投資用のマンションとは、不動産投資の収益物件にする目的で購入対象となる物件です。住むことを目的とした居住用マンションと比べて、購入する際のローンの種類や、価格の決まり方などが大きく異なります。
投資用の中古マンションを検討する際は、これらの違いに注意して物件選びやエリア選びを慎重に行うことが大切です。
そこでこの記事では、投資用マンションと居住用マンションの違い、投資用マンションの選び方について詳しくご紹介するので、マンション投資を検討中の方はご参考ください。
目次
- 投資用マンションと居住用マンションの違い
1-1.不動産投資ローンと住宅ローン
1-2.投資用・居住用マンションそれぞれの特徴
1-3.価格の決まり方 - 投資用の中古マンションの選び方・注意点
2-1.空室リスクに注意する
2-2.利便性の高い物件を選ぶ - 投資用中古マンションを販売する不動産投資会社
3-1.プロパティエージェント
3-2.リズム - まとめ
1.投資用マンションと居住用マンションの違い
投資用マンションと居住用マンションの違いとしてまず挙げられるのが、「物件の使用目的」です。
投資用マンションとは、不動産投資を行なう際、収益物件として活用するマンションを指します。そのため、投資用マンションの部屋に住む人は購入者以外の入居者になります。
一方、居住用マンションとは、生活するために使用するマンションのことです。居住用マンションの部屋に居住するのも購入者本人となります。この点が投資用マンションと大きく異なるところです。
その他、投資用マンションと居住用マンションでは、ローンの種類、部屋の広さ、価格の決まり方などにも多くの違いがあります。詳しく確認していきましょう。
1-1.不動産投資ローンと住宅ローン
投資用・居住用にかかわらず、マンションを購入する場合、数百万円から数千万円を支払わなければならないため、金融機関のローンを利用します。
マンションを購入するためのローンには、大きく分けて不動産投資ローン(アパートローン)と住宅ローン(居住用ローン)の2種類があります。
不動産投資ローンとは、不動産投資で活用する収益物件を購入するためのローンです。不動産投資は事業経営の要素があるため、個人的な用途で利用するというよりも、ビジネス的な用途で利用するローンになります。呼び方は「不動産投資ローン」や「アパートローン」など、融資をする金融機関によって様々です。
一方、住宅ローンとは、主に個人が住む家を購入するために利用するローンです。住宅ローンは、自宅を購入するためだけではなく、増改築するために利用することも可能です。
不動産投資ローンと住宅ローンは、審査基準、融資額、金利の面で以下のような違いがあります。
審査基準
不動産投資ローンの審査は、主に不動産投資で得られる収益性や事業の継続可能性などが対象となります。
購入する収益物件で投資を行なった場合、どのくらいの収入が見込めるのか、継続的な不動産投資による運用が可能なのかといった点が審査されます。このほか、本人の属性(年齢、収入、職業等)を含めた返済能力も審査対象になります。
一方、住宅ローンの場合、主な審査対象は本人の返済能力です。具体的には、本人の収入、職業、勤務先や勤続年数、家族構成などが審査されます。また、本人の借入状況や借入歴も返済能力に影響があるため、これらも審査対象になります。
融資額
ローンの融資額は、不動産投資ローンのほうが住宅ローンより高くなります。住宅ローンは、本人の収入や資産が主な返済原資になる一方、不動産投資ローンの場合は収益物件から得られる家賃収入を返済原資にあてられるためです。不足する場合は、個人の収入や資産で補填していくことになります。
また、不動産投資ローンの場合、本人の年収の10倍以上の金額を融資してもらえるケースもあります。一方、住宅ローンで融資を受けられる金額は、本人年収の5倍程度が上限となる傾向にあります。
金利
ローンの金利は、住宅ローンの方が不動産投資ローンよりも低くなります。住宅ローンの返済原資は、本人の収入である給与が中心となるため、ローン金利も低めに設定されます。
一方、不動産投資ローンの主な返済原資は収益物件の家賃収入となります。収益物件の運用期間中、空室が生じたり、賃料が下がったりするケースもあるため、その分返済リスクも高くなります。
そのため、不動産投資ローンは住宅ローンよりもローンの金利が高く設定される傾向にあります。住宅ローンの金利は、年利1%またはそれ未満で設定されることが多い一方、不動産投資ローンの場合、3%台になるケースも見られます。
マンションの利用目的を変更するとどうなる?
