給料からいくら投資に回せば良い?積立や資金管理の上手な方法も

投資を始める目的は、老後資金や子供の教育資金のためなど様々です。しかし、初めて資産運用を行う場合、給料をいくらまで投資に回すべきかを決めるのは難しく、運用後の資金管理方法もわからないことがあるため、事前にポイントを知っておくことが大切です。

この記事では、給料と投資の適切なバランスについて詳しく解説していきます。投資に回せる金額別の運用方法や、上手に資金管理するためのポイントもご紹介するので、投資を始めたいと考えている方だけでなく、すでに投資を実践されている方も参考にしてみてください。

※本記事は、2022年9月3日時点の情報をもとに執筆されています。最新の情報については、ご自身でもよくお調べの上、ご利用ください。

目次

  1. 給料と投資の適切な割合とは
    1-1.投資と貯蓄の違い
    1-2.目安は収入に対して10%程度
  2. 投資に回せる金額別の運用方法
    2-1.毎月千円など少額から始めるなら「投信積立」
    2-2.毎月数万円の運用なら全てお任せの「ロボアドバイザー」
    2-3.100万円などのまとまったお金なら「株式投資」も
  3. 資金管理の上手なポイントとは
  4. まとめ

1 給料と投資の適切な割合とは

定期的な収入である給料に対していくら投資するかは多くの方が頭を悩ませる問題です。まずは、給料と投資の適切な割合や投資と貯蓄の違いについて確認してみましょう。

1-1 投資と貯蓄の違い

給料と投資の適切な割合を考える前に、投資と貯蓄の基本的な違いを見ていきましょう。投資は、株や投資信託などの金融商品で運用しながら資産を増やす方法ですが、リスクを伴うため、換金したいときに投資したお金が確実に戻ってくる保証はありません。

一方、貯蓄は将来に備えて銀行などにお金を預ける方法で、株や投資信託のように元本が減るリスクはほとんどなく、必要なときに預けたお金を引き出すことが可能です。貯蓄にも金融機関の破綻リスクはあるものの、日本では預金保険制度によって元本1千万円までと破綻までの利息が保証される仕組みが整備されています。

投資と貯蓄にはこのような違いがあるため、近い将来使う予定のある資金については貯蓄が適しており、投資は当面使う予定のないお金の運用に適した方法となっています。

しかし、現在の日本では投資で運用できるお金も貯蓄に回っているケースが多く、本来であれば投資によって得られる運用益を逃している場合もあります。以下は、日本銀行による「2022年第1四半期の資金循環の日米欧比較」であり、日本は家計の金融資産構成で米国やユーロ圏よりも投資の割合が低いことが示されています。

項目 現金・預金 株式等 投資信託 債券 保険・年金・その他
日本 54.3% 10.2% 4.5% 1.3% 29.7%
米国 13.7% 39.8% 12.6% 2.6% 31.4%
ユーロ圏 34.5% 19.5% 10.4% 1.6% 34.0%

日本は、現金や預金で金融資産を保有している割合が54.3%と高く、米国(13.7%)、ユーロ圏(34.5%)と比較してもかなり高い数値です。一方、株式や投資信託、債券などの金融商品の保有割合は合計16.0%となっており、米国(55.0%)やユーロ圏(31.5%)よりも低く、日本では投資での資産運用があまり浸透していない状況です。

1-2 目安は収入に対して10%程度

月収の何パーセントを金融商品に回しているかについて、日本証券業協会は、「2021年度証券投資に関する全国調査」で、以下のような結果を公表しています。

年収/割合 1~10%未満 10~20%未満 20~30%未満 30%以上 金融商品には回していない・その他
全体 24.0% 14.6% 5.6% 5.4% 50.5%
200~300万円未満 23.3% 16.0% 6.7% 5.6% 48.5%
300~400万円未満 28.6% 19.9% 8.6% 5.7% 37.3%
400~500万円未満 32.9% 21.1% 7.8% 6.7% 31.5%
500~700万円未満 34.0% 25.8% 7.5% 4.0% 28.8%

