専業主婦(主夫)が不動産投資を始める方法・手順は?融資審査や物件選びのポイントも

時間制限や労力の負担が少ない不動産投資は、専業主婦(主夫)にも向いている投資の一つと考えられます。しかし資金調達などクリアするべき課題も多く、ポイントを押さえてから始める必要があります。

そこで今回のコラムでは、専業主婦(主夫)が不動産投資を始める際の方法・手順について紹介し、融資を獲得するポイントや物件選びのコツについても解説します。

目次

  1. 専業主婦(主夫)の方が不動産投資を始めるメリットとデメリット
  2. 専業主婦(主夫)の方が不動産投資を始める流れ
    2-1.不動産投資に関する情報を集める
    2-2.投資する物件タイプを選ぶ
    2-3.物件の絞り込みを行う
    2-4.気になる物件の見学を行う
    2-5.購入の申し込みを行う
    2-6.金融機関に融資の申請を行う
    2-7.不動産売買契約を締結する
  3. 専業主婦(主夫)の方が不動産投資を始める際の注意点
    3-1.属性をできるだけ高める
    3-2.担保評価が高い物件を選ぶ
    3-3.共同担保を用意する
    3-4.複数の金融機関に申し込む
    3-5.日本政策金融公庫を活用する
  4. まとめ

1 専業主婦(主夫)の方が不動産投資を始めるメリットとデメリット

専業主婦(主夫)とは家事や育児などの家庭内の仕事に専念し、家庭外での仕事による収入がない既婚女性を指します。専業主婦(主夫)の方が不動産投資を始めるメリットとデメリットを見てみましょう。

メリット デメリット
就職しなくても収入が得られる
空いた時間を使って業務を行うことができる
管理における急なトラブルにも対応できる
金融機関からの融資を受けにくい
扶養から外れてしまう可能性がある

専業主婦(主夫)の方は、家事育児に追われてなかなか就職して長時間労働するような時間を確保できないこともあります。このような状況の方でも、不動産投資を通して収入を得られたり、空いた時間を使って業務を行えるという点は、専業主婦(主夫)の方が不動産投資を始めるメリットと言えるでしょう。

その他、不動産投資では賃貸管理や建物管理などの管理業務が発生します。これらは管理会社に委託することも可能ですが、突発的なトラブルにはオーナー自らが判断しなければならないこともあります。このような時、日中でも比較的連絡がつきやすい専業主婦(主夫)の方にメリットがあります。

一方、金融機関の融資が重要となる不動産投資において、一定の年収を得ていない専業主婦(主夫)の方は多額の借入をすることが難しいという点が大きなデメリットです。その他、不動産投資の規模によっては収入が増え、扶養控除の条件から外れてしまうこともある点に注意が必要です。

これらを踏まえて、専業主婦(主夫)の方が不動産投資を始める方法・手順を紹介していきます。

2 専業主婦(主夫)の方が不動産投資を始める流れ

不動産投資を始めるには、専業主婦(主夫)の方に限らず下記のような流れになるのが通常です。この流れを専業主婦(主夫)の方の目線で紹介していきます。

2-1 不動産投資に関する情報を集める

不動産投資のビジネスモデルは、入居者に快適な居住空間を提供することで家賃収入を得ることです。つまり、不動産投資を始めるということは物件のオーナーになることになるため、まずは不動産オーナーとして必要な知識を獲得することから始めましょう。

不動産投資に関する情報を集めるには下記の方法があります。

  • 不動産投資の本や書籍を読む
  • インターネットで情報を収集する
  • 複数の不動産会社に相談する
  • 不動産投資セミナーに参加する
  • 不動産投資をしている先輩オーナーに相談する

2-2 投資する物件タイプを選ぶ

不動産投資の対象となる物件には、ワンルームマンションやファミリー向けマンション、一棟アパート、一棟マンション、一戸建て、店舗・事務所などさまざまなタイプがあります。また、これらの物件タイプに加えて、新築か中古かという物件の状態を選ぶこともできます。

例えば、ファミリータイプの物件は長期間の運用に向いている、ワンルームマンションは自己資金が少なくても始められる物件がある、といった特徴があります。また運営の難しさや性格による向き不向きもあるので、適切な物件を選ぶことが大切です。

より詳しい情報が欲しい場合は、初心者向けの不動産投資セミナーの受講を検討してみるのも良いでしょう。各不動産投資会社が開催している不動産投資セミナーへ参加すると、不動産投資の基礎から実際の販売物件を活用したシミュレーションを行ってもらえるため投資のイメージを持ちやすいメリットがあります。

一方、不動産投資会社の得意領域によってセミナーの内容が異なってくる点はデメリットと言えるため、複数のセミナーを受講して内容を比較されてみると良いでしょう。

例えば、新築マンションと中古マンションの両方を扱う「プロパティエージェント」では、初心者向けに「0から始める不動産投資セミナー」を定期開催しています。幅広い時間帯から開催されるセミナーを選択することができ、空いた時間に気軽に参加することができます。