ローンを利用して投資用マンションを購入後、居住用に用途変更した場合、ローン完済前などで問題になることがあります。居住用にすることでそれまで得られていた家賃収入がなくなり、ローンの返済能力も低くなります。
また、収益物件購入の目的で借入をしているにもかかわらず、居住用で利用すると不動産投資ローンの利用目的にも反することになります。
住宅ローンを利用して居住用マンションを購入後、投資用に用途変更した場合も同様です。住宅ローンの融資金は、居住用不動産の購入資金などにあてる必要があります。そのため、マンションを投資用に用途変更した場合、契約違反に問われる可能性もあります。
ローンが残っている場合、金融機関から契約違反による残債の一括返済を請求されることもあるため注意が必要です。
投資用マンションと居住用マンションのローンには、様々な違いがあるものの、中古マンションをローンで購入後、安易に用途変更しないことが大切です。
1-2.投資用・居住用マンションそれぞれの特徴
投資用または居住用といった用途を基準に建物を建築しているわけではないため、建物の構造上に大きな違いはありません。しかし、部屋の広さは投資用マンションと居住用マンションで異なる場合があります。その他、部屋の内装や設備も違う点があります。
投資用マンションは比較的狭い
投資用マンションの入居者は単身者層をターゲットにしている場合が多いため、ワンルームタイプや1LDKタイプが中心です。そのため、居住用マンションと比べて部屋の広さは比較的狭くなっています。
また、キッチンやバスルームも最低限使用できるものであれば問題ないため、シンプルな設計になっています。投資用マンションの部屋は、風通しや日当たりの良さがそこまで求められないのも特徴です。
単身者をターゲットにした投資用マンションは、部屋の広さや設備環境よりも、駅までの距離の近さや都心までのアクセスの良さなどの利便性が重視される傾向にあります。
居住用マンションは比較的広い
居住用マンションは、購入者やその家族が長期間生活することを前提に、部屋の内装や設備が整えられています。複数の人が住むケースも想定しているため、投資用マンションと比較して部屋の数も多いのが特徴です。
部屋の面積も50㎡を超えるタイプが多く、投資用マンションより広めとなっています。
室内のキッチンやバスルームも生活者が好むような設計となっていて、シンプルな設計となっている投資用マンションと大きく異なります。さらには、広いベランダが設置されていて眺望の良い部屋が設けられている場合もあります。
居住用マンションの部屋は、物件の利便性よりも住みやすさ・暮らしやすさに重点が置かれているため、広くて快適に生活できるような形で設けられています。
1-3.価格の決まり方
投資用マンションと居住用マンションでは使用用途が違うため、価格を決定する基準も以下の通り異なります。
投資用マンションは利回り重視で価格が決まる
投資用マンションは、家賃収入による利益率が大きい物件ほどその価値も高くなります。投資用マンションの価格を算出する方法の1つに「収益還元法」があります。収益還元法とは、投資物件が将来的に生み出す収益の想定価値を現在の価値に置き換えて価格を算出する方法です
この方法で価格を計算すると、収益性のある物件は高く評価され、収益性のない物件は低く評価される傾向があります。そのため、収益還元法は投資用マンションの価格の算出方法としてよく活用されています。
居住用マンションは類似物件の取引事例や販売価格を基準に価格が決まる
居住用マンションは、物件そのものの価値が大きいほどその価格も高くなります。物件そのものの価値は、近隣地域にある類似物件の取引事例や販売価格を基準に決定されます。
そのため、居住用マンションの価格は、主に「取引事例比較法」を用いて算出されます。取引事例比較法とは、対象不動産と類似物件の取引事例に個人的要因や場所的要因などの事情修正を施した上で価格を算出する方法です。
居住用マンションの場合、比較対象となる取引事例も多いため、取引事例比較法によって価格を算出します。
2.投資用の中古マンションの選び方・注意点
投資用マンションは居住用マンションと異なる目的で購入します。投資用の中古マンションを選ぶ際、その点を考慮することが大切です。投資用の中古マンションを購入する際、どのように物件を選べばいいのかを確認してみましょう。
2-1.空室リスクに注意する