毎月投資を行っている方は、給料などの月々の収入に対して1~10%未満、または10~20%未満の割合で投資をしている方が多数を占めています。給料と投資の適切な割合は、年収やライフプランによって異なるため、万人に当てはまる基準は決めにくいものの、10%前後の割合が給料に対する投資の割合としてひとつの目安となっています。

ライフプランの作成では、結婚や出産、マイホームの購入など大きなライフイベントを考慮し、それぞれのイベントでいつ、どのくらいのお金が必要になるかを計算して貯蓄や投資などの計画を立てます。その中で、当面の生活費用や近い将来に必要なお金を計算し、残った余剰資金を投資で運用するのが良いでしょう。

また、ライフイベントは単身者と既婚者で内容が大きく異なり、家族構成や居住地域によっても差が出てくるため、まずはご自身のライフプランを立て、生活に支障を来たさない範囲で給料に対する投資金額の割合を決定することが重要になります。

2 投資に回せる金額別のおすすめ運用方法

資産運用の方法は、株式投資や投資信託、ロボアドバイザーなど様々です。投資に回せる金額別の運用方法について確認してみましょう。

2-1 毎月千円など少額から始めるなら「投信積立」

毎月千円や5千円などの少額から投資する場合は投信積立が適しています。投信積立とは、毎月一定額ずつ投資信託を購入する投資方法で、毎月の投資に回す金額が少なくても、長期間投資することで複利効果を含めた投資成果を目指すことができます。

複利効果とは、運用によって得られた利益を再び投資することで将来のリターンが大きくなる効果のことです。例えば、年利1%で100万円を1年間運用した場合、1万円の利益が発生します。これを翌年に100万円の元本に1万円の利益を足して再投資することで、次の年は101万円に対して1%の利益が発生するため、10,100円の利益が発生します。

複利効果は、投資期間が長いほど大きな効果を得ることができ、年利3%で毎月5千円を20年間積み立てた場合、投資元本120万円に対して積立資産は約164万円となり、約44万円の運用益を期待できます。

また、投信積立は、毎月一定金額を積み立てることから投資信託の基準価額(購入や換金時の投資信託の値段)が上がった場合は購入数量が少なくなり、下がった場合は購入数量が多くなります。これは、ドルコスト平均法と呼ばれる投資手法であり、平均購入単価を抑える効果があるので、長期的に投資を継続するのに適しています。

この他、投資信託は、投資のプロが投資家から資金を集め、まとまった資金で様々な金融商品や銘柄に分散投資するため、少額からでも分散投資によってリスク軽減の効果も期待できるなど、初心者の方にとってもメリットの多い投資方法となっています。

一方、リスクとして投資対象となる資産の下落などによって元本が目減りする可能性がある上、運用時には信託報酬などの運用コストも発生します。投信積立や投資信託を検討する際は、これらのリスクや費用なども事前に理解してから投資判断を行うことが大切です。

2-2 毎月数万円の運用なら全てお任せの「ロボアドバイザー」

毎月数万円程度を投資に回せる場合、ロボアドバイザーも活用可能です。ロボアドバイザーは、年収や年齢など簡単な質問に答えることで各利用者に最適なポートフォリオ(資産配分)を提案してくれるサービスです。

中でも、実際の運用も任せられる「投資一任型」のロボアドバイザーでは、最初に運用方針などを設定しておくことで面倒な商品選定や売買なども全てお任せで行ってくれます。

ロボアドバイザーは、難しい金融商品の知識がなくても取り組めるのが特徴なので、商品選定や売買などに手間や時間をかける必要もなく、投資する時間を確保できない方にもメリットのある運用手段となっています。

また、ロボアドバイザーは、サービスによって運用する資産が異なり、投資信託やETF(上場投資信託)での運用が主流です。なお、投資一任型は運用手数料が発生するため、自分で投資信託やETFを運用する場合と比べてコストが割高になる点はデメリットとなります。