その他、東京23区の投資用マンションの仕入れ・販売を手掛けている「エイマックス」では、毎月2,000件以上の表に出ない物件情報の中から、立地条件・建物管理の状況・賃料相場・駅ごとの人口増加率・物件の資産価値など、厳格な基準を満たす中古のみを数十件だけに絞って厳選して仕入れています。投資の専門家に多くの質問をしたい方向けの「個別セミナー&個別相談」を受講できます。自身の状況に合わせて参加を検討されてみると良いでしょう。

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2-3 物件の絞り込みを行う

投資対象となる物件タイプを決めたら、次は物件選びを行います。物件の情報は、SUUMOなどの不動産情報ポータルサイトに掲載されていたり、三井のリハウスなどの不動産会社がホームページなどを通じて発信しています。

物件を比較検討する際は価格や利回りだけではなく、周辺環境や設備・仕様、築年数なども確認しましょう。通常、売主側の不動産会社で物件について下記の資料を用意しており、提供してもらうことができます。

  • 物件資料
  • レントロール(家賃一覧表)
  • 間取り図
  • 物件写真
  • 固定資産評価証明書/li>
  • 不動産登録事項証明書
  • 修繕履歴表
  • 事業計画書

比較検討し、気になる物件は見学をする段取りを整えます。

2-4 気になる物件の見学を行う

候補の物件についてより詳しく知りたい場合は、仲介を担当する不動産会社に見学の申し込みを行います。物件を見学する際は、下記のことが注意点となります。

  • 交通アクセス
  • 商業施設などの周辺環境
  • 最寄り駅までの道路
  • 物件の状態
  • 物件内の掃除状況
  • 居室内の状況、など

不動産を購入する際の見学は必ず行いたいものですが、中古のオーナーチェンジ物件の場合は満室になっていることもあり、室内の見学ができないケースもあります。ただし、最寄り駅からの道路や周辺環境、外観の状態なども入居率に関わりますので、問題がないか丁寧に確認することが重要です。

2-5 購入の申し込みを行う

購入する物件が決まったら、購入を申し込みます。新築物件は販売元の不動産会社、中古物件は仲介を担う不動産会社を通して売主に行います。

新築の場合は不動産購入申込書、中古の場合は買付証明書を提出することになります。買付証明書には買主の希望価格を記入して提出しますが、売主が想定していた価格よりも低い場合は交渉が決裂してしまうこともあります。買い付け価格の設定には注意しましょう。

2-6 金融機関に融資の申請を行う

金融機関に融資の申し込みをする際は、融資対象となる物件や申込者に関する書類を提出することになります。新築物件や中古物件で異なりますが、下記の書類が代表的なものです。

  • 事業計画書
  • 物件概要書(販売図面)
  • 物件の家賃表(レントロール)
  • 物件の土地・建物の登記情報、公図、建築確認済証
  • 物件の売買契約書・重要事項説明書
  • 運転免許証、健康保険証など本人確認書類
  • 履歴書
  • 借入金がある場合はその返済予定表
  • 預金通帳などの金融資産の確認資料
  • 納税証明書、など

専業主婦(主夫)の方の場合は一定の収入が見込めないため、金融機関の融資審査が非常に厳しくなります。綿密な事業計画に加えて、事業内容と数字の根拠、実現性などを適切に盛り込むことが大切です。また、配偶者の方の年収やこれまでの貯蓄状況、用意できるローンの頭金なども重要なポイントとなります。

2-7 不動産売買契約を締結する

金融機関からの融資が決定し、金額を含めた条件について売主との間で合意したら、不動産売買契約を締結します。通常、売主と売主側の不動産仲介会社、買主と買主側の不動産仲介会社の4者が揃って行います。不動産会社が作成した契約書に署名・押印し、契約は成立することになります。

契約書には主に下記のことが記載されています。

  • 該当不動産の住所や規模
  • 売主と買主の氏名・住所
  • 物件代金
  • 手付金の金額や、支払いの時期および手段
  • 契約違反に当たる行為
  • 契約不適合責任
  • 特約事項

不動産売買契約を締結すると、1〜2カ月後に物件の引き渡しが行われます。買主は引き渡し後に物件の管理を始めますが、空室がある場合は引き渡し前に入居者募集を開始することも可能です。つまり、不動産売買契約を締結した後に、物件の管理が本格的にスタートすることになります。

3 専業主婦(主夫)の方が不動産投資を始める際の注意点

不動産投資を始めるには、物件選びや金融機関とのやり取りが重要です。特に収入がない専業主婦(主夫)の方の場合、金融機関からどのように融資を得るのかがポイントになります。この項目では物件選びと合わせて、注意点を解説していきます。

