100万円を投資するには何がおすすめ?手段ごとの特徴と始め方

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用意できる投資資金は個人の収入や資産状況によって異なりますが、100万円あれば様々な金融商品を検討することが可能です。特に初心者の方の場合、値動きの異なる銘柄に分散投資することで、リスク回避を図ることができるため、各金融商品の特徴について事前に把握することが大切になります。

この記事では、100万円を投資する際に検討できる主な金融商品について、特徴や始め方、注意点を詳しくご紹介します。初めて投資に挑戦したいと考えている方だけでなく、既に投資を実践されている方にも役立つ情報をまとめていますので、参考にしてみてください。

※本記事は2022年8月28日時点の情報をもとに執筆されています。最新の情報については、ご自身でもよくお調べの上、ご利用ください。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・銘柄への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. 100万円から始めたい投資とは
  2. 100万円を投資するのに適したサービスと始め方
    2-1.投資信託
    2-2.ロボアドバイザー
    2-3.株式
  3. 2-4.不動産投資型クラウドファンディング

  4. 100万円を投資する際の注意点
    3-1.元本毀損リスク
    3-2.運用コスト
  5. まとめ

1 100万円から始めたい投資とは

金融庁をはじめとした政府の働きかけもあり、貯蓄から投資へのシフトが進んでいます。また、最近の原料価格や原油価格の高騰、円安などによる物価上昇は深刻になっており、今後はこのような物価上昇のリスクなども考慮した上で資産形成の計画を立てることが求められています。

政府・日銀は2013年1月22日にデフレからの脱却と持続的な経済成長のため、消費者物価の対前年比2%上昇を目標に金融緩和など様々な政策を行うと発表しましたが、2022年8月28日現在も超低金利は続いており、メガバンクの定期預金は年利0.002%、金利の比較的高いネット銀行でも年利0.02%前後が相場となっています。

その結果、若い年齢層も投資に対する関心が強まっており、数百円や数千円といった少額から投資できる若者向けのサービスや金融商品も続々リリースされています。100万円を元手に投資できる場合、選択肢はさらに広がり、国内外株式や債券、投資信託、REIT(不動産投資信託)、FX(外国為替取引)、暗号資産(仮想通貨等)など投資手段は豊富です。

しかし、投資はリターンの高さに応じてリスクも上がるため、どの程度までリスクを受け入れられるかのリスク許容度を決めることが大切です。例えば、投資目的や運用期間、目標金額を明確に定めておくと、「どれくらいのリターンを目指すためにどの程度リスクを受け入れるか」の判断も行いやすくなります。

最近は投資を促進する制度も充実してきており、年間の投資限度額内の投資で得られた利益に税金がかからないNISA(少額投資非課税制度)や、税制優遇を受けながら将来受け取る年金資産を個人で積み立てられるiDeCo(個人型確定拠出年金)なども利用することができます。

これらの制度を上手に活用できると手元に残るお金を効率的に増やすこともできるため、投資手段の選択時には併せて検討しておきたいポイントとなっています。

2 100万円を投資するのに適したサービスと始め方

100万円を投資するのに適した具体的なサービスや金融商品、始め方について確認してみましょう。

2-1 投資信託

100万円を投資する場合、投資初心者の方から経験者まで適した投資方法が投資信託です。投資信託とは、資産運用のプロが投資家からお金を集め、集めたお金を国内外の株式や債券、不動産、コモディティ(金や石油などの商品)などに投資して運用し、運用によって得られた利益を分配金として投資家に還元してくれる金融商品です。

資産運用のプロが投資対象となる金融商品の選定や売買などもしてくれるため、難しい専門知識は不要です。その上、個人ではハードルの高い海外株式・債券を投資対象にする銘柄なども取引可能になり、分散投資によるリスク軽減効果もあるため、投資経験者の方にとってもメリットのある金融商品となっています。

一方、リターンは銘柄によって異なりますが、投資金額に対して年率3~15%程度と株式と比べて大きな利益は望みにくく、さらに信託報酬などの運用コストも発生します。

なお、投資信託を運用する際は、ドルコスト平均法を用いるとリスク回避に繋がります。ドルコスト平均法とは、毎月など定期的に同じ金額を投資することで、投資対象が値下がりしたときは購入数量が多くなり、値上がりしたときは購入数量が少なくなる投資手法です。購入平均単価を下げながら運用できるので、長期的な資産形成を図りやすい手段となっています。

