば個人でもインターネットで検索すれば比較的簡単にデータを収集できますが、海外のデータとなると、どこから情報収集すればよいのかわからないという人も多いのではないでしょうか。

この記事では、海外で人口増加率がプラスになっている国と、各国の中で特に人口が増えているエリアについて紹介します。

目次

  1. 海外不動産投資ができる人口増加率の高い国5選
    1-1.アメリカ
    1-2.オーストラリア
    1-3.フィリピン
    1-4.カンボジア
    1-5.マレーシア
  2. まとめ

1.海外不動産投資ができる人口増加率の高い国5選

日本からの不動産投資が可能なうえに人口増加率が高い各国について、特に人口が増加しているエリアや特徴を解説します。今回ご紹介する人口増加の高い国は下記の5ヵ国です。

  • アメリカ
  • オーストラリア
  • フィリピン
  • カンボジア
  • マレーシア

国全体の人口が増加している場合でも増加しているエリアが偏っていたり、増加の要因が自然増加ではなく海外からの転入増加であるなど、国やエリアによって増加要因は異なります。

それぞれの特徴の違いを把握しておくことで、賃貸需要の動向を知り、不動産投資の意思決定をする際に役立てることが出来るでしょう。

1-1.アメリカ

アメリカは人口増加率がプラスで推移している先進国の1つです。なお、世界銀行「Country Profile」によると2018年の人口増加率は0.5%でした。

ただし、アメリカは世界で3番目に国土が広く、人口の増減については州によってバラつきがあります。2018年の統計で最も人口が多いのは、カリフォルニア州とテキサス州でした。フロリダ州とニューヨーク州がその後に続いています。

アメリカで最も2018年〜2019年の人口増加率が高かったのは、テキサス州のLeanderです。Leanderはテキサス州の州都オースティンの北側に位置しています。年間の人口増加率は12%でした。

2番目に人口増加率が高かったのは、ノースカロライナ州のApexです。Apexはノースカロライナ州の中央部に位置しています。年間の人口増加率は10.1%でした。(※US Census Bureau「The 15 Fastest-Growing Large Cities – By Percent Change: 2018-2019」を参照)

なお、近年で最も人口が増加しているのはテキサス州です。州別の人口増加率(人口増加数)では、2018年までトップ15のうち半数をテキサス州の都市が占めていましたが、2019年になってテキサス州の都市は4都市に減っています。

テキサス州の人口増加はだんだんと落ち着きを見せはじめている状況です。ただし、人口増加が落ち着いてきている中でも、ダラス北部のFriscoはここ数年常にトップ15のランク内に入っています。長期間に渡って人口増加を続けていると言えるでしょう。

一方、平均年齢がアメリカ全体で少しずつ上がって来ている点には注意が必要です。不動産投資のような長期投資を検討する際は、現時点での人口推移だけでなく将来の人口推移にも注意しながらエリア選定を進めていくことが大切です。

【関連記事】【7分で分かる】アメリカで不動産投資を始めるための10のステップ

1-2.オーストラリア

オーストラリアでは、2018年の推計人口増加率が1.5%でした。世界銀行の「Regional Population Growth, Australia, 2018-19」によると、1990年以降1.2%〜1.6%を保っているので、オーストラリアでは長期間にわたり人口が増えていると考えられます。

2018年〜2019年の大都市別人口統計において、最も人口が増えたのはメルボルンです。メルボルンの人口増加率は2.3%でした。2番目に人口が増えたのはブリスベンで2.1%増加、3番目はシドニーで1.7%人口が増加しました。

さらに細かな地区単位で見ると、2018年〜2019年で最も人口が増えたのは、メルボルン南東部のクランボーンというエリアです。クランボーンは1年間で約7,800人の人口が増えており、2番目はシドニー南西部のレッピントンで人口が約5,300人増加しました。(※Australian Bureau of Statistics「Components of population change by capital city」を参照)

なお、人口の自然増加数が最も多かったのはシドニーで、メルボルンは2番手となっています。メルボルンの人口増加に最も寄与したのは、自然増加ではなく海外移住者による転入です。

海外移住者と自然増加数との割合で見ると、オーストラリア南西部のリゾート地であるパースは、1年で27,405人の人口が増えていますが、そのうちの約半数が自然増加によるものでした。