3-1 属性をできるだけ高める

融資審査は、賃貸用物件として事業性を評価する他に申込者の属性を審査し、返済能力があるかどうか判断します。

この申込者の属性とは、主に下記の項目を指します。

  • 年収
  • 年齢
  • 勤務先
  • 勤務年数
  • 雇用形態
  • 資産の状況
  • 借入金の状況

専業主婦(主夫)の場合、勤務先や年収などは評価対象にはなりません。そのため、クレジットカードの利用を含めた借入金がないこと、資産が多い、保証人がいる、自己資金が多いなどによって、属性を高められる可能性があります。

前述したように、配偶者の方の年収や世帯全体の貯蓄状況も重要なポイントとなってきます。場合によっては再就職を行うことで融資審査の属性を高めるなど、様々な方法を検討することになります。

3-2 担保評価が高い物件を選ぶ

金融機関が不動産投資に対する融資を行う場合、対象物件に抵当権を設定するのが通常ですが、空室などのリスクが軽減できる物件であれば担保評価が高くなります。

担保評価が高くなる物件には、下記のような特徴があります。

  • 築年数が浅い
  • 土地値が高い
  • 利回りが高い
  • 交通アクセスが優れている
  • 近隣に競合物件がない
  • 賃貸需要がある好立地
  • 入居者ニーズに合わせた仕様・設備
  • 地域特性に合わせた間取り

担保評価が高い物件を選ぶことで、審査に通りやすくなる可能性があります。

3-3 共同担保を用意する

不動産投資で融資を得る場合、購入する物件に金融機関が抵当権を設定しますが、その物件以外の不動産を共同担保とすることで融資審査に通りやすくなる可能性があります。融資対象以外の不動産に抵当権が設定できれば、ローンの返済が滞っても支払いができると金融機関が判断するからです。

融資申込者が不動産を所有していない場合は、配偶者など家族や親族名義の不動産を共同担保とすることもできます。

ただし、共同担保を設定したローンの返済が滞ってしまった場合、運用不動産だけでなく共同担保に設定した不動産も差し押さえの対象となってきます。その不動産を居住用として活用していた場合には住む場所を失うことになってしまったり、離婚などの問題が発生した場合には権利関係が複雑化してしまう要因にもなるため、いっそうの注意が必要です。

3-4 複数の金融機関に申し込む

不動産投資に対する融資は、銀行だけではなく、信用金庫や信用組合などの金融機関でも行っています。下記はそれぞれの金融機関の特徴です。

区分 信用金庫 信用組合 銀行
根拠法 信用金庫法 中小企業等協同組合法協同組合による金融事業に関する法律(協金法) 銀行法
設立目的 国民大衆のために金融の円滑を図り、その貯蓄の増強に資する 組合員の相互扶助を目的とし、組合員の経済的地位の向上を図る 国民経済の健全な発展に資する
組織 会員の出資による協同組織の非営利法人 組合員の出資による協同組織の非営利法人 株式会社組織の営利法人
業務範囲(預金・貸出金) 預金は制限なし。
融資は原則として会員を対象とするが、制限つきで会員外貸出もできる(卒業生金融あり)
預金は原則として組合員を対象とするが、総預金額の20%まで員外預金が認められる。
融資は原則として組合員を対象とするが、制限つきで組合員でないものに貸出ができる(卒業生金融なし)
制限なし

(※引用:一般社団法人全国信用金庫協会「信用金庫と銀行・信用組合との違い」)

各金融機関では役割が違い、そのため融資審査の基準も異なります。1つの金融機関に融資を断られても、複数の金融機関に申し込むことで融資が得られる可能性があります。

3-5 日本政策金融公庫を活用する

民間の金融機関から融資を得ることが困難な場合は、日本政策金融公庫の「新規開業資金(女性、若者/シニア起業家支援関連)」を活用する方法もあります。日本政策金融公庫は国民の資金調達を手助けする金融機関で、「新規開業資金(女性、若者/シニア起業家支援関連)」はこれから事業を始める方に起業資金を提供するものです。

主な条件は下記になっています。

  • 利用できる人:女性(男性の場合は35歳未満か55歳以上)
  • 資金の目的:起業資金か、起業後7年以内の運転資金
  • 融資限度額:7,200万円

創業計画書の提出など一定の条件をクリアする必要がありますが、融資を得ることができれば物件を購入する際の自己資金とすることができます。

まとめ

今回紹介したように、時間的な制約が少ない不動産投資は、専業主婦(主夫)の方が収入を得ることができる方法の一つです。普段の物件管理に加えて、不動産売買契約の締結、引き渡しなどは金融機関が関係するために平日の日中に行われることも多く、専業主婦(主夫)の方であれば時間の都合がつきやすいというメリットもあります。

資金調達などクリアするべき課題はありますが、融資を得やすい物件を選ぶなどで大きく前進することができます。注意点なども確認しながら、まずは情報収集から始められてみると良いでしょう。

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倉岡 明広

倉岡 明広

経済学部経済学科卒業後、出版社や編集プロダクション勤務などを経てフリーライターとして独立。雑誌や新聞、インターネットを中心に記事を執筆しています。初心者が抱く不動産投資の疑問や質問を解決できるよう丁寧な記事を執筆していきます。