投資用マンションは、家賃収入を得て収益をあげることを主な目的とした物件です。入居者がいなければ、収入を得ることができないため、部屋をできるだけ埋める必要があります。
しかし、特に単身者向けの収益物件は季節や時期によって人の移動も多くなります。そのため、退去した後はすぐに次の入居者が入れるよう、ハウスクリーニングや入居者募集の広告出しなどの準備を早めに行うことが大切です。
その他、空室リスクを回避するには、物件選びやエリア選びを行うことも重要と言えます。物件の家賃設定が周辺相場と合っているか、駅から近いか、入居者が求める設備が整っているかなどを見極めた上で、賃貸需要の見込める物件やエリアを客観的に選ぶことが重要になります。
収益マンションを選ぶ際は、実際に住む入居者のニーズに合わせることが大切です。オーナーの好みやこだわりに合わせて物件を選べる居住用マンションと異なり、収益マンションはオーナーの主観で選ばないように注意しましょう。
2-2.利便性を重視する
単身者向けの投資用マンションで求められるのは、例えば立地などの利便性です。コンビニやスーパーなどの商業施設から近い場所にマンションがあると便利に感じるため、一定の需要を見込めます。「駅から徒歩10分以内」「都心まで乗り換えなし」などの要素もサラリーマンなどの単身者に好まれる条件です。
また、一人暮らしをする女性にとっては物件のセキュリティ面が重視されます。特に、「オートロック」「宅配ボックス付き」「24時間ゴミ出し可能」などは、最近需要が増している要素です。
利便性の高い投資用マンションは賃貸需要も多く、家賃も下がりにくい特徴があります。このように賃料の下落や空室発生のリスクが抑えられれば、長期間継続して家賃収入を期待することができます。
【関連記事】不動産投資の初心者は何に気をつけるべき?始め方・物件購入の流れも
3.投資用中古マンションを販売する不動産投資会社
最後に、前述した投資用中古マンションの選び方・注意点を踏まえ、初心者も検討しやすい投資用中古マンションを販売する不動産投資会社をご紹介します。
3-1.プロパティエージェント
プロパティエージェントは、東京23区・横浜エリアに集中したマンション開発・販売により入居率99.59%(2024年1月末時点)の実績を有する東証プライム上場グループ企業です。販売物件は新築マンションと中古マンションを取り扱っています。
新築よりも担保性が低下してしまう中古マンション投資においても、資産性・収益性・移動率の3軸から定量的に評価するスコアリングを用いて、将来にわたって高い資産性を維持できる物件を厳選し仕入れています。
プロパティエージェントでは、初心者向けに「0から始める不動産投資セミナー」を定期開催しています。「まずは情報収集したい」「投資用物件の選び方を知りたい」という方は、参加検討してみると良いでしょう。
3-2.リズム
リズム株式会社は、東京23区の中古ワンルームマンション投資やリノベーション投資などを手がける不動産投資会社です。
リズムの販売する中古マンションの9割以上が2,800万円以下と始めやすい価格帯となっており、継続的に所有し、のちにリノベーションを施し付加価値の高い空間を創り上げることで、購入後の値上がり益も期待できます。
リズムのリノベーション物件は、「持つ人」と「住む人」の価値を見極めて、空間のバリューアップを行っています。不動産における資産価値の向上を追求することで、「住む人」の個性と強いニーズに応える物件として、リズムのリノベーション物件は「待ってでも住みたい」というウェイティング者が40人つくなど高い稼働率を誇っています。
2020年11月現在、オンラインでリズムのセミナーや個別相談が受けられます。東京での不動産投資や中古ワンルームマンション投資、リノベーション投資などに興味のある方は参加を検討してみましょう。
3.まとめ
投資用マンションと居住用マンションでは、構造的に大きな違いはないものの、物件の使用目的、ローンの種類、部屋の広さ、価格の決まり方などで異なります。中古マンションを購入しようとする場合、上記の違いを事前に把握しておく必要があります。
また、投資用の中古マンションで不動産投資を始める場合、継続的に家賃収入が得られる物件を選ぶことが求められます。入居者から需要のあるマンションは、長期間に渡って家賃収入が見込むことができます。
収益物件やエリアを選ぶことが難しい場合は不動産会社に相談しながら、慎重に検討することが大切です。
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