海外の不動産を購入する主な方法は、「不動産会社に仲介してもらう」「開発デベロッパーから直接購入する」の2つがあります。
不動産会社に仲介してもらう場合は、信頼できる不動産会社選びが重要になります。また、デベロッパーから直接購入する場合は現地での詳細な情報収集が必要です。
そこで今回は日本の会社、あるいは日本語によるサービスを受けられる日系企業を中心に、信頼できる優良な海外不動産会社とその選び方をご紹介します。
目次
1 現地の詳細な情報を提供できる
海外不動産の情報は国内物件ほど簡単には手に入りません。特に経済成長の著しい東南アジア諸国で不動産を購入する場合、目まぐるしく変化する社会情勢に応じて、常に最新の情報を手に入れる必要があります。
そこで、海外不動産会社選びの判断基準の一つとなるのが、海外不動産セミナーや現地視察ツアーを積極的に開催しているかどうかです。
1-1 セミナーや現地視察など積極的に情報提供している
定期的にセミナーや現地視察ツアーを開催している不動産会社であれば、現地のリアルタイムな情報を得ることができます。
例えば価格が安く、大きなキャピタルゲインが見込めるコンドミニアムを購入したい場合、商業施設やインフラが未開発のエリアが狙い目となりますが、そのようなエリアの開発情報は現地当局に確認する必要があるなど、個人ではなかなか入手しづらいのが現状です。
不確かな開発情報をあてにして購入をした物件がその後に値上がりせずに、塩漬け(=売るに売れない状態)となってしまうケースも少なくありません。そのような事態にならないためにも、現地情報に精通した不動産会社選びはとても大切です。
1-2 資産価値の高い物件を紹介できる
東南アジアの不動産は経済成長に伴って資産価値の上昇が期待できます。しかし都市部などはすでにコンドミニアムの供給過剰と言えるエリアも多く、どの物件でも購入すれば値上がりが期待できるというわけではありません。
つまり物件選びはマクロからミクロへと視点を変える必要があります。資産価値の高い物件を見極める判断基準は次の通りです。
- 好立地:ショッピングセンターに直結するなど他の物件と差別化が図れる
- 高い企画力:デベロッパーのブランド力や独自性
- 優良な管理:物件管理と賃貸管理
今後の海外不動産選びは、上記のような要素からエリアごとの不動産相場や入居率を比較検討することが求められます。
東南アジアの一部では不動産市場に関するデータは十分に収集されていませんが、海外不動産会社を選ぶ際はデータを根拠に価格面などで魅力ある物件を紹介できるかどうかを見極めましょう。
2 優良なデベロッパーの物件を紹介できる
東南アジアで購入するコンドミニアムはプレビルド物件がほとんどです。建築工事の着工前に分割支払いし、物件完成時に残金を支払う形式となります。
しかし中には、資金不足などを理由に建設計画が頓挫し、それまでに投じたお金を失うという事例もあります。そのために信頼できるデベロッパー選びは必須と言えます。
2-1 財務基盤がしっかりしたデベロッパーかどうか
不動産会社はデベロッパーが開発するコンドミニアムを購入希望者に仲介するのが業務の一つです。つまり、優良なデベロッパーを購入希望者に紹介するのも信頼できる不動産会社の条件と言えます。不動産会社が「デベロッパーの財務状況を分析しているか」「開発するコンドミニアムの資金計画をチェックしているか」「そのレポートを購入希望者に提供しているか」などが重要な要素と言えます。
例えばマレーシアの有名なデベロッパーのひとつに「SP Setia」があります。昨年度の国内のベストデベロッパーを決める賞で1位を獲得し、世界不動産連盟からも表彰されました。財務基盤が盤石であることやデザイン性の高さなどが評価されたことが受賞につながりました。
このような財務面や実績面で優れたデベロッパーが手がける物件を紹介してもらえるかどうかという点がとても大切です。
2-2 建設が止まるデベロッパーの事例
一方、ベストコンドミニアム開発会社として受賞経験のあるデベロッパーが倒産したという事例もあります。
