不動産クラウドファンディングサービスのCREAL(クリアル)は、2018年12月のサービス開始以降4年間半近いサービス運営歴があります。2023年4月時点の募集実績は件数が82件、金額は累計で286億円を突破しています。
不動産クラウドファンディングでは、ファンドで運用する不動産がきちんと収益を出せるか、そのリーシングリスクに気を配りながら投資することで、利益が出る確率を高められます。
今回の記事では、不動産投資で注意したいリーシングリスクについて確認し、CREALで実際に行われているリーシングリスク対策の事例について解説していきます。
CREAL(クリアル)
CREALは、東証グロース上場企業のクリアル株式会社が運営している不動産投資型クラウドファンディングサービスです。1口1万円から小口不動産投資を始めることができ、運用資産評価額の下落が一定割合までであればクリアルが損失を負担する仕組みになっており、少額・短期で始めてみたい初心者の方も利用しやすいサービスです。
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目次
- 不動産のリーシングリスクとは
1-1.事業用不動産の客付けに関するリスクを指す
1-2.リーシングに失敗した場合 - 不動産投資におけるリーシングリスクの対策事例
2-1.物件の価値を上げて競争力を高める
2-2.設定賃料と賃貸需要のバランスをとって収益性を維持する
2-3.マスターリース契約によるリーシングリスク対策 - CREAL(クリアル)のリーシングリスク対策の事例
3-1.マスターリース契約による賃料保証
3-2.テナントと5年間の1棟貸しの定期借家契約を締結
3-3.20年間の建物賃貸借契約による収益の確保 - まとめ
1.不動産のリーシングリスクとは
まず、不動産のリーシングリスクとは、どういうものなのかということを確認しておきます。
1-1.事業用不動産の客付けに関するリスクを指す
不動産業界におけるリーシングとは、商業用不動産の賃貸を支援する業務のことを指します。つまり、リーシングリスクとは運用物件に入居するテナントが想定通りに集まらず、収益を得られない可能性のことを指しています。
空室による収入減を発生させないために、どのような集客対策をするのかという点が不動産ファンドの収益性を見る視点で重要となってきます。
1-2.リーシングに失敗した場合
リーシングに失敗すると、入居者がいないため賃料収入を得ることができません。不動産クラウドファンディングの大半のファンドは、賃貸収入を投資家への配当の原資にしています。そのため、空室が長引くと収益が下がって利回りの低下につながります。
また、不動産クラウドファンディングのファンドは、多くの場合、物件運用終了時に運用物件の売却を行います。しかし、売却時に空室が多いと物件売却価格が下がることも考えられます。そういった事態になると、売却価格が下がり投資家に対して出資元本の満額を返済できないことも起こりえるのです。
2.不動産投資におけるリーシングリスクの対策事例
リーシングリスク対策をするためにはどういったことが行われているでしょうか。不動産運用におけるリーシングリスク対策を見ていきましょう。
2-1.物件の価値を上げて競争力を高める
物件の空室を発生させないためには、入居者にとって魅力のある物件にすることが考えられます。他の部屋よりも設備や美観が優れている物件であれば、綺麗な部屋を望む人や快適な部屋を望む人などにとっては魅力的な物件となってくるでしょう。
物件の魅力を上げるには、リノベーションやリフォームを行なって物件の価値を上げることが考えられます。特に築年数が古く、建物の老朽化が進んでいる場合はリフォームやリノベーションは効果的です。
2-2.設定賃料と賃貸需要のバランスをとって収益性を維持する
不動産のニーズが豊富なエリアでは、周辺に競合物件が増えてくることが頻繁にあります。新しい物件が後から建てられれば、顧客の注目度はそちらに集まってしまい、リーシングリスクが高まることもあるでしょう。
集客力や競争力を高めるためには、賃料を下げるというのも一つの手段です。ただし、むやみに賃料を下げると収益性が下がってしまうため、周辺の賃料相場を見ながら慎重に検討され、運用コストを下げて収益性を確保することも行われます。
委託先を選定し管理コストを下げたり、効率的な物件管理や修繕、清掃の見直しを行い、賃料が下がった場合でも収益性を維持できるように準備しておくこともリーシングリスク対策の一つです。
2-3.マスターリース契約によるリーシングリスク対策
不動産クラウドファンディングのファンドの運営では、空室が起きても一定の収入を確保できるような対策も行われます。もっともよく行われる契約方法は、マスターリース契約です。
マスターリース契約は、建物を部屋ごとではなく一棟ごと管理事業者に貸し出して賃料を設定し、空室の有無にかかわらず毎月同じ額の賃料を得ることができる契約のことです。この場合、空室になっても収入は変わらないので、マスターリースであれば利益を得られる可能性は高くなります。
ただし、マスターリース事業者は、借り上げた物件を転貸することで収益を上げています。事業者側でリーシングに失敗して空室率が高まると、マスターリースが解約されたり、賃料の相談が行われるケースもあります。つまり、マスターリース契約は一定のリスク対策になりますが、リーシングリスクを完全に排除できる契約方法ではないということに注意しましょう。
3.CREAL(クリアル)のリーシングリスク対策の事例
実際にCREALがどのようなリーシングリスク対策を行っているか、過去に募集が行われたファンドの事例から詳細を確認していきましょう。
3-1.(仮称)CREAL王子North/South:マスターリース契約による賃料保証
「(仮称)CREAL王子North/South」では、CREALはマスターリース契約による賃料保証を設定しています。建物を一棟ごと貸し出すことで、空室があっても毎月一定の賃料が入るようにしています。
マスターリース契約によって賃料収入が一定化されており、将来の収益を見込みやすく、投資家への分配金を保全する役割を担っていることが分かります。また、CREALのマンション一棟ファンドは、マスターリース契約を結んでいるものが多く見受けられます。
3-2.(仮称)CREAL ロジスティクス東京鹿浜:テナントと5年間の1棟貸しの定期借家契約を締結
「(仮称)CREAL ロジスティクス東京鹿浜」では、物流施設を運営するファンドにおけるリーシングリスク対策を行っています。物流施設を利用するテナントと5年間の一棟貸しでの定期借地契約を締結し、長期間にわたる借家契約によってファンドの運用期間中の賃料を確保することが可能となっています。
3-3.(仮称)ミラッツ市川宮久保保育園:20年間の建物賃貸借契約による収益の確保
「(仮称)ミラッツ市川宮久保保育園」は、保育園を運営するファンドです。ファンドの運営にあたって20年にわたる長期の建物賃貸借契約を結んでいます。保育園は公共の福祉に関する施設であり自治体などの補助金も原資の一部として運営が行われます。
また利用者にとって重要度が高い施設であるため、補助金を受ける代わりに短期間で経営をやめることができない種類の不動産案件だと言えます。そのため長期間にわたっての賃貸借契約も結びやすく、このファンドにおいても20年という長期間の運用契約となっています。
このような長期契約であれば建物の賃料の金額も大きくは変わらず、ファンドのリーシングリスクは非常に限定的であるということが言えるでしょう。
まとめ
CREALはファンドの安定した運用を行うために、様々な形でリーシングリスク対策を行っています。マスターリース契約や長期賃貸借契約を結ぶことで一定期間の賃料を確保し、投資家に対しても一定の分配を行えるような仕組みづくりがされています。
ただしマスターリース契約でも途中解約は起こりえます。また、長期の賃貸借契約も途中で賃料の見直しなどが入る可能性はあります。リーシングリスク対策と共に、CREALの公開情報を見ながら、自身でもファンドに関する収入や予測の数字が妥当なものか、慎重に投資判を行ってから投資を検討していきましょう。
HEDGE GUIDE 編集部 ソーシャルレンディングチーム
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