また、キャンベラも年間で6,305人の人口が増えていますが、パースと同じく半分程度が自然増加によるものです。

メルボルンとシドニーは、他の都市に大差をつけて人口を増やしていますが、国内の人口移動による増加数が極めて少なく、増加数の半数以上を海外移住者が占めています。

どの都市でも国内の移動者が極めて少ないなか、ブリスベンでは国内の移動者が増加数のうち3分の1程度を占めています。

海外からの移住者を入居者ターゲットにするならば、メルボルンもしくはシドニー、オーストラリア人をターゲットにするならばブリスベンが投資先として検討できるでしょう。

1-3.フィリピン

世界銀行「Country Profile」によると、フィリピンにおける2018年の人口増加率は1.4%でした。1990年以降、約30年に渡って人口増加率がプラスで推移しているものの、増加率そのものは段階的に下がっています。

まだまだ人口は増え続けると見られている一方で、その勢いは今後横ばいになっていくか可能性があると言えるでしょう。ただ、総人口は2018年の統計ですでに1億人を超えており、人口密度もこの30年で約1.8倍になりました。

人口増加率が高くても人口密度が低いと、不動産投資において入居者を探す難易度が上がります。人口密度が上がっている点から、フィリピンでは空室リスクが下がってきていると考えられます。

都市単位での人口推計を見ると、フィリピンで人口が最も多いのは首都マニラです。次いでマニラの北東に位置するカローカン、マニラ南東部のマカティと続きます。

マニラとカローカンの2都市だけが人口100万人を超えており、カローカンの人口はマカティの約2.6倍、マニラはマカティの約3倍です。また、カローカンもマカティも首都マニラから近い場所に位置しているので、フィリピンも人口の大半が首都に集中していると考えてよいでしょう。

また、フィリピンでは2015年時点での年齢中央値が24.3歳で、若い人が多いのも大きな特徴です。

【関連記事】フィリピンで不動産投資を始めるメリットとデメリットは?手順も解説

1-4.カンボジア

世界銀行の統計によると、2018年のカンボジアにおける人口増加率は1.5%です。2010年時点の統計でも1.5%なので、2010年代に入ってからは横ばい状態になっていると推測されます。

例えば、フィリピンの人口増加率は1.4%でカンボジアとほぼ同じですが、カンボジアの人口密度はフィリピンのほぼ4分の1程度です。また、人口増数についてもフィリピンの人口はカンボジアの人口の6倍以上であり、フィリピンのほうが、カンボジアよりも人が混んでいます。(※世界銀行「Country Profile」を参照)

カンボジア国内での人口分布を見ると、首都プノンペンとプノンペンに隣接している県に人口が集中しています。

なお、2019年のプノンペンにおける人口は約213万人で、国全体の約14%に該当します。2番目に人口が多いのはプノンペン南東のカンダールで、人口は約120万人です。カンダールの人口もプノンペンの半分強なので、カンボジアでは人口が首都にかなり集中していると考えてよいでしょう。(※カンボジア政府統計「General Population Census」を参照)

1-5.マレーシア

マレーシアでは、2018年の人口増加率が1.4%となっています。2000年までは2.3%でしたが、2010年には1.7%と1%台に入っているので、急速な人口増加も少し勢いが落ち着き始めていると言えます。(※世界銀行「Country Profile」を参照)

人口密度を確認すると、マレーシアの人口密度はカンボジアとほとんど同程度の水準であることがわかります。一方、マレーシアの総人口はカンボジアの約2倍です。

マレーシアは国土が広く、広範囲に人口が分散していることが分かります。実際、マレーシアの国土面積はカンボジアの約2倍であり、高い人口密度が形成されにくい環境であると言えるでしょう。

マレーシア国内の人口分布を見ると、首都クアラルンプールが位置するセランゴール州が最も人口が多く、2番目はサバ州です。セランゴール州の人口数はサバ州の約1.7倍となっています。(※マレーシア政府統計「Demographic Statistics First Quarter 2020, Malaysia」を参照)

まとめ

都市別の人口を確認していくと、アメリカやオーストラリアなどの先進国では、人口が各都市に散らばっている一方、フィリピン・カンボジア・マレーシアなど新興国では人口が首都に固まっていることがわかります。

また、総人口や人口密度といった統計を比較すると、フィリピンはカンボジア・マレーシアよりもかなり高水準です。人口密度は不動産投資における空室率にも影響するので、フィリピンでは空室が比較的発生しづらいと考えられます。

この記事で取り上げた国の中では、アメリカ以外の国々で人口増加率はほぼ同じでした。しかし、上述した人口密度や不動産市場の拡大状況なども考慮すると、フィリピンは他国よりもアドバンテージを持っているといえるでしょう。

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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム

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