タイ・プーケットに本社を構える「エメラルドデベロップメント」は、2015年、コンドミニアムの販売後、資金不足を理由に着工に移れませんでした。会社オーナーは現地警察によって逮捕されましたが、被害総額は10億バーツ(約34億円)に及びました。
あるいはカンボジアで2005年に韓国系デベロッパーにより建設が始まったゴールデンタワー42は、2008年の世界金融危機以降、建設がストップしていました。しかし2018年に入り中国とマカオの企業が追加資金を投入して工事を再開、2019年から2020年の完成を目指すとしています。
2-3 国内大手不動産会社が共同開発する物件を紹介できる
経済成長の著しい東南アジアで不動産を開発から手掛けようと、国内の各大手デベロッパーは続々と参入を決めています。
例えば大和ハウス工業はインドネシアでの大型開発に、野村不動産は三越伊勢丹ホールディングスとフィリピンの大手デベロッパーと共同で住居・商業施設の開発事業に取り組んでいます。このほか三菱地所はシンガポールのデベロッパーと組んで複合施設の建設に乗り出します。
現地企業と組む形で日系企業が開発に携わるコンドミニアムは特に信頼感があります。そのような物件を紹介する不動産会社を選ぶのもひとつの方法です。
2-4 コンドミニアムを工事早期に仲介できる
東南アジアのデベロッパーは最初に現地で販売を開始し、その後、日本など外国の不動産会社を通して残りの売却を進めるのが一般的です。そこでキャピタルゲイン狙いでコンドミニアムを購入する場合、建設の早期段階で情報を入手する必要があります。
完成間近になると価格は上昇することが多いため、紹介された物件はすでに値上がりした状態であることも少なくありません。そこで、できる限り早い段階でデベロッパーと交渉し、投資家に物件を紹介できる不動産会社を探すことが重要になります。
例えばカンボジアの首都プノンペンで日系上場企業が開発する高級コンドミニアム「BOEUNG KENG KANG (ラ・アトレ ボンケンコン)」は、今年5月に着工したばかりで完成は2020年の秋が予定されています。企画から施工まで、建設プロジェクトの全ての工程に日本人のスタッフが携わっているため、購入希望者は早めのアプローチが可能です。
3 現地エージェントに精通している
現地の最新情報をいち早く入手するためには、現地法人を持つか、エージェントとの強いパイプを持つ不動産会社に仲介してもらう必要があります。刻々と変化する不動産市場に精通する現地エージェントとのコネクションを持つ不動産会社であれば、常にリアルタイムの情報を提供することができます。
例えば、ベトナムで不動産事業を行うためには、「不動産営業ライセンス」と「宅地建物ライセンス」の2つのライセンスが必要です。ベトナムの現地情報に精通した優良なエージェントは、この不動産事業を行う免許を持っています。しかし、無資格で不動産事業を行っているエージェントも多数いるため、ベトナムではライセンスの有無のチェックが欠かせません。
3-1 外国人の不動産購入ルールに適宜対応できる
国によって外国人の不動産購入に関する規定は異なるため、売却が難しくなるケースもあります。そのような時にも、現地エージェントとのコネクションは必要になります。
例えばマレーシアでは2018年7月現在、外国人は100万リンギット以上の物件しか購入できません。しかし2014年3月以前は50万リンギットまでと規制されていました。つまり、2014年3月以前に購入した物件が100万リンギット以上に値上がりしていなければ、外国人に転売することができないことになります。
このように外国人による不動産売買の規定が厳しい東南アジアでは法改正の動きにいち早く対応することが重要です。
3-2 高く売却するには現地エージェントの協力も必要
マレーシアでは100万リンギットに満たない売値の物件は、現地人にしか売却できないため、現地エージェントの協力が不可欠です。しかし、これも州によって異なります。
