首都圏の新築マンション価格は上昇を続けている一方で、空き家率の上昇やアパートローンが引き締めのトレンドに転換するなど、不動産投資を検討している方にとっては、判断の難しい状況が続いています。
この記事では、2018年までの動きと今後のイベントを整理して、どのように不動産投資に取り組んでいくのが良いかを考えていきたいと思います。
- 2018年までの主な動きの整理
- 不動産投資に影響がありそうな今後のイベント
- これから不動産投資を始めるなら、何に投資すべき?
2018年までの主な動きの整理
まずは、これまでに影響が大きかった動きを整理していきましょう。以下が2015年から2018年までで不動産投資に影響の大きかったイベントとなります。
- 2015年1月:相続税改正
- 2016年1月:マイナス金利の導入
- 2018年2月①:株式市場の急落
- 2018年2月②:黒田総裁の続投
2015年1月:相続税改正
不動産投資に影響の大きかった動きの一つが相続税の改正です。2015年の改正により、課税対象者数がこれまでの倍となり、相続税対策として現預金や有価証券と比べて資産価値が大きく圧縮できる賃貸を目的とした不動産(タワーマンションやアパート等)への投資に注目が集まりました。
2016年1月:マイナス金利の導入
相続税対策の不動産投資を後押ししたのが、2016年から始まったマイナス金利政策です。マイナス金利政策により金融機関の融資が拡大し、住宅ローンや不動産投資ローンが借りやすくなったことで、不動産への投資が一層加速しました。
2018年2月①:株式市場の急落
2017年は世界的に緩やかな景気回復と低インフレが共存し、「適温相場」と言われてきましたが、2018年2月に米長期金利が急上昇したことをきっかけにダウ平均が急落し、日経平均株価も大きな下落となりました。不動産投資に直接影響したというよりは投資家心理が変化する節目となったイベントです。株価が大きく下がったことにより配当利回りが上昇し、現在はインカムゲインを狙う投資が増えてきています。
2018年2月②:黒田総裁の続投
2018年2月に黒田総裁の続投も決まり、2023年4月までは黒田体制で金融政策が続行することになりました。インフレ率の目標は2%で据え置かれており、ここ数年のインフレ率は0.5%~1%程度ですので、今後も目標達成に向けて積極的な金融政策が展開されていくと考えられます。
マイナス金利政策もしばらく続きそうですが、地銀のアパートローン引き締めの動きや相続対策の不動産投資が一服したことで、2018年1月の貸家(アパートなど)の着工件数(国土交通省・住宅着工統計)は前年同月比8ヶ月連続のマイナスとなっています。
不動産投資に影響がありそうな今後のイベント
それでは、これまでの動きを踏まえ、今後の動きについても詳しく見ていきましょう。
- 2018年6月:住宅宿泊事業法(民泊新法)の施行
- 2019年10月:消費税率が10%に増税予定
- ~2020年①:東京オリンピックへの期待とインフラ整備
- ~2020年②:建築需給の逼迫による建築価格の上昇
- ~2040年:東京再開発計画による土地の価値や人口増
- 2040~2045年:東京都内の人口が現在よりも少なくなる
2018年6月:住宅宿泊事業法(民泊新法)の施行
今年予定されている動きとしては、住宅宿泊事業法(民泊新法)の施行があります。民泊新法の施行後は、民泊ホストは都道府県知事(保健所設置市はその首長)に対して届出をすることで、旅館業法の許認可がなくとも「住宅宿泊事業」、つまり民泊を運営することが可能となります。
一年間の営業日数上限は180日以内、各部屋の床面積に応じた宿泊者数の制限、清掃など衛生管理が必要といった制限はありますが、法整備が行われたことで民泊への参入が加速すると考えられています。
不動産投資の事業会社でも、賃貸物件に民泊需要を取り込むことで、物件の稼働率向上や収益改善につなげようとする新しい動きが見られており、動向に注目が集まっています。
2019年10月:消費税率が10%に増税予定
2019年10月には消費税率が10%に増税される予定となっています。これに伴い、駆け込み需要で住宅購入や不動産投資が増えるのではないかと考えられます。不動産価格は高値圏が続いていますが、オリンピック前後まではこうした需要が価格を下支えする可能性が高いでしょう。
~2020年①:東京オリンピックへの期待とインフラ整備
2020年に開催される東京オリンピックは、都市開発やインフラ整備が進む、世界から日本に注目が集まるといったプラスが期待されており、開催地の湾岸周辺はもちろん、東京都全体への期待が高まっています。
東京が国際都市としての魅力を高めていくことができれば、オリンピック以降も海外からの住宅購入や不動産投資の需要を取り込んでいくことができるでしょう。
~2020年②:建築需給の逼迫による建築価格の上昇
2011年の大震災以降、倒壊した家屋やビルの建て直し、全国の旧耐震の建物の耐震対策など建築特需が発生し、建築価格の上昇が続いていました。その状況下で東京オリンピックが決まったため、2020年までの建築需給が逼迫し、現在も建築価格の上昇トレンドが続いています。
建築価格の上昇は、不動産価格がなかなか下がらない要因の一つでもあるので、オリンピック後しばらくは建築価格の上昇が不動産価格を下支えすると考えられます。
~2040年:東京再開発計画による土地の価値や人口増
東京では、オリンピック終了後の2020年以降にも大手町・虎ノ門・八重洲エリア、銀座エリア、日本橋・京橋エリア、渋谷・品川エリアなどで再開発プロジェクトが予定されており、都心から通勤圏内にある土地や不動産の価値が上がっていくのではないかと予想されています。
2040~2045年:東京都内の人口が現在よりも少なくなる
以下は東京都政策企画局が出している2060年までの東京の人口推移予測となりますが、2025年~2030年にピークを迎えた後、2040~2045年頃に現在の人口水準を下回るということが分かります。
現在よりも人口が減少すれば、賃貸需要も減少することが予想されるので、2045年以降には全体的な賃料下落や不動産価格の下落も想定されます。
これから不動産投資を始めるなら、何に投資すべき?
以上の内容を整理すると、今後の不動産投資を考える上では、以下のような点が重要なポイントになってくると考えられます。
- 黒田総裁続投で金融政策は現在の路線を継続。インフレが続く可能性大きい
- 2020年のオリンピック後も建築需要は大きく、不動産市場を下支えする
- 首都圏は2040年まで都市開発による土地の価値向上や人口増が期待される
- 2040年~2045年頃には、東京でも人口が減少する可能性がある
これらを踏まえて、投資エリアが首都圏で、投資期間が2018年から2045年頃までという条件での不動産投資を考えてみたいと思います。
まず、投資エリアについては、首都圏の中でも都心は新築マンションの利回りに3%台が見られるなど、地価の高騰が今後の懸念材料になり始めていますので、価格の上昇余地がある都心へのアクセスが良い土地(電車で数十分程度)での不動産投資を考えたほうが良いでしょう。
また、物件については、2018年から2045年頃までの25年前後という投資期間を考えると、法定耐用年数が47年の新築マンションよりも、築10年~築20年の中古マンションや新築アパート(法定耐用年数が22年)が収益を最大化しやすいと考えられます。なお、築10年~築20年の中古マンションの場合、金融機関によっては融資の際に頭金を1割から2割求められることがあり、投資効率が低くなる可能性があることを念頭に入れておいたほうが良いでしょう。
一方、新築アパートのほうも昨年からアパートローンの融資審査が徐々に厳しくなってきていますが、融資に強いアパート会社と組むことでフルローンで始めることは可能です。たとえば、アパートの品質や収益性が高く、金融機関からの評価も高い会社がシノケンプロデュースです。
新築アパートの会社の中でもアクセスの良い土地の確保に特にこだわっており、首都圏のターミナル駅から電車で30分圏内、駅徒歩10分以内という好立地にアパートを建てているため、「都心のマンションは賃料が割高なので住むのは難しい、郊外の物件は交通が不便なのでNG」といった単身者のニーズをうまくとらえることができ、通勤・通学の利便性を重視する入居者からの人気を集めています。
一般的にアパートは築10年を境に入居率が落ちやすいと言われていますが、シノケンプロデュースのアパートは駅徒歩10分以内というアクセスの良さが他物件との差別化要因となり、築25年以上の物件も含んだ管理物件30,000戸超の入居率は99%を実現することができています。
この物件の特徴についてもっと詳しく知りたいという方は、資料請求や個別面談などを一度利用してみると良いでしょう。
まとめ
今後は2018年6月の民泊新法の施行による民泊需要の拡大、2019年10月の消費税増税に伴う駆け込み需要の発生、2020年の東京オリンピック開催や2040年頃までの都市再開発計画、2045年以降は東京都でも現在より人口が減少するなど、色々な動きが想定されます。マクロの動きをしっかりと理解した上で、賢く不動産投資を進めていきましょう。
HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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