名古屋の不動産、いつ売るべき?不動産価格推移や今後のイベントを解説

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名古屋は東京と大阪の中間に位置し、中部地方の中枢を担っています。西日本と東日本を結ぶ重要な拠点として栄えており、多くの企業が本社を構えています。

東京、大阪と並ぶ重要な3大エリアの1つとして注目されている名古屋ですが、名古屋に不動産を有している場合は、いつが売り時と言えるのでしょうか?

この記事では、名古屋の不動産をいつ売るべきなのか、名古屋の不動産における価格推移やイベントなどについて考えてみたいと思います。

目次

  1. 名古屋の不動産の価格推移と適切な売却タイミング
    1-1.名古屋の人口推移
    1-2.名古屋の地価公示価格推移
    1-3.2027年リニア中央新幹線開業
    1-4.名古屋の再開発
  2. 2020年は不動産売却に適したタイミング?
    2-1.定期的に不動産の査定をしておく
  3. まとめ

1.名古屋の不動産の価格推移と適切な売却タイミング

名古屋に家をお持ちの方の中には、いつが売り時なのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか?売るタイミングを見誤るとなかなか買い手が見つからなかったり、希望価格よりも低く売買が成立する可能性があるため、売り時をしっかり見極めることが重要です。

売り時を判断する際は、人口推移、地価公示価格推移、再開発などのポイントを見て行きましょう。今回は、名古屋の不動産の価格推移について考えるにあたり、下記の4つのポイントに注目しました。

  1. 名古屋の人口推移
  2. 名古屋の地価公示価格推移
  3. 2027年リニア中央新幹線開業
  4. 再開発ラッシュ

それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。

1-1.名古屋の人口推移

名古屋市の「区別人口の長期推移」を見ると、名古屋市の2010年から2019年の過去10年間の人口は順調に右肩上がりに推移しており、約6万人増えています。

しかし、名古屋市は16の区に分かれており、全ての区で人口が増加したわけではないので注意が必要です。各区の2010年と2019年の人口を比較すると以下のようになります。

名古屋の各区の人口推移(2010年~2019年)

名古屋市の各区 2010年の人口 2019年の人口 人口増減
千種区 16万15人 16万5,863人 5,858人増
東区 7万3,272人 8万2,939人 9,667人増
北区 16万5,785人 16万3,555人 2,230人減
西区 14万4,995人 15万480人 5,485人増
中村区 13万6,164人 13万5,134人 1,030人減
中区 7万8,353人 9万918人 1万2,565人増
昭和区 10万5,536人 11万436人 4,900人増
瑞穂区 10万5,061人 10万7,622人 2,561人増
熱田区 6万4,719人 6万6,318人 1,599人増
中川区 22万1,521人 22万782人 739人減
港区 14万9,215人 14万3,913人 5,302人減
南区 14万1,310人 13万6,015人 5,295人減
守山区 16万8,551人 17万6,298人 7,747人増
緑区 22万9,592人 24万7,475人 1万7,883人増
名東区 16万1,012人 16万5,287人 4,275人増
天白区 15万8,793人 16万4,522人 5,729人増

各区の過去10年間の人口推移を確認すると、16区中5区(北区、中村区、中川区、港区、南区)で人口が減少しています。

人口が減少している地域では、賃貸需要の減少により今後不動産価格が下落する可能性があるため、売却を検討する際は慎重にタイミングを考える必要があるでしょう。

1-2.名古屋の地価公示価格推移

名古屋市の「地価公示の長期推移」を見ると、名古屋市の2010年から2019年の過去10年間の人口は順調に右肩上がりに推移しています。

1㎡あたりの地価は、この10年間で約3万円増加しました。各区の2010年と2019年の地価公示を比較すると以下のようになります。

名古屋の地価公示価格推移(2010年~2019年)

名古屋市の各区 2010年の人口 2019年の人口 人口増減
千種区 16万15人 16万5,863人 5,858人増
東区 7万3,272人 8万2,939人 9,667人増
北区 16万5,785人 16万3,555人 2,230人減
西区 14万4,995人 15万480人 5,485人増
中村区 13万6,164人 13万5,134人 1,030人減
中区 7万8,353人 9万918人 1万2,565人増
昭和区 10万5,536人 11万436人 4,900人増
瑞穂区 10万5,061人 10万7,622人 2,561人増
熱田区 6万4,719人 6万6,318人 1,599人増
中川区 22万1,521人 22万782人 739人減
港区 14万9,215人 14万3,913人 5,302人減
南区 14万1,310人 13万6,015人 5,295人減
守山区 16万8,551人 17万6,298人 7,747人増
緑区 22万9,592人 24万7,475人 1万7,883人増
名東区 16万1,012人 16万5,287人 4,275人増
天白区 15万8,793人 16万4,522人 5,729人増