一方、ロボアドバイザーの中には、ポートフォリオの提案などを行ってもらい、その先の売買などの運用を自身で行う助言型のサービスもあるため、運用コストを抑えたい方は「助言型ロボアドバイザー」を使うのも選択肢の一つです。

このほか、運用コストを抑えて自身で投資したい場合、商品選定や売買などの手間はかかるものの、一般NISAやつみたてNISAなどの非課税制度を利用して投資信託やETFで運用することも可能です。

一般NISAは年間120万円までの投資に対して最長5年間、つみたてNISAは年間40万円までの投資に対して最長20年間は分配金や譲渡益が非課税となるため、運用コストを抑えた長期的な資産運用に向いています。

例えば、「WealthNavi(ウェルスナビ)」は一般NISAに対応しているほか、楽天証券の「らくらく投資」と松井証券の「投信工房」は一般NISA及びつみたてNISAの両方に対応しているため、非課税制度を活用しながら投資できます。

2-3 100万円などのまとまったお金なら「株式投資」も

100万円などのまとまったお金を投資に回せる場合、上記の2つに加えて株式投資も選択肢に加えることができます。株式投資は、ボーナスなど給与以外の収入が入ったときや、余分に預金していたお金を運用に回すケースなどでまとまったお金を投資したいときに、比較的大きな利益を狙える方法の一つです。

株式投資では、株式の値上がりによる売買益だけでなく、株主還元として分配される配当金でも資産を増やすことが可能で、投資信託などと比べて大きな利益を狙える点が特徴です。また、一般NISAの活用も可能なので、運用コストを抑えて長期的にコツコツ増やしたい方にも向いています。

株を保有している会社の製品や割引券などがもらえる株主優待制度を実施している企業もあり、運用面以外でもメリットのある投資方法となっています。

一方、企業の破綻や業績悪化で、株価が大きく値下がりする可能性もあります。そのため、リスク回避として業種や業態の異なるいくつかの株式に分散投資することも必要になるほか、市場動向や企業の業績は日々変化するため、時間や手間をかけて投資判断に役立つ情報を収集する作業も必要です。

3 資金管理の上手なポイントとは

資金管理を上手に行うためにはライフプランに合った資金計画の作成が重要です。ただし、ライフプランは個人で異なるため、各自のライフイベントをしっかり押さえた上で、収入と支出を計算して資金計画を作る必要があります。

例えば、収入は最小限、支出は最大限で計算しておくことが上手に資金管理するポイントです。今年ボーナスを多くもらえたので来年はもっと多くもらえるだろうと安易に見積ると、勤務先の業績悪化などでボーナスが減った場合、資金計画に大きな狂いが生じる可能性もあります。

支出についても同様で少なめに見積っていると、多めの出費があった場合に資金計画が立ち行かなくなるケースもあります。

そのため、収入については最小限のものだけを計上しておき、支出についても最大限の出費を計上することがポイントです。資金計画を慎重に見ておくことで、資金が足らなくなるという最悪の事態も起こりにくくなり、逆に余剰資金が生まれた場合、生活や投資の資金として使い道の選択肢が広がります。

特に、転職や結婚などによってライフプランが変わることは誰でも起こり得ます。投資に回したお金はすぐに換金できない可能性もあるため、変更があった場合は速やかに資金計画を見直し、将来の生活に影響が出ないように日頃から投資金額を見直せるよう準備が大切です。

まとめ

給料のうち投資に回す割合は10%前後が一つの目安になります。しかし、年収やライフプランはそれぞれ異なるため、実際に投資の割合を検討する場合はこれらの点も考慮した上で慎重に判断することが重要です。

また、投資方法は使える金額などによって様々な選択肢がありますが、元本が減るリスクなどもあるため、メリット・デメリットをしっかり把握し、資金管理にも役立てることが大切です。

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HEDGE GUIDE 編集部 投資信託チーム

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