例えば観光スポットで有名なセランゴール州では不動産の最低購入価格は200万リンギットです。また、ペナン州では戸建ての最低購入額は200万リンギットからとなります。このように州によって購入額が違うため、キャピタルゲイン狙いで高く売却する場合でも優秀な現地エージェントの協力が欠かせません。
4 リスクをきちんと説明する
セミナーを開催したり現地視察を行う不動産会社の中には、海外投資のメリットは強調するものの、リスクには触れたがらない業者もいます。しかし海外不動産投資には様々なリスクが伴います。そのため、リスク内容や具体的な事例、そして対処法までをきちんと伝える不動産会社は信頼できるといえます。
例えば、海外不動産会社「ビヨンドボーダーズ」の無料セミナーでは、東南アジア5カ国の不動産最新動向のデータを元に物件購入コンサルティングを実施しており、客観的な視点で物件を提案すると同時に、物件購入に伴うリスクもしっかりと教えてもらうことができます。
このようなメリット・デメリットを両面から解説してくれる会社の話を聞いてみた上で、今取り組むべきかどうかを慎重に検討していくと良いでしょう。
4-1 対応が必要なトラブル事例とは
例えば開発デベロッパーから現地の融資銀行を紹介してもらうはずが、なかなか連絡が来ないため融資審査の時間を十分に取れなかったという事例があります。
特に東南アジアのビジネス習慣として、日本のようにマメな連絡を期待することは難しく、ローンの引き落とし日の連絡が無いのも普通なので、気がつけば返済が不履行となっていたというケースも珍しくありません。
また賃貸付けに関するトラブルも目立ちます。当初説明されたような単価で客付けができずに返済計画が狂うという事例も多く、都市部の物件では供給過剰により借り手がなかなかつかないというケースも出始めています。
4-2 リスクに対応できる不動産会社が必要
海外不動産投資に関する様々なリスクを想定した上で「どのような対策を立てるべきなのか」を一緒に考えてくれるような不動産会社を選んでいくことが大切です。
リスクを事前に説明してくれるかどうか、さらに対処法を提示してもらえるかどうか、といったことが不動産会社を選ぶポイントとなります。
5 アフターサービスが充実している
不動産投資は物件購入がゴールではありません。物件を高く売却するなら綿密な出口戦略を立てておく必要があります。
5-1 売却に関するアフターフォローが大事
東南アジアでの不動産投資は、値上がり益となるキャピタルゲイン目的で投資する方が多くなりますが、その売却におけるアフターフォローも重要です。
売却相手は同じ外国人の投資家となることが多いため、そのような売却相手に向けた訴求力を持つ不動産会社に任せることが必要です。その上で、出口戦略に関しても取り組んでいる不動産会社を選ぶことになります。
5-2 税務に精通した不動産会社ならさらに安心
国内では国際税務に精通した税理士がまだまだ少なく、また法人向けよりも個人向けサービスを行う税理士はさらに少なくなります。しかし不動産投資では税務の知識は不可欠であり、東南アジアでも国によって異なる税制をしっかりと理解することが必要です。
そこで、国ごとに異なる税務に関してもきちんとサポートしてくれる不動産会社を選ぶのがポイントになります。もちろん海外不動産セミナーで勉強することもできますが、国際税務に関する知識は複雑で難解になるため、国際税務に精通した税理士法人と提携する不動産会社などを選ぶと良いでしょう。
たとえば、東証プライム上場企業のオープンハウスは、投資家のパートナーとして税務上のサポートや各種手続き、日本側での申告や資産管理のサポートなどまで任せることができるため、日本にいながら投資物件の状況をスムーズに管理・運営し、確認することができます。
6 まとめ
海外不動産への投資は、「どの国にどの物件を購入するか」と同じくらい、「どの会社から購入するか」ということが重要です。今回ご紹介した不動産会社の選び方のポイントを参考に、信頼できる不動産投資会社を見極めていきましょう。
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