名古屋の各区の過去10年間の地価公示を確認すると、16区中2区(港区、南区)で下落しています。港区と南区は人口も減少していますので、賃貸需要の低下が地価下落への影響の要因となった可能性があります。

また、北区、中村区、中川区の3区は、現状維持または人口の減少とは反対に上昇しているのが大きなポイントです。特に、名古屋駅周辺の中区はこの10年で地価が約3.6倍に上昇しており、2018年から2019年の上昇が特に目立ちます。

このように、同じ名古屋市内でも区によって地価の変動は大きくことなります。所有している不動産の地域がどのように推移しているか、上昇している地域にはどのような背景があるのか確認することが大切です。

1-3.2027年リニア中央新幹線開業

名古屋市の地価上昇の要因の一つとして、2027年リニア中央新幹線の開業が挙げられます。リニア中央新幹線は、2027年に品川・名古屋間の開業を目指して工事が進んでいます。

新幹線も進化していますが、現状では品川と大阪間は2時間22分が限界でした。しかし、リニア中央新幹線が全線開通すると、品川と大阪間を67分で移動できるようになります。

名古屋・大阪間の開業は2045年とまだ先ですが、2027年に開業する名古屋は都市部へのアクセスが良くなるため、それを見越した需要増で名古屋の地価が上昇している可能性があります。

1-4.名古屋の再開発事業

名古屋市では、リニア中央新幹線の開業に先駆け、2002年に駅周辺を「都市再生緊急整備地域」に指定し開発を進めてきました。

2014年リニア中央新幹線の計画が認可を受けてからは、さらに再開発が積極的に行われています。再開発の中心地である中区の地価公示が10年間で約3.6倍に上昇した理由の一つになった可能性があります。

2.2020年は不動産売却に適したタイミング?

名古屋市は、2027年リニア中央新幹線の開業を控えており、注目されています。また、駅周辺の再開発も積極的に行われており、今後も地価が上昇する可能性があると言えるでしょう。

しかし、名古屋市全体が上昇傾向にあるわけではありません。エリアによっては人口減少による賃貸需要の減少、地価下落が目立っているエリアもあります。名古屋は地価が上昇しているから安心、と考えるのではなく、それぞれ個別に確認しておくことが大切です。

また、不動産の価格は地価や賃貸需要だけでなく、金融機関の融資状況や物件ごとの築年数、間取り、立地条件が大きく関わります。

人口や地価が上昇している地域であっても、定期的に家を査定し、どのような価格推移をしているのか、どのタイミングで売却すると良いのか、慎重に判断することが大切です。

2-1.定期的に不動産の査定をしておく

不動産の価格は地価や人口変動、大きなイベントによって変動することがあります。しかし、不動産によって築年数や構造、管轄の金融機関が異なるため、全体的な数値データだけで売却時期を判断することは難しいと言えます。

そこで、不動産を定期的に査定依頼し、どのような価格推移をしているのか、今はどのような価格になっているのかを確認しておきましょう。

不動産会社に査定を依頼する際は、複数社に一括で査定依頼できる不動産一括査定サービスの利用を検討しましょう。複数の不動産会社による査定結果を比較することで、より信頼性の高い査定価格を知ることが出来るためです。

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【関連記事】不動産査定会社・不動産売却サービスのまとめ・一覧

不動産一括査定サービスは不動産売却を検討している段階でも登録可能です。サイトごとに登録している不動産会社が異なるため、所有している不動産に合わせて登録するサイトを選ぶと良いでしょう。

まとめ

名古屋市全体の地価公示を見てみると、10年前の地価公示と比べた際に下がっている区は港区と南区の16区中2区しかありませんでした。しかし、その2区は人口減少も顕著な地域なので、人口が減少傾向にある北区、中村区、中川区も将来的に地価が下落していく可能性があり注意が必要です。

他のエリアは地価が上昇していますが、再開発やリニア中央新幹線の開業の影響を受けて地価が上昇しているのであれば、いずれ下落する可能性もあるでしょう。

少しでも高く・早く家を売りたい場合は、この記事に書かれているポイントを押さえながら常に名古屋市の状勢、それぞれの不動産の価格推移に着目しておくことが大切です。「今ならいくらで売れるのか?」「5年はどうなっているのか?」と定期的に確認し、事前に準備しておくことが重要と言えるでしょう。

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矢野翔一

関西学院大学法学部法律学科卒。宅地建物取引士、管理業務主任者、2級FP技能士(AFP)などの保有資格を活かしながら、有限会社アローフィールド代表取締役社長として学習塾、不動産投資を行う。HEDGE GUIDEでは不動産投資記事を主に担当しています。専門用語や法律が多く難しいジャンルですが分かりやすくお伝えしていきます。