グアム不動産投資のメリット・デメリットは?リスクや注意点も

グアムは手ごろにアメリカ不動産投資を始めたいと考えている方から選ばれやすい投資先と言えます。グアムは日本から一番近いアメリカであり、客付けに関してもリゾートエリア独自の戦略を立てることができます。

この記事では、グアムで不動産投資をするメリットと要注意のデメリット・リスクなどについて解説します。

目次

  1. グアム不動産投資のメリット
    1-1.アメリカでありながら日本から近い
    1-2.客付けの戦略次第で家賃滞納のリスクを抑えられることも
    1-3.アメリカのリゾート地としては物件価格が割安
  2. グアム不動産投資のデメリット
    2-1.物件の選択肢が少ない
    2-2.観光地としてのポテンシャルが比較的小さい
  3. グアム不動産投資の注意点やリスク
  4. まとめ

1.グアム不動産投資のメリット

世界中にあるリゾートエリアの中でも、グアム不動産は比較的に注目度の低いマーケットです。しかし、グアムの不動産市場は他のエリアに無いメリットをいくつか持っています。

1-1.アメリカでありながら日本から近い

グアム不動産投資が持つメリットの1つは、アメリカの領土でありながら日本から近く、物件の現地確認も容易なことです。グアムはフィリピンの東に位置するアメリカの準州であり、飛行機による日本からの所要時間は約3時間半となっています。

日本からハワイ(ホノルル)までの所要時間は7時間半から9時間、アメリカ本土のロサンゼルスまでは10時間から12時間です。グアムは日本から最も近いアメリカであると言えます。

また、日本から近い分、グアムと日本との時差は1時間と短くなっています。時差の大きさが東南アジア諸国とほとんど変わらないため、とても気軽に現地へ行けるのが特徴的です。

移動に時間がかかったり、投資先に大きな時差があったりする海外の不動産投資において、物件視察が容易なのは大きなメリットです。物件周辺の環境を確認したり、現地の不動産エージェントに会ったりすることで、精度の高い投資判断ができるようになります。

1-2.客付けの戦略次第で家賃滞納のリスクを抑えられることも

グアムの不動産市場が持つ特徴の1つは、グアムのアメリカ軍基地に勤める人の入居を狙えるということです。グアム島は東南アジアに極めて近いアメリカ領なので、アメリカ軍はグアム島を太平洋地域の重要拠点と捉えています。

このため、島内にはアメリカ軍の空軍基地や海軍基地などがあり、グアム島の住民には軍人や基地内で仕事をしている人が少なくありません。

軍人や基地内の仕事に従事する人などは、アメリカ軍から家賃補助を受け取っています。このため、軍関係の仕事に従事している人は、他の仕事をしている人と比べて家賃滞納のリスクが低くなっています。(※参照:OHA「GUAM(Effective: 20230516)」)

特に、グアム島西のロックウッドテラスというところに海軍基地があるので、基地の周辺や島南部のサンタ・リタというエリアで投資すれば、軍関係者の入居を狙うことも可能です。

なお、沖縄のアメリカ軍基地に駐留する海兵隊約4,000人が、2024年以降にグアムの基地(キャンプ・ブラズ)へ異動することが決まっており、グアムでは今後アメリカ軍の軍人が大幅に増える見通しです。(※参照:防衛省「令和4年版防衛白書 3沖縄における在日米軍の駐留」)

軍の異動に合わせて投資を進めれば、軍人の入居を狙うこともできるでしょう。

1-3.アメリカのリゾート地としては物件価格が割安

ハワイほどではありませんが、グアムもビーチリゾートとして人気を集めるエリアです。しかし同じリゾート地でありながら、グアムの不動産価格はハワイと比較すると割安になっています。

グアムの不動産会社であるLiving On Guam Realtyの「Guam 2022 Year-End Market Report」によると、2022年における戸建物件平均取引価格は$495,056、コンドミニアムの平均取引価格は$320,956です。戸建物件の平均取引価格は2021年から7.05%上昇しており、コンドミニアムの平均取引価格は2021年から13.8%上昇しています。

なお、違う時期のデータなので純粋な比較にはなりませんが、ホノルルの不動産協会が発表した「Market Reports」によると、2023年9月時点におけるコンドミニアムの中央価格は53万2,500ドル、戸建物件の中央価格は105万ドルです。

2.グアム不動産投資のデメリット

グアムの不動産投資について注意すべきは島の狭さです。不動産は都市開発に紐づいて建設されることが多いため、開発できる土地が少ないことはデメリットになり得ます。

2-1.物件の選択肢が少ない

グアム島は面積が549㎢とあまり大きな島ではありません。ちなみに、ハワイの州都であるホノルルがあるオアフ島の面積は1,545㎢なので、グアム島の面積はオアフ島の3分の1強となっています。

また、グアムの不動産はその多くが戸建住宅であり、ハワイと違ってコンドミニアムがあまり多くありません。島そのものがあまり広くないうえに、不動産の多くが戸建住宅となっているため、必然的に物件数が少なくなっています。

物件総数が少なければ良い物件も限られるうえに、良い物件を巡る競争を激化することに繋がります。グアムで良い物件に投資するのであれば物件選びに注力する必要があり、日本から遠隔だけで投資を済ませたいという場合にはハードルが高くなります。

2-2.観光地としてのポテンシャルが比較的小さい

前項でグアム島はあまり広くないことを解説しましたが、あまり広くないということは、観光地としてはデメリットになり得る一面もあります。観光客が簡単に島をまわりきってしまうと滞在期間が短くなるためです。

滞在期間が短くなると、観光客が現地で消費する金額も小さくなるため、経済的な貢献度も小さくなってしまいます。経済成長は不動産市場にも影響を与えるため、観光以外の産業が拡大するかどうかが不動産投資にも影響します。

また、例えばハワイでは2023年6月に州内初となる鉄道が開通しました。観光地では交通インフラの整備や都市開発が呼び水となって観光客が集まることも考えられます。しかし、2023年時点のグアム島では新たな交通インフラ整備などの予定はありません。

【関連記事】ハワイ不動産投資のメリット・デメリットは?リスクや注意点も

3.グアム不動産投資の注意点やリスク

グアムの不動産投資で最も注意すべきポイントは不動産業者の見極めです。アメリカ本土の大都市と比較すると、グアムは不動産投資先として日本人投資家から大きく注目されているわけではありません。

このため、例えばカリフォルニアやテキサスには進出している日系不動産企業でも、グアムに進出しているところは少なくなっています。人数がそれほど多くない中から信頼できる不動産エージェントを見極めるのは難しいものです。また、現地人の不動産エージェントを見極めるのは、さらに難易度が高くなります。

最初に希望する投資の概要を決めたら、そのあとは不動産エージェントの見極めに多くの時間と労力を割く必要があるでしょう。

まとめ

グアムの不動産投資は、容易に現地確認できるところや軍人向けの投資戦略を選択できるところなどにメリットがあります。その一方で、島そのものが比較的小さいため、ハワイなどと比較するとキャピタルゲインは狙いにくいと言えるでしょう。

また、物件の選択肢があまり多くない点にも留意する必要があります。グアム不動産投資のメリットを享受するためには、不動産エージェントや物件を選ぶのにある程度時間がかかると考えておきましょう。

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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム

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