投資信託の始め方

投資信託は、証券会社や銀行などで証券総合口座を開設することで取引を始められます。中でも、SBI証券や楽天証券などの大手ネット証券では、業界最多水準の投信銘柄を取り扱っており、購入する際の手数料は全て無料(ノーロード)のため、運用コストの負担を抑えて取引することが可能です。

また、投資信託の運用では「一般NISA」や「つみたてNISA」という非課税制度を利用することも可能です。「一般NISA」は年間120万円まで購入可能で、購入した金融商品から発生する利益は最大で5年間非課税となる制度です。また、「つみたてNISA」は年間40万円まで購入可能で、最大で20年間発生した利益が非課税となります。

なお、「一般NISA」と「つみたてNISA」を同時に申込むことはできないため、どちらかを選択して利用することになります。また、「一般NISA」は株式や投資信託、ETFなどの取引が対象となりますが、「つみたてNISA」は一部の投資信託のみが対象です。

NISA制度を利用できる証券会社や銀行だと証券口座の開設時にNISA口座を同時に申し込めることも多いため、非課税制度についても検討してから口座開設することがポイントです。

2-2 ロボアドバイザー

ロボアドバイザーは、投資に関する簡単ないくつかの質問に答えることで最適な資産配分(ポートフォリオ)などを提案してくれるサービスで、主に提案のみを行ってくれる「アドバイス型」と実際の運用まで行ってくれる「投資一任型」の2つのタイプがあります。

中でも、投資一任型のロボアドバイザーは提案に基づいた運用方針を事前に設定しておくだけで、後は買付や売却なども行ってくれるため、投資にあまり時間のとれない方や初心者の方にも適したタイプとなっています。

運用対象となる資産はサービスによって異なりますが、例えばウェルスナビは、ETF(上場投資信託)を通じて世界中の株式、債券、金に投資しているほか、投資一任サービスの先駆けとなった野村證券のファンドラップは、投資信託を通じて国内外の株式、債券、REIT(不動産投資信託)などで運用を行っています。

リターンは各サービスによって異なり、ウェルスナビでは2022年6月末時点でリスク許容度に応じて年率3.9~10.5%の実績です。投資信託と同様に大きなリターンを求めるには適さないものの、異なる投資対象に分散投資できることによってリスク軽減を図りながら投資できる点は特徴の一つとなっています。

ロボアドバイザーの始め方

ロボアドバイザーを始めるには、取引口座の開設が必要です。口座開設では、マイナンバーカードや運転免許証等の本人確認書類の提出が求められるので、事前に準備しておきましょう。

また、一部のロボアドバイザーでは非課税制度の利用も可能で、ウェルスナビでは「一般NISA」、楽天証券のスマートフォン専用サービス「らくらく投資」では、「一般NISA」と「つみたてNISA」のどちらにも対応しています。これらの非課税制度の利用なども検討した上で口座開設の手続きを行うことがポイントです。

2-3 株式

株式は大きなリターンを目指したい方に適した投資方法です。投資信託やロボアドバイザーとは異なり、銘柄の選定や売買などを全て自分で行う必要があるものの、将来性の高い銘柄に投資することで、株価が上昇すれば大きなリターンを狙うことができます。

また、株式投資は短期的なハイリターンを目指す投資だけでなく、目標に合わせて長期継続的に投資することも可能です。配当などで定期的にリターンを得ながら、長期的な株価の値上がりを待つという投資スタンスなども定番となっています。

しかし、大きなリターンを求めるとリスクも高くなる点には注意が必要です。東証グロース市場などに上場する時価総額が小さい小型株の企業は財務基盤が脆弱なことも多く、最悪のケースでは倒産などで投資した資金が戻って来ない可能性もあります。

また、長期継続的に投資する場合、リスク軽減のために様々な業種などに分散投資することも重要になります。証券会社の中には単元未満でも株取引可能なサービスを扱っているところもあるので、100万円あれば複数の銘柄やセクターに分けてポートフォリオを組むことも可能です。

株式投資の始め方

株式の取引は証券会社で口座を開設することで始められます。口座開設の際は売買手数料などのコスト面を比較しながら証券会社を選ぶことも重要になるので、店頭証券だけでなく、取引コストの安いネット証券なども併せて検討してみましょう。

また、株式の取引は年間120万円以内の購入だと「一般NISA」を利用することができるので、非課税制度の利用も検討してから口座開設を行うことがポイントです。

2-4 不動産投資型クラウドファンディング

不動産投資型クラウドファンディングとは、不特定多数の投資家から匿名組合契約という方式で資金を集めて不動産を賃貸・取得し、賃貸料や不動産売買益を分配金として投資家に還元する投資手法のことをいいます。物件の修繕や入居者の管理といった「運用管理業務」はすべて事業者が行い、投資家に運用管理の手間や費用が掛かることはありません。

不動産投資型クラウドファンディングでの平均的な利回りは2%~10%程度で、分配金の頻度は毎月・半年ごと・1年ごと・償還時のみなど、ファンドやサービスによって異なります。1口の投資額は1万円~10万円程度で、運用期間は数ヶ月から数年程度、投資後は基本的に解約できないという特徴があります。

一方で、運用や売却時に損失が出た場合に、運営会社がその損失の一部を負担する「優先劣後スキーム」が採用されているサービスが多く、損失保全の面ではメリットがあります。

不動産投資型クラウドファンディングの始め方

不動産投資型クラウドファンディングのサービスサイトで投資家登録を行い、登録後に投資したいファンドを選択して入金する手続きを行うことで始められます。一つのサービス・ファンドに資金を集中させずに、複数の異なるサービス・ファンドに分散することを意識すると良いでしょう。

3 100万円を投資する際の注意点

投資ではリスクとリターンをしっかり把握した上で、投資目的に合った金融商品を選ぶことが大切です。以下では、100万円を投資する際の注意点について確認しておきましょう。

3-1 元本毀損リスク

株式投資では不況などによる市況の悪化や個別企業の業績悪化などで株価が下落するリスクがあります。一方、投資信託やETFなども投資対象となる株式や不動産、商品市況の下落などで同様のリスクはありますが、複数の投資対象や銘柄に幅広く分散投資している金融商品のため、個別銘柄へ投資する株式投資よりもリスクは低くなります。

そのため、株価下落に備えたい時は、例えば個別株や債券で運用する投資信託を同時に購入するなど分散投資を行い、リスク管理することが重要です。リスクの高さや要因は投資対象となる金融商品やサービスによって異なるため、自分の選んだ投資手段にどのようなリスクがあるかをしっかり把握するようにしましょう。

3-2 運用コスト

投資をする際は運用するためにかかる費用(運用コスト)が発生します。例えば、国内株式の場合、売買の際に取引手数料が発生します。取引手数料は証券会社によって異なり、店舗を持たないネット証券のほうが、店舗型の証券会社よりも手数料を安く設定しています。一定金額以内の売買だと手数料が無料になる証券会社もあるため、証券会社選びが運用コストを下げるポイントです。

一方、投資信託では、主に購入手数料、信託報酬、信託財産留保額の3種類の手数料が発生します。購入する際に発生する購入時手数料は証券会社によって異なりますが、無料の場合も多くあります。一方、保有期間中に発生する信託報酬と換金時に発生する信託財産留保額も銘柄によって異なります。信託報酬は保有している投資信託の純資産額に対して年率0.1~2.0%ほどの手数料が保有期間中日割りで発生します。

また、投資一任型ロボアドバイザーも運用資産に対して年率1.0%前後の手数料が相場で、運用期間中は常にコスト負担が必要です。

このように、投資信託やロボアドバイザーでの運用を考える場合、手数料負担が大きいと、多少の運用益が出ていても手元に残る現金は目減りする可能性があるので、運用コストに着目したサービス選びや銘柄選びが重要になります。特に、運用期間が長期間になるほど運用コストの負担は大きくなるため、なるべく運用コストの安い銘柄やサービス選びを心掛けましょう。

まとめ

100万円あれば様々な金融商品が投資対象になるので、国内株式や投資信託、ロボアドバイザーなど複数の金融商品や銘柄を検討することが大切です。

なお、リターンやリスク、運用コスト、過去の運用成績等は各金融商品で異なるので、内容をしっかり把握した上で投資目的に合った商品を選びましょう。

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HEDGE GUIDE 編集部 投資信託チーム

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