アパート経営を土地ありで始める手順は?アパートメーカーの選び方や注意したいリスクも

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アパート経営は、土地の有効活用方法としても用いられることがあります。使っていない土地は固定資産税がかってくることに加え、雑草の駆除などのメンテナンスの必要性や犯罪に使用されるリスクなどがありますが、アパートを建てることでこれらのデメリットを回避することができます。

また、アパート経営を始めると一定の家賃収入を見込むことができ、将来の資産形成にもつながるメリットがあります。一方、アパート経営は必ずしも想定した家賃収入を得られるとは限らないため、事前にシミュレーションを行うなど慎重な検証が必要です。

そこで今回のコラムでは、土地の所有者がアパート経営を始める流れや手順を解説します。またアパートメーカーの選び方や注意したいリスクについても紹介します。

目次

  1. 土地ありでアパート経営を始める流れと手順
    1-1.アパートメーカーに相談する
    1-2.アパートメーカーを決定し、契約を締結する
    1-3.アパートの建築工事が始まる
    1-4.入居者の募集を開始する
    1-5.アパートが完成し、引き渡しが行われる
    1-6.アパート経営を開始する
  2. アパートメーカー選びのポイント
    2-1.デザイン力
    2-2.提案力
    2-3.アフターフォローの有無
  3. 土地ありでアパート経営を始めるリスク
  4. まとめ

1 土地ありでアパート経営を始める流れと手順

アパート経営を始めるには新築アパートや中古アパートを購入する必要がありますが、土地を所有していればその土地にアパートを建てる方法が考えられます。すでに所有している土地でアパート経営を始める代表的な流れは下記になります。

  1. アパートメーカーに相談する
  2. アパートメーカーを決定し、契約を締結する
  3. アパートの建築工事が始まる
  4. 入居者の募集を開始する
  5. アパートが完成し、引き渡しが行われる
  6. アパート経営を開始する

1-1 アパートメーカーに相談する

アパートを建てる場合、アパート業者に相談することから始まります。アパート建設を請け負う業者は、アパートメーカー、アパート企画会社、工務店などがあり、各社に建築プランを含めた提案書を提出してもらうこともできます。

提案書には土地の形状や敷地面積、日当たり、眺望などを元に、オーナーの意向を反映した建築プランと事業計画などが記載されています。この提案書を比較し、オーナーにとって最適なアパートを提案してくれる業者を選ぶことになります。

1-2 アパートメーカーを決定し、契約を締結する

提案書を比較検討してアパートメーカーを絞り込んだら、工事費用や工期などの条件面で折り合いをつけます。金融機関から融資を得る場合は、申し込みから審査、融資決定までに1〜2週間程度かかります。アパートメーカーが金融機関を紹介してくれるケースがありますので、相談してみましょう。融資の決定が契約の条件になることもあります。

アパートメーカーとの間で条件に合意したら、工事請負契約を締結します。工事請負契約を締結する際には、工事費用の一部として手付金を支払うケースがほとんどです。こちらもアパートメーカーと相談の上、金額や支払い方法などを確認しておきましょう。

1-3 アパートの建築工事が始まる

工事請負契約を締結した後は、スケジュールに合わせて施工会社が建築工事を開始します。アパートの工期は、工法などによって細かな違いはありますが、「階数プラス1カ月」が目安となっています。例えば、3階建てであれば4カ月で竣工がおおよその目安となります。

また、アパートの完成時期に合わせて、管理体制を決めておきます。自主管理と委託管理がありますが、委託管理の場合は管理業者の選定も行います。アパートメーカーが管理部門を展開している場合は、そちらに委託すると入居者募集や管理業務の開始などがスムーズに進められる可能性があります。

1-4 入居者の募集を開始する

入居者の募集開始は、アパートが完成する3カ月~6カ月前から始めます。早くに募集しても入居までの期間が長くなってしまうため、すぐには集まらない可能性があります。管理業者のアドバイスを聞きながら、適切に判断するようにしましょう。

アパート完成時に満室になっていると良いですが、駅近などのケースでなければ焦らずに募集するようにしましょう。

一方、自主管理で行う場合は、オーナー自身で仲介会社や仲介店舗を回って依頼することになります。建築プランに合わせて入居者募集に関する資料を作る必要もあり、細かな業務があることを覚えておきましょう。

1-5 アパートが完成し、引き渡しが行われる

アパートが完成したら、完了検査を受ける流れになります。完了検査は設計図書に基づいて建築されているかどうか確認するためのもので、建物を建築する場合は通常、着工前の建築確認、工事着工、中間検査、工事完了、完了検査と進みます。

完了検査で問題がなければ検査済証が発行され、物件の引き渡しが行われます。通常は工事費用の残額を決済する際に行いますので、金融機関でローンの実行後にアパートが引き渡されます。

1-6 アパート経営を開始する

アパートが引き渡されたら、アパートオーナーとしての経営が始まります。すでに入居予定者がいる場合は、予定日に合わせて部屋の掃除などの準備を始めます。

また、引き渡し後には所有権保存登記や不動産取得税の支払いなどを行う必要があります。アパート経営ではこれらの業務を適切に行うことも大切です。

2 アパートメーカー選びのポイント

オーナーにとってアパートメーカーとの関係性は重要です。アパートを建てるだけではなく、管理などでその後も長く付き合うことになる可能性があるからです。知名度だけでなく、主に下記のことに注意して選ぶようされてみると良いでしょう。

  • デザイン力
  • 提案力
  • アフターフォローの有無

次の項目から、これらについて詳しく解説していきます。

2-1 デザイン力

アパート経営を長く続けるには物件のデザイン性も重要です。トレンドを意識しつつも、長く飽きられないデザインを取り入れているアパートは、空室対策にもなるからです。

デザイナーズアパートを提供しているアイケンジャパンという新築アパート投資会社では、入居者のターゲットは物件選びの目線が厳しい社会人女性に絞って、防音性・防犯性・デザイン性・コストパフォーマンスなどを追求し、入居率99.7%(2021年12月時点)を実現しています。

2-2 提案力

アパート経営を検討している場合、アパートメーカーは提案書を提出することで、どのようなアパートを建てるのがいいのか提案してくれます。事前にオーナーの意向を伝えていますので、その意向が反映されているのかが提案書を確認する第一のポイントになります。

また、提案書には通常、事業計画も記載されていますので、その実現性を判断することでアパートメーカーの提案力を確認することができます。この際、数字の根拠などを丁寧に説明してくれたり、デメリットやリスクなどにも正しく言及してくれるメーカーの担当者であれば、より信頼できるでしょう。

2-3 アフターフォローの有無

アパート経営はアパートを建てて終わりではなく、その後の運用が重要なタームになります。アパートメーカーを選ぶ際は、アパート本体に加えて、どのような周辺業務を行っているかも確認するようにしましょう。施工部門、管理部門、仲介部門が主なポイントになります。

施工部門の有無

アパートを建築する際に工事を施工会社に外注すると、中間マージンが発生するため工事費用が高額になる可能性があります。そのため社内やグループ内に施工部門を持っているかどうかも確認しましょう。退去時の原状回復工事、外壁の修復工事、大規模修繕工事などの際も、施工部門があると費用を抑えられる可能性があります。

管理部門の有無

管理部門を所有しているアパートメーカーの場合、建築から管理まで一貫して依頼することができます。オーナーの負担を減らすことができるため、自主管理をする予定でなければ、管理部門を有しているアパートメーカーを選ぶといいでしょう。

ただし、管理手数料の設定や、清掃・メンテナンス体制などは各社で異なります。事前に確認する必要があります。

仲介部門の有無

アパート経営の成否を左右するのが入居者の確保です。そのため仲介部門を展開しているかどうかもポイントになります。仲介部門では自社が建てたアパートの入居率を上げるために、優先的に入居者を確保してくれることもあります。

また、仲介専用サイトの有無のほか、入居者確保のための広告戦略なども確認するといいでしょう。

3 土地ありでアパート経営を始めるリスク

所有している土地でアパート経営を始める場合、土地の取得費が必要ないなどのメリットがあります。しかし、アパート経営に適した立地条件が揃っているかどうか、という点については慎重に検証することが重要です。

特に、最寄りの駅から遠い場所にある土地は要注意です。新築時は満室となっても次第に入居者が確保しにくくなることも考えられ、三方向が高いマンションに囲まれて日当たりが良くないなど、入居者に快適な居住環境を提供しづらい土地もあります。

このように自宅を建てるには向いていても、アパート経営には向かない土地もあります。アパートメーカーに相談する際は、所有する土地にこうしたリスクはないか、確認することも忘れないようにしましょう。

自分の土地にアパートを建てる場合に役立つのが、NTTデータグループが提供する「HOME4U」の土地活用サービスです。アパート経営の収益プランはもちろん、マンション経営や駐車場経営といった別の投資手法との比較検討もできるメリットがあります。

まだ建築会社が決まっていないという場合は、こういった一括比較・お問い合わせサービスを賢く活用することも視野に入れてみると良いでしょう。

まとめ

土地所有者がアパート経営を始める際の流れを紹介しました。特に重要なのは、土地を持っているメリットを最大限に活かしつつ、アパート経営に適した立地であるかという点です。

そのため、土地の特性やアパート用地としての事業性を適切に把握し、最適なプランを提示してくれるアパートメーカーを選ぶようにしましょう。今回のコラムを参考に、まずは情報収集から始められると良いでしょう。

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倉岡 明広

経済学部経済学科卒業後、出版社や編集プロダクション勤務などを経てフリーライターとして独立。雑誌や新聞、インターネットを中心に記事を執筆しています。初心者が抱く不動産投資の疑問や質問を解決できるよう丁寧な記事を執